ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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お嬢様に耳かきしてもらうのってなんか特別な感じしません? 私はします。


メジロマックイーン

 んー、今日も減量……ああ、スイーツが食べたい……。

 

 ッ、ト、トレーナーさん!? い、今のは聞かなかったことにしてください!

 

 そ、それで……何か御用ですの? え、耳の中が違和感あるから少し見て欲しいのですか? わかりましたわ、どれどれ……。

 

 ……ああ、耳垢が中途半端に剥がれてて、それが耳の中を擦ってますわね。仕方がありません、私がとって差し上げます。

 

 ……なんでしょうか? その目……まさか、私を信用できないと? 甘く見ないでください、メジロ家に代々伝わる殿方への耳かき方法を用いれば、なんの問題もありませんわ。

 

 では、早速始めましょう、幸い耳かきはそこにありますし……あら、どこへ行くのですトレーナーさん? まさか逃げるおつもりで? 逃がしませんわよ。

 

 まったく……誰がポンコツお嬢様ですか。そのような不名誉なあだ名の返上の為にも、ここでおとなしくしてください。では、手始めにウェットティッシュで耳の周りをゴシゴシ……ふぅ、やはり汚れてますわね。こういうところの身だしなみもちゃんとするのがメジロの家のウマ娘のトレーナーですわよ。

 

 さて、それでは……まずは耳の外側を……カリカリカリ……ザリザリ……サリサリ……窪みに溜まっている粉もちゃんと、カリカリと掻いて取り出して……

 

 サリサリ……サリサリ……広い面も余すところなく粉を取っていって……外側のツボを耳かきでギュッギュッギュッ……

 

 トレーナーさんが仕事で疲れてるのはご存知ですわ。これで、少しは疲れが取れると良いのですが……。

 

 さぁ、では耳垢を取りますわよ。動いてはダメですから、気を付けてくださいまし。

 

 まずは中途半端になってる耳垢をペリペリ……ペリペリ…カリカリ……カリカリ……ふぅ、取れましたわ。薄くて長いのが中途半端に剥がれていたのですわね。

 

 次に……周りの残りかすをカリカリ……カリカリ……ペリペリっと取っていって……他には目立った耳垢はありませんわね。では、後は粉の塊をザリザリ……サリサリ……と、掬い上げていって……。

 

 ん? あら、どうしましたのトレーナーさん? ここを掻かれるのが気持ちいい? ふふ、ダーメ、ですわ。無暗に耳かきをしたら肌が荒れてしまいますもの。ほら、梵天をしますから、落ち着いてください。

 

 梵天で……ガシュガシュ……ゴシュゴシュ……クールクル……クールクル……梵天に細かい粉を巻き取っていかせて……。

 

 ふ~……

 

 あら、驚きました? 梵天で敏感になった耳の中に吐息は少々刺激が強かったですの? ふふ、止めませんわよ、観念してください。

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

 もう、駄目ですわよ、逃げようとするなんて。ほら、もう一度、梵天で粉を取りますから、大人しくしてください。

 

 ガシュガシュ……ゴゾゴゾ……こうして……粉もちゃんと取っておかないと……そして、もう一度息を……ふ~……ふ~……

 

 はい、これでこちら側はお終いですわ。さぁ、反対側をしますから、このまま体をクルッと……回転させましたわよ。え、恥ずかしい? 何を言っているのですか、私達は二人三脚で歩んでいるんですのよ、これぐらいが何だというのですか。もしかして、さっきまで逃げようとしたのも? ……はぁ……。

 

 トレーナー、この程度で恥ずかしがっていては私のトレーナーなど務まりませんから、腹をくくってください。ほら、外側を掃除しますわよ。

 

 ゴシゴシ……ゴシゴシ……垢が溜まってますわね。お風呂上りにはちゃんとタオルで擦ってください。……さて、それでは耳も行きますわよ。

 

 外側をカリカリカリ……カリカリカリ……窪みの粉も掻き出して……カリカリカリ……サリサリサリ……

 

 ツボをギューッ、ギューッ……耳に熱が篭ってきましたわね。血流が良くなっている証拠ですわ。ではこのまま、全体を満遍なく、カリカリカリ……カリカリカリ……ほらほら、我慢してください。動くと危ないですよ。カリカリカリ……カリカリカリ……。

 

 小さい耳垢をカリカリ……浮いてできた隙間に差し込んで……グッグッグッ……剥がれてきたのをペリッと剥がしてスーッと掻きあげて。

 

 大きい物も同じ要領で……ガリガリガリ……ガリガリガリ……あら、もっと耳元で囁いて欲しいのですか? もう、そう言う事はもっと早く言ってください、もう、終わっちゃいますわ。

 

 ガリガリ……ガリガリ……グッグッと耳かきを差し込んで……グーッ……グーッ……ベリッと剥がして……ズズズと引き上げて……。

 

 後は、残った粉を梵天で。ガシュガシュ……ガシュガシュ……クルクルクル……ゴシュゴシュ……はい、綺麗に取れましたわ。では最後に。

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

 はい、これでお終いですわ。さて……おや、トレーナーさん、どかないのですか? え? このまま寝たい……ですって?

 

 ふふ、良いですわよ。私の膝の上でお眠りなさいな。子守歌も歌って差し上げますわよ。いつもお世話になっていますもの。

 

 さ、お休みなさいトレーナー。良い夢を。


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