ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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タキカフェで耳かきを書きました。

迷惑そうな態度をしてても、なんやかんやタキオンの相手をして、タキオンの意識が自分に向いてなかったらなかったでちょっとモヤッとするカフェって可愛いと思いませんか? 私は思います。

追記

今回アンケートを設定していますので、回答頂ければ幸いです。


タキカフェ

 ある日のトレセン学園の昼下がり、タキオンに用事のあるカフェは、嫌々ながらもタキオンの実験室に足を運んでいた。何かとカフェを実験に巻き込もうとしているタキオンに対してカフェは多少なりともうんざりとしていたが、用事があるので仕方が無いと自分に言い聞かせながら、彼女は実験室の扉を開く。

 

「……タキオンさん、何をしているんですか?」

 

 呆れかえった調子で聞いた相手であるタキオンは試験管から直接何かしら液体を飲んでいた。

 

「ゴク……カフェか。いやなに、少々徹夜をしてしまってね。スカーレット君に渡す分の予備の栄養剤を飲んでるところさ」

 

 そう言うとタキオンは空っぽになった試験管を試験管立てに戻す。それを見てカフェは深くため息を吐いた。

 

「タキオンさん……また徹夜ですか。それに……試験管から直接飲むのはウマ娘としての尊厳という物を……」

 

「何、いつもの事さ。それに洗うコップを減らせるなら合理的だろ?」

 

 その回答にカフェは再びため息を付く。そして、タキオンに近づくとじっくりと彼女の顔を見つめ始める。

 

「おいおいカフェ~。そんなに見つめられると私もちょっと恥ずかしいというものだよ」

 

「……黙ってください……徹夜、一日じゃないですね? 一轍にしては顔色が悪いです……」

 

 そう言ってカフェはタキオンを見つめ続けると、タキオンは少し考えてから答えた。

 

「いやいや、一徹だよ。その前は2時間ぐらいはちゃんと寝たさ」

 

 その言葉にカフェは大きくため息を付き、視線をお友だちに向ける。すると、お友だちは背後からタキオンをしっかりとホールドした。

 

「ちょ、なんだいこれは? カフェ、お友だちに何をさせているんだ?」

 

「少し待っていてください。道具の用意をしてきますから」

 

 そう言うとカフェは一度研究室を後にする。それを見送ったタキオンは少し身じろぎをしてみるも、お友だちのホールドから抜け出せる余地はなく、仕方なくそのままでいる。そしてしばらくしてカフェが戻ってきた。

 

「カフェー、いい加減開放してくれたまえよ。私はまだスカーレット君用のトレーニングメニューをだねぇ」

 

「……いいからおとなしくしていてください……あ、こっちに運んでもらえますか?」

 

 カフェは仮眠用ベッドに腰を掛けると、タキオンの微妙に後ろに視線を向ける。すると、タキオンの体が浮き上がり、カフェの膝の上に頭を置く形になった。

 

「カフェ? これは一体何なんだい? まさか、このまま子守歌でも歌ってくれるのかな?」

 

「はぁ……、まぁ、似たような物でしょうか。タキオンさん、耳が汚くなってますし、耳かきついでにこのまま寝てもらいます。貴女に拒否権はありません」

 

 そう言うと、カフェは手袋を外し、素手でタキオンの片耳を包み込み、そのまま筋肉が凝っている部分に指圧を始めていく。

 

「ギュッギュッ……グリグリ……ギューッ……」

 

「ふぁ……カフェ……ちょっと……これは眠くなるじゃないか……」

 

「まだ……我慢してください。耳かきが全部終わったら……気持ち良く寝れますから……」

 

 徹夜もあって、筋肉が凝り固まっているタキオンの耳をカフェは適切に指圧していき、血流やリンパの流れを促進し、解していく。

 

「ほら……ここも、こんなに凝って……グイッと……ギューッと……」

 

「んん……カフェ……ちょっと痛いんだが……」

 

「我慢……してください」

 

 そのまましばらくの間タキオンの耳をマッサージし続けていたが、程なくしてマッサージを終えたカフェはタキオンの耳から手を離し、耳かきを手にしてタキオンの耳の外側を掃除していく。

 

「耳の垢もこのまま……掃除していきますよ。カリカリカリ……カリカリカリ……」

 

 小さく囁きながら耳の外側を掻いていき、指圧で少し汗をかき始め、水分を吸って粘り気のある汚れを搔き集めていき、ティッシュの上に捨てていく。窪みも、縁も、余すところなく、耳かきは掻いていく。

 

「カフェ……ちょ……こそばゆいじゃないか。やりすぎじゃ……ないのかい?」

 

「これぐらいで……ちょうど良いんです……貴女の場合は」

 

 放っておけばいつまでたっても大した身づくろいもしなくなるタキオンの事をわかっているカフェは、この際なのでとしっかりと耳かきをしていく。人間よりも大きい耳の外側の掃除には多少なりとも時間がかかったが、それでも外側にはやはり耳垢の塊のような物もなく、耳の中と違って非常に取れやすい事からそこまで時間がかかる事もなく、程なくして掃除を終えた。

 

「……さぁ、ここから中の掃除をしていきますから……おとなしくしていてください」

 

「んん……だがねぇ……私もまだやらないといけない事があるのだがねぇ……」

 

「問答無用です」

 

 タキオンの不満をバッサリと切り捨てたカフェは耳の中に耳かきを差し込んでいく。手前から見える固まった耳垢に先端が引っかかり、そのまま引っ掻き始める。

 

「カリカリカリ……カリカリカリ……ペリッ……ほら、こんな手前にもう耳垢がありました……不衛生な生活をしている証拠です」

 

「さ、流石に……ん……風呂ぐらいは……ちゃんと入っているさ……」

 

「その辺りもトレーナーさんに色々準備してもらってますよね……本当、生活力の無い人……」

 

 そんな事を言いながらもカフェの手は動き続ける。手前の耳垢を取り、奥に耳かきを伸ばしていき、しっかりと耳垢を見据え、タキオンの耳の中を傷つけないように慎重に耳かきを動かす。

 

「カリカリカリ……カリカリカリ……」

 

「カフェ……ちょ、くすぐったい……」

 

「我慢……してください……」

 

 途中、カフェの囁きをくすぐったく思うタキオンを我慢させつつ、耳かきは動き続ける。そうして暫くの間続いた耳かきは、やがて、カフェが最後の耳垢を掻き出した事で終わりを告げた。

 

「はい……これで大体の掃除は終わりました……後は、綿棒で貴女の耳の中をグルグルグル……と掻きまわしていって……粉を絡めていきます」

 

「ふぅー、やっと終わったんだね。やれやれ……さすがの私もこのままじゃ寝落ちしそうだったよ」

 

「……ふぅー、ふぅー」

 

「おっふ!?」

 

 綿棒で粉を絡め終わったのを確認した後、軽口を叩くタキオン。それを見たカフェは予告なしに突然タキオンの耳に息を吹きかける。

 

「……油断した貴女が悪いので謝りません。それでは、反対側をしていきましょう」

 

「く……それにしても敏感な耳に息を吹きかけるのはどうかと思うんだがね」

 

 タキオンがジト目で見上げてくるのを無視してカフェは反対側の耳を摘まむ。

 

「……それではこちらの掃除をしていきます。先程と同じ内容になりますから……おとなしくしてください」

 

 そう言うと、カフェはタキオンの耳を両手で包み込み、先程と同じように指圧マッサージをしていく。

 

「ニギニギ……ギュッギュッ……グリグリグリ……」

 

「ん……ちょ、痛い……ちょっと痛いぞカフェ」

 

「我慢……してください……」

 

 マッサージに文句を言うタキオンにカフェは気にする様子を出さずに指圧を続けていく。そして大体の凝りを解したところで耳かきを手にする。

 

「カリカリ……ガリガリ……タキオンさんの耳垢は……時々茶色く固まっている物がありますね……ほら、こんなのが」

 

「ちょ……あんまり言わないでくれないかな……? ちょっと恥ずかしいよ。と言うか見せないでくれたまえ」

 

 耳垢を掻き出していき、ティッシュの上に捨てていく。時折出てくる固まった耳垢をタキオンの目の前に持っていくと、タキオンは少し眉を潜め、すぐに捨てるように催促する。

 

「後は綿棒でグルグル……ゴシゴシゴシ……ふ~……ふ~……」

 

「んっ……だから、何もなしにいきなり息を吹きかけるのはどうかと思うんだよ、カフェ」

 

 綿棒で粉を取り除き、そのまま間を置かずに息を吹きかけるカフェ。汚れが取り去られて敏感になっている肌に息を吹きかけられる事でタキオンの体がピクピクと反応する。

 

「ふぅ……さて、耳かきはこれでお終いだろ? いつまでもこの体勢なのも申し訳ないし、失礼し……カフェ?」

 

 耳かきが終わった後、タキオンが体を上げようとする。だが、カフェの手がタキオンの額に当てられ、そのままタキオンの動きを止める。

 

「……このまま寝てください。目を離したらまた寝ずになにかしてそう……ですし。それとも、私の膝枕では寝られませんか?」

 

「いや、そう言うわけではないが……ただ、流石に眠気も来たから、このままじゃ本当に寝てしまいそうで……ね……ふぁ……」

 

「……だから、このまま寝てください……寝るまで逃げられませんから……」

 

 そう言って、カフェは視線をお友だちに向ける。すると、お友だちもタキオンの足を押さえつける。目に見えなくてもその感触に自分が逃げられないと悟ったタキオンはヤレヤレとため息を吐いた。

 

「……それじゃぁ、このまま寝させてもらうよ。2時間ぐらいしたら起こしてくれたま……え……スー……」

 

 目を閉じて力を抜いた途端、タキオンは寝息を立てる。暫くの間その様子を見ていたカフェは、やがてタキオンの頭を押さえていた手を離して、ため息をついた。

 

「まったく……こんなにすぐ寝るぐらい……体が睡眠を欲しているのに……」

 

 そう言ってタキオンの頭を撫でていると、タキオンの口から寝言が漏れ出る。

 

「ん……スカーレット……君」

 

「……まったく、夢にまで見るなんて。どれだけスカーレットさんの事に意識が向いているんですか、貴女は……まったく」

 

 そう言いながらタキオンを見つめるカフェは、僅かに頬を膨らませて、呟いた。

 

「ちょっと……妬けちゃうじゃないですか……まったく……」

JWC組とのコラボ作品は別シリーズで纏めるほうが良いですか? それともこのまま耳かきシリーズで一括りで良いですか?

  • このまま一括りで良い
  • 別シリーズのほうが良い
  • そんな事よりおうどん食べたい
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