史実爺孫だとゴルマクが有名ですが、何気にジャーニーとオルフェーヴルもマックイーンの孫だと知って書きたくなりました。
マイナーすぎる? 良いじゃないですか、どうせメジャーカプは他の皆が書くんだから。そう思う今日この頃です。
トレセン学園のカフェテリア。そこで二人のウマ娘が同じテーブルでお茶をしていた。
その二人はメジロマックイーンとドリームジャーニー。世代も離れ、大きな接点のないはずの二人だが、今はどういうわけか和やかに談笑しながらお茶を楽しんでいる。
「ふふ、ジャーニーさんのお話は面白いですわ」
「私も、マックイーンさんとお話をするのが楽しいです」
穏やかに笑みを浮かべ合う二人。片やメジロのご令嬢、片や三冠の姉であり、同時に自身もG1レース勝利者。周囲からは様々な視線を向けられるが、二人は気にすることなくお茶を楽しんでいる。
「ところでマックイーンさん。折角ですし、少しゲームをしてみませんか?」
「ゲーム、ですか?」
「はい、シンプルなコイントスの表裏を当てるゲームです。買った方が負けた方に一回お願いができると言うもの。どうですか?」
「そう……ですね。互いに難しいお願いをしないのであれば。と言うのであれば構いませんわ。もしゴルシさんみたいなお願いをされるのなら拒否させていただきますので」
「ふふ、彼女みたいなお願いはしませんから」
ジャーニーの言葉にマックイーンは少し考えるが、了承する。そして……。
「まさか、お願いが耳かきだなんて思いませんでしたわよ」
「ふふ、すみません。先日から耳に違和感があったのですが、自分でやるのは怖いですから」
結果として勝利したジャーニーのお願いは耳かきであり、それを聞いたマックイーンは最初戸惑ったが、それでも自室にジャーニーを招き、耳かきの用意をする。
「でも、他にも頼める方はいらっしゃるのではないのですか? ステイゴールドさんやフェノーメノさんとか」
「いえ、姉御達に頼むのもありと言えばありなのですが……なぜかマックイーンさんにお願いしたくなったんです。なぜか他人のような気がしなくて」
「まぁ、私もジャーニーさんに対して他人と思えないと思ってますが……取り敢えず始めましょうか」
マックイーンの膝に頭を置いたジャーニーは安心しきって脱力する。そして、マックイーンも気負いすることなく自然に耳かきを始める。
カリカリカリ……カリカリカリ……
カリカリカリ……カリカリカリ……
「ん……マックイーンさん。そこ、その辺が痒くて」
「耳垢が少し剥がれてますわね。これが耳の中で擦れていたのが違和感になっていたのでしょう。もう少しで取れますから、我慢してください」
眉間に皺を寄せるジャーニーにマックイーンは穏やかに返答しながら耳かきを続ける。
カリカリ……ペリペリ……
ズリズリ……ズリズリ……カリカリ……
「ふぅ、無事に取れましたわ。スッキリしましたか?」
「ええ。痒みや不快感が無くなりました。耳かき、お上手なんですね」
「これも嗜みの一つですわ。さて、折角ですし耳かきを続けていきましょう」
耳垢が引き上げられ、痒みのあった部分を掻かれた事でジャーニーの不快感が消え、安堵の息を吐く。それを見ながらマックイーンは軽くジャーニーの頭を撫でてから耳かきを続ける。
ゴリゴリ……ガリガリガリ……
ベリベリ……ズリズリ……
暫しの間耳かきは続けられ、ジャーニーの耳の中の汚れを粗方掻きあげると次は梵天をジャーニーの耳の中に差し込む。
クルクル……クシュクシュ……
シュシュー……シュシュー……
「ん。くすぐったい……ですね、マックイーンさん」
「細かい汚れを取るためですから我慢してください。あ、動いちゃダメです」
くすぐったさに体を動かしそうになるジャーニーから慌てて耳かきを引き出すマックイーン。暫しそうしてやり取りをしていたが、なんとか耳かきを終えると、マックイーンは残りの耳の方を耳掃除しようとするが、ジャーニーが物欲しそうにマックイーンを見上げる。
「あの、マックイーンさん、お約束ってやってもらってもいいですか?」
「お約束? ……ああ、あれですわね」
ジャーニーのお願いにマックイーンは納得すると、顔をジャーニーの耳に近づけ。
ふ~……ふ~……
ふ~……ふ~……
ジャーニーの耳の中にマックイーンの吐息が吹きかけられる。敏感な耳の中に吹きかけられた吐息のくすぐったさに、ジャーニーは背筋を僅かに逸らす。
「……ふぅ、優しい吐息ですね、マックイーンさん」
「あの、そんな事を言われると恥ずかしいのですが……。まぁ、いいですわ、それより反対側の耳の掃除をしていきますわよ」
ジャーニーの笑顔から放たれる言葉にマックイーンは微妙な顔で頬を僅かに染めるが、気を取り直して耳かきを続ける。
カリカリカリ……カリカリカリ……
カリカリカリ……カリカリカリ……
マックイーンがこなれた様子で耳かきを動かしていくと、ジャーニーの耳の汚れが掻きだされ、ジャーニーはくすぐったそうにする。
「ふふ……なんでしょうね、マックイーンさんには安心して身を任せられます」
「そうですね……私も、貴女に対してはなんだか気を許してしまいますわね」
身を任せるジャーニーの言葉に、マックイーンも笑みを浮かべる。
クルクル……コシュコシュ……
ススー……ススー……
「んん……我慢しないといけないのですが……」
「もう少しで終わりますから、我慢してください」
梵天のむず痒さに身を捩りそうになるも我慢するジャーニーに、マックイーンも急いで耳掃除を終わらせていく。
ふ~……ふ~……
ふ~……ふ~……
「ふぅ……ふふ、なんでしょう、これだけで満足してしまいます」
「あら、それはまぁ……なんと言いましょうか、嬉しいような、何とも言えないような」
ジャーニーの言葉にマックイーンは再び微妙な表情を浮かべる。
「はぁ……なんでしょうね、こんなに穏やかな気持ちになれるとは思っていませんでした。マックイーンさんにここまで心を許せるとは嬉しい誤算です」
「あの、それは私も同意見なのですが……もう耳かきは終わりましたよ?」
耳かきを終え、ジャーニーを下ろそうとするマックイーン。だが、ジャーニーはマックイーンの手を掴み、無言で見上げる。
「……わかりましたわ、気が済むまで寝ていて構いませんが……流石に必要になったらどかしますわよ」
「ふふ、ありがとうございます、マックイーンさん」
根負けしたマックイーンの言葉に笑みを浮かべるジャーニー。そして、それを見て不思議と悪い気分のしないマックイーンであった。