ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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アグネスタキオンで書いてみました。

タキオン、なんていうか正統派とは違う路線なんですけど、可愛いですよね、色んな人がイラストとか描いてるから猶更伝わってきますし。


アグネスタキオン

 あー、居た居たモルモット君、ちょっと君に用事があるんだよ。

 

 なんだいそんな腰が引けて。ははは、別に今日はモルモット君で実験するわけじゃないから安心したまえ。

 

 実は、ちょっとモルモット君の生体の一部が欲しくてね。……だから、腰が引けてるぞモルモット君、別に痛い思いをさせるわけじゃないさ。

 

 簡単な話だ、君を私が耳かきする。私はそこからサンプルを取る。君は耳が綺麗になってスッキリする。どうだい、winーwinというやつさ。

 

 え? 耳垢なんかがなんのサンプルになるかだって? ふふ、それは秘密さ。さ、早く私の膝に頭を乗せたまえ。

 

 ふふ、どうだいモルモット君、普段から走ってる私の膝枕は。ん? 思ったよりも柔らかくて気持ちよい? ふふ、口が上手いねぇ。悪い気はしないよ。

 

 さて、では早速始めよう。まずは耳の外側だ。粉はさすがに生体サンプルにはならないが、なについでというやつだ、気にすることはない。

 

 ふむふむ、意外と汚れてないな、ちゃんとお風呂で洗ってるのだな。良い事だ、こういう目立たない部分の身だしなみは疎かにしがちだからね。

 

 では、生体サンプル採集の礼だ、君のツボを押してあげよう。なに、変な場所ではないぞ? ちゃんとネットで調べて出てくる程度の一般知識だ。なにせ耳にはかなりのツボが存在する。いくらでも押せるというものさ。

 

 ここは胃に効くし、ここは肺、ここなら食べ過ぎ防止だし、膝の痛みに効くものもある。耳かきでやっても良いが、折角だから指で押してあげよう。ほーら、ギュッギュっと、どうだい私の指使い、気持ちよくなっているかい?

 

 そーかそーか、それは良かった。さて、いつまでもここで時間を食うわけにはいかない、早速耳の中を掃除していくぞ。ふーむ、これは中々、汚れが溜まっているね。外が綺麗だっただけに、汚れが際立っているじゃないか。

 

 では、早速掃除と行こうじゃないか。まずは耳かきで小さい汚れから取っていくぞ。カリカリカリ……カリカリ……おや、なんだいモルモット君、私の囁きが気になるのかい?

 

 気にする必要はない、単なる私の癖だ。それとも、もしかしてイヤかい? そうかそうか、むしろ聞いていたいか。なら、期待に答えてあげようじゃないか。

 

 カリカリカリ……カ~リカリ、カッカッ、カリカリ……うん、ペリッと剥がれたようだ。この調子で小さい耳垢をペリペリ、ペリペリ、カリッカリッ。ふーむ、君の耳垢はけっこう素直に取れるようだね、重畳重畳。

 

 ふむふむ、大きさも問題はなさそうだ。しかしまぁ、君はもう少し耳の中にもケアするようにするべきだな、耳垢は少ないが、所処の肌が荒れている。これではそのうち耳垢で耳が詰まってしまうぞ。まぁ、私は生体サンプルが取れるから問題はないが……普段の会話に支障が来るようではこまるのだよモルモット君。

 

 まぁ、安心したまえ、そうなる前に私がこうして耳掃除をしてあげようではないか……ふむ、こちらは大まかに終わったようだ。さて、反対側を向き給えモルモット君。

 

 おやぁ? どうしたんだいモルモット君、耳どころか顔まで真っ赤じゃないか。耳が赤いのはツボを押したからだろうけど、こんなに顔を赤くしてるのはなんでだろうねぇ? 嫌々、皆まで言わなくても良い。長い付き合いだ、君の考えぐらいはわかってるつもりだよ。ふふ、しかし、私を女として見てるとは、意外だね。

 

 まぁ、それは追々話を聞くとしよう。こっちの耳垢もちゃんと掃除しなければ、サンプルが取れないからね。ふーむこちらもそんなに汚れてはないな。だが、肌荒れは所々にあるし、今度は保湿ケア用のローションを塗ってあげよう。あいにく今日は用意してないんだ。

 

 ああ、そうだ、私の唾液でも塗ってみようか? ……いやいや、冗談さ、流石に私もそんな事はしないさ。さ、冗談は置いておくぞモルモット君。

 

 こちらも、大きな汚れはなさそうだ。ではツボを押してあげよう。ギューッ、ギューッ、ギュッギュッ。ふふふ、赤くて熱いなぁ、ちゃんとツボが効いてるようだねモルモット君。

 

 では、中も進めていこう……ふむ、モルモット君、どうやら君は眠くなっているようだね。隠さなくても良い、こんなに体が弛緩して、瞼も落ちているではないか。構わないさ、耳掃除が終わったらこのまま眠ればいい。……いったい何を警戒しているんだい? 流石の私も寝込みの君に何かをすることはないさ……多分ね。

 

 さ、中の掃除を続けようではないか。カリカリ……ガリザリ……カリカリカリ……耳元でこうして囁かれるのはどうだい? 背筋がゾクゾクする? ふふ、面白い反応だなモルモット君。耳には快感を司る神経が走っているからね。こうして、耳垢が取れて敏感になってる所にフーッ……ははは、ビクンと体が震えたじゃないか。そうそう、気持ちいいだろモルモット君。だが残念だが、それは主題ではないのだよ。

 

 ふむふむ、カリカリカリ……ガリっと横から耳垢の下に耳かきを差し込んで……グッグッと力を込めて……よーしよし、我慢したまえモルモット君。もうちょっと、もうちょっと……よしよし、これは思ったより手強かったかな。

 

 ふーむ、うん、後はもう目ぼしい耳垢はないようだ。さて、それではモルモット君、お昼寝タイムだ。このまま私の膝枕でゆっくりと眠るが良い。なに、私の手を握って、全てを私に委ねるがいい。

 

 ……おやおや、あっさりと寝てしまったか。そんなに私の事を信用しているのかい? ふふ、君にウソをついてる私を、そんなに信用していいのかな?

 

 ……まさか、生体サンプル採取なんて嘘っぱちで、君に耳かきと膝枕をしたかっただけなんて聞いたら君はどんな顔をするのかな? まぁ……絶対に言うつもりはないから、このままゆっくり寝ているんだぞ、トレーナー君。


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