ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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樫本理子で耳かきを書きました。今回はAZUKI様(user/39984420)からのリクエストとなります。

当分書くつもりもなく、女トレーナーからの書き始めとなりましたが、やはり大人同士という事でお酒や外出等が使えるのはありがたいですね。

それはそれとして、やっぱり代理はギャップ萌えが素晴らしいですね。


樫本理子×女トレーナー

 トレセン学園。数千人を超える人々が生活するこの学園であるが、職員のほとんどは当然大人であり、学生たちが眠りに落ちた後にも様々な理由で活動している。それは時に仕事であり、時に……。

 

「ね~、代理。もうちょっと飲みましょうよ」

 

「いえ、飲みすぎては明日に支障が出ますから……」

 

 あるトレーナー室では二人の女性が飲み会をしていた。一人は樫本理子。以前理事長の代理としてトレセン学園で「徹底管理主義」を掲げたが、今ではそれを撤回し、元々の高い能力と、運動能力がカス程もないというギャップによって、なんやかんやとトレセン学園で受け入れられている。

 

 その対面で酒を飲んでいるのは、「徹底管理主義」を掲げる樫本をレースにて打倒したチームキャロットを率いたトレーナーである。フジキセキを中心としたチームによって構成されたチームは見事にチームファーストを打倒。そして、お互いに和解した後、今のように親交を深めるようになったのだ。

 

「ね~、代理。誰か良い人紹介できませんか~? 中央のトレーナーってだけで婚活してても皆遠慮してきちゃって……」

 

「それは……申し訳ありませんが……」

 

 とは言え、今はトレーナー側が完全に絡み酒で樫本に絡んでる形になっているのだが。だが幸い彼女の方はこの状況を決して嫌ってはいない為、こうしていつもトレーナーの酒に付き合っているのだ。

 

「えへへ~……ねぇ代理~。私慰めてくださいよ~。お願いですから~、リコちゃんお願いだから」

 

「リコちゃんと呼ばないでください。と言うか、抱き着かないで……!」

 

 酔いが進んだ影響か、樫本に抱き着き、その胸に顔を埋めるトレーナー。それを引き剥がそうとしても樫本の筋力では剥がす事はできず、しばしの間そうやってじゃれ合っていると、トレーナーが樫本を見つめる。

 

「それじゃぁさ~……耳かきしてよ~。最近耳の中痒いし、自分でやるの怖いから。お~ね~が~い~」

 

「わかりました、それならやりますから。やりますからいったん離れてください」

 

 樫本がそう言うと、トレーナーはおとなしく離れる。そして、机の引き出しから耳かきを取り出すと樫本に手渡す。

 

「リコちゃん、お願いね」

 

「わかりました……」

 

 やれやれ……とため息をつきつつ、樫本は耳かきを手にしてトレーナーの耳を覗き込む。穴の中にはいくつかの耳垢があるのを確認し、手前から取るように耳かきを差し込んでいく。

 

 カリカリ……カリ……カリ……

 

 ガリ……ガリ……ペリ……

 

 手前の耳垢から順番に耳かきを当て、掻き続けて行く。すると、一番手前の耳垢は程なくして少しずつ剥がれていき、やがて完全に剥がれ、耳かきの上に落ちる。

 

「ん……うーん……剥がれた?」

 

「ええ。まずは一つ目ですから。まだ汚れは残っています」

 

 そこから更に樫本は耳垢を上から順番に掻き続けて行く。アルコールによって血流が促進され、仄かに赤くなっているトレーナーの耳の中ではジメッとした汗によって湿気ている。

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 トレーナーの耳の中を耳かきが耳垢を擦る摩擦音が響く。その音、耳垢を剥がすときの痛気持ち良い感覚にトレーナーの目はどんどん眠りに落ちそうになっていく。だが、それでもなんとか眠気を振り払い、起き続ける。

 

 そうしている間にも耳の掃除は続き、やがて大まかな耳垢を全て剥がし終えた樫本は、反対側の梵天を使って細かい汚れを絡めとっていく。

 

 クルクル……コシュコシュ……

 

 スススー……クルクル……

 

 そうやって梵天による掃除を終えると、耳かきを引き抜き、耳の中をよく覗き込む。

 

「ん……そうですね……はい、これで耳かきはお終いですよ」

 

 掃除が終わり、トレーナーをどかそうとする樫本だが、トレーナーは動く様子がなく、樫本は困惑した表情を浮かべる。

 

「だ~い~り~。耳かきの終わりって言ったら、耳の中に息を吹きかける所までお約束じゃないですか~」

 

「え? いや、あの……流石に恥ずかしいのですが」

 

「お願いしますよ~」

 

 膝の上で駄々を捏ねられ、樫本は恥ずかしがりながらもトレーナーの耳に顔を近づけ。

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

「ん……♡」

 

 息を吹きかけられ、背筋を走る快感に身を震わせるトレーナー。そして恥ずかしさに顔を赤くした樫本は顔を上げると、トレーナーをキツ目の視線で見下ろす。

 

「さぁ、今度こそ終わりですよ。今度こそ……って、何をしてるんですか!?」

 

 今度こそトレーナーを下ろそうとする樫本だが、それよりも先にトレーナーは体を反転させ、樫本の腹に向き合う形になる。

 

「何をしてるんですか!? 離れてください!」

 

「こっちもお願いしますよ。両方しなきゃ物足りないじゃないですか」

 

 そう言って樫本の腹に顔を埋めるトレーナー。それをどかそうとする樫本ではあるが、腰にしっかりと腕を巻き付けたトレーナーに勝てず、しばし格闘した後に、諦めて大きくため息をつく。

 

「……わかりました。やりますから……少し離れてください……!」

 

「えへへ~。リコちゃんは優しいな~」

 

 朗らかに笑うトレーナーに呆れつつ、樫本は再び耳かきを手に、耳かきを始める。

 

「こちらも……似たような感じですね。では、手前から……」

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 二人しかいない部屋の中で、耳かきの音が小さく響く。その音を楽しむためにトレーナーは静かになり、樫本は手元が狂わないように集中するために沈黙している。

 

「うん……こっちも……順調に取れています……痛くはないですか?」

 

「うん……大丈夫……このままで……」

 

 手前から順番に掻き取られていく耳垢。黄色や茶色に変色した固い耳垢が剥がれるたびにトレーナーの体が小さく震える。

 

「ふふ……」

 

 その姿に思わず樫本の口から笑みが浮かぶ。だが、それにトレーナーは気づくこともなく、耳掃除が続けられていく。

 

「これで大きな耳垢は取れました。では、梵天で小さい汚れを……」

 

 コシュコシュ……クルクル……

 

 スススー……コシュコシュ……

 

 梵天がクルクルと耳の中で回転し、トレーナーの細かい耳の汚れを絡めとっていく。

 

「では……恥ずかしいのですが……」

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

 最後に息を吹きかけ、樫本は大きく息を吐いた。これで終わった。そう思った樫本はトレーナーに声をかける。

 

「これで耳かきは終わりましたよ。ほら、起きてください」

 

「ん~……ん~~……」

 

 眠そうに眼をこすりながら体を起こすトレーナー。だが、彼女はそのまま立ち上がる事は無く、樫本に抱き着いたままベッドに倒れ込む。

 

「ッ……な、何をするんですか」

 

「ん~……リコちゃん気持ち良い……お休み……」

 

 樫本に抱き着いたままトレーナーは寝息を立てる。樫本はなんとかどかそうとするも、彼女の腕力で人をどかせられるわけもなく、暫くの間格闘した挙句、体力を消耗し、酔いも回ってきた彼女は諦めてため息をついた。

 

(仕方ありません……さっさと寝て早めに起きるようにしましょう。しかし、こんな私にここまで懐いてくるなんて……ふふ、嫌な気はしませんね)

 

 樫本に腕を回して穏やかに寝息を立てるトレーナーの頭を撫でつつ、樫本も意識を手放していった。

 

 

 翌日、トレーナー室ではトレーナーと樫本が床に正座し、それをフジキセキ、リトルココン、ビターグラッセの三人が見下ろしていた。

 

「……それで? うちの樫本トレーナーに対してやったことへの弁明は?」

 

「ち……違うんです! 代理があまりに可愛いから仕方なかったんです!」

 

「それは仕方ない」

 

「リトルココン!?」

 

 トレーナーを睨むリトルココンであったが、女トレーナーの必死の叫びに思わず同意し、ビターグラッセが思わず驚きの声を上げる。

 

「はいはい、それは置いといて。いずれにせよ、いくら休みとは言え他の人に抱き着いたまま寝て、チームのトレーニングをないがしろにしたのは頂けないよ。勿論こういう時の為の自主トレーニングメニューはあるけど、あれは緊急時用のであって、酔っぱらって寝過ごしたとき用じゃないでしょ?」

 

「は……はい、その通りです」

 

 話に割り込んだフジキセキが笑顔でトレーナーに詰め寄ると、トレーナーは体を震わせて頷く。

 

「それじゃぁ、トレーナーにはちょっとお説教をしないといけないね。失礼するよ。樫本トレーナーへのお説教は二人に任せるから」

 

 そう言うと、フジキセキはトレーナーを肩に上げ、そのままお米様抱っこの形で部屋から出ていく。

 

「待って! お願いフジ! あ……口から威厳が……威厳が出そう……うっぷ……!」

 

「え? ちょ、トレーナー!? ここで吐いたらダメだよ!」

 

 そんなやり取りが聞こえる中、リトルココンとビターグラッセが樫本に視線を向ける。すると、樫本は涙目で二人を見上げた。

 

「あ……足が……痺れて……」

 

 大人の雰囲気から似つかわしくない涙目の表情に二人の心臓が跳ね上がる。

 

「ト、トレーナー! 私に捕まってください!」

 

「ゆっくり……ゆっくり持ち上げますからね。ゆっくり……」

 

 慌てて二人で樫本をゆっくりと持ち上げる。その時の体を震わせながら涙目になる樫本を見て、二人はこの人は自分が守らなければならない。と誓ったのだった。

 

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