ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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テイネイで耳かきを書きました。

この二人、あまりCPとして多いとは言い切れないですが、やはり子供っぽいテイオーをなんやかんや世話してあげるネイチャって良いと思いません? 私は思います。

さて、これにて今年の更新はお終いです。今年は多くのリクエストを頂き中々に頑張らせて頂きました。もう最初の頃のような評価はもらえなくなりましたが、まだ頑張っていこうと思います。取りあえず。


テイネイ

 トレセン学園。数千を超える人たちが日々過ごすこの学園。ウマ娘達は普段レースに勝つために努力を積み重ねているが、同時に年頃の女の子である彼女達は青春を謳歌している。そして、それはG1レースに出場する実力を持つ彼女達も例外ではなかった。

 

「でね~、耳かきしてる時のトレーナーの顔が可愛くてさー。僕、あんな可愛いトレーナーの顔初めて見たよ~」

 

「はいはい、良かったですねー」

 

 カフェテリアの一角でハチミーを飲みながらそう話し続けているのは二冠ウマ娘、テイオーであり、それにテキトーな相槌を打っているのはG1レースでの勝ち鞍こそないものの、ブロンズコレクターと呼ばれる程掲示板入りを果たしているネイチャであった。

 

 そんな二人だが、既に1時間以上カフェテリアに居て、その間テイオーはずっと先日トレーナーに耳かきをした時の惚気話をしている。最初こそ真面目に話を聞いていたネイチャであったが、既に面倒くさくなっているのか、テキトーな相槌を繰り返しているだけとなっている。

 

「ちょっとー、聞いてるの? ネイチャ」

 

「もう耳にタコができるほど聞いてますよー。大体、一回二回の耳かきの話だけじゃいい加減聞き飽きちゃうって」

 

 そう言って横を向きながらハチミーを飲むネイチャ。それにテイオーは頬を膨らませながら抗議する。

 

「え~、もっと聞いて欲しいのにー」

 

「いやー、だって話聞いてるとさ、テイオーって単純に耳かきしただけじゃん。それだけじゃぁねぇ」

 

「なにさー、耳かきをしたらトレーナーが喜ぶって言ったのはネイチャじゃんか」

 

「そうじゃなくてねー……耳かきってさ、マッサージとか色々としてあげたほうが喜ばれるもんなのよ。でもテイオーその辺全然やってないでしょ? だからねぇ」

 

「むー……じゃぁ教えてよ! ボクにやってみせてくれたら信じるもん!」

 

 ネイチャの言葉にテイオーは頬を膨らませてネイチャを睨む。その視線を受けたネイチャは肩をすくめた。

 

「やれやれ……あー、まぁ良いよ、やってあげる。そしたらテイオーも本当だって信じるんだね。じゃ、ちょっと私の部屋に行こっか。今日はマーベラスも遅くなるって言ってたしね」

 

 そうして、二人はネイチャの部屋に場所を移動する事となった。部屋に移動すると、ネイチャは手早く準備を整え、自分のベッドに腰掛ける。

 

「はい、テイオー。膝の上に頭を置いてね」

 

「お邪魔しまーす」

 

遠慮することなくテイオーはネイチャの膝の上に頭を置いてリラックスした様子を見せる。それを見て苦笑するネイチャだが、耳かきを手に取って、テイオーの耳を確認する。

 

「どれどれー? んー……ちょっと汚れてるね。じゃぁまずは……」

 

 ネイチャはテイオーの片耳を両手で包み込み、そのまま指圧で凝っている部分を解していく。

 

「ん……ネ、ネイチャ?」

 

「まずはマッサージして、血流を良くして汗を掻いて貰えば汚れが取りやすくなるのよ。それに、ちょっと耳が凝ってるよ。もうちょっとちゃんとケアしなきゃね」

 

 困惑するテイオーにマッサージの必要性を説明しつつ、マッサージを続けるネイチャ。しばしの間揉み込まれたテイオーの耳はすっかりと凝りが解れ、しっかりと汗を流し始めていた。

 

「はぁ~……マッサージだけで充分気持ち良いぃ……」

 

「ちょいちょーい、これで満足されても困るんだって。ほら、今から耳かきしてくんだから、寝たりしないでよ」

 

 満足気なテイオーに軽いデコピンを食らわせてからネイチャは耳かきを始める。まずは汗が流れ、水分を吸った外側の汚れを取り除いていく。

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 ズリズリ……ズゾゾ……

 

 汗を吸って多少ペースト状になっている汚れを耳かきが搔き集めていき、それをティッシュの上に捨てていく。

 

「うわ、汚! 僕の耳の汚れ、こんな汚くないのに!」

 

「ドロッとしてるから余計に汚く見えてるだけだから。ほら動かないの。まだ掃除は終わってないからね」

 

 カリカリ……カリカリ……

 

 ズズズ……カリカリ……

 

 暫くの間外側の掃除を続けていくネイチャ。それがひと段落すると、ネイチャは耳かきの汚れを拭って一息ついた。

 

「ふー、はい、これで外側の汚れは大体取れたから、中の掃除してくんだけど……大丈夫?」

 

「んー……うん、大丈夫」

 

 ネイチャに尋ねられ、テイオーは答える。それを確認してネイチャは耳かきをテイオーの耳の中に耳かきを差し込んでいく。

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 ガリ……ベリ……ズズズ……

 

「んー、テイオーの耳の中は、可もなく不可もなく。特に特徴のない普通の耳の中で、耳垢だね」

 

「……それってなんだか微妙な評価なんだけど」

 

「何言ってるの。変に曲がりくねってたり、耳垢が柔すぎてボロボロ崩れるようなのより全然マシなんだからね」

 

 そんな軽口を叩きながら耳かきを続けるネイチャ。その手際の良さにテイオーは内心で驚いていた。

 

 カリカリ……ガリガリ……

 

 ゴリゴリ……ゴリゴリ……

 

「んー、こうやってペリペリ……と剥がしていって……おーし、こんなもんでしょ。それじゃぁ、ローション塗っていくから、おとなしくしててねー」

 

「ふえ? ローション? え、そんなの塗るの?」

 

「保湿用のローションを塗った方が肌荒れしないからね。ほら、おとなしくしててね」

 

 ヌリヌリ……ヌリヌリ……

 

 ペチョ……ペチョ……

 

 ローションを塗られる感触にテイオーの背筋が小さく震える。それを見たネイチャがテイオーの頭を撫でる。

 

「冷たいけどちょーっと我慢しててねー。ほら、良い子良い子ー」

 

「ムー! お子様扱いしないでよ!」

 

「耳かきされてる間は子供みたいなもんだよ。ほら、塗り終えたから」

 

 ローションを塗り終えた事にテイオーはホーッ……と息を吐く。そんなテイオーの様子を見たネイチャは間髪を入れずにテイオーの耳に顔を近づけ、息を吹きかけた。

 

「ふ~……ふ~……」

 

「わっひゃああああ!?」

 

 息を吹きかけられ、テイオーの体が跳ねあがる。その様子を見たネイチャは思わず笑いだす。

 

「あっはっはっ、テイオーってば、驚きすぎだよ」

 

「ネ、ネイチャ! いきなりなにすんのさ!」

 

「何って、息を吹きかけるのはお約束でしょ。ほらほら、反対側の掃除もしちゃうから、おとなしくしててちょうだい」

 

「ムー……」

 

 頬を膨らませながらも、テイオーはそれ以上の抗議をせず、おとなしくなる。

 

「じゃぁ、同じ感じでしていっちゃうからねー」

 

 モミモミモミ……グリグリグリ……

 

 グッグッ……ギューッ……

 

「ッ……ネイチャって、マッサージも上手なんだね」

 

「まぁねー。実家のお客さん相手に良くしてたから、慣れちゃった」

 

 カリカリカリ……サリサリサリ……

 

 ゴゾゴゾ……サリサリサリ……

 

「ふんふんふん♪ いやー、テイオーさんの耳は柔らかくて、触り心地がいいねー」

 

「ネイチャ……ちょっと恥ずかしいんだけど、そう言うの言われると」

 

 ガリガリガリ……カリカリカリ……

 

 ゾリ……ゴリ……ゴリゴリ……

 

「んー? こっちはちょっと耳垢が固くない? 体質的なのとかあんのかな?」

 

「えー、そんなの言われた事ないんだけど。本当なの?」

 

 ヌリヌリ……ヌリヌリ……

 

 ヌチョヌチョ……ヌチョヌチョ……

 

「ぬりぬり~♪ ぬりぬり~♪」

 

「……なんでそんな楽しそうなのさ」

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

「どう? ローション塗られた耳の中への息の吹きかけは、癖になるでしょ」

 

「そ、そんな事ないもん!」

 

 そうして反対側の耳かきを終えたネイチャは満足げにテイオーの頭を撫でる。

 

「どーよ。テイオーの耳かきよりも色々したでしょ。自慢話したいなら、これぐらいしてみなよ」

 

「ムー……!」

 

 頭を撫でられていたテイオーは体勢を変えると、ネイチャの腹に正面から顔を埋める形で抱き着く。

 

「ちょ、テイオー? 何やってんのさ、離してよ」

 

「知らないもん!」

 

 暫くの間離そうとするネイチャと抱き着き続けるテイオー。そして諦めたネイチャがそのままテイオーの好きにさせていると、不意にテイオーの腕から力が抜けた。

 

「ありゃ? テイオー?」

 

 ネイチャが声をかけても反応せず、彼女が顔を上げさせると、そこでは幸せそうに寝息を立てているテイオーの顔があった。

 

「ありゃりゃ……お疲れなんだねー」

 

 テイオーの体を起こし、膝枕の状態に戻したネイチャはそのままテイオーの頭を撫でながら、テイオーの顔を見つめる。

 

「大変だもんねぇ……キラキラしてるって言っても、裏ではめっちゃ頑張ってるんだから……私も、いっちょう頑張っていきましょうかね」

 

 そんな事を呟きながら、ネイチャはテイオーが起きるまで頭を撫で続けるのだった。

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