ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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ミホフラで耳かき(お花見)書きました。

皆さんお花見は楽しんだでしょうか? 私はちょうど最大連勤と残業とその他用事が重なってそれどころではありませんでした。おまけに体調も宜しくない。なので、変わりにお花見小説を書く事にしました。

最近は、折角だしミホフラ作品を一番投稿した物書きを目指しても良いかなぁ。と思っている今日この頃です。


ミホフラ(お花見)

 4月。それは新しい出会いの季節であり、同時にお花見と言う行事が盛んに行われる時期でもある。

 

 ある者は大勢の新しい仲間達と共に、ある者は親しい人々と、ある者は最愛の人と共に桜を愛で、料理や酒に舌鼓を打つ。それはトレセン学園も例外ではなく、むしろ多数の思春期のウマ娘が大勢いると言うのは、恋に食事にと、周囲とは比較にならない程に騒がしくなるのだ。

 

 そんな中、トレセン学園の敷地の中でも離れのほうにある一角に二人のウマ娘が足を進めていた。

 

「フラワーさん、こちらの方向であっていますか?」

 

「はい、このまままっすぐ行ったところで……あ、見えてきましたよ」

 

 歩いているのは二冠ウマ娘のミホノブルボン、桜花賞ウマ娘のニシノフラワーである。同室であり、レースにおいても同年代である二人は主戦となるレースこそ違うものの、交流歴も長く、こうして二人で出かける事も珍しくない間柄となっている。

 

 そして二人の視界の先に見えるのは一本の桜であった。だが、その大きさはよく見る桜程ではなく、かなりの若木であるのが見て取れる。しかし、他の桜に負けない程の花を咲かせていた。

 

「本当にあったのですね」

 

「はい。卒業していった方の一部がこっそり在学中に人目に付かない場所に桜を植えたって噂でしたけど……あって良かったです」

 

 どうやら二人は喧噪を避けて花見を楽しむ為本当か嘘かわからない噂を頼りにしていたようだが、その成果が実ったようである。

 

「さ、ブルボンさん。こっちで一緒に座りましょう」

 

「はい、この辺がよさそうですね」

 

 そうして二人は桜の下にレジャーシートを敷き、互いのお弁当を見せ合い、感想を述べあいながら花見を楽しむ。桜そのものは他の桜に比べて多くの花を咲かせているわけでこそないが、人気がない静かな空間の中で親しい間柄同士と言うのが、二人にとっては何よりも心地よい。

 

 そうして穏やかながらも楽しい時間が過ぎていき、食後のお茶を飲んで一息ついていると、フラワーがブルボンの方を見ているのにブルボンは気づいた。

 

「フラワーさん? どうかしましたか?」

 

「えっと……その、こんな場所なんですけど……耳かき、お願いしても良いですか?」

 

 突然のお願いと共に耳かきが差し出されるブルボン。とは言え、既に彼女はフラワーに対して耳かきを何回も行っている事、フラワーも耳かきされる事を気に入っている事が伝わっている事から、否と言う事もなく、耳かきを受け取った。

 

「了解しました。では、これよりミッション、耳かきを開始します」

 

 そう言うと、ブルボンはフラワーを優しく自身の膝枕の上に誘導し、彼女の頭を乗せる。そして、優しく彼女の耳を両手で包んだ。

 

「まずは、マッサージから開始します。フラワーさんはよくこの辺りが凝っていますから、重点的にしていきましょう」

 

「お願いします、ブルボンさん」

 

 幾度もの経験からフラワーの耳の凝りやすい部分に気づいているブルボンは、まずそこをしっかりと指圧していく。

 

 グリグリ……グッグッ……

 

 ギュッギュッ……モミモミ……

 

 凝っている部分やツボを指圧する事により、血流が促進され、耳そのものが熱を帯びるのと同時に、ブルボンの体温が優しく包み込む。

 

「んん……ブルボンさんのマッサージ、とっても気持ちいいです」

 

「それは良かったです。フラワーさんに気持ち良くなってもらえると、嬉しいと感じます」

 

 年相応の笑みを浮かべながらブルボンに身を任せるフラワー。そんな彼女を微笑ましいと思いつつ、ブルボンのマッサージは続いていく。

 

 グーッ……グーッ……

 

 グリグリグリ……ギュッギュッ……

 

 耳の先端や真ん中、付け根までを念入りに指圧していき、うっすらとフラワーの耳に汗が浮き始めた所でブルボンはマッサージの手を止める。

 

「これより耳かきを開始します。まずは外側をやっていきましょう」

 

「はぅ……お願いします」

 

 マッサージの気持ち良さに身を任せていたフラワーの耳の外側を耳かきが掻いていく。

 

 カリカリ……サリサリ……

 

 ゾリゾリ……カリカリ……

 

 匙の部分が動き、耳の表面に溜まっている粉や埃と言った細かい汚れが掻きとられていく。毛の深い所の汚れは耳かきでは取れないためブルボンが指で摘まんで取り除いていく。

 

「カリカリカリ……カリカリカリ……フラワーさん、汚れはちゃんと取れて行ってますよ。カリカリカリ……」

 

「あ……あ……ブルボンさんの声……もっと聞きたいです」

 

 耳かきの動きに合わせてブルボンがオノマトペを囁く事で、フラワーは更なるリラックス効果を受けていく。

 

 暫しの間そうして掃除を続けていき、耳かきは耳の中へと差し込まれる。

 

 ゴリッ……ベリベリ……

 

 ガリガリガリ……ガッ……ベリベリ……

 

「少し耳垢が溜まっているようですね。時間は多少かかりますが……全て掃除していきます」

 

「んッ……わ、わかりました」

 

 時折耳垢が剥がれる時の痛みに体を固くするフラワーだが、ブルボンが優しく頭を撫でると次第に力が抜けていき、耳掃除が再開される。

 

 ゴリッ……ベリベリベリ……

 

 ガリガリ……ガリガリ……

 

「ゴリゴリゴリ……ベリッベリッ……あ、もうすぐ剥がれそうですよ。こう、力を入れて、ベリッ、ベリッ……」

 

「んんっ……不思議な気分になっちゃいます……」

 

 耳垢を剥がされる痛み、ブルボンの体温に包まれる安心感、オノマトペによる心地よさ。何回も体験しているのに、いつも新鮮さを感じるこれらの感覚に包まれるフラワーの耳から最後の汚れが掻きだされる。

 

「ミッション、コンプリート。では、失礼して」

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

 最後に優しく吐息が吹きかけられ、掃除が終わった後の敏感な耳を刺激する。その優しい刺激に目を閉じ、僅かに体を震わせるフラワーの様子に満足したブルボンは、残る耳を両手で包み込む。

 

「ネクストミッション、残りの耳掃除を開始します」

 

 モミモミモミ……グリグリグリ……

 

 グッグッグッ……ギュッギュッ……

 

 次の耳掃除の開始を宣言すると同時に、フラワーの耳のマッサージが開始される。

 

「こちらの凝りやすい部分はこの辺り……あ、ここも凝っていますね。こちらもしっかりと指圧しましょう」

 

「んんッ……あ、そこ、気持ちいいです……」

 

 しっかりとしたマッサージが続き、フラワーの耳が解されていき、うっすらと汗がにじみ出る。

 

 サリサリサリ……カリカリカリ……

 

 カリッ……カリカリ……サリサリ……

 

 次に耳の外側の汚れが掻きだされていき、毛に絡まっている汚れも取られていく。

 

「窪みもしっかりと掃除して……はい、しっかりと掃除できました」

 

「これだけでも耳がスッキリしちゃって、えへへ、気持ちいいです」

 

 カリカリ……ベリベリベリ……

 

 ゴリゴリ……ガリガリ……ズリズリ……

 

 次に耳の中が掃除されていき、耳垢が掃除されて通りの良くなった耳の中をブルボンの声が通っていく。

 

「こちらは余り汚れてはいませんでしたね。これ以上やりすぎると耳の肌が荒れてしまいます」

 

「わ、わかりました」

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

 最後に耳に吐息が吹きかけられ耳掃除の終了の合図となる。

 

「ミッションコンプリート。お疲れ様です、フラワーさん」

 

「あ、ありがとうございました……あのブルボンさん、もう一つお願いしたいんですけど……このままお昼寝、しても良いですか?」

 

「構いませんよ。どうぞ、ゆっくりお休みください」

 

「ふぁ……ありがとう……ございますぅ……」

 

 ブルボンの了承を得て、そのまま彼女の膝枕の上で眠りに落ちるフラワー。ブルボンも、彼女が起きるまでの間、体勢を崩すことなくフラワーを見守る。

 

 そして暫くして、眠り方フラワーが目覚めると、そのままお花見に使った道具を片付け、寮へと戻るため、二人は歩いていく。

 

「あの……ブルボンさん。今年度も、宜しくお願いしますね」

 

「はい、こちらこそ宜しくお願いします、フラワーさん」

 

 二人で並んで歩く中、フラワーの言葉に頷くブルボン。そうして二人は今年も同室として過ごしていくのだった。

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