ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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桐生院葵で耳かき(地の文あり、女トレーナー視点)を書きました。

同性同士でも、葵さんならきっと変わらない態度で接してくれますし、もしかしたらそのパワーで魅了しちゃう場面もあるんじゃないだろうか? そう思う今日この頃です。


桐生院葵(地の文あり、女トレーナー)

私はこの中央トレセンに勤める一人のトレーナー。今日も今日とて、担当ウマ娘と二人三脚、彼女を支えるために日々過ごしているの。

 

 でも、今だ未熟な私は一人の力でどうにかするにも限界があるから、先輩たちや同僚、たづなさんのような職員の方にも時には意見を求めたりしてる。それで、そんな私と意気投合できているのが、桐生院葵さんだ。

 

 名門桐生院家の出身ながら、気さくで話しやすく、高い向上心と社交的な性格も相まって、彼女と交流をするトレーナーは多い。かく言う私もその一人で、彼女とはたびたび意見交換を行っている。まぁ、彼女みたいにウマ娘用のトレーニングメニューを実践するなんて事はできないけどね。

 

 正直、隠しているだけで実は彼女がウマ娘なんじゃないか。と噂が立つぐらいには彼女の身体能力は人間離れしてる。メイクデビュー前のウマ娘相手なら本当に勝てるんじゃない?

 

 まぁ、彼女の身体能力はさておき、今日も、彼女とトレーナー室で意見交換や近況報告を行う。彼女の意見は多くの知識を元に出されているけど、現実に伴わない部分も散見するから、私は彼女の知識に、彼女は私の経験に触れる事で、互いに有意義な時間を過ごせてる……と思う。過ごせてるよね? 

 

「……と言うわけでして……今後のトレーニングをどうしようかなって」

 

「そうですね。最近では海外レースへの進出も進んでますし……」

 

 少し不安に思いつつも、彼女と会話を進めていく。特に最近では凱旋門賞やBCターフ等、海外のレースに出走するウマ娘が増えてきたため、意見の交換は大事だ。

 

「……ふぅ、そろそろ一息つこうかな。もうこんな時間だし」

 

「え? ……あ、本当ですね。貴方と話していると時間を忘れてしまいますね」

 

 とは言え、ふと時計を見ればかなりの時間が経過していた。一息つくにはちょうどいいタイミングかな、と私は話をいったん切り上げる。

 

「では、少し飲み物を入れてきますね。何を飲みますか?」

 

「あっと……じゃあ、コーヒーをお願いしちゃおうかな」

 

 彼女に淹れて貰うのも悪いかな……と思ったけど、既に立ち上がっている彼女を制するのもなんなので、素直にコーヒーをリクエストする。そして彼女が飲み物を用意するのを待っていると……あ、やっば、耳の中が痒い。

 

 こないだから変に痒いんだよねぇ……指を突っ込んでみても、奥の方にあるから届きそうにもない。かと言って自分で耳かきを差し込む勇気もないし……うーん、諦めて耳鼻科にいくしかないのかな? イヤだなー。

 

「お待たせしました。耳、どうかしましたか?」

 

「あ……えーと、耳の中がどうにも痒くて……指も届かないのでどうももどかしくてつい……」

 

 指を突っ込んでる姿を見られて慌てて引き抜く。うーん、しまった、変に思われないと良いんだけど。

 

「では、私が耳かきしてあげますね。ほら、貴方の顔色もあまり良くないですし、前にやってあげたときもぐっすりとお休みして回復してましたし、日頃のお礼も兼ねて」

 

「え? いやまぁ、確かに前にもしてもらったけど、流石に同僚に何回もそんな事をお願いするのは世間体って言うものが……」

 

「大丈夫ですよ、ほら、遠慮なんてしないでください」

 

 彼女が私の手を取って引っ張ると、その強さに軽くよろけたら、彼女はそのまま私を支えながらソファーへ連れて行く。おかしいなぁ、体格に差はそんなにないはずなのに、彼女のどこにこんな力があるんだろう?

 

「あのー……桐生院さんのパワーってなんでそんな強いの?」

 

「え? いえ別に、私は特に強くなんてないですよ」

 

「強くなかったら人間一人を軽々と支えるなんてできないと思うんですがそれは」

 

 ちょっと何を言ってるのかよくわからない事を言われたが、彼女は気にする様子もなく私をソファーに寝かせ、彼女の膝枕の上に頭を乗せられる。

 

「さぁ、このまま耳かきをしていきますね。ちょうどミークにやってあげようと用意してた耳かきがありますから」

 

「ア、ハイ」

 

 耳かきはどうするの? と聞こうと思ったらあっさりと耳かきが用意されてしまった。もはや逃げ場はない。

 

「まずはマッサージで汗を掻いてもらって、ふやけた耳垢の掃除をしていきますね」

 

 モミモミ……グリグリ……

 

 グッグッ……ギューッ……

 

 おお……桐生院さんの柔らかい指がしっかりと耳を揉んできた……ヤバイ、蕩けちゃいそうになっちゃう。

 

「あのー……桐生院さん、同僚とは言え、他人の耳に簡単に触るのは良くないと思うんですが」

 

「気にしないでください、私達の仲じゃないですか。うん、これぐらいですね」

 

 いや、確かに親しくさせてもらってはいるけど、それでも私達はあくまで同僚なんだですが。いや、別に不快とかイヤとかそう言うのはない。むしろめっちゃ気持ちいいし、もっとやってもらいたいぐらいだ。でも……ねぇ?

 

「さぁ、掃除をしていきますよ」

 

「わ、わかりました」

 

 私の困惑をよそに桐生院さんが頭を押さえて……思ったより痛くて思わず身じろぎしたら力を弱めてくれた。

 

 ベリベリ……ズリズリ……

 

 グジョ……ジョジョジョ……

 

 耳の中を湿ったものが掃除されていく音が聞こえてくる。うーん、これは……あんまり聞いてて気分が良い物じゃないけど……でも、痛みはあまり感じないからそこはありがた……あ、痒い。かなり痒い!

 

「おおおお……か、痒い……けっこー痒い……」

 

「欠片も掃除していきますから、もうちょっと我慢してください」

 

 ザリザリ……カリカリ……

 

 グジュ……ジュジュジュ……

 

 痒い部分が掻かれて行って、耳垢が引き剥がされて……お、おお……スッキリした……。

 

「よっと、ほっと……あ、これで大体取れたかな? 痒みの方はどうですか?」

 

「う……ん、かなりスッキリしたかな。もう痒くないし、不快感もないよ」

 

 ……あ、いっけない、気持ち良くてつい敬語が崩れてた。馴れ馴れしいとか思われてないかな? 大丈夫かな?

 

「ふふ、気持ち良かったんですね。それじゃぁ、後はお約束もしておきましょう」

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

「おおお……はぁ……」

 

「うふふ、気持ち良かったですか?」

 

 湿った耳の中に息が吹きかけられると、背筋がゾクゾク……としてしまう。

 

「では、反対側もしていきますね。あ、体は入れ替えてくださいね」

 

「え、あ、はい」

 

 ついそのまま体を反転させようとしたら彼女に制されてしまった。まぁ、それもそうだと言う話なのでおとなしく体を入れ替える。私も気恥ずかしいし。

 

「さぁ、こちら側の掃除を始めますね」

 

 グリグリ……グリグリ……

 

 ギュッギュッ……モミモミ……

 

「ツボはこの辺りだから……グッグッグッ……と、指圧したら……どうですか?」

 

「おおお……すっごい、気持ちいい……耳が軽くなるような気がする……」

 

 マッサージをされると、意識してなかった耳の凝りが解されて、耳そのものが軽くなったような、そんな感覚すら覚える。

 

 ガリガリ……グジュジュ……

 

 ジュコッ……ズズズ……

 

「おっ……おおお……塊が綺麗に取れましたよ」

 

「あー……すっごい……解放感が半端ない……」

 

 湿った耳垢が掃除されると、乾いたものを掃除されるのに比べて不快感が強い分、掃除が終わった時の解放感も大きい。見せられた耳垢の大きさも含めて、これまでの耳かきの中で一番スッキリしたかもしれない。

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

「はい、これでお終いです」

 

「ふー……スッキリしたぁ……」

 

 最後に吐息が吹きかけられ、両耳の不快感が無くなると、耳だけでなく頭まで軽くなったような気がする。立ち上がり軽く伸びをすると、体まで軽くなった気分だ。

 

「もし耳に違和感があったり、お疲れだったりしたら言ってくださいね。またこうして耳かきをしてあげますから」

 

「いや、流石に同僚にこうしてもらうのはやっぱり世間体と言うのがありましてね……」

 

「大丈夫です。バレなければ問題ではないですから」

 

 あの、そう言う風に思ってるとどこでバレるかわからないんですよ……。

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