ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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ハヤブラで耳かきを書きました。

ウマ娘の中では一番に姉妹として実装され、二人ともCP先が多いのもあってあんまり絡んでる作品のない印象のある二人ですが、やっぱりこういう姉に素直に甘えたり甘やかしたりする姉妹を見たいと思いませんか? 私は思います。


ハヤブラ

「……ムッ……」

 

 今、トレセン学園の廊下で眉間に皺を寄せたのはナリタブライアン。三冠ウマ娘にして生徒会副会長の一人と言う、千人を超えるウマ娘が在学するこのトレセン学園においても数少ない優俊の一人である。

 

 しかし、そんな彼女であるが、今は眉間に皺を寄せ、自分の耳に手をやっている。暫くの間そうして自分の耳を弄っていた彼女だが、一つため息を吐くと、その足を寮へと向けた。

 

 だが、彼女足が向かうのは自分の部屋ではなく、実姉の部屋であった。

 

「姉貴、今良いか?」

 

「ん? ブライアン、珍しいな。どうかしたのか?」

 

 ナリタブライアンの姉であるビワハヤヒデが怪訝な表情でブライアンを見つめる。

 

「……そうかようやく野菜を食べるようになったんだな? よし、早速美味しい野菜を」

 

「違う。野菜は食わん。そうなじゃなくて……耳かきを頼みたい。耳が痒いんだ」

 

 一瞬目を輝かせたハヤヒデの言葉を一蹴するブライアン。その言葉に耳をしゅんとさせるハヤヒデだが、気を取り直してブライアンに向き直る。

 

「ふむ。良いだろう、しかし、今度からは少し早く言うんだぞ。準備と言う物があるからな、少し待っていてくれ」

 

 そう言うと、ハヤヒデは一度外に出る。そしてしばらくしてお湯を入れたタライを持ってきた。

 

「それじゃぁ……ほら、こっちに来るんだ」

 

「ああ」

 

 ベッドに座り、自分の膝を叩くハヤヒデに誘われ、ブライアンはおとなしく彼女の膝に頭を乗せる。

 

「では、早速始めよう。まずはお湯で温めたタオルで……」

 

 ゴシゴシゴシ……ゴシゴシゴシ……

 

 グリグリ……グリグリ……

 

 ブライアンの耳を温めたタオルでハヤヒデ。そうして耳を温め、血流を促進していく。

 

「ん……姉貴、そこ、ちょっと痒い」

 

「ここか? なら、こう、少し力を入れて……」

 

 暫くの間そうして耳をマッサージをしながら汚れを落としていくハヤヒデ。暫くしてしっかりと汚れを落としたハヤヒデは、タオルを横において耳かきを手にする。

 

「それでは、中の掃除をしていこうか」

 

「ああ、頼む」

 

 カリカリカリ……カリカリカリ……

 

 カリカリカリ……カリカリカリ…

 

 耳が温められ、ほんのりと汗をかき始めている耳の中に耳かきが差し込まれていく。汗をかき、水分を吸った耳垢はふやけ、比較的簡単に剥がれやすくなっている耳垢を順調に剥がしていく。

 

「……なあ、姉貴。囁きをしてくれないか?」

 

「ん? 構わないぞ。カリカリカリ……カリカリカリ……」

 

 耳かきの音を囁きながら耳かきをするハヤヒデ。その声を聴きながら耳かきを受けるブライアン。その尻尾は心なしか、楽しそうに動いてるが、耳かきに集中するハヤヒデはそれに気づく様子はない。

 

「カリカリカリ……ガリガリ……ふぅ、相変わらず耳垢が多いな。もっとちゃんと耳の手入れをしろとなんど言ったらわかるんだ?」

 

「耳の手入れをしなくても走るのに問題は無いだろ、姉貴。それより、早く掃除を続けてくれ」

 

「まったく……お前と言う奴は」

 

 そんなやり取りをしつつも、耳かきを続けるハヤヒデ。そうして暫くの間耳かきの音とハヤヒデが囁く声だけが部屋の中に響く。

 

「うん、これだけ掃除すれば十分か。それじゃぁ反対側を……」

 

「……姉貴、お約束はどうした?」

 

「ん? なんだ、やって欲しいのか。それじゃぁ……」

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

 ハヤヒデの吐息がブライアンの耳の中をくすぐり、ブライアンは微かに頬を染めながらも、嬉しそうに耳を動かす。それを見て、微笑ましくなり、ハヤヒデも笑みを浮かべる。

 

「ふふ、相変わらず耳が弱いんだな……それじゃぁ、反対側をやっていくぞ」

 

「……頼む」

 

 ハヤヒデの手がタオルを掴み、再び湯で温め、ブライアンの耳を拭いていく。

 

 ゴシゴシゴシ……ゴシゴシゴシ……

 

 キュッキュッ……グリグリ……

 

「姉貴……温かいな……」

 

「ああ、気持ちいいだろ? だが、準備には時間がかかるんだから、次からはちゃんと、事前に言うんだぞ?」

 

「違う……姉貴の手が……温かくて気持ちいい」

 

「ふふ、そんなお世辞を言うなんて、珍しいじゃないか」

 

 耳を拭き終わり、タオルを片付けたハヤヒデは、耳かきで耳の中を掃除していく。

 

 ガリガリ……ゴリゴリ……

 

 ベリベリ……ベリベリ……

 

「カリカリカリ……カリカリカリ……ブライアン、自分でも少しはちゃんと耳の手入れをするんだぞ? 私だっていつでもやれるわけじゃないんだからな?」

 

「……姉貴がやるから問題ない」

 

「だから、私が常にできるわけじゃないと言っているのだが……」

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

「さて……これでお終いだ……ん?」

 

 息を吹きかけ、顔を上げて終わりを告げようとするハヤヒデだが、ブライアンの顔が赤い事。そして、自分の尻尾にブライアンの尻尾が絡みついている事に気づき、柔らかく笑みを浮かべた。

 

「このまま、昼寝もしていくか?」

 

「……ああ」

 

 ハヤヒデの言葉にブライアンは頷くと、目を閉じる。暫くして、聞こえてきた穏やかな寝息に、ハヤヒデは笑みを浮かべながらブライアンの頭を撫でる。

 

「まったく……いつまでたっても子供だな」

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