ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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ミホフラで耳かき、バレンタインを書きました。

こちらは以前投稿したミホフラで耳かき、から後の話で、かつミホノブルボンで耳かき(バレンタイン)の前日譚となります。

本来ならもう少し早く投稿する予定でしたが、諸々あって今日になりました。

ミホフラは流行れ、もっと流行れ。


ミホフラ(バレンタイン)

 バレンタイン。元々はキリスト教における聖人、聖バレンタインにちなんだ日であり、欧米では恋人や友達,家族などがお互いにカードや花束、お菓子などを贈りあう日とされていますが、日本では某企業の陰謀により女性が男性にチョコを贈る日にされたという、あちこちから阿鼻叫喚の騒ぎが起こり、嫉妬によって血の雨が降ったりする日として知られている。

 

 だが、外国からのウマ娘も迎え、国際色が豊かなトレセン学園ではトレーナーを狙うウマ娘達による仁義無き戦いが各所で勃発する一方で、ウマ娘同士による所謂友チョコの贈りあいを行う日にもなっている。

 

 とはいえ、それはバレンタイン当日の話であり、まだ一週間以上前の今日は、諸々が当日への準備や前哨戦だけに留まっていた。

 

「むぅ……困りましたね」

 

 寮の一室、そこでは一人のウマ娘が強引に服を着こんでいた。彼女の名前はミホノブルボン、千人を超えるウマ娘達の中でも数少ないG1勝利ウマ娘である。

 

 そんな彼女だが、今は無理に着込んだ服のせいで苦しい思いをしていた。二年前に着ていたバレンタイン仕様の勝負服だが、今のブルボンにはかなり窮屈になっていたのだ。

 

 勿論、これは単純にブルボンがデブになったという話ではない。確かに彼女はウマ娘の中でも健啖家なのだが、同じく健啖家であるオグリやスぺのように太り気味になっている事はほとんどない。それは単純に彼女のは摂取したカロリーをほぼ全て毎日のトレーニングで消費しているのだ。それに成長期である事を踏まえると、二年前の服など着れなくなっているのが当然であるとすら言えるだろう。

 

 そのような理由はさておき、服の窮屈さに困っているブルボン。その時、部屋の扉が開かれ、同室のフラワーは帰ってきた。

 

「ただいまで……あれ、ブルボンさん? その服は……」

 

「お帰りなさいフラワーさん。その……脱ぐのを手伝ってもらえますか? ……変に動くと破れそうで……」

 

「わ、わかりました」

 

 ブルボンにお願いされ、フラワーも急いで手伝いを行う。そのおかげか服が裂けるという事もなく、無事にブルボンは服を脱ぐことができた。

 

「ふぅ……助かりました、フラワーさん」

 

「いえ、お力になれて良かったです。でも、どうしてこの服を着ようと思ったんですか?」

 

「それは……今度、この服を着てマスターへの耳かきを敢行しようと考えてまして。まずは服が着れるか試そうとしたのですが……」

 

「ふぇ!? こ、この服でですか?」

 

「はい、やはりたまには別の服装で行うのもありかと思いまして」

 

 涼しい顔で答えるブルボンだが、やはり異性への耳かきと言うことで、フラワーは自身のトレーナーにやる事を考えて顔が赤くなる。

 

「しかし困りました。まさかここまで着ることができないとは……」

 

「あの……それじゃぁ、私が手直しをお手伝いしましょうか?」

 

「本当ですか? 是非ともお願いします」

 

「はい、お任せください」

 

 フラワーはそう言うと、ブルボンと共に家庭科室へ向かう。そこで家庭科の先生等に相談をしながら勝負服の手直しを行っていき、その日のうちには大体の手直しが行うことができたのだ。

 

「ブルボンさん、着心地はどうですか?」

 

「はい、去年と変わらない着心地です」

 

自室にて改めて服を着用したブルボンはフラワーが確認する中で服の着心地を確認する。歩いたり体を伸ばしたり、ラジオ体操をしたりと体の動きを確認し、問題なく動ける事を確認した。

 

「ありがとうございます、フラワーさん。これで、今年はマスターにこの衣装で耳かきを行えそうです」

 

「そ、そうですね。その衣装で……耳かき……」

 

 ブルボンの言葉にフラワーは彼女の事をじっと見つめる。普段の勝負服と違って体の線が見えず、非常にゆったりとした着心地であろうその衣装。その姿で耳かきをするブルボンの姿を想像したのだ。

 

「フラワーさん? どうかされましたか?」

 

「ひゃっ、え、ええと……何でもない……です」

 

 きょどるフラワーにブルボンは首をかしげる。

 

「そうですか……しかし、本当に初めて着た時と変わらない着心地です。ここまでしてもらいましたし……何か、お礼をさせて頂けないでしょうか?」

 

「え? いえ、大丈夫ですよ。私も、ブルボンさんのお力になれて嬉しいですから」

 

「そういうわけにはいきません。親しき仲にも礼儀ありと言いますし、そうでなくても今回の事は私にとってとても助かりました。どうか是非お礼をさせて頂きたいのです」

 

 そう言いながら、ブルボンはニシノフラワーの顔を覗き込む。その行動にフラワーは顔を赤くし、視線を逸らした。

 

「え……ええと……そんな、いきなり言われても……」

 

 そんなドギマギとしているフラワーを不思議そうに見つめるブルボン。しばしの間二人の間に妙な空気が漂っていたが、フラワーは意を決して口を開いた。

 

「あの……それじゃぁ、その服装で耳かきをお願いしても……良いですか?」

 

「耳かき、ですか? それは構いませんが、それで宜しいのでしょうか? 耳かきなら別に普段からでも構いませんが」

 

「はい、お願いします。それに……その服装での耳かき、体験してみたいです」

 

 少し顔を隠してそう伝えるニシノフラワー。

 

「わかりました。では、耳かきの準備を行います、少々お待ちください」

 

 フラワーの願いを承諾したブルボンは自分のスペースから耳かきの用意を取り出し、それからベッドに腰掛ける。

 

「準備が整いました、フラワーさん、こちらへどうぞ」

 

「は、はい。お邪魔します」

 

 ブルボンに声を掛けられ、フラワーがベッドに横たわり、ブルボンの膝の上に頭を置く。柔らかい布地の下から伝わってくる固い感触にフラワーの心が少しばかり跳ね上がった。

 

「では、あずは外側をしていきます。温めたタオルでゴシゴシと……」

 

 ゴシゴシゴシ……ゴシゴシゴシ……

 

 グリグリ……モミモミ……

 

 タオルで耳の内側の埃や耳の粉を擦り取っていき、外側の耳の毛をこすっていき、外側の汚れも落としていく。

 

「ふぅ……温かい……です」

 

「それは良かったです。それに、汚れもよく取れていますね。それでは、中の掃除をしていきましょう」

 

 外側の汚れを擦り取ったタオルを横に置き、ブルボンは耳かきを手にする。

 

「中は……ふむ、特に目立った汚れはありませんね。フラワーさんが普段から体を大事にしている証拠です」

 

 そう言ってブルボンがフラワーの頭を撫でると、彼女の顔が仄かに赤く染まる。

 

「では、掃除をしていきましょう、カリカリカリ……カリカリカリ……」

 

 カリカリカリ……コリコリコリ……

 

 ペリペリ……ズリズリ……

 

 少ないながらも、存在している汚れを搔き集め、外に掻きだしていくブルボン。粉や小さい塊を順調にティッシュの上に捨てていく。

 

「カリカリカリ……サリサリサリ……♡ フラワーさん、気持ち良いですか?」

 

「ふぁぁ……き、気持ち良い……です」

 

 耳の迷走神経を刺激され、快感が背中を走るフラワー。そんな彼女の頭を優しく撫でながら耳かきを続けるブルボン。

 

「ふふ……可愛いですね、フラワーさん。とても可愛いですよ」

 

「は、恥ずかしいですよぉ……♡」

 

 顔を赤く染めながら囁くフラワーに愛らしさを覚えるブルボン。そのまま掃除を続けていき、やはりそこまでの汚れがないゆえに片側の耳掃除はすぐに終わった。

 

「では、反対側の掃除をしていきましょう。こちらも……はい、そこまで汚れてはいないですね」

 

 サリサリサリ……ソリソリソリ……

 

 ゴシゴシ……ゴシゴシ……

 

 ウェットティッシュで擦られ、汚れが取られ、水気を含んだ耳毛を整える。

 

「フラワーさんの耳を改めて触っていると、柔らかくて、とても気持ち良いです」

 

「んん……♡ ブルボンさん……さっきから恥ずかしい事ばかり……」

 

「事実ですから」

 

 汚れを取ったウェットティッシュが捨てられ、耳かきによる掃除が行われていく。

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

「やはりこちらも汚れはそんなにないですから……やりすぎないように注意しながら掃除していきましょう」

 

「わ、わかりました……」

 

 耳の中の汚れを手早く掃除していき、さしたる時間もかかることなく、掃除は終わりを迎える。

 

「それでは、これで耳掃除を完了します。フラワーさん、いかがだったでしょうか?」

 

「あの……気持ちよかったです。ありがとう……ございます」

 

 そう言って体を起こそうとするフラワー。だが、不意にその頭にブルボンの手が置かれた。

 

「すみません、まだ終了していませんでした」

 

 そう言うと、ブルボンはフラワーの耳に口を近づけ。

 

「ふ~……ふ~……」

 

「ひゃうっ!?」

 

 フラワーが反応するよりも早くブルボンの吐息がフラワーの耳の中を通っていく。それに声を上げるフラワーがブルボンに何かを言おうとするよりも早く。

 

「ふ~……ふ~……」

 

「ひゃわあ!?」

 

 反対側の耳にも息が吹き込まれ、フラワーは更に声を上げた。

 

「これで耳掃除はお終いです、どうでしたか?」

 

「は……はぃ……気持ちよかった……ですぅ……」

 

 くすぐったさに耳を押さえながらベッドから起き上がるフラワー。

 

「フラワーさん、もしよければこれからも耳掃除をして欲しくなったら仰ってください。貴女にはこうしてお世話になっていますし……」

 

「ブルボンさん?」

 

 気を取り直したフラワーがブルボンの次の言葉を待つが、中々次の言葉を出さないブルボン。首を傾げるフラワーに、少し顔を赤くしたブルボンが言葉を続けた。

 

「私も……フラワーさんの耳かきをするのが楽しく感じるようになりました。フラワーさんの可愛い顔を見たいですし……」

 

「はうっ!そそそ……それって……」

 

 ブルボンの言葉に顔を赤くするフラワー。互いに顔を赤くして、二人は暫し無言になるのだった。

 

 

 

 バレンタイン当日、トレセン学園の中では様々な悲喜交交が起きているが、そんな中、授業を終えたブルボンが廊下を歩いていると。

 

「ブルボンさ~ん」

 

 後ろから声を掛けられ、振り向くとそこに居たのはフラワーであった。

 

「ブルボンさん、ハッピーバレンタイン。こちらを用意しました」

 

 そう言ってフラワーが差し出したのは白い包装紙に赤いリボンが巻かれた箱であった。

 

「ありがとうございます、フラワーさん。実は、私もフラワーさんへのチョコを用意しました。もしよければ、これからどこかで一緒に食べませんか?」

 

「はい、喜んで♡」

 

 ブルボンの言葉に嬉しそうに頷き、隣を歩くフラワー。その尻尾は振られていて、ウマ娘特有の喜びが表されていた。そして、そんな二人を影から見つめる二人のウマ娘。

 

「フラワー……私も一緒にチョコ食べたかったのに……」

 

「ブルボンさん……ライスも一緒じゃ……ダメなのかな……?」

 

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