今回、スズカがちょっとSっ気が多くなってるかもしれません。勿論、ガイドラインに触れる方面ではないのでご安心ください。
囁かれてゾクゾクしてるトレーナーを見てちょっと楽しくなってるスズカは可愛いと思う。
私の名前はサイレンススズカ。このトレセン学園に所属するウマ娘で、この間、天皇賞秋で一着を取ることができた。これも全部、私の走りを理解してくれて、指導してくれたトレーナーさんのおかげ。
でも、私は走り足りない。もっともっと走りたい、走っていたい。だから今日も走ろうと思ったのに。
「スズカ、今日は走ったらダメだって言ったよな?」
「でもトレーナーさん、私走りたいんです」
「走りすぎたら体を壊すって言ってるだろ。スズカが体を壊したらどうするつもりだ」
「むー……」
思わずふくれっ面になってしまったけど、トレーナーさんは頑として首を縦に振ってくれない。折角、リラックスしようと思っていたのに……。
「……わかりました、走るのは今日は控えます」
「お、わかってくれたか。それじゃぁ今日は……」
「その代わり、トレーナーさんの耳かきさせてください!」
私がそう言うと、トレーナーさんは口を開けてポカンとこちらを見つめてきました。
「え……なんで?」
「私はトレーナーさんの耳かきをしてリラックスする。トレーナーさんは耳かきで気持ち良くなってリラックスする。winwinというやつです。さぁ、行きましょう」
「ちょ、まっ、ちょおおお」
トレーナーさんの手を取って強引に彼の部屋まで連れていきます。そして部屋に入ると、トレーナーさんをベッドの上に連れていきます。
「さぁ、少し待っていてくださいね。用意しますから」
「いやいやいやいや、説明! 説明してくれ!」
「問答無用です。おとなしくしていてください」
慌てるトレーナーさんを勢いで置いてけぼりにしながら耳かきの準備をしていきます。もう、私のリラックスを邪魔するんですから、これぐらいはしてもらわないと。
「はい、準備ができたので、トレーナーさん、頭を置いてください」
トレーナーさんの横に座って膝を叩くと、トレーナーさんはまだ何か言いたそうにしていますが、微笑みながらもう一度膝を叩くと、観念したのか、頭を置いてくれました。
「ありがとうございます、トレーナーさん。それでは、まずは外側を掃除していきますね」
ウェットティッシュを手にして、トレーナーさんの耳の裏側や、周りを拭いていくと、ザラザラとした垢が取れました。もう、もっとちゃんと体を洗って欲しいです。
「トレーナーさん、お風呂上りはちゃんと拭いてくださいね。垢、残ってますよ」
「あー……うん、そうする」
念入りにごしごしと拭いていって……うん、これで大丈夫。
「それじゃぁ、外側もこれで擦りますね。ゴシゴシ……ゴシゴシ……」
耳の外側もウェットティッシュで拭いていきます。以前は綿棒で擦ってみましたが、ウェットティッシュの方が窪みまで擦りやすい。今度から綿棒よりもこっちでやるようにしようかな。
「おおう……スズカの指で擦られるのって変な気分になるな……」
「もう、変な事言わないでください」
外側を擦り終えたから、次は中。今日のトレーナーさんの耳の中はどうなってるのかしら?
「うーんと……今回は……難しくなさそうです」
そんなに汚れてはなかったです。うーん、嬉しいような、残念なような。
「それでは、始めます。ガリガリ……ガリガリ……♪」
耳かきを動かして、耳垢を取っていくのはやっていてとても楽しいです。固い耳垢をカリカリと掻いていって、少しずつ剥がれていったものを一気に剥がしていく。とても楽しいです。
「ふぉぉ……スズカ……あんまり囁かないで欲しいんだが……」
「あら? トレーナーさん、私が囁くと……何が嫌なんですか?」
つい意地悪して、トレーナーさんの耳元で小さく囁いてあげると、トレーナーさんが体をビクッと震わせました。ふふ、いつもはしっかりしてるのに、なんだか可愛いです。
「トレーナーさん……? ダメ……ですか? 私……ちょっと寂しいです」
「お……おぅ……わ、わかった……囁いてもいいから……少なめにしてくれぇ……」
背中をもぞもぞさせるトレーナーさんも可愛いですが、このまま続けてへそを曲げられても困りますので、この辺りで自重しましょうか。
「わかりました、それじゃあ、少なめにしますね。カリカリカリ……」
囁きを少なめにして、耳かきを動かしていく。カリカリと耳垢を引っ掻いていき、少しずつ剥がれていくのはまるで瘡蓋を剥がしてるような気分になっていく。あれ、痛いけどついやっちゃうのよね。
「カリカリカリ……カリカリカリ……はい、取れました。トレーナーさんの耳垢は、ちょっと固めですね」
取れた耳垢をティッシュの上に捨てて、次の耳垢に取り掛かる。カリカリカリ……カリカリカリ……
「カリカリカリ……ほら、トレーナーさん……もうちょっとで取れそうですよ。カリカリカリ……ガリガリガリ……♪」
次いで、黄色く固まった耳垢を取ると、トレーナーさんから息が吐かれました。ふふ、痛気持ちいいんですよね、トレーナーさん。
「耳垢はこれぐらいなので、次は粉を掃除しますね。ゴーシゴシ、グールグル♪」
綿棒でトレーナーさんの耳の中の粉をクルクルと絡めとっていきます。でも、トレーナーさんの耳の中って粉はそんなにないんですよね。
「はい、粉も取れましたよトレーナーさん。気分の方はどうですか?」
「ああ、スッキリして、スズカの声もよく聞こえるようになったと思うよ。それじゃぁ、俺はこの辺で……」
「ま・だ。ですよ、トレーナーさん。もう、知ってる癖に♪」
立とうとするトレーナーさんの頭を押さえて、まずはローションを耳の中に塗っていきます。前は冷たいって言われたので、今回はちゃんと温めてますよ、トレーナーさん。
「ぬちゃぬちゃ……ぬちゃぬちゃ……あら、どうしたんですか? トレーナーさん、耳だけじゃなくて顔まで真っ赤ですよ」
「言うな……言わないでくれ……」
顔を赤くして恥ずかしそうにするトレーナーさんが可愛い。でも、あんまり塗りすぎるのもいけないから、ここまでにしておかないと。
「はい、ローションも塗り終わりましたよ。それでは……ふー……ふー……」
トレーナーさんの耳元に口を近づけ、静かに息を吹きかける。うふふ、こうして体が密着してると、トレーナーさんの体の動きが手に取るようにわかるわ。
「はい、それでは反対側をしていきましょうか」
「お……おう……」
体を起こして反対側を向いて貰ったトレーナーさんの耳を見てみると、うん、こっちも掃除のし甲斐がありそう。
「ところでトレーナーさん? 今回は先にひと眠り、しておきます?」
「い、いや、大丈夫。大丈夫だから」
うふふ、そう言ってるトレーナーさんですけど、眠そうなのバレバレですよ。
「それじゃぁ、こっちもやっていきますね。ゴシゴシ……ゴシゴシ……」
ウェットティッシュで裏側、外側をゴシゴシ、ゴシゴシ。トレーナーさんの耳の汚れを擦って落としていって……
「耳の中、こっちも汚れてますから、念入りに……やっていきます♪ カリカリ……カリカリ……♪」
耳垢を、耳かきでカリカリと引っ掻いていって……トレーナーさんの瞼が、重くなってますね♪
耳垢を取り終えたら、梵天でゴシゴシ……ゴシゴシ……クルクルっと擦って、回して、粉を絡めとっていって……♪
温めたローションを、ぬちゃぬちゃ……ぬちゃぬちゃ……これを呟いてる時のトレーナーさんの顔が、一番赤いかも♪
最後に、耳の中にふ~……ふ~……♪ ああ、ゾクゾクと体を震わせてるトレーナーさん、可愛い♪
「はい、耳かき終了です。お疲れ様でした」
「ああ、スッキリしたよ。これで、リラックスできたのか?」
「ええ。後は、このままトレーナーさんがお昼寝してくれたら完璧です」
私が答えると、トレーナーさんは困ったように視線を彷徨わせます。
「……やっぱ、そこまでしないとダメ?」
「はい♪」
笑顔で答えると、トレーナーさんはしばらく迷った後に、おとなしく目を閉じてくれました。ふふ、でもわかってるんですよ、トレーナーさんが、もう眠いんだってことぐらい。
「お休みなさい、トレーナーさん。また耳かき……させてくださいね♪」