お上品なアルダンと魔性のラモーヌ。この二人姉妹愛に満ちた耳かきの様子、見てみたいと思う今日この頃です。
ある日の午後。学園が夏の長期休暇に入ったことにより、ウマ娘達はある者は実家に帰省し、ある者はウマ娘の少なくなった学園の中で存分にトレーニングをし、ある者は夏合宿で更なる飛躍を目指す。
多くのウマ娘達がそう言った普段とは違う生活を過ごす中、メジロアルダンはメジロ家に帰省していた。今日の帰省はトレーナーを伴わない、一人での帰省である。勿論、二人の間に不仲があるわけではなく、たまにはお互いにプライベートな時間を過ごすことも大切だという考え故だ。
「あら、アルダン。貴女も帰っていたのね」
そうして一人でメジロ邸で歩いていたアルダンに声がかけられる。そちらを向くとそこにはアルダンの姉にしてメジロの至宝たるラモーヌの姿があった。
「お姉さま! お姉さまも帰っていらっしゃったのですね」
「ええ。たまには実家に顔を出さないといけないからね。アルダンも元気そうで何よりね、活躍は聞いているわ。姉として、誇りに思うわ」
「お姉さま……!」
メジロの至宝にして、尊敬する己の姉にそこまで言われて、アルダンは胸に込み上げるものを感じ入る。
「それで……アルダン、たまには私からご褒美をあげようと思っていたの。何か欲しい物はあるかしら? それとも、トレーニングに付き合ってあげましょうか?」
「え、お姉さまからのご褒美ですか? え、えっと……」
突然のアルダンの提案に戸惑うアルダン。暫しの間悩んでいたが、やがて決まったのかラモーヌの方を向く。
「それでは……その……耳かき……してくれませんか?」
顔を伏せ、その頬を赤く染め、ラモーヌの様子を伺いながら提案するアルダン。予想外の提案だったのか、ラモーヌは首を傾げる。
「耳かき? あら、そんなことで良いの? もっと別のお願いでも構わないわよ?」
「いえ、その……お姉さまに耳かき……してもらいたいんです。ダメ……ですか?」
「あら、別に構わないわよ。それじゃぁ早速やってあげましょうか。私の部屋で、ね」
「は、はい! お願いします」
こうして二人はラモーヌの部屋に入ると、ラモーヌは耳かきの用意を行い、アルダンを自分の膝枕に寝かせる。
「寝心地はどうかしら?」
「だ、大丈夫です、お姉さま」
緊張のせいか、声が震えるアルダンに気づき、ラモーヌは彼女の頭を優しく撫でながら、耳を弄る。
「ダメよ、アルダン。そんなに緊張していたら。気持ち良くならないでしょ?」
「あ……あぅ……」
「それじゃぁ、やっぱり耳の外側からよね」
ラモーヌはアルダンの耳の外側を温めたタオルで擦っていく。
ゴシゴシ……ゴシゴシ……
ゴシゴシ……ゴシゴシ……
「あ、お姉さま……温かい……」
「あらあら、もう蕩けちゃってるの? アルダン、まだまだこれからよ」
蕩けるアルダンの額を指でクリクリと押しながら、ラモーヌは次の行動に移していく。
グニグニ……グニグニ……
モミモミ……モミモミ……
「貴女の耳は敏感ね、ここを押したら、ほら、もう顔が変わっちゃって」
「だって……お姉さまの指が心地よくて……」
アルダンの耳のマッサージをしていくと、アルダンの口から甘い吐息が吐き出される。それを微笑ましく眺めながら、ラモーヌはしばしの間マッサージを続けると、次に耳かきを手に取る。
「さぁ、中を掃除するわ。おとなしくしててね」
「はい、お姉さま」
アルダンの耳を軽く引っ張り、耳かきを差し込むラモーヌ。そのまま、耳の汚れに耳かきを当て、掻いていく。
「あ、お姉さま……そこ……くすぐったいです」
「ここに耳垢があるの。少し我慢していてね」
カリカリカリ……カリカリカリ……
カリカリカリ……カリカリカリ……
静かな部屋の中、耳かきの音が二人の耳に届く。
「これぐらい……かしら。あまり汚れてはいないわね、ちゃんと手入れをしているようで安心できるわ、アルダン」
「ありがとうございます、お姉さま」
一通りの耳垢を取り除いた後、アルダンの頭を撫でるラモーヌと、それを気持ち良さそうに受け止めるアルダン。
「後は、このオイルを塗っておくわね。塗ってる間に動いちゃダメよ」
ヌリヌリ……ヌリヌリ……
ヌチャヌチャ……ヌチャヌチャ……
「あ、お姉さま。良い匂いですね」
「ええ、オーダーメイドで作ってもらったものよ。貴女も気に入ってくれたなら何よりね」
香油を耳に塗られ、その香りを気に入るアルダンと、そんな彼女の様子を嬉しく思うラモーヌ。そうして香油を塗り終えると、ラモーヌはアルダンの体をひっくり返し、反対側の耳を上に向ける。
「お姉さま、こ、この体勢は……」
「あら、アルダンに見られて恥ずかしいお腹なんてしていないわよ。ほら、おとなしくなさい」
少し体を動かして起き上がろうとするアルダンの頭を優しく抑えながらラモーヌは耳かきを始める。
ゴシゴシ……ゴシゴシ……
ゴシゴシ……ゴシゴシ……
アルダンの耳が温かいタオルで優しく擦られ、浮き上がる汚れを拭きとられていく。
「あら、くすぐったいかしら? もうちょっと力を抜いたほうが良いかしら?」
「いえ……大丈夫です」
カリカリカリ……ガリガリガリ……
カリカリカリ……カリカリカリ……
耳かきが差し込まれ、耳垢を取り除いていく。
「あら? こっちは少し汚れがあるかしら? ほら、ここに、ここも。ちゃんと掃除しないといけないわね」
「あ、お姉さま。そこ……そこ気持ちいい……」
アルダンの耳垢が剝がされると、アルダンの体が僅かに跳ね上がる。その様子を見て少し楽しそうに笑みを浮かべるラモーヌ。
ヌリヌリ……ヌリヌリ……
ヌリヌリ……ヌリヌリ……
香油が塗られ、ヒンヤリとした感触によってアルダンの背筋に刺激が入り、アルダンの体が反応する。
「これで終わり……あ、そう言えばこういうのもあったわね」
ふ~……ふ~……
「ひゃあぁぁぁぁ」
突然の息の吹きかけにアルダンの口から可愛らしい悲鳴が漏れ出る。
「あらあら、可愛い声ね、アルダン。ふふ、もっと聞かせてもらっても良いかしら?」
「や、やめてくださいお姉さま」
ラモーヌにからかわれ、頬を赤く染めて抗議するアルダン。その様子は普段のお嬢様としてのアルダンではなく、彼女の本来の性格が出ているのか、ラモーヌは愛おしそうにそれを眺める。
「ふふ、怒らせてしまったわね。お詫びに、このままお昼寝させてあげるわ。目を瞑って……楽にしていてちょうだい」
「ふえ!? い、良いんですか?」
「ええ、構わないわ。さぁ、体の力を抜いて……楽にして……」
アルダンの頭を撫でながら声をかけるラモーヌ。その声に合わせるようにアルダンの力が抜けていき、目を閉じ、眠りに落ちていく。
「おね……え……さま……」
「お休みなさい、アルダン。私の愛しい妹」
眠りに落ち、穏やかに寝息を立てるアルダン。その額にキスを落としつつ、ラモーヌは愛しい妹の寝顔を眺めるのであった。