同じCPで二回目を書くのはあまりやっていませんが、やはり楽しいですね。スズカは基本スペを中心にアニメでのCPが目立つので、この組み合わせも増えて欲しいですね。
サイレンスズカ。このトレセン学園の中でも有数の逃げウマ娘であり、その逃げの強さから異次元の逃亡者とまで言われている。
そんな彼女だが、今は自室でトレードマークであるメンコを外し、真剣な目で鏡を見ている。正確には、鏡に映る自身の耳。それを搔いている耳かきの動きを注視していた。
「ん……ここ……もうちょっと……」
耳かきを動かして汚れを取っていくが、その表情にはどこか不満げな物が浮かんでおり、自分のやる耳かきに満足していない事はどう見ても明らかである。
「むー……」
しばらくの間耳かきを続けていたスズカだったが、やがて頬を膨らませ、不満な表情を浮かべたまま耳かきを机の上に置く。そのまま部屋の中を左回りで歩き続けていたが、やがて諦めたのか、ベッドに横になり、そのままふて寝をしてしまう。
そんな事があった翌日の放課後。スズカの同期であるフクキタルは、同室のタンホイザと教室で話をしていた。
「フクちゃん先輩、今日の運勢はどうなんですか?」
「はい、実は今日は少々トラブルがあるかもしれないとのお告げがあったのです。その為一応の注意や、ラッキーアイテムの用意はしてるのですが……」
そんな事を話している二人。すると、突然教室の扉が開かれ、スズカが入ってくる。そして、そのまま話をしている二人の近くに行き、そこで二人はスズカの事に気づいた。
「おや、スズカさん、どうかしたんですか?」
「スズカさん、こんにちはです」
「こんにちは。ねぇフクキタル、今時間空いてるわよね?」
「え? いえ、この後は新たな開運グッズの購入をしにいくつもりで……」
そこまで言ったところでスズカがフクキタルの肩に手を置いた。
「空いてるわよね?」
「は……ハイ……」
その圧に耐えきれずフクキタルは冷や汗を流しながら頷いた。それを見たスズカは軽く微笑み、そのままフクキタルの腕を引っ張っていく。
「オ、オマチさ~ん。失礼しますね~」
「あ……わ、わかりました~」
タンホイザに見送られ、二人は学園内を歩いていく。そして、スズカはそのままフクキタルを自室へと連れ込んだ。
「あの……スズカさん? それで、何の御用なんですか?」
強引に連れてこられたフクキタルは自分が何かやらかしたのではないかと多少の冷や汗を流しながら問いかける。
「……フクキタル……耳かき、お願い」
「……はい?」
「……! もう、耳かき……お願いしてるの!」
最初のスズカの言葉が予想外であったがために聞き返すフクキタル。すると、スズカは顔を赤くしながらも、再び要件を口にした。
「え? あ、はいはい! 耳かきですね! いやぁ、スズカさんからお願いされるなんて思ってなかったので驚いてしまいましたが……わかりました! では早速やっていきましょう」
そう言うとフクキタルは困惑した表情から笑顔に変わり、そのままスズカのベッドに腰を掛け、鞄の中を漁ったと思うと、スズカも見覚えのある金の耳かきを取り出した。
「え……普段から持ち歩いてるの?」
「いえ~、今日はシラオキ様からお告げがありまして……念のため、この最強のラッキーアイテムを用意していたんですよ。流石シラオキ様、この事を予言してくれたんですね」
シラオキの予言が当たった事に喜ぶフクキタル。それに対してスズカは複雑な表情を浮かべるが、フクキタルの指が耳に触れると、表情は穏やかになっていく。
「んー……凝ってますねぇ。メンコでガードしているとはいえ、やはりスズカさんはもうちょっと大人しくした方がよろしいかなと……」
「……前向きに検討するわ」
「する気ないじゃないですか」
そんなやり取りをしながら、フクキタルはスズカの耳を揉み解していく。常に先頭を走るスズカの耳は強烈な風圧にさらされており、メンコをしているとはいえ、そのストレスや緊張は大きなものである。それによって凝り固まった筋肉を、フクキタルの指が揉み解し、滞りがちな血流が促進されていく。
「ん……♡ ふぅ……♡」
「んー、スズカさん、気持ち良さそうですね。それではもうちょっといきましょう」
気持ち良さそうな艶のある声を上げるスズカに満足感を覚えながらマッサージを続けるフクキタル。しばしの間そうやってマッサージを続けていった後、フクキタルは耳かきを手にした。
「さぁ、スズカさん。このまま耳かきをしていきましょう! あ、痛かったら言ってくださいねー」
「ん……」
金の耳かきがスズカの耳に触れ、そのままサリサリと外側を掻いていき、粉を搔き集めていく。マッサージによって熱を帯び、僅かに汗をかき始めた耳の水分を吸って湿った粉は耳かきによって掬い上げられ、ティッシュに捨てられていく。
「サリサリサリ♪ カリカリカリ♪ スズカさんのお耳を掃除していって、綺麗にしていきますよー」
金の耳かきに粉が付着し、それがティッシュの上に捨てられる。それを眺めながら顔を緩めるスズカ。その表情に、フクキタルも笑みを浮かべる。
「スズカさんの気持ち良さそうにしている表情は可愛いですねぇ。それでは、中の掃除もしちゃいましょう」
「ん……お願い」
スズカの了承を得てフクキタルは耳かきを差し込んでいく。近づいてくるフクキタルの顔に、思わずスズカの鼓動が多少早くなる。
「カリカリカリ♪ カリカリカリ♪ スズカさんのお耳をカリカリカリ♪ 小さいのも、大きいのも、しっかり掃除していきますよ~」
「ん……♡ あん……♡」
耳の中を耳かきが擦り、耳垢が剥がされる時の快感にスズカの口から艶のある声が漏れる。同室のスペシャルウィークやチームのメンバーも聞いた事の無い声。もしも彼女達がこの声を聞いたら様々な反応を見せるだろう。
「カリカリカリ♪ ……ペリッ、カリッ。ふむふむ、スズカさん? もうちょっとお耳の手入れはしたほうが宜しいかと」
「……フクキタルが掃除してくれるからいいもん」
フクキタルの苦言にスズカは僅かに頬を膨らませる。それを見て苦笑を浮かべるフクキタルだが、そうしている間にも耳掃除は続き、やがて大体の汚れを取り終えた。
「さて、こちらの掃除はほとんど終わりましたね。えーと……スズカさん、梵天は置いてますか?」
「あ、そこに置いてあるわ」
スズカに指差された引き出しから梵天を取り出し、フクキタルはスズカの耳に梵天を差し込んだ。
「コショコショー♪ クルクルー♪ スズカさんの耳の細かい汚れもキチンと取りましょう」
「んん……♪ くすぐったい」
しばしの間、梵天によって耳の中を掃除されくすぐったさに身を捩るスズカ。そして梵天が引き抜かれたと思うと、フクキタルの顔が近づいてきて……。
「ふ~……ふ~……」
「ひゃうっ!」
普段メンコに隠され、汚れが取れたことで敏感さを増しているスズカの耳にフクキタルの息が吹きかけられる。その快感に思わずスズカは奇声を上げてしまった。
「ふぅ、これでこちらの耳の掃除は完了です。さぁさぁ、反対側もこのまま掃除していきましょう」
「んん……う……うん……」
スズカの了承を得た為、フクキタルは反対側の耳の掃除を始めていく。
「スズカさんのお耳をギュッギュッギュッ……揉み揉み揉み……スズカさんのお耳って温かいですね。私、好きですよ」
「ちょっと……あんまり恥ずかしい事言わないで……」
耳をマッサージし、血流を促進させる。その中で熱を帯びるスズカの耳の温かさを堪能するフクキタル。
「耳の外側をこのままサリサリサリ……ザリザリザリ……目立つ汚れは全部掻き取っていきましょう」
「ひゃっ……くすぐったい……」
耳の外側の汚れを落としていき、その下に隠れていた素肌が外気に晒され、スズカは僅かに体を震わせる。
「外側が終わりましたら、次は中の掃除ですね。痛かったらちゃんと言ってくださいね。まぁ、この金の耳かきと言う最高のラッキーアイテムならば、痛いなんて事はないはずです!」
「フクキタル、うるさいから」
ラッキーアイテムを自慢するフクキタルに冷たい言葉をかけるスズカ。その言葉に一瞬フクキタルが悲しそうな顔をするも、気を取り直して掃除を続けていく。
「中の掃除が終わりましたら梵天でコショコショー、コショコショー」
「んぅ……くすぐったい……♡」
梵天によって残っている細かい汚れも全て絡めとられ、敏感になった耳の中に。
「ふ~……ふ~……」
「ひゃっ……♡」
最後の息の吹きかけが終わり、スズカから甘い声が漏れたのを確認し、フクキタルは満足げに息を吐いた。
「ふ~。さて、これでお終いですよスズカさん。お耳も綺麗になりました、どいてもらって……あのー?」
フクキタルが視線を向けると、そこでは体を横にしてフクキタルの腹部に顔を埋めているスズカの姿があった。隠れているその顔は真っ赤に染まっている。
「あのー……スズカさん? もう終わりましたよ? どうしました?」
「……ごめんなさい」
「スズカさん?」
小さく呟かれた言葉。それはウマ娘の耳にはしっかりと届いたが、その意味を理解できず、フクキタルは首を傾げた。
「……強引に連れてきちゃったでしょ。お話してる途中だったのに……」
「ああ……別に構いませんよ。スズカさんが私を頼るなんて珍しいですし。まぁ……次はなるべく普通の時にお願いして頂ければありがたいですが」
「……そうするわ」
そんなやり取りをしながら、フクキタルはスズカの頭を撫でていく。普段ならばそのような事をされれば戸惑うスズカだが、今はただその手の温もりを感じ続けている。
「でもスズカさん。どうして今回は私に耳かきをお願いしたのですか?」
「それは……その……フクキタルの耳かきが気持ち良かった……から」
スズカの言葉にフクキタルは数回瞬きし、それからにやけた笑みを浮かべた。
「そ……それは……大変嬉しいですね。スズカさん、また耳かきして欲しくなったら言ってくださいね」
「……うん」
にやけた笑みを浮かべ続けてスズカの頭を撫で続けるフクキタル。そして顔を赤く染めながらもスズカはそれに甘え続けるのだった。