ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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タキオン×ライトオで耳かきを書きました。今回の作品はゼットバルタン様(user/22831339)のリクエストとなります。

今回の作品は比較的あっさり目となりますが、この二人の距離感なら、まぁ、こんなもんじゃないかなぁ? そう思う今日この頃です。


タキオン×ライトオ

 タキオンの研究室。それはトレセン学園において色々な意味で有名な場所である。

 

 タキオンの開発する薬による様々な副作用は彼女自身のトレーナー兼モルモットを始めとして、割と無理やり飲まされる薬による激しい発光によってトレセン学園では被害者が続出、寮長や生徒会から激しい指導をされるが、それでも彼女の研究が止まる事はない。それは、彼女自身の考えによるものでもあるし、彼女の薬を欲するウマ娘が居るのもまた確かなのだから。

 

「では、今回の分のドリンク、ありがたく受け取っていく」

 

「ああ。無くなったら言ってくれたまえ」

 

 今、タキオンの研究所でドリンクを受け取っているカルストンライトオもまた、タキオンの作る薬を求める一人であった。彼女の直線における最高速の限界を超える挑戦。それを支えるとともに、実験材料として、タキオンは彼女にいくつかの薬やドリンクを提供している。そして、それらは確かな効果をカルストンライトオにもたらしており、彼女のトレーナーからも許可が下りているのだ。

 

「しかし、君は中々に良い実験対象だねぇ。薬の効果を実証するだけでなく、非常に協力的だ。君みたいなウマ娘ばかりであるなら、私の研究ももっと効率的に進むのだけどどねぇ」

 

「む? よくわからないが、タキオンにとっても私にとっても良い状態と言う事か?」

 

「まぁ、端的に言えばそうなるね」

 

 相変わらずの様子のライトオに対して、タキオンも変わらぬ様子で接する。それが普段の二人の様子であるはずだが、今日は別の出来事が起きた。

 

「ところでライトオ君。少し時間はあるかな?」

 

「む。そうだな、大丈夫だ」

 

「そうかそうか。では、そこのベッドで横になってくれたまえ」

 

 タキオンのその言葉に流石のライトオも少し首を傾げるが、それでもさして気にすることなく、素直にベッドに横になる。

 

「こうで良いのか?」

 

「ああ。それでは少し失礼してと……」

 

 そう言うと、タキオンもベッドに座り、そのままライトオの頭を自分の膝の上に乗せる。流石にそれは疑問に思ったのか、ライトオが不思議そうな顔をする。

 

「タキオン? これはいったいどういう事だ?」

 

「何、君は常に最速を目指しているからね。耳にストレスが溜まっているだろう? それを解消してあげようと思っただけだよ。そうしたほうが君は更に早くなると思うけどねぇ」

 

「そうなのか、わかった、任せる」

 

 あっさりと納得したライトオに苦笑を浮かべつつ、タキオンは懐から耳かきとウェットティッシュを取り出した。

 

「ではまずは……君の耳の外側の掃除をしていこうじゃないか」

 

 ゴシゴシゴシ……ゴシゴシゴシ……

 

 グリグリグリ……ギュッギュッ……

 

 ひんやりとしたウェットティッシュがライトオの耳を擦り、粉や埃、抜け毛と言った汚れを拭きとっていく。

 

「ふーむ。やはり汚れが溜まっているようだねぇ……」

 

「タキオン……その、そのようにマジマジと言われては流石に恥ずかしいのだが……」

 

「事実を言ってるだけだからね。諦め給えよ」

 

 ライトオが少し困ったように言うが、タキオンは気にすることなく、外側の掃除を続けていく。

 

「ふむ……まぁ、こんなところで良いかな? さてと。では……中も一緒に掃除していくとしよう」

 

「む? 耳の中まで掃除をする必要があるのか?」

 

「外だけと言うのはおかしいと思わないかね……?」

 

 ライトオの言葉に流石に少し呆れるタキオンだが、気を取り直して掃除を再開させる。

 

 カリカリカリ……コリコリコリ……

 

 ベリベリベリ……ベリベリベリ……

 

 掃除は順調に進んでいき、汚れが掻きだされ、ティッシュの上に捨てられていく。

 

「むむ……先端が曲がっていますね……まっすぐなのはないのですか?」

 

「うーん、匙の部分がまっすぐな耳かきで、いったいどうやって耳垢を掻きだせば良いのだろうねぇ?」

 

 ライトオの相変わらずの直線好きに適当に返事をしつつも、程なくしてタキオンは耳かきを終えた。

 

「さてさて、こちら側は終わったよ。反対を向いてくれたまえ」

 

「うん、わかった」

 

 素直に体勢を変えるライトオの頭を押さえ、タキオンは耳かきを続けていく。

 

 ゴシゴシゴシ……ゴシゴシゴシ……

 

 グリグリ……ギュッギュッ……

 

「タキオンは耳掃除が上手なんだな。こうして掃除されていると……気持ち良くなってくる」

 

「おや、それはそれは、お褒め頂きなによりだねぇ」

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 ガリガリガリ……ガリガリガリ……

 

「ん……あ、そこ……痒い……と、取ってくれ」

 

「ふむ、もう少し待っていたまえ。もう少しで取れそうなんだ……暴れると、耳垢が落ちてしまうからね?」

 

 そうして、割と穏やかに耳かきは進んでいき、特に大きな問題もなく、耳かきを終える事ができた。

 

「さてさて、これで耳の掃除は終了だ。どうだね? 調子は良くなったかい?」

 

「ふむ……確かに、今ならこれまで以上のスピードを出せるかもしれません。では、少しグランドに行ってきます」

 

 そう言うと、ライトオは素早く体を起こし、そのままタキオンが止めるよりも早く、部屋を出て行ってしまった。

 

「……やれやれ。まぁ、いい、彼女が記録を出せるようになれば、私の研究にも役に立つからね」

 

 そう呟くと、タキオンは道具を片付け、新しい研究に没頭するのだった。

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