フジタキは以前他の方のリクエストで書いているのですが、やる相手が逆なので、別CP物として一応区分しています。
新時代の扉は良かったですねぇ。あのマッドとアスリート一直線な世界線のタキオンとフジだからこそのCPってあると思うんですよ、思いませんか?
トレセン学園のタキオン専用の研究室。ここでは彼女が日夜怪しい薬を開発し、それを飲んだ担当トレーナーやウマ娘が七色の光を発したり、時折有用な効果が表れたり、ダイワスカーレットやジャングルポケットと言った一部のウマ娘がタキオンに用事があって訪れたりと、何かと話題に欠かさない場所である。
そんなタキオンの研究所に訪れている一人のウマ娘が居た。彼女の名はフジキセキ。将来を希望されるも、体の故障によって現役から引退していたが、後輩であるジャングルポケットの活躍に奮起し、レースへの現役復帰を果たしたウマ娘である。
「タキオン。また研究ばっかりでちゃんとした食事や睡眠を取ってないでしょ。皆も心配してるんだよ?」
「うーん。研究が良い所だから、放っておいて欲しいのだがねぇ……」
パソコンに向き合うタキオンの後ろから苦言を呈するフジ。今日も聞き入れてくないかと半分諦めていたが、不意にタキオンがキーボードの手を止め、彼女の方を向いてきた。
「ふむ。まぁたまにはおとなしく君の言う事も聞こうじゃないか。要らぬお節介ではあるが、私を心配していると言うのはわかっているからね」
「ん? 珍しいねタキオン。自分の作った薬でも飲んだ?」
「なんだい? 私の薬を悪い物と一緒にしないでくれたまえ。さて……それではそうして私の事を気にかけてくれる寮長様にはたまにはお返しをしないといけないねぇ」
そう言うと、タキオンは椅子から立ち上がると、引き出しから耳かきと何かの入っている瓶を取り出し、ソファーに腰掛ける。
「さぁ寮長様。こちらに来てくれたまえ。たまには私も君にお返しをさせてくれたまえよ」
「えっと……タキオンにはゆっくり休んでほしいから、遠慮しておこうかな」
「おや、連れないねぇ。仕方ない、どうせ休憩していてもやる事が無いから、結局研究に戻るしかないねぇ。いやぁ、寮長様が付き合ってくれないから、仕方がないねぇ?」
そう言うと、タキオンは横目でフジの事を見てくる。その様子にため息を吐いたフジは、仕方なく、タキオンの横に寝転がり、彼女の膝の上にその頭を乗せた。
「まったく……変な事はしないでよ?」
「安心したまえ。これはお礼だからね。ちゃんとするさ」
そう言うと、タキオンはフジの方耳を摘まみ、観察する。
「ふーむ……なんだ、そんなに汚れてないじゃないか」
「そりゃ、自分の耳の手入れ位しっかりするさ。タキオンこそ、ちゃんと手入れはしているの?」
「私は大丈夫だよ。スカーレット君が良くやってくれるからね」
「後輩に何をさせてるんだい……」
呆れるフジの様子を気にすることもなく、タキオンは掃除を開始した。
「ではまず……ウェットティッシュで拭くところからだね。少し冷たいと思うが、まぁ我慢してくれたまえ」
そう言うと、タキオンはウェットティッシュでフジの耳を拭いていく。
ゴシゴシ……ゴシゴシ……
グリグリ……ギュッギュッ……
「ん……確かにヒヤッとするね」
「まぁまぁ、我慢してくれたまえ」
耳を擦っていき、皮膚や毛に付着している埃や粉を拭き落としていく。暫くの間汚れを拭き取っていき、穏やかな時間が過ぎていく。
「ふーむ。まぁ、こんなものだろう。さてさて……では、中の掃除をしていこうじゃないか。動かないでくれ給えよ? 動いたら痛い思いをすることになるからね」
「うん……タキオン? 本当に気を付けてね?」
タキオンに耳かきをされる。と言う事に恐怖を覚えるフジだが、タキオンは気にする事もなく、耳かきを手にした。
カリカリカリ……ガリガリガリ……
ゴリゴリ……ベリベリ……ガリガリ……
耳かきが差し込まれていき、耳垢に匙が引っかかったと思うとそのまま掻いていき、少しずつ剥がしていく。
「ふーむ。これな中々……固いじゃないか。痛かったら素直に言ってくれ給えよ」
「あ、大丈夫。我慢でき……あっ♡」
不意に耳垢が剥がれ、その感覚にフジの口から嬌声が漏れた。
「おやぁ? 良い声で鳴くじゃないか。麗しの寮長様は、声も麗しいようだねぇ」
「タ~キ~オ~ン~」
「冗談さ。そんなに睨まないでくれたまえ」
からかうタキオンを睨むフジ。そんな視線を気にすることなく、タキオンは耳かきを動かしていく。
「ふむ……ふーむ。うーん、こんなものなのかな? 後は無理に取る必要はなさそうだが……どうする? もうちょっと耳の中を掻いて欲しいかな?」
「いや、無理にしなくてもいいよ。やりすぎると耳の中が逆に荒れちゃうでしょ?」
「まさにその通りだねぇ。では、この辺りにしておこうか」
そう言うと、タキオンは耳かきを引き抜き、そして、今度は綿棒にローションを垂らして耳の中に入れて行く。
ぬりぬり……ぬりぬり……
ぬちゃぬちゃ……ぬちょぬちょ……
「ほら、耳の荒れが気になるのなら、ローションも塗ってあげよう。どうかな? 気持ち良いだろ?」
「うん……確かに、気持ち良いね」
ローションを塗っていかれて、耳垢が剥がれて赤くなっている部分が冷やされていき、ヒンヤリとした感触にフジの背筋にゾクッとした快感が走る。
「さて、それでは最後に……」
ふ~……ふ~……
ふ~……ふ~……
「ンンッ……♡」
「ふふ。どうやら、気に入って頂けているようだね」
甘く漏れ出るフジの声にタキオンが含み笑いをするが、気を取り直して再びウェットティッシュを手にする。
「さて、それではもう片方の耳の掃除をしていこうじゃぁないか」
「あ……うん、お願いね」
ゴシゴシゴシ……ゴシゴシゴシ……
グリグリ……グリグリ……
「ふーむ。人間の耳なら毛がないから楽なんだけどねぇ……」
「え、もしかしてタキオン。誰かに耳かきをしてあげた事があるの?」
「ふふ。それは想像に任せるよ」
カリカリカリ……カリカリカリ……
カリカリカリ……ペリペリぺり……
「しかし、君がこうしておとなしく私の膝の上に居ると言うのも新鮮さを感じるね。普段から、薬の実験にもこれだけおとなしく付き合ってくれたらありがたいのだがね?」
「謹んで辞退させて頂くよ。あいにく、私は全身が発光する趣味はないから」
ぬりぬり……ぬちゃぬちゃ……
ぬちゃ……ぬちゃ……
「ふーむ。やはり香りがある方が良いかもしれないね。君がどんな香りが好きか知らないから無臭の物にしてみたけど、どう思うかな?」
「それは……うん、これで良いよ。君に頼むと何を塗るかわからないからね」
「おやおや、私は相手を害する物は作らない主義なのだがねぇ」
ふ~……ふ~……
ふ~……ふ~……
「君がそうして体を震わせている姿……ファンクラブの面々に見せたらどんな反応をするだろうね?」
「ちょ、止めてよタキオン。冗談にならないんだから」
そうして残った耳の掃除も無事に終わり、フジは立ち上がろうとするが、その額にタキオンが手を乗せる。
「おっと、待ちたまえ。耳かきは昼寝までがお約束だろ?」
「え? いや、流石にそれは……って、ちょっと?」
それでも動こうとするフジの尻尾にタキオンの尻尾が絡みついてくる。
「ほら、ここまでしているんだ。是非とも休んでいくとよい」
「……まったくもう」
タキオンに促され、フジは諦めに似たため息をつくが、そのまま目を閉じて、意識を手放した。
「ふふ……ようやくおとなしくなったか。さて、と」
タキオンは懐からアイマスクと耳栓を取り出し、フジに装着させていく。
「確かに私は研究第一ではあるが……情がないわけじゃないんだよ? 君には色々とお世話になっているしね。これぐらいしてあげてもバチは当たらないだろ?」