ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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ゴールドシップで耳かき、女トレーナー視点を書きました。

男より体力がない分、女トレーナーのほうがゴルシに振り回されるのはしんどいかもしれませんが、ゴルシはその辺り、考えてはっちゃけるんでしょうか? 気を遣ってはっちゃける場合も、気を遣わずにはっちゃける場合もゴルシの場合ならゴルシらしいなと思う今日この頃です。


ゴールドシップ(地の文あり、女トレーナー視点)

あ~~……と深いため息をつきながら書類を処理している私はどこにでもいる極々普通の一般トレーナー。強いて違うところをあげるとすると、あのゴールドシップのトレーナーだって事だと思う。

 

 ……そうなのよ……私の担当ウマ娘はあのとんでもなく破天荒なゴルシ。あの子に振り回されてどれだけ酷い目にあってきたか……。

 

 いや、苦痛だとか、そう言うことは言うつもりはないのよ。彼女はあれでも才能溢れるウマ娘だ。普段の奇行はさておき、彼女の走りに魅了されている人は大勢いるし、私だってその一人だ。担当トレーナーとしてできるだけの事はやっているつもりだ。だけどね……だけどねー……彼女の奇行の後始末するのって疲れるんだよぉ……こないだなんてトレセン学園変顔大会なんてのをいきなり開催しやがってくれたせいで生徒会からめちゃくちゃ怒られたし。しかも優勝したの彼女だよ。あの子なぁ……黙ってたらとんでもない美少女なのに。スタイルも顔も良すぎるのに、なんでああも破天荒なんだろうか……。

 

「と言うわけでトレーナー。このゴルシちゃんがトレーナーの事を労わってやりに来たぜ。なんかやってほしい事ってあるか?」

 

 ため息をつきながらそんな事を考えていると、いきなりドアが勢いよく開けられてゴルシがなんか言い出してきた。

 

「え? マジ? 大マジ? じゃぁ、しばらくの間おとなしくトレーニングしといてね。ちょっと仕事溜まってるし、私もたまには外で羽を伸ばして……」

 

 そう言うと、前触れもなくヘッドロックをかけられた。痛い痛い痛い! ギブギブギブ! 頭が割れる! クルミみたいに割れちゃう!

 

「おいおいトレーナー。このゴルシちゃんが労わってやるって言ってるんだぜ? 何もするな。はないんじゃねーの?」

 

「イダダダダダ! し、仕方ないでしょ! 貴女が暴れた後の処理が一番しんどいんだから! ちょ、当てないで!、顔に当てないでー!」

 

 私の顔面にゴルシの胸が押し付けられていく。ヤメロー! ヤメロー! 貴女、それは反則だから! そのプロポーションでそれは反則だぞー! そんなに私の劣等感を刺激したいのかー!

 

「まったく、ノリが悪いトレーナーだなー。なんだー? 耳の中詰まってんのか? どれどれ?」

 

「ちょ、突っ込まないで! 指を突っ込まないでー!」

 

 必死にタップしている私の耳にゴルシが指を突っ込んできた。うわあああああ、怖い、色んな意味で怖い! このままブスッてやられそう!

 

「よーし、トレーナーがアタシの言う事聞いてくれねえし、このまま耳の掃除していくぜ。おら、こっちこいや」

 

 ヘッドロックをかけられたまま引きずられていき……いや、全力で抵抗してるけど、ウマ娘に人間が勝てるわけもなく、そのままベッドの上まで引きずられていった。

 

「ちょっと、ゴルシ。離して、お願いだから離してよー」

 

「そんな暴れんじゃねーよ。耳掃除するだけなんだから、ほらおとなしくしろって」

 

 ヘッドロックを外され、首を回して真面に動くことを確認すると、そのまま何食わぬ顔でベッドから降りようとしたら無理やり引っ張られてゴルシの膝枕に頭を置く事になった。

 

「んー……汚れてるなぁ。こんなんだったらちゃんとした道具も持ってくりゃ良かったか?」

 

「よーし、それじゃぁ道具を取ってきて頂戴」

 

「なーに言ってんだ。道具取りに行っている間にどっか逃げるつもりだろ? 何年の付き合いだと思ってんだ?」

 

 くそー、ばれてたか。私がゴルシの事をわかるように、ゴルシも私の事がわかるって事か。

 

「ほれ、遠慮すんなよ。なんだったら前みたいに耳のマッサージしてやってもいいんだぜ?」

 

「うーん、そうねぇ……確かに、ゴルシのマッサージは気持ちよかったわ……普段の貴女の言動からは想像できないほどにね……」

 

「だろー? だから今回も……」

 

「だが断る。このトレーナーの好きな事は、自分の言う事なら聞いてくれるだろうと高を括っている愛バに対してノーを突きつけることだ」

 

 私がどや顔でビシッと言い切ると、ゴルシが私の頭を押さえてきて……ムグー! か、顔が腹で埋められて呼吸がー!

 

「ムー! ムー! ムーーーー!」

 

 必死にタップして逃げようとするけど、その間にも酸素はどんどん無くなって……あ、ヤバイ……本気で頭が……と言ったところでようやく解放された。

 

「ブハー! ゼハー! ゼー……ハー……!」

 

 あ……危うく逝く所だった……酸欠で頭がヤバい中でゴルシの匂いだけが入ってくるとか、頭がおかしくなるわよ。彼女のお腹から反対のほうを向いて、なんとか呼吸を整える。そうじゃなきゃ、彼女の匂いで頭の中が埋まっちゃう。

 

「よー、これで気が変わったか? 何? 変わってない? 仕方ねーなー、じゃぁもう一回……」

 

「降参! 降参! わかったから! ありがたく耳かきをしてもらいます! ありがとうございます!」

 

 もう一回埋められそうになったから、慌てて降参の意を示す。クソーッ、やっぱりこうなるしかないのか……。

 

「よーし、じゃぁ早速やってくぜー……んぁ? なんだこりゃ?」

 

 耳の中を見ていたゴルシがいきなり怪訝な声を上げて、顔をもっと近づけてきた。なんだろ? 私の耳に何かあるのか?

 

「えーと、耳かき耳かき……と。後は……やっぱマッサージしとくか」

 

 何があったのか教えてくれる事はなく、耳の外側を摘ままれたと思うと、そのまま耳のツボを押してきた。

 

 モミモミモミ……モミモミモミ……

 

 グリグリグリ……グリグリグリ……

 

「うぁ……柔らかいなぁ……ゴルシの指って……乙女な所あるわよねぇ」

 

「あったりめーだろ。これでも手入れは欠かしてないんだぜ」

 

 普段の破天荒さからは想像できない言葉だけど、この子、妙に乙女っぽい所あるのよね。私も1年以上付き合いがあってようやく気づいたけど。

 

「グリグリグリ……と、こんなもんにしとくか」

 

 耳のツボと思しき部分を指圧され、耳の血流が促進されていくのが自分でもよーくわかる。血が流れる感覚とともに耳が熱くなってくる。と、そう思っていると、ゴルシの指が離れていった。

 

「えーと……じゃぁ、手前からやってくからな。気持ちよくても動くなよー?」

 

「怖くて動けないって……」

 

 動いて耳の中をガリッ。なんてされたらたまったもんじゃない、恐ろしすぎるわよ。耳かきが差し込まれた以上、おとなしくする以外の選択しなんて存在しないんだ。ましてや相手はゴルシだからね。

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 私の心配とは裏腹に耳かきは順調に進んでいるようで、耳の中から掻きだされた耳垢がティッシュの上に捨てられていく。この子、破天荒な割に色々と器用よねぇ。

 

「なんだよトレーナー、耳垢は素直じゃんか。トレーナーももっと素直にゴルシちゃんに甘えて良いんだぜ?」

 

「いや、愛バに甘えるのはNGでしょ、常識で考えて」

 

「常識じゃゴルシちゃんは図れねーんだぜ」

 

「それはよくわかっていますわよ」

 

 この子が常識で測れるウマ娘ならどれだけ楽だったか……いや、破天荒だからこそのこの子であって、それを無理に止めさせたところで仕方ない事なんだけどね。

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

「んー……こんなもんか? あんまやりすぎる程汚れてるわけでもねーしな」

 

「……テキトーな言葉だけど、本当に掃除終わってるんだよね?」

 

「お? 疑うってのか? よーし、じゃぁトレーナーの気が済むまで掃除していくか」

 

「いいえ、遠慮します」

 

 うん、取り敢えずゴルシの言うことを信用しておこう。信用せずに抵抗したところで余計に耳掃除が続くだけだし。

 

「んー……それじゃぁ……おっし、動くんじゃねーぞ」

 

 ん? 何々? なんか頭が抑えられて……。

 

「ふ~……ふ~……」

 

「あひゃう!?」

 

 突然強めに息が吹きかけられて、背筋がゾゾッと快感が走る。こ、これは予想外……な事……。

 

「おいおいトレーナー。なんだよその声は」

 

「いきなりでびっくりしただけだよ。まったくもう……」

 

 本当、この子の行動は読めないよなぁ。まぁ、ゴルシの行動を読めるようになったらそれはそれでヤバそうな気もするけど。日常生活で支障がでそう。

 

「おう、それじゃぁ引っ繰り返すぞ。おっしゃーい」

 

「わああああ!?」

 

 いきなり体の下に手を入れられたと思うと、勢いよく体が持ち上げられ……と言うか、体が浮き上がり、勢いのままに反対側を向いてゴルシの膝枕に落ちる。

 

「こっちもバランスよく耳のマッサージを……んー、凝ってますねぇ、お客さん」

 

「あー……うん、そこ、気持ち良いわ」

 

 あ~……くっそー……なんでこんな気持ち良いマッサージができるのよこの子。思わず表情に出ちゃうじゃないの。

 

「じゃぁ、このまま耳の掃除もやってくからな。気持ち良くても動くんじゃねーぞー」

 

「わかってる。怖いからね」

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 変に動いて耳の中をガリッ……は本気で怖いのよ。おとなしく身を任せる以上の選択肢はないから。

 

「なぁトレーナー。ちょっと耳垢溜めてみねーか? そっちのほうがやりがいがあるんだけどよ」

 

「流石にそれは嫌なんだけど。意図的に汚れを溜めるなんてやりたくないからね」

 

「つまんねーなー」

 

 がっかりした様子が伝わってくるけど、わざわざ自分で耳の中を汚すなんて事したくはない。

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

「うッ……ふぅ……」

 

「よーし、これで掃除は終わりだぜー」

 

 ふー……息の吹きかけも終わって、ようやく耳掃除が終わったわね。気持ち良いのは認めるんだけど、やっぱ怖いのほうが勝るのよねぇ……。さて、取り敢えずこの子の膝の上からどかないと……。

 

「おいおいトレーナー。どこに行こうと言うのかね」

 

「いや、掃除終わったし……どくのが普通でしょ?」

 

「何言ってんだよ。アタシの黄金の不沈艦に頭乗せてるんだから、このままお休みするのが筋ってもんだろうが」

 

「いや、確かに貴女は不沈艦だけど、足の事をそう表現したのは初めて聞いたわよ……あ、いや、わかりました。ありがたく堪能させてもらうから、腹に押し付けようとしないでくださいお願いします」

 

 頭の後ろに手が回されて大慌てで膝の上で寝る事を了承する。またこの子の腹に顔を埋められたらもう理性が崩壊しかねない。絶対にヤバい事になる。具体的には私の性癖がヤバい事になっちゃう。

 

「おう、それじゃぁ子守歌だって歌ってやるからな。安心しろよ」

 

「いや……それは別にいいから。……いや待って、実力行使しようとしないで。マジで、このまま横になってるだけで十分なので」

 

 耳の穴が広げられてそのまま耳元で大声で歌われる気配を感じて慌てて目を閉じる。あー……でもまぁ……膝枕が良い反発具合で、ゴルシからは良い匂いがして……あ、なんか本当に眠くなって……。

 

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