ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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スマートファルコンで地の文ありで書きました。前回から引き続き、ファル子は枕営業の意味をわかっていません。

絶対に言えないトレーナー対なんとか聞き出そうとするファル子 ファイッ!


スマートファルコン(地の文あり)

「ふんふふ~ん♪ 今日のライブも大成功♪ ファル子、絶好調♪」

 

 ライブを終えて楽屋に戻ってきた私は、思い切りの笑顔を浮かべていると思う。だって、今日も皆、ファル子に夢中になってくれたんだ。

 

「お疲れ様ファル子、今日も最高のライブだったよ」

 

 楽屋の扉を開けて入ってきたのはトレーナーさんだった。わーい、トレーナーさんに褒められたー。

 

「えへへ、トレーナーさんにそう言ってもらえると嬉しいな。これからもファル子、もーっと頑張っちゃうよ」

 

「ああ、応援しているさ。なんたって俺は、ファル子のファン第一号だからな」

 

 うん、そう言ってもらえると本当に嬉しい! トレーナーさんに応えるように私ももっと頑張らないと!

 

「ふぁ……ぁ……」

 

「あれ? トレーナーさん、もしかしてお疲れ?」

 

「ああ……ちょっとやることが多くてな……ふぁ……」

 

 あー、大あくびしちゃって……そうだよね、トレーナーさん、ファル子のために頑張ってくれてるんだから。私が何かお礼をしないと。

 

「ねぇ、トレーナーさん。私に何かできる事ってない? トレーナーさんにはいっつも助けられてるもん。私も何か力になりたいな」

 

「ん? いや、大丈夫大丈夫。ファル子もライブの後で疲れてるだろ? 今日は後は帰って休んで大丈夫だから……ふぁ……」

 

 ああ、トレーナーさんまたあくびしてる。えーと、何かできる事……えーと……。

 

「……そうだ、トレーナーさん。後でトレーナー室で待ってるから、絶対に来てね。絶対だよ」

 

「ん? あ、ああ? よくわからないけど……わかったよ」

 

 うん、トレーナーさんも来てくれるって言ってくれたから、急いで戻って準備しないと。急げ、ファル子ー。

 

 急いで寮に戻った私は、道具を纏めてトレーナー室に持っていって、そこで一つ一つ準備をしてトレーナーさんを待つ。そしてちょっと時間はかかったけど、トレーナーさんは部屋に来てくれた。

 

「ファル子。それで、どんな用事なんだ?」

 

「えへへ。トレーナーさん、今日は普段のお礼に耳かきしてあげるね。最近してないでしょ?」

 

 そう言って耳かきを見せてみると、トレーナーさんは一瞬、そう言えば……って顔をした。

 

「そう言えば最近はしてなかったな……ああ、頼むよ」

 

「はーい。それじゃぁトレーナーさん、こっち来てね」

 

 正座した私の膝の上にトレーナーさんが頭を乗せると、ズシッとした重みを感じる。さぁ、頑張って耳かきするぞ、ファル子。

 

「ブルボンさんやスズカさんもトレーナーさんに耳かきをしてるって聞いて、色々教えてもらったんだ。えーと、まずは温かいタオルで耳を擦っていくんだね」

 

 タオルでトレーナーさんの耳をゴシゴシとしていくと、耳の粉が水分を吸ってドロッとしていくから、それをちゃんと落としていく。すごーい、これなら簡単に掃除できるね。

 

「ほらほらトレーナーさん。気持ちいい? 耳の汚れが落ちていくよー」

 

「おー。気持ち良いなぁ、これ。自分でもできそうなのがありがたいな」

 

 むー。折角私がやってるのに。そんなトレーナーさんにはこうだ。

 

「いた……痛い痛い痛い! ちょ、擦る力が強いって!」

 

「ふーんだ。折角私がやってるのに、自分でもやれる。なんて考えてるトレーナーさんにはお仕置きだもん」

 

 私がプンプンしてると、トレーナーさんが悪かったって謝ってくれたから取り合えず許してあげちゃおう。

 

「それじゃぁ改めて……って程じゃないのかな? うん、これでタオルはお終い」

 

 タオルを片付けて、お次は耳かきを手にする。さてさて、トレーナーさんの耳の中は……と。

 

「うーん。トレーナーさん、最近耳の中掃除してないでしょ。前にやった時より汚れてるよ」

 

「うぐっ……さ、最近はちょっと時間がなかっただけだ。普段はちゃんとしてるから」

 

 むぅ、本当かな? トレーナーさん、自分の事に関しては疎かにしがちだもん。これは、これからもトレーナーさんの耳かきはファル子がやってあげないといけないね。

 

「さてさて。前は綿棒でやったけど、今回は耳かきでチャレンジだよ。まずは、手前から順番に、カリカリカリ……」

 

 カリカリカリ……ガリガリガリ……

 

 ザリザリ……ベリッ

 

 あ、取れた取れた。前にやった時より取れやすかったから、先に温かいタオルで耳を擦るのって本当に効果があるんだ。よーし、この調子でやっていくよー。

 

「カリカリカリ……カリカリカリ……トレーナーさんの耳の中をカーリカリ♪」

 

 綿棒だと絡めとる形だったけど、耳かきだと匙の部分にうまく乗せる必要があるから、落とさないように注意して、カリカリカリ、カリカリカリ。と音が私にも聞こえてくる。上手にできてるかな?

 

「んーと、次はこの耳垢をカリカリ……トレーナーさん、痛くない?」

 

「ん……うん……大丈夫……」

 

 あ、トレーナーさん眠そう。やっぱり疲れてるんだ……よーし、このままトレーナーさんを骨抜きにしちゃうぞー。

 

 そう意気込んで、私はカリカリカリ。と耳かきを動かし、トレーナーさんの耳の中を掃除していく。んー、これで大体良いかな? やりすぎると耳の中が荒れるって聞いてるし。

 

「トレーナーさん、これでこっちの耳は大体終わったよ……あれ?」

 

 あれれ? トレーナーさん、目を閉じてる? 寝ちゃった? んー。寝てる時に耳かきは危ないって聞いてるから、これ以上はできないかなぁ……あ、そうだ。

 

「ふ~……ふ~……」

 

「おわっはあ!?」

 

 息を耳に吹きかけたらトレーナーさんが今まで聞いた事のない奇声で起きた。あれれ、思ったより効果があったかな。

 

「おはようトレーナーさん、まだ片方だけだから、もう片方が終わるまでお昼寝はもうちょっと待ってね。はい、反対向いて♪」

 

「お……おう……」

 

 私の言葉にトレーナーさんはゴロンっと私のお腹の方に顔を向けてきた。わわ、素直にお腹の方向いてくれると思ってなかったら、ちょっと恥ずかしい……かも。

 

「えへへ。それじゃぁこっちの耳かき、いっくよー」

 

 照れ笑いを誤魔化しながらトレーナーさんの耳をタオルでゴシゴシと拭いていく。んー。トレーナーさん、まだ眠そう。早く終わらせてあげるほうが良いかも。

 

 タオルでゴシゴシと擦って、トレーナーさんの耳を擦って、汚れを擦り落として……うん、綺麗になった。じゃぁ、中をしていくよー。

 

「んー……? カリ……ガリッ……ちょっと固い……かも」

 

 耳かきで掻いてる耳垢の一つが妙に固い。トレーナーさんは……まだ夢心地かな? 起こさないようにしなくちゃ。

 

「カリッ……ガリッ……ギッ……グッ……」

 

 んー。ちょっと、固いかなぁ……これ以上力を入れたらトレーナーさんが痛いかもしれないから、これ以上の力は入れられないし……。

 

「んー……もうちょっとぉ……頑張れ……ファル子ー……」

 

 慎重に、慎重に、端の方から確実に耳垢を剥がしていって……隙間ができたらそこに上手い事先端を差し込んで……よし、このままちょっつずつ、ちょっとずつ……。

 

「ふぅ……取れたー」

 

 取れた耳垢は黄色く濁ってて、指で突くと固い感触が返ってくる。うわぁ、こんなのがあったんだ。

 

「んん……むぅ……」

 

 トレーナーさんは……うん、まだ半分寝てるね。それじゃぁ今のうち、今のうち。

 

「カリカリカリ……カリカリカリ……」

 

 小声で囁くように、オノマトペを呟きながら耳かきを続ける。でも、さっきので苦労するものはなくなったみたいで、このまますぐに終わらせれそう。

 

「ん……この辺……でいいかな? やりすぎはしないようにってブルボンさんに言われてるしね」

 

耳かきを置いてホッと息を吐く。はー、ちょっと緊張しちゃったかな。でも、トレーナーさんも気持ちよさそうにしてくれたし……あ、そうだそうだ。

 

「ふ~……ふ~……」

 

「ひょうわ!?」

 

 んー、半分寝てる人には息の吹きかけはやらないほうがいいかも? でも、お約束だってスズカさんも言ってたよね……あ、ちょうどいいから、あれを聞いてみよっと。

 

「ねぇトレーナーさん。耳かき、気持ち良かった?」

 

「んん……ああ……ほとんど寝てたよ……気持ち良くて……悪いがこのまま寝させて……」

 

「それは良いんだけどさ。ねぇトレーナーさん、枕営業ってなんなの? 前は結局教えてくれなかったよね」

 

 聞いた瞬間、トレーナーさんは目を見開いたと思うと、勢いよく立とうとしたから頭と腕を抑える。うん、これでもう逃げられないね。

 

「ファ……ファル子……俺にはそれを言う権利はない!」

 

「むー。なんでー? 友達に聞いても知らないって言うし、トレーナーさん、知ってるんだったら教えてよー」

 

「む……無理なんだー!」

 

 もう、なんで言ってくれないの? 今日は絶対に教えてもらうんだから!

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