なんだか、普段の作品とはちょっと空気が違う感じがしなくもないですし、フェスタのキャラが合ってるかどうかもちょっとわからないですが、愛が重馬場系の作品に比べたらまぁ……大丈夫か。って思います。
取り合えず、フェスタはなんか、ヒリつく程の勝負は好きだけど、別にギャンブルに強いわけじゃないようなイメージのある今日この頃です。
私の名前はナカヤマフェスタ。まぁ……トレセン学園のウマ娘の一人だ。
勝負って言うのはヒリつく程に熱くなるのが一番だ。だから、生温い勝負なんて御免だし、やる気のない奴は好きじゃない。ゴールドシップと絡んでる時? あれはカウントするな。
で、だ。そんな私が最近ヒリついてる勝負がある。それはトレーナーとの勝負だ。前は勝負に負けたせいであいつに耳かきしてやる羽目になったが、負けっぱなしで引き下がる私じゃない、今度は私が勝って、あいつのお望み通り、裸踊りさせてやる。それか、ほぼ全裸の芸人の誰かの真似でもさせてみるか? いずれにしろ、やり返さないと気が済まないぜ。
そう言うわけで、授業が終わった後はさっそくあいつの場所へ足を運ぶ。どうせこの時間は大体トレーナー室で仕事してるだろう。
「トレーナー、今大丈夫か?」
「ナカヤマ? どうしたんだ?」
部屋に行くと案の定仕事をしているトレーナーが居たから、あいつの前にいき、体を机の上に乗りだして、あいつの正面を見る。
「前の続きのリベンジと行こうじゃないか。負けっぱなしは性に合わねえ、今度は勝たせてもらうぜ」
「お……おお、そうか。でも勝負って言っても何をするんだ? またコイントスか?」
「いや、同じやり方じゃ面白くないな……今日、レースが開催されてるだろ? あれの一着ウマ娘を当てるってのはどうだ? あんたの審美眼と私の経験……どっちが勝っているか、試してみるのも面白いだろ?」
「……確かにそれはちょっと面白そうかも」
ククッ、こいつの興味の引きそうな内容にしたら案の定乗っかってきたな。レースと言っても、今日のレースには私の知っている顔も出走してる。情報戦はもう私の方が勝ってる、有利な勝負だ。
「負けたら罰ゲームとして……わかってんな? あんたが言い出したんだ、裸踊りでも見せて貰おうか」
「やりたいと言ったわけじゃないんだが……じゃぁ、そっちが負けた時の内容も同じで良いんだな?」
「構わねえよ、負けないけどな」
悪いなトレーナー、今回の勝負は私の勝ちだ。
「差せー! 差せーーー!」
ちくしょうあいつ、なんで寄りにもよって今日に限って調子が振るってないんだよ! いつもなら勝てるレースだろ!
「……俺の予想が当たったな」
「ちくしょう!」
レースの結果は、私の予想が大きく外れて、あいつの予想が的中する形になった。クソッ、あいつ……後で絞めてやる。
「……それで? フェスタ、罰ゲームの件だが」
「チッ……わかってるよ」
しばらく心の中であいつに対して恨み言を言っていたが……負けは負けだ。諦めて、あいつの言う事を聞かないと。
「で、何をさせるつもりなんだ? 流石に私が裸踊りをしたら、トレセン学園を追い出されるぜ?」
「それは流石にないから。まぁ、前と同じことを頼もうかな」
「……だと思ったよ」
やっぱそれのつもりだったのか。まぁ、こっちも先にシリウスから耳かきは借りて置いたけど……。
「じゃぁ、さっさとこっちに来な、手早く終わらせてやるよ」
「お手柔らかに」
ソファーであいつの頭を膝の上に乗せて、耳を覗き込む……チッ、こんなにあいつの体温が近いんじゃ、手元が狂いそうだ。
バリバリバリ……ベリベリベリ……
ゴリゴリ……ベリッ……バリバリ……
目に映る耳垢を掻いていくが……やっぱやりがいがないな。簡単に剥がれすぎる。
「トレーナー、これぐらいなら自分でやっても問題ないだろ? かなり剥がれやすいぞ」
「うんまあ、自分でやっても良いんだけど、折角フェスタにお願いできるならと思って」
……そう言う事を言われるのもこっちとしては恥ずかしいんだって言ってやりたいが……言ったら余計恥ずかしくなっちまう。
ゴリ……ベリべリ……
ガリガリ……バリバリバリ……
そうこうしている内にもう耳垢が無くなっちまった。このまま前と同じ流れでいくか? ……あ、そうだ。
「トレーナー、動くなよ?」
「ちょ、何を……おおう!?」
ふ~……ふ~……
ふ~……ふ~……
こいつの頭をしっかりと抑えて耳掃除が終わった耳の中に息を吹きかけると……良い声を上げるじゃないか、トレーナー。
「なんだ? これぐらいならお約束の範疇だろ?」
「いや、前はやらなかったし……突然は驚くよ」
フッ、意趣返しのつもりだったが……慌ててるこいつの顔を見るのも悪くないか。さて、それじゃ更に意趣返ししてやるか。
「じゃぁ反対側をやるが、これも、前みたいなのをお望みなんだろ? ほら」
「おわあ!」
トレーナーの体を引っ繰り返して、私の腹の方に顔を向けさせると、思いきり腹をこいつの顔に押し付ける。暴れても人間がウマ娘に勝てるわけがないだろうが。
「おとなしくしな、前もこうしてやったのにまた耳かきを所望したんだ、これだって予想の範疇だろ? ちゃんと掃除はしてやるから、おとなしくしな。それとも、暴れるふりをして、私の腹を堪能してるのか?」
「むーーー」
私の言葉に取り敢えずおとなしくなったから、耳かきをしていく。流石に暴れたままで耳かきなんざできないからな。前みたいに痛い思いをさせたいわけじゃないんだからな。
ガリガリ……ベリベリベリ……
バリバリバリ……バリバリバリ……
おとなしくしてる間に掃除を手早く終わらせて……んんっ! だから、くすぐったい所に息を吹きかけるなってのに。
……で、こっちもあっさり終わったから、さっきと同じように。
ふ~……ふ~……
ふ~……ふ~……
腹にしっかりと抑え込んだまま息を吹きかけてやると、トレーナーは体を一度大きく震わせる。その後は私の足を叩いてギブアップ宣告してきたから、手を離してやる。
「ぶはっ!? はぁ……はぁ……フェスタ、流石に冗談の範疇超えてきてるぞ」
「ハッ、わかってて耳かきを頼んできたんだろ? 私だってあんたの顔が密着してるんだから恥ずかしいんだ、罰ゲームにはなってると思うがな?」
……そうだよ、こいつの顔を腹に押し付けるの、かなり恥ずかしいんだよ……役得でもあるのは否定しないがな。
「さて、これで耳かきはお終いだ。次の勝負でトレーナーが勝ったら、ブルマ履いて耳かきしてやってもいいぜ?」
「……もう、恥ずかしがってないんじゃないか?」
「はは、何言ってるんだ? しっかり恥ずかしいさ。ま、トレーナー相手なら、してやってもいいってだけだ」
ヒリつくな……このまま負け続けたら、どれだけ痴態を晒す事になるか……次は負けないからな、トレーナー。