ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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葵×ミークで耳かきを書きました。

やはりミークと言えば葵、葵と言えばミーク。たづなさんも新シナリオで深堀されましたし、次はこの二人ももっと深堀して欲しいと思う今日この頃です。


葵×ミーク

 桐生院葵。トレーナーの名門桐生院家の生まれであり、彼女自身も経験不足ではあるが、それを補うだけの知識量と気合のある前途有望なトレーナーの一人である。ただ、一部では彼女は問題を起こしたウマ娘を一人で抑え込んだと言われており、人間でありながらウマ娘以上の能力を持っているのではないかと囁かれている。

 

 そんな彼女が担当しているハッピーミークは全ての距離、芝、ダートで同等の適性を持っている非常に稀有なウマ娘であり、同様のウマ娘は理事長代理の樫本トレーナーが担当しているリトルココン、ビターグラッセぐらいであると言われている。

 

 そんな前途有望な二人は、今日もトレーニングに励んでいた。特に二人にとってライバルと言える、あるウマ娘とその専属のトレーナー。彼らに勝つためにも彼女達は日夜努力を積み重ねているのだ。

 

「……そろそろ時間かな。ミーク、そろそろ終わりにしましょう」

 

「……わかり……ました」

 

 葵に声を掛けられ、トレーニングの手を止めたミークが近づいてくる。なお、彼女のトレーニングは全て葵が実際に行ってみてその成果を確認した上で行われている。やはり彼女はウマ娘以上の身体能力を持っているのではないだろうか?

 

「お疲れ様です。まずは汗を流して水分を補給して……それから、今日は耳のお手入れの日ですから、後でトレーナー室に来てくださいね」

 

「ん……わかり……ました」

 

 葵の言葉に小さく頷くミーク。そんな彼女の尻尾が僅かに揺れ動きそうになるが、それをしっかりと抑え込み、ミークはシャワー室へと歩き出した。

 

 そして暫くして、シャワーと水分補給を終えた彼女は言われた通りにトレーナー室へ向かう。そして扉を開けると、そこではソファーに座って耳かきを手にしている葵の姿があった。

 

「お疲れ様ですミーク。さ、こちらへどうぞ」

 

「ん……はい」

 

 促されるまま葵の膝枕に頭を乗せるミーク。そしてそんな彼女の耳を葵の両手が包み込む。

 

「やはり風を諸に受けるとストレスが溜まっていますね。しっかりとマッサージしていきましょう」

 

 モミモミ……グリグリ……

 

 グッグッ……グイグイ……

 

 ウマ娘の走行速度は車にも匹敵する。そして、その大きな耳にも風圧を諸に受けるため、それによる疲労が蓄積している。敏感な耳に疲労が溜まったままではパフォーマンスを存分に発揮する事はできない。その為、これ自体は特に問題のない行動である。

 

「ん……んん……」

 

「痛いですか?」

 

「だい……じょうぶ……」

 

 耳を揉まれ、声が漏れるミーク。敏感な部分を相手に委ねるのは例え同性であろうとも相応の信頼関係が必要となる。そう言う意味ではこの二人は非常に良好な関係を築けていると言えるだろう。

 

「この辺り、ちょっと固いですね、少し力を入れますよ」

 

「あ……はい」

 

 固めの凝りに力を入れて指圧する葵。その刺激に思わず息が漏れるミーク。そうして暫くの間マッサージが行われ、一息つく頃にはシャワーを浴びた後にも関わらず、ミークの耳にはしっかりと汗が浮かび上がっていた。

 

「マッサージはこれぐらいにしておきましょうか。では、耳かきもしていきますね」

 

「ん……お願い……します」

 

 次に葵は耳かきを手に取ると、ミークの耳の掃除を始める。人間の耳とは異なる構造のウマ耳故だが、彼女は慣れた様子で汚れを掻きとる。

 

 カリカリ……サリサリ……

 

 ズリ……ズリズリ……

 

 まずは耳の外側、シャワーを浴びた後とは言え、窪みや端の方に残っている僅かな汚れをしっかりと匙で掻き取っていきティッシュに捨てていく。

 

「ミーク、もう少ししっかりタオルで耳を拭いてくださいね」

 

「う……恥ずかしい……」

 

 葵に指摘され、羞恥で顔が少し赤くなるミーク、そんな彼女を微笑ましく見つめる葵。そして、元々そんなに無かった外側の汚れが全て掃除されると、耳かきがミークの耳の中に差し込まれていく。

 

「あ、ちょっと耳垢がありますね。掃除しちゃいますから、動かないでください」

 

「わかり……ました」

 

 耳かきの先端が触れた耳垢に気づいた葵がミークに声をかけた後に掃除を始める。

 

 カリカリ……カリカリカリ……

 

 ベリ……バリバリバリ……

 

 軽く掻かれた後、一際大きな音を立てながら剥がされた耳垢が外に掻きあげられていく。

 

「うん、無事に取れましたよミーク。他にもないか探していきますね」

 

「……はい」

 

 再び耳かきが差し込まれ、耳垢がないかを探していく。外側よりも更に敏感で、普段は触れられる事のない場所。だが、ミークは葵を信じ、身を任せる。葵の真剣な瞳には、それだけの力があった。

 

「んー……ん? ……うーん……特になさそうですね」

 

 暫くの間耳かきが耳の中を探していったが、新しい耳垢は見つからなかったようで、耳かきが引き抜かれる。

 

「じゃぁ、梵天をしていきますね」

 

「……」

 

 葵の言葉に無言で頷くミーク。そして、耳かきが反転し、梵天が耳の中に入ってくる。

 

 クルクル……クルクル……

 

 コシュコシュ……コシュコシュ……

 

 匙とは違う軽く、柔らかな感触。塊の耳垢ではなく、埃や粉と言った細かい汚れが絡めとられ、掃除されていく。

 

「んん……少しくすぐったい……」

 

「少しだけ我慢してください……はい、終わりましたよ」

 

 そのくすぐったさに少しだけを身を捩るミークだが、葵に注意されて動きを止める。その間に梵天は引き抜かれ、絡めとられた汚れがティッシュで拭われる。

 

「さ、反対側もしていきましょう」

 

「はい……」

 

 そうして、残る反対側の耳にも掃除が開始される。

 

 モミモミ……グリグリ……

 

 グリグリ……グッグッ……グイッ……

 

 最初と同じように耳がマッサージされ、指圧され、凝りが解され、血流が淀みなく流れ、耳のストレスが解されていく。

 

「ん……そこ、もうちょっと強く……」

 

「これぐらいですか? あ、ちょうど良さそうですね」

 

 ミークの言葉に葵が僅かに力を強めると、無表情に見えるミークに僅かな変化が見えた。それを見落とさず、葵は力を調整する。

 

 サリサリ……ザリザリ……

 

 ゴシゴシ……ゴシゴシ……

 

 マッサージが終わると、次は耳の外側が掃除されていく。

 

「この辺の窪みに汚れがよく残っていますよ、念入りに拭いてくださいね」

 

「うう……わかりました……」

 

 汚れを指摘されて恥ずかしそうに呟くミーク。

 

 カリカリ……ゴリベリ……

 

 バリバリバリ……ベリベリベリ……

 

 外側の汚れが取れれば、次は中の掃除へ移行し、耳垢が剥がされていく。

 

「こっちは少し耳垢が多いですね。痛かったらちゃんと言ってくださいね、ミーク」

 

「あ……ちょっとそこ、痛かったです」

 

「わわ、ごめんなさい」

 

 途中でミークが痛みを訴える場面もあったが、それ以外は順調に耳掃除は進んでいく。

 

 コシュコシュ……クルクルクル……

 

 ススー……ススー……

 

 大きな汚れが掃除された後は、梵天で細かい汚れが掃除され、耳の中は綺麗になっていく。

 

「んぅ……」

 

「もう少し我慢してくださいねー……はい、終わりました」

 

 くすぐったさを我慢するミークに声をかけながらも葵は手を止めず、程なくして引き抜かれた梵天の汚れを拭い取り、耳かきは終わった。

 

「はい、終わりましたよミーク。それじゃあ最後にお約束もしましょうか」

 

「ちょっと……恥ずかしいです」

 

「大丈夫ですよ、はい、動かないでくださいね」

 

 葵はミークの耳に顔を近づける。そして。

 

 ふ~……ふ~……

 

 ふ~……ふ~……

 

 交互に耳に息が吹きかけられ、耳掃除で汚れを落とし、敏感になった耳の中を吐息が吹き込まれていく。

 

「んん……ちょっと……ゾクッてします」

 

「ふふ、そう言うものですよ、はい、これでお終いです。この後はしっかりと休息を取ってくださいね」

 

 ミークの言葉に微笑ましそうに彼女を見つめる葵。そして、体を起こすと、抑えがなくなったミークも体を起こしてソファーから立ち上がる。

 

「それじゃぁ……失礼します」

 

「はい、お疲れさまでした」

 

 一礼してトレーナー室を後にするミーク。そして、葵はミークが居なくなった部屋の中で耳掃除の道具を片付けて仕事に向かう。ミークはトレーナー室を後にすると、軽い足取りで自室へと向かう。その表情は無表情の近いものであったが、彼女が纏う雰囲気からは、彼女が嬉しそうにしている事が周囲のウマ娘にも伝わる程であった。

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