ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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メジロライアンで書いてみました。マッスルな彼女の体はきっと他のウマ娘に比べて基礎体温が高くて暖かいんじゃないかと思う今日この頃です。

後、何気に名家のお嬢様としてしっかりしてそう。マッスルって言ってますけど。




メジロライアン(地の文あり)

「ふぅ、ふぅ……ふー、今日もいい汗かいたなぁ」

 

 トレーナーさんとのミーティングルームでヒンズースクワットを終えたあたしは疲労を取るための体操をしつつ、満足感を覚える。やっぱり筋肉。筋肉を鍛えれば全て解決します……なーんてね。

 

「お、ここに居たのかライアン。ちょっといいか?」

 

「あ、トレーナーさん。どうかしましたか?」

 

 体操をしていると部屋のドアが開いてトレーナーさんが入ってきました。何かあったのでしょうか?

 

「悪い、ライアン。その……耳かき、頼めるか? どうも耳の中に違和感があってな」

 

「はい、わかりました」

 

 以前に耳かきをしてからトレーナーさんは時々こうして耳かきをお願いするようになってくれて、あたしは嬉しいです。あ、でもその前に。

 

「それじゃぁ、ちょっとシャワー浴びてきますので、待っていてください」

 

「え? 別に俺は気にしないけど」

 

「あたしが気にするんです!」

 

 もう、トレーナーさんはデリカシーがないんだから。前みたいに汗をかいたまま耳かきしちゃったら恥ずかしすぎるじゃないですか。

 

 ちょっと怒りながらですけど、ささっとシャワーを浴びたあたしは、いくつかの準備を終えてトレーナーさんの元に戻りました。

 

「さぁ、それでは耳かきをしていきましょう。どうぞこちらへ」

 

 そう言って正座した膝をポンポンと叩くと、トレーナーさんは頭を置いてくれました。さぁ、まずは耳かきの前に。

 

「では、まずはマッサージしますね。耳をグッグッと……指圧して……」

 

 耳たぶや耳の外側には多くのツボがありますので、それをギュッギュッと指で丁寧に押して行き、それと同時に凝っている部分を丹念に揉み解します。人の耳はあたし達の耳と形は違いますが、一応の勉強はしてますので、ツボの位置は大体把握しています。

 

 耳たぶなんかは、柔らかくて、あたし達の耳にはない部分ですから、ついつい揉みすぎてしまいます。あはは、トレーナーさんに怒られないようにしないと。でも、けっこう凝ってるなぁ。トレーナーさん、ちゃんとケアしてないんじゃないのかな。

 

「トレーナーさん、以前も言いましたが、耳もちゃんとケアをしないといけませんよ」

 

「んー……ライアンがマッサージしてくれるから、いいかなぁって」

 

「もう、そんなこと言わないでください」

 

 それだけ信用されているのは嬉しいですが、やはり体のケアは自分が真剣にならなければいけません。トレーナーさんにはもうちょっと言い聞かせたほうが良いかも。

 

 それはさておき、外側のマッサージはひと段落したので、次は耳の前からちょっと前の部分、耳門を押さえてグッグッグッ。

 

「お……おお? そんなところもマッサージするのか?」

 

「はい。ここは顔のたるみやむくみを押さえる効果があります。トレーナーさんも、小顔効果がありますよ」

 

「お……おう? 嬉しいような、そうでもないような……?」

 

なんだか微妙な反応をされてしまいましたが、マッサージはこの辺りにしておきましょう。

 

「では、マッサージはこの辺で……うん、程よく汗が出てますね。このまま耳かきをしていきましょう」

 

程よく汗をかいた耳の表面は、水分を吸ってペースト状になった粉が見えるので、まずはそれを綿棒で掃除掃除。

 

「ゴゾッ……ゴゾッ……水分を吸ったら随分と取りやすくなりますね」

 

「そうかぁ。じゃぁ、次の耳かきの時にもマッサージを受けないとな」

 

「もう、その前にちゃんと自分でケアをしてください」

 

 もう、普段はちゃんとしてるのに、なんであたしと二人きりの時には少しずぼらになるんだろう。少しため息がでますが、耳かきを手に取って、さぁ、耳かき開始です。

 

「カリカリカリ……カリカリカリ……どうです? 痛かったりししません?」

 

「ああ、大丈夫。このまま続けてくれ」

 

うん、トレーナーさんの顔が少しずつ緩くなってますね。気持ちよさそうで何よりです。

 

「カリカリ……カリカリ……ちょっと固いですけど、このまま、カリカリ……ガリガリ……」

 

 固めの耳垢とは言え、無暗に力を入れたら耳を傷めますから、少しずつ、端っこの方から丁寧にやっていきます。カリカリカリ……。

 

「お、もうちょっとで……はい、取れました。後は……うーん、なさそうですね。トレーナーさん、そんなに耳垢が溜まらない体質なんでしょうか?」

 

「どうなんだろうな? 言われてみたらそんなに耳かきとかしたことないような……でも、なんか違和感あるんだよなぁ……」

 

 違和感ですか。もしかして耳垢とは別の病気とか? いや、その前にもう一度見直して……あれ?

 

「よく見たら……奥の方、あるっぽいかも? ちょっと試してみますけど、深めですから、怖くなったらすぐに言ってくださいね」

 

「お、おう」

 

 トレーナーさんからの了解も得たので、深めに耳かきを差し込みます。この辺……いや、もうちょっと……あ、これかな。

 

「どうです? この辺り、痒いですか?」

 

「うおお……痒……マジで痒い」

 

「なるほど、この辺りに耳垢がありそうですね。では、このままやっていきます」

 

 見えにくいので耳かきから伝わる感触を頼りに、慎重に取り掛かります。ここを……こうして……。

 

「カリカリ……ガッ……ガッ……うん、少しずつ取れてきてますから……トレーナーさん、動かないでください」

 

「は、早く……痒いし怖いし……は、早く取ってくれええ」

 

 う、やっぱりここまで深いと怖いですよね。でも、焦ったら余計に危ないから、ここは慎重に……!

 

「ガリガリ……ガリガリ……ん、剥がれてきましたから……このまま一気に……よしっ!」

 

 ベリッて音が聞こえたような気がする。そんな感触の元、耳垢は無事に取れました。あー、茶色く変色してるって事は長い間ここにあったのかな?

 

「おお……違和感が無くなって……なんか、一気に耳の通りが良くなった気がするぞ」

 

「それは良かったです。その様子ですと他にはなさそうですし、梵天で軽く掃除していきますね」

 

 気持ちよさそうにホウッと息を吐いたトレーナーさんの様子ですと、もう耳垢はなさそうですから、後は梵天で仕上げしていきましょう。

 

「コシュコシュ……コシュコシュ……トレーナーさん、そんなに気持ちいいんですか?」

 

「ああ。違和感が無くなって……爽快な気持ちだし、このまま寝てしまいたいよ……」

 

「もう、反対側も残ってるんですから、寝るには早いですよ」

 

 そんな事を話しているうちに梵天による掃除も終わり、あたしはトレーナーさんの耳にお約束の息吹きかけを行うと、そのままトレーナーさんを持ち上げてコロン、と反対側を向いてもらいました。

 

「……なんかなぁ、いや、わかってはいるんだが、自分よりも年下の女の子に簡単にひっくり返されるのは違和感があるな」

 

「あはは、前も言ってましたねトレーナーさん。でも私の鍛え上げた筋肉の前には、トレーナーさんをひっくり返すぐらい朝飯前です。マッスルマッスル」

 

 さぁ、反対側もしていきましょう。まずは、耳のマッサージから。ギュッギュッ、グッグッ。

 

「おー……やっぱ、ライアンの手は暖かいから気持ちいいなぁ……やっぱ、これからもライアンにマッサージ頼みたい」

 

「もう、あんまり恥ずかしい事言わないでください」

 

 そ、そりゃぁ、あたしだってこれからもトレーナーさんのケアとかしたいと思うけど……ダメダメ、今はそんな事考えちゃダメ。

 

「さ、さぁ、耳かきしていきますよ」

 

 恥ずかしさを誤魔化すため、手早くマッサージを終えて、そのまま耳かきを始めていく。か、顔赤くなってるのバレないかな?

 

「ペースト状になった粉を掬っていって……外側が綺麗になったら中を……」

 

 外側を掃除している間に少し落ち着けたので、中はじっくりとやっていきましょう。さて、こっちはと……。

 

「うー……ん。んー……と、うん、こっちは汚れてないですから、掃除の必要はないですね」

 

「あ、本当? 奥の方とかも大丈夫か?」

 

「ええ。よく見てみましたが、奥の方も大丈夫です。良かったですね、トレーナーさん」

 

 あたしがそう言うと、トレーナーさんはなぜかすごく微妙な顔をしました。

 

「いや、汚れてないのは良い事なんだけど……ライアン、梵天だけでもしてくれないか?」

 

「え? ええと……良いですけど」

 

 する必要はないんですが、取り合えず、トレーナーさんの耳の中を梵天で擦り、そして最後に息を吹きかけます。これでお終いですね。

 

「ふ~……ふ~……はい、これで終わりました」

 

 うん、今回もちゃんと耳かきできましたね。さて、後はトレーナーさんを起こすだけなんです……が。

 

「なぁ、ライアン。このまま寝たいんだが、ダメか?」

 

「え? えーと……トレーナーさん、片耳だけでしたし、そんなに眠くないですよ……ね?」

 

「いや……悪い、最近疲れが溜まっててな……ダメか?」

 

「うう、そ、そんな上目遣いで見ないでください。わかりましたけど……早めに起きてくださいね」

 

「悪いな……」

 

 そう呟くとトレーナーさんは目を閉じて……しばらくして、スヤスヤと寝息を立てました。どうやら本当に疲れてたみたいです。

 

「……お疲れ様です、トレーナーさん」

 

 はぁ、シャワーを浴びてからで良かった。汗拭きシートだけだと全部の汗を取るのは無理だから、前みたいに汗の匂いをさせたままになる所だった。トレーナーさん、そう言うのをちゃんと気にするようにしてくださいよ。そうじゃなきゃ……恥ずかしいんですから。

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