ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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フジキセキで耳かき、女トレーナーを書きました。

いかにも宝塚の男役もこなせそうなフジのトレーナーしてたら、異性愛者でも下手したらコロッといっちゃいそうじゃないですか? 私は思いました。

追記

先週の投稿からお気に入りがや評価数が増えてメンタルが上昇してましたが、よく見たら低評価付けられてて、上昇中のところから昇竜拳で腹パンされた気持ちになった今日この頃です。


フジキセキ(地の文あり、女トレーナー視点)

私はしがない一般の中央トレーナー。一つ非凡な所を上げるとすれば、あのフジキセキの担当トレーナーであるという事かな。

 

 彼女は素晴らしい逸材だ。寮の寮長でもマジシャンでもなく、レースの勝利者として、多くの人々の心に残るであろう彼女のために私は彼女が引退するその日までできる限りの事をしようと心に決めている。

 

 その為にも、これから数日は自室に籠って様々な作業を行うつもりだ。誰も居ない状態、外界とは最低限の接触以外を絶って、彼女の今後のレースのために必要なものを調べ上げなければならない。彼女自身はマイル系の脚質だが、その心は長距離……菊花賞や有馬記念に向けられている。それを成し遂げるためにも、凡才に過ぎない私はできることを全力で取り組まなければならないんだ。

 

 と言うわけで、フジに渡すための一週間分の練習メニューは作ったし、彼女も寮長としての仕事とかもあるだろうから、私に関わる必要がなくなれば少しは負担も軽くなるだろう。前に引き籠ろうとした時には色々言われて開始前に止められてしまったが、今回は大丈夫でしょ。

 

 ……と思っていた時期が私にもありました。

 

「……トレーナーさん? これはなんだろうね?」

 

「……カップラーメンです」

 

「それじゃぁ、これは?」

 

「……カロリーメイトです」

 

 準備を進めていると、突然フジが訪ねてきた。断るわけにもいかずに部屋に入れて、買い置きした保存食の一部を見つけた途端、彼女は無言で私を正座させたまま、部屋の中を物色、保存食を全部並べられて……あ、ヤバイ、笑顔の圧が凄い。圧だけで押しつぶされそう。背中に冷たい汗が流れてる。

 

「ち、違うのフジ! これは別にすぐに消費するものじゃないし……あ、そうなの、そう、非常時用の備蓄で……!」

 

「それじゃぁ、この一週間分の練習メニューは何なのかな? 別に、トレーナーさんって出張の予定とか何もなかったよね?」

 

「……ごめんなさい、トレーナー室に籠って集中するための備蓄です。安かったのでまとめ買いしました」

 

 渡す予定だった練習メニューまで突きつけられては何も反論できず、私は認めることしかできなかった。おかしいなぁ、前回もそうだけど、どうしてここまで怒られる事になるの?

 

「トレーナーさん。前にも言ったけど、私は寮長だから、不健康過ごす子を見逃すわけにはいかないの。それが自分のトレーナーであってもね」

 

「いや、逆に考えてフジ。私が引き籠っている間は、私の事を気にせず、他の事に集中できると」

 

「何をどうしたら逆の考えになるのかな? 前に言ったのに同じことをしたわけだし……それじゃぁ……トレーナーさんには罰を与えないといけないかなぁ。取り敢えずは、トレーナーさんが私の言うことをしっかりと聞き取れるように、耳のお掃除からしようか」

 

 私の反論をばっさり切り捨てて、フジは非情な言葉を突き付けた。それを聞いた途端、私の体は反射的に立ち上がり、入口に向けて全力ダッシュするのだが……。

 

「トレーナーさん? どこに行こうというのかな?」

 

 後ろからがっしりと抱き留められ、体が強制的に止められる。あ、ヤバイ、この体勢だけでヤバイ! フジの豊かな胸部装甲が背中に押し付けられているし、フジの声が耳元で聞こえて……理性が! 理性がー!

 

「い、いやだー。このままじゃポニーちゃんにされちゃう! ポニーさんにされちゃう! 大人としての尊厳がー!」

 

 必死に逃げようと懸命に腕を伸ばすが、伸ばした腕に沿う形でフジの腕が伸びてきて、そのまま指を絡めながら手をがっしりと握ってきた。そのまま抵抗空しく、私の体はベッドに向けて簡単に放り投げられた。

 

「わぷっ!」

 

「もー、トレーナーさん。逃げようとする子を捕まえるのも寮長の仕事には含まれているんだよ。それに、なんで逃げるのかな? 私、傷ついちゃうなぁ。怖い事なんてしないよ」

 

「い、いや。別にフジが怖いとかじゃなくて……フジに耳かきされたりすると、ポニーちゃんにされちゃいそうで……」

 

 そう、これが正直言って怖い。私にも大人の女性としての矜持というものがあるし、トレーナーが担当ウマ娘にメロメロになったりしたらいけないでしょ、常識で考えて。何としてもその一線は守らないといけないのだ。

 

「もー、トレーナーさん、そんな事を言うなら、最初から部屋に籠るような真似をしなければいいだけでしょ。はい、それじゃぁトレーナーさんが私の言うことをちゃんと聞いてくれるように……耳かき、していこうか」

 

 私に困ったような笑みを向けつつ、フジは私の頭を自分の膝の上に置いて耳の中を見てくる。感じる視線に、吹きかけられる吐息、伝わってくる体温に、私の鼓動は跳ね上がる。

 

「トレーナーさん、前に掃除した時も思ったけど、もうちょっと耳の手入れはしたほうがいいんじゃないかなぁ?」

 

「いや、人間の耳はウマ娘のと違って別に殊更手入れする必要はないからね。そもそもの前提が違うんだよ、フジ」

 

「でも、私が前に言ったことは聞いてくれなかったよね」

 

「うぐむ……」

 

 体の構造的な物から耳かきは必要ないと訴えるも、フジは聞く耳を持たず、それどころか前回の事を持ち出してくる。おかしいなぁ、普段の聞き分けの良いフジは一体どこに行ってしまったんだ。

 

「えーと……うーん、こうしてみると耳の毛もちょっと濃いかな? 今度から耳の毛を剃っていくのもいいかもしれないね」

 

「そ、それはちょっと……怖いんですけど……」

 

 流石に耳の毛をいきなり剃ると言うのは怖く感じる。自分で一回もやった事ないし、フジだって言ってもプロというわけでもなんでもないし。

 

「あはは、そんな震えながら言われちゃうと、さすがにやらないよ」

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 そんな笑い声を聞きながら、耳の中で耳かきが耳垢をこそぎ落としていく。耳かきの音が気持ち良く、耳垢を掻かれて剝がされていくのが痛気持ち良くて、思わず身震いしちゃう。うう、自分でやるの全然違うんだよなぁ。

 

「カリカリカリ……サリサリサリ……どうかな? トレーナーさん。私の声、気持ち良い?」

 

「あっあっあっ……ヤバい……この声を聞き続けてたらヤバイ……」

 

 耳元で囁かれ、背筋にゾクゾクとしたものが走り抜ける。頭が、頭がおかしくなりそうだ。脳みそが溶けそう。

 

「駄目だよ、トレーナーさん。体を動かしちゃったら危ないから。動かないでね」

 

 そうやって囁かれ続け、でも、体を動かせば余計に囁かれると感じて、なんとか体に力を入れて動かないようにする。

 

「ほら、この固いのとかを……うん、無事に取れたよ。んー……これぐらいでいいかな?」

 

 ベリッと音を立てて剥がされた耳垢が最後なのか、耳かきが抜かれ、フジの顔がさらに近づいてきたのを気配で感じる。

 

「最後は梵天で細かい汚れをクルクル~♪ と」

 

 ゴシゴシ……ゴゾゴゾ……

 

 クルクル……スススー……

 

「はい、粉状の汚れも全部とれたよ、トレーナーさん」

 

「はぁ~……スッキリした」

 

 梵天がゴゾゴゾと細かい汚れを取ってくれて……ふー、緊張を強いられてきたけど……それでも耳掃除が終わった後の解放感は格別である。あー……癒される……。

 

「ふ~……ふ~……」

 

「おっふ!?」

 

 意識が解放されている時に吹きかけられた吐息の刺激は強烈で、思わず膝枕から頭がずり落ちそうになるけど、フジの手がそれを支えてくれた。

 

「トレーナーさん、驚きすぎ。前もやってあげたでしょ?」

 

「いや、そうなんだけど……そうなんだけど……! 気を抜いてる時に来るとびっくりしちゃうよもう……」

 

 フジに苦笑されてしまうけど、仕方ないじゃん。気を抜いてるときに耳掃除をして敏感になってる耳の中に愛バの吐息だよ? 反応しないわけないじゃん。

 

「駄目だよトレーナーさん。まだ反対もやらないといけないからね。はい、反対を向いてもらうから、動かないでね」

 

 そう言うと、フジは私を軽々と引っ繰り返して、私の視界はフジのお腹で埋め尽くされる。ヤバイってこれ。マジでヤバイって。

 

「ねぇ、フジ……やっぱり担当ウマ娘の腹を見ながら耳かきってのは、風紀的な意味で宜しくないと思うんですよ……」

 

「今更だよ、トレーナーさん。そもそも、トレーナーさんが私の言うことを聞かずに不健康な生活をしようとするからいけないんだから」

 

 ムムム……そう言われると辛いところはあるけど……いやまって、本当に辛いの? そもそも、いくら同性とはいえ年頃の女の子がこういう距離感で居ることがそもそもおかしいんじゃない? いくら寮長だからって、そういうものなの? 研修のときとか、ウマ娘は距離感が近くなるとか、そんな説明聞いた覚えもないんだけどなぁ……。

 

 カリカリカリ……サリサリサリ……

 

 ザリザリ……ザリザリ……

 

 私が訝しんでいる間にも掃除は始められていく。あー……気持ち良いけど……素直に味わうのはダメだよねぇ……。

 

「耳の粉だけじゃなくて、埃も付着してるみたいだね。部屋の掃除も後でちゃんとやろうか」

 

「いや、前もそうだけど、そこまでやってもらうのは気が引けるんですが……」

 

「そう言うのなら、普段からやってくれてると嬉しいんだけどね。生徒でも居るんだよ? 口では言うけどやらない子は」

 

 グハッ……痛い、その言葉はめちゃくちゃ痛いよフジ。心に思いきり突き刺さった。普段から心当たりのある行動が思いつくから、これはガチでクルものがある……!

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 ゴリゴリ……ゴリゴリ……ベリベリ……ズリズリ……

 

「トレーナーさん、図星を突いちゃったからって、あんまりだんまりされると困っちゃうよ」

 

「年下の女の子に言われたら普通に傷つきました……次からはマジで注意します……」

 

 これまでの気持ちよさがどこかに吹っ飛ぶほど心にきたよぉ……はぁ……。

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

「はい、これで耳掃除は終わりだよ。えーと……このままお昼寝して欲しいんだけど……」

 

「いや、ちょっと部屋の掃除とかするから……フジ? フジ? ちょ、止め……!」

 

 動こうとした私の頭が抑えられ、そのままフジのお腹に顔が埋められる。ヤバイ! お腹の感触とか体温とか匂いとか……頭が、頭がおかしくなる! 開けたらいけない扉が開いてしまう! お嫁に行けなくなっちゃう!

 

「ちょ、フジ、離して……本当にマズイって……! このままじゃポニーちゃんになっちゃうって!」

 

「うーん……トレーナーさん、前からそういうこと言ってるけど……逆なんだよ?」

 

 必死に藻掻く私の耳に、フジが囁いてきた。思わぬ静かな囁きに、つい私の動きも止まり、その囁きに集中してしまう。

 

「トレーナーさんが相手だと、私がポニーちゃんになっちゃうの。今も、私がトレーナーさんと一緒に居たいから、離したくないんだ」

 

 へ? フジがポニーちゃんに? あまりにも想像の付かない言葉に、私がなんとか頭をずらして、彼女のお腹からずれる事ができた片目でフジを見つめる。その途端、再び頭が抑えられ、私の視界がフジの腹で埋め尽くされた。

 

「だから……私に心配をかけた罰だと割り切って、このままで居てほしいかな。ね、たまには良いでしょ?」

 

「う……わかった……わかったから……耳元で囁くのは止めてぇ……」

 

 これ以上逃げようともがいても無駄そうで、むしろこうやって囁かれ続けるほうが理性に悪いと判断した私は、降参するしかなかった。

 

「ふふ、嬉しいな、トレーナーさん」

 

 最後にそんな囁きを耳にしながら、私は心の中で必死に念仏を唱える。理性理性理性理性……! 私は異性愛者異性愛者異性愛者異性愛者……!

 

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