自分は知らない和の文化についてあれこれ見せられていると、同性としてはなんだか悔しいとか、そんな感情が芽生えたりするのかな? と思う今日この頃です。
トレセン学園から30分ほどにあるレンタル茶室。私にとっては無縁の場所だと思ってたけど、今日は担当ウマ娘であるグラスに誘われて、ここでグラスの用意してくれた茶を口にしている。
「……けっこうなお点前です」
グラスの淹れてくれたお茶を飲み、ホッと息を吐く。お茶は確かに美味しいん……だけど、どうもマナーを間違えたら何かあるんじゃないかと緊張しちゃう。だってグラスだもん。エルちゃんがよくヤらかして怒られてるし。
「そう言って貰えると嬉しいです。お茶菓子もどうぞ、召し上がってください」
「う、うん。ありがとう」
グラスの様子を見るにマナー違反はしてない……かな? 取り敢えず茶菓子を食べて気分を落ちつける……あ、これ美味しい、どこの茶菓子なんだろ? 今度買おうかな。
「ふふ、こうして穏やかな時間が過ごせるのは良いですねぇ。レースもしばらくはないですし……このまま、穏やかに過ごしていきたいですねぇ」
「ん……まぁ、そうだよね。いっつも張りつめてると疲れちゃうし、たまにはこうしたゆっくりとした時間を過ごすのも悪くないよね」
お茶菓子をパクパクしてた私は慌ててグラスの言葉に返答する。でも……本当、このままお日様の光と草の薫りに包まれてお昼寝とかしたくなっちゃうなぁ。
「では~……お茶はそろそろお開きにしましょうかぁ。道具を片付けますので少々お待ちくださいね」
そう言ってグラスは茶道具を纏めて片付けていく。うん、けっこうな時間正座してたと思うけど、よくあんなに動けるなぁ。私そろそろ限界だよ。グラスが道具を片付け終えてお暇するまで持つかな……。
「トレーナーさん、それでは本日はこのまま耳かきもしていきましょうか。こんな穏やかな時間ですし、きっと気持ちの良い時間を過ごせますよ」
「ん? ……えーと、今日は耳かきをするというのは聞いてないんだけど?」
道具を片付け終わって、そろそろ立とうかと言うタイミングで予想外の言葉が聞こえ、思わず聞き返す。
「はい、言っていませんから。でも、たまにはドッキリで驚いてもらうのも悪くないかと思いまして」
ちょ、悪戯が成功した子供みたいな事言ってるんですけど。おまけに自分の膝を叩いて促してきてるんですけど。
「さぁ、トレーナーさん。早くこちらに来てくださいな。時間はまだまだありますから……ゆっくりと、耳かきを楽しんでくださいな」
視線をチラッと出入り口に向け、次にグラスとの位置を確認して……うん、これ、逃がす気ないね? そりゃまぁ、こういう狭い茶室じゃぁ、仮に立ち位置が逆だったとしても逃げられる自信なんてないけど。絶対に腰を抱きしめられてそのままあっという間にグラスの膝上に収まってる自分が見えちゃうよ。
「う、うん。それじゃぁ、お言葉に甘えて……」
ちょっと迷ったけど、そもそも前にグラスに耳かきをお願いしたこともあるし、同性なんだから別に大丈夫だよね。と言うわけでおとなしく彼女の膝に頭を置いて膝枕を味わう……けど、頭を撫でられるのは流石にちょっと……ね?
「それでは~……まずはトレーナーさんのお耳の毛を剃っていきましょうかぁ」
「ん、痛くないようにお願いね」
「勿論ですよ」
グラスは了承の言葉と共に耳たぶに剃刀の刃を近づけてきた。当たった時の冷たさに思わず体が固くなる。
ショリショリ……ショリショリ……
ショリ……ショリ……
耳たぶや外側の毛が剃られていく。音からして特に濃さもない薄い産毛とかだと思うけど、それでもやっぱり耳の毛を剃られると音がよく聞こえてくる。で……痒いぃぃぃ。痒くてすぐにでも掻きたくなっちゃうよぉ。
「うあぁ……痒い……ムズムズする」
「ダメですよぉ、剃ってる最中に動くのは危ないんですから。この辺ですか? 掻いてあげますね」
痒いって訴えると剃刀が離れていって、代わりにグラスが爪でカキカキと掻いてくれて……ふー、痒かった。
「ふぅ……痒かった」
「あらあら、次はもうちょっと早めに剃っていきますね。さぁ、剃った毛はウェットティッシュで拭きとって……中の毛も剃っていきますね」
ホーッと息を吐いてると、ウェットティッシュで外を拭かれていって、次に耳の穴が広げられて、剃刀の刃が耳の中に入ってくる。
ジョリジョリ……ジョリジョリ……
プチプチ……ジョリジョリ……
外側を剃っていた時よりも大きい音で耳の中の毛が剃られていく。敏感な耳の中に刃が入って動いてると思うと正直怖い……それに痒いしで、早く抜いて欲しい! 早く、早く!
「では、綿棒で剃り落とした毛を先に取っていきますね。トレーナーさん、ちょっと痒そうですし」
「うん、早く! 早く取って! 痒いよー!」
私が必死に訴えると、グラスが微笑みながら綿棒で耳の中の毛を絡めとってくれて……ふー、痒かったー。
「どうですかぁ? もう痒くないです?」
「うん、もう大丈夫。なんとか痒みも収まったよ」
「では、奥の方の掃除をしていきましょうね」
カリカリカリ……カリカリカリ……
カリカリカリ……カリカリカリ……
耳かきが出っ張りの奥……普段は絶対に物が入ってこない所にまで差し込まれていく。あー……うん、怖い。怖いんだけど、普段物が当たる事のない場所に入ってくる耳かきの感触にとってもゾクゾクしちゃう。
「トレーナーさん、どうですかぁ? まだ痒い所はありますか?」
「あー……んー……大丈夫……かな」
怖いのは怖いけど、同時にゾクゾクッてする感覚を味わいたいし、グラスならきっと大丈夫だと信じて、大丈夫だと答える。
カリカリ……ガリガリ……
ガッ……ベリッ……ベリッ……
耳の奥の耳垢を掻かれると、出っ張りの手前よりもゾクゾクして、聞こえてくる音も大きくて、なんだか普段の耳かきと比べて新鮮さを感じる。
「さぁトレーナーさん。粗方の耳垢も取れましたので、梵天で粉を取っていきましょうか」
「あ、今回はちょっと早かったね。そんなに汚れてなかったの?」
「そうですねぇ……耳毛が濃かったぐらいですね。ですのでこちら側の掃除はこの辺りにしておきますね」
う……汚れてなかったのはいいけど、毛が濃いって言われるとちょっと女として傷つく所はある……で、でも、普通は人目に付く場所でもないし、セーフ、セーフ……って、ほああああああ!? な、何この感覚!?
「ほおおおおおッ……ちょ、奥に尻尾……? 尻尾が奥に……!?」
「軟骨部分より先まで入りますものね♡ ほらほら、耳毛を剃って敏感になってる部分や、普段異物が入る事のない奥にまで尻尾の毛が差し込まれるのは気持ち良いでしょう♡」
耳の中でグラスの尻尾がゴゾゴゾと出入りし、グルグルーと回って、そのたびに耳の敏感な部分をグラスの毛で撫でられて……ヤバイって……グラスに、グラスにこんな事されちゃうなんて……!
「では、この辺りでお終いにしておきますね。では、後はローションを塗って、ケアをしていって……と」
ぬるぬる……ぬりぬり……
ぬちょぬちょ……ぬりぬり……
身悶えしてる間に尻尾が引き抜かれて、次にローションが耳の中に塗りこまれていく。はー……危なかった……禁断の扉が開かれるかと思っちゃった。
「ふぅ……はぁー……ひんやりしてる……」
尻尾梵天と言う予想外の一撃からの衝撃からようやく回復してきた私は気を抜きながらローションのひんやりとした感触を味わっている。さて、これで後はもう片方を……。
「うふふ、気持ち良さそうですねトレーナーさん。そんなに油断しちゃだめですよ♡」
ふ~……ふ~……
ふ~……ふ~……
「ひょおおおい!?」
グラスの悪戯気な声が聞こえたと思うと、耳の奥の奥に彼女の吐息が奥の奥にまで届いた。気を抜いていた私にとってあまりの不意打ちに自分でも驚くほどのわけのわからない声が出た。
「はぁ……! はぁ~……びっくりした」
「うふふ、ごめんなさいトレーナーさん。あまりに無防備でしたから。さぁさぁ、今度は反対側を掃除していきますね」
驚きから回復する前に体の下に手が差し込まれてそのままコロリンと体が引っくりかえされて、グラスのお腹が私の目の前に広がっている。
「まずは、耳たぶ、耳の淵……濃くなっている耳の毛をチョリチョリチョリ……チョリチョリチョリ……」
「く、くすぐった……痒……!」
剃刀が耳を撫でるたびにくすぐったくて思わず手を伸ばしそうになるけど、歯を食いしばって我慢する。動いたら危ないもん!
「我慢してくださいねぇ。変に動いたら手元が狂ってしまいますから」
チョリチョリ……ゾリゾリ……
プチプチ……ゾリッ……
耳の中の毛も、チョリチョリと音を立てて剃られていく。うう……やっぱり、外側の毛を剃られてる時よりも怖いよぉ……できれば早く終わって……。
「耳の中の毛も剃ったので、先に剃り終わった毛を綿棒で掃除していって……」
「はうう……く、くすぐったい……」
グルグル……ゴゾゴゾ……
ズズズ……ゾゾゾ……
ウェットティッシュがくると思ったけど、綿棒で直接毛が絡められていく。くすぐったくて仕方ないけど、毛が絡めとられる事で痒みが収まっていくのでおとなしくしておく。
「では、次は軟骨の奥の方の耳垢を……耳かきで慎重に掃除していきますよ」
「ふ……ぅ……ちょ、ちょっと怖いよ、やっぱり」
カリカリカリ……カリカリカリ……
カリカリカリ……カリカリカリ……
耳の奥のほう、出っ張りの先に耳かきと言う異物が差し込まれて、普段は刺激なんて受けない場所でカリカリと耳垢が掻かれていって、引きずり出される。グラスなら大丈夫だと思うけど……うん、体が強張っちゃうよ。
「では~、尻尾で奥の粉もちゃーんと、掃除してあげますね♡」
「ううううう……ちょ、背徳感が半端ないんだけど……」
耳奥から耳かきが引き抜かれて、次に尻尾による梵天をやるって宣言された。これ、気持ち良いんだけど、それ以上に背徳感がヤバすぎるんだけど……。
ズズズ……ススス……
ズズ……コシコシ……
はうううう……マズイって……語彙が無くなるぐらいマズいって……!
「奥の掃除も終わったので、ローションで掃除した後の所に十分な保湿をしていきましょうね、トレーナーさん」
「はぁぁ……ふー……ふー……」
ぬるぬる……ぬりぬり……
ぬちゃ……ぬちょ……
尻尾梵天の背徳感に身悶えしている間に掃除は終わって、ひんやりしたローションで耳の火照りと心のざわめきが落ち着く。いや、普段なら十分な刺激なんだけどさ。
ふ~……ふ~……
ふ~……ふ~……
「ひょぉぉ……本当、奥まで届くよね」
「うふふ、届くように息を吹きかけてますからね」
出っ張りの奥、それこそ鼓膜ぐらいまで細長く吹き付けられた吐息が耳の中を通る。一回目よりは衝撃は少ないけど、それでも背筋がゾクゾクってして、思わず体がブルッて震えちゃう。
「さて……それでは、耳かきも終わりましたし……このままお昼寝しましょうね、トレーナーさん」
「ん……? 確かに眠いけど……ここの時間とか大丈夫なの……?」
「大丈夫ですよ、時間は多めに押さえてますから。トレーナーさんは何も心配せず、お昼寝してくださいね」
流石グラス、抜け目がないなぁ……じゃぁ、もう……寝させてもらおうっと。ふぁ……お休みぃ……。