改めてスペ見直しましたが、やっぱり主人公してるなぁ。って感じですね、変に捻くれてない王道系主人公してるように感じました。
トレセン学園。千人を超えるウマ娘が所属するこの学園では毎日大量の食糧が消費されている。
当然ながら、ウマ娘は人間と同じ体格であるのに対して、発揮する身体能力は人間の数倍に及ぶ。それはつまり、それを発揮するためのエネルギーを補充しなければならないという事である。
そして、そんなウマ娘の中でも当然ながら大食らいと呼ばれるウマ娘が存在している。有名な所で言えばオグリキャップ、ミホノブルボン等が上げられるが、彼女……スペシャルウィーク、通称スペも大食いのウマ娘であった。
「んー、やっぱり北海道産のお米は美味しいですー」
休日の午前中のトレーニングを終えた後に休憩がてらの軽食を食しているスペシャルウィークであるが、既にお弁当換算で十個以上を食べていた。それは普通のウマ娘であれば普通の一食分に相当する量であったが、それでも彼女にとっては軽食以上まではいかない量であった。
「スペ。美味そうに食べるのは良いんだが、そろそろ休憩終わりでトレーニングを開始するぞ。ほら」
「むー……もうちょっとゆっくりさせてくださーい」
「ほら、我儘言わない」
「いーやーでーすー」
スペシャルウィークの腕を掴み、引っ張ろうとするトレーナー。だが、スペシャルウィークが抵抗しては人間であるトレーナーにはどうする事もできなかった。
「ほら、スペ! レースも近いんだから!」
「いーやーでーすー……あ、そうだ。トレーナーさん、耳かきしましょうよ。トレーナーさんの耳掃除している間に私も一息吐けれますから、それでいきましょうよ」
そう言うとスペシャルウィークは逆にトレーナーの腕を掴んでベッドまで連れて行く。今度はトレーナーがベッドに連れて行かれないように抵抗するも、抵抗むなしくベッドに押し倒され、起き上がるまでに耳かきを手にしたスペシャルウィークに抑え込まれる。
「いや、スペ。だからトレーニングを……!」
「大丈夫ですよ。トレーナーさんの耳掃除が終わったらしっかりとトレーニングをしますから。さぁさぁ、やっていきますよー」
トレーナーの抵抗を意に返さずにスペシャルウィークはまず近くにあったウェットティッシュでトレーナーの耳を拭いていく。
「ゴシゴシゴシ……うわぁ、トレーナーさん。耳の周り、汚れすぎですよ。ほら、耳の後ろ側とかこんなに。これじゃぁ加齢臭とか気にしないといけないじゃないですか」
「まだそんなに年行ってないから。女の子が加齢臭とか言わない」
ウェットティッシュについた黄色い汚れを見て驚くスペシャルウィークにトレーナーは眉間に皺を寄せて反論する。だが、それを気にすることなくスペシャルィークはウェットティッシュで耳の周りや外側を擦っていき、垢や埃を拭き落としていく。
ゴシゴシゴシ……ゴシゴシゴシ……
ゴシゴシゴシ……ゴシゴシゴシ……
「ふぅー、これでけっこう汚れが落ちていきますね。やっぱりトレーナーさんの耳の粉は多いんですね、掃除のし甲斐がありますよ」
「そんな事にやりがいを見出さなくていいから……」
スペシャルウィークの楽しそうな声にトレーナーは呆れた様子を見せる。だが、スペシャルウィークは気にする事なく掃除を続けていく。
「ふぅ、大体拭き終わりましたから、耳の中の掃除をしていきましょう。どれどれ……」
スペシャルウィークはトレーナーの耳に顔を近づけ、中をよく覗き込む。彼女の息遣いが一気に近くなり、トレーナーは羞恥心を覚える。
カリカリカリ……カリカリカリ……
カリカリカリ……カリカリカリ……
耳かきが差し込まれ、耳垢が掻き出されていく。まずは手前の耳垢から……次に奥の物を。耳かきでカリカリと掻かれていき、ペリペリと剥がされていき、ズズズと引き上げられていく。
「トレーナーさん。なんで人って耳の掃除を疎かにするんでしょうね。けっこう汚いですよ」
「人間は掃除しなくても自然に垢が外に出るんだよ」
「本当にそうなんですかぁ? 汚れてるのに」
そんな事を話しながらスペシャルウィークは掃除を続けていき、大体の耳垢を取り出したのか、トレーナーは耳の中が爽快になるのを感じる。
「はい、大体の大きい耳垢は取れましたよ。このまま梵天で細かい汚れも取っちゃいましょう」
「う……うーん、頼む……」
断るべきか少し迷ったが、トレーナーは了承し、それを聞いたスペシャルウィークは口元を僅かに上げて掃除に取り掛かる。
ゴソゴソ……ゴソゴソ……
クルクル……スポスポ……
トレーナーの耳の中を梵天が回転、上下し、残っている粉を絡めとっていく。耳垢が取れて敏感になっている耳の中を柔らかい毛が刺激していく。
「クルクル~♪ スポスポ~♪ はい、細かい汚れも取れていきましたよ」
「ん、ああ、けっこうスッキリしたよ」
「はい。それは良かったです。では、最後にトレーナーさんの耳の中に~」
ふ~……ふ~……
ふ~……ふ~……
最後に息が吹きかけられ、トレーナーの背筋がゾクリと震える。
「はい、こちらはこれでお終いです。さぁ、反対側の掃除をしていきますよ。それ、コロリンと」
トレーナーが反応するよりも早くスペシャルウィークがトレーナーを転がして反対側を向かせる。
「……なぁスペ。異性を腹の方に向かせて耳かきするのはどうかと思うぞ」
「大丈夫です。私、トレーナーさんなら問題ないですから」
トレーナーの言葉に何一つ後ろ暗い事がないと言わんばかりに言い切るスペシャルウィーク。その物言いにトレーナーも何も言い返せなくなる。
「さぁ、こっちも掃除していきますよ」
サリサリサリ……サリサリサリ……
ザリ……ザリ……ザリ……
トレーナーの耳の周辺の汚れをウェットティッシュで拭き取っていく。
「トレーナーさん。お風呂入った後にちゃんとタオルで拭いてますか?」
「拭いているんだけどなあ……」
カリカリカリ……カリカリカリ……
ゴリ……ガリ……ガリ……
耳の中に差し込まれた耳かきが耳垢を剥がしていき、黄色や茶色な塊を次々と取り出していく。
「トレーナーさんの耳の掃除、これからも定期的にやって良いですか? やっぱりけっこう汚れてますよ」
「スペはもうちょっと異性との距離感を大事にした方が良いと思うんだよなぁ……」
スペシャルウィークの提案にトレーナーは困った顔になる。だが、それを気にすることもなく、スペシャルウィークは掃除を続けていく。
ゴソゴソ……クルクル……
ズボズボ……スポスポ……
梵天が耳の中を擦っていき、耳かきでは取り切れない細かい汚れを絡めとっていき、外に運び出す。
「えへへ、こうして汚れが取れているのを見ると、やった甲斐があります」
「うーん……そこまで言われると、本当に汚れているって事なのか……」
掃除した耳垢を捨てているスペシャルウィークの姿を見て、トレーナーはもしかしたら自分の耳は本当にヤバいぐらい汚れているのではないか……と思わず自問自答をする。
ふ~……ふ~……
ふ~……ふ~……
そして最後に息が吹きかけられ、トレーナーがゾクリと震えた姿に満足感を覚えるスペシャルウィーク。
「ふぅ……あー……眠くなってきた……」
「さぁトレーナーさん! 耳掃除も終わりましたし、私も一息吐けましたから、トレーニング頑張りましょう!」
トレーナーを下ろしたスペシャルウィークは元気いっぱいの様子を見せてトレーナーを催促する。
「わ、わかった、わかったからちょっと待て……ぬおおおおお!」
「さぁ行きましょうトレーナーさん!」
トレーナーを担ぎ上げ、スペシャルウィークは部屋から飛び出す。トレーナーはそれに悲鳴を上げる事しかできなかった。