ゴルシに振り回されたりパクパクですわネタ使われたりでポンコツお嬢様みたいな扱いされる事がちょくちょくある(個人的印象)の彼女ですが、やはりメジロのお嬢様に耳かき膝枕してもらうのは最高じゃないですか? 私はそう思います。
追記 夏風邪で死にそう。来週パターン道理に更新できるか未定。
久しぶりに日刊ランキング49位になりました。感謝です。
先日、俺の担当ウマ娘のメジロマックイーンは、メジロ家の悲願である天皇賞を制覇。更にそのままエリザベス女王杯、ジャパンカップを制し、今は有馬記念に向けた僅かばかりの休養期間となっている。
なんとも素晴らしい事だ。GIレース三連勝なんてどれだけのウマ娘が達成できたというのか。それを俺の担当ウマ娘が成し遂げてくれた。トレーナー冥利に尽きる。
だがここで気を緩めてはいけない。次の有馬記念に向けてしっかりとトレーニングを……と言いたいところだが、ここで焦ってはダメだ。いくら彼女にやる気あろうとも疲れは蓄積しているはずだから、ここでしっかりと休養を取らせなければならい。
と言うわけで、今日は体を訛らせないための最低限の運動を行った後は休養を取る……はずだったのだが、どういうわけか、今俺は彼女の部屋でアフタヌーンティーを楽しんでいた。彼女たっての希望だったが……まぁ、これで彼女が休息になるというのならいくらでも付き合おう。
「しかしまぁ……メジロのアフタヌーンティーは本格的だな。俺、このお菓子乗せるやつって映画とかぐらいでしか見た事なかったんだよ」
紅茶を口にしながら視線を向けた先にあるのは、銀で作られているというお菓子置きである。こんなお洒落な物を実際に使う日が来るとはな……。
「うふふ、それでは今度メジロ家に招待した時はもっとちゃんとしたものをお見せしますわ。おばあ様からもトレーナーさんにご挨拶したいと聞いておりますから」
「お……おう」
メジロ家か……以前マックイーンが三冠を達成した時に一度お邪魔したが……俺みたいな庶民にはどうにも縁のない場所過ぎて、滅茶苦茶緊張したなぁ……。次に行くときにはもっとちゃんとした態度をできるだろうか?
そんな事を悩んでいると、マックイーンがカップを置いてこちらを見てきた。
「さて……トレーナーさん、本日はまだ時間に余裕がありましたよね?」
「ん? ああ、先輩からも休息日は作るように言われてるからな。今日はメディアからの取材とかもないし、本当にフリーだ」
紅茶を一口飲んで、俺は大きく息を吐く。ああ、そう言えばこうして一日フリーなんていつぶりだろうか。おかげで何をやろうか……と言うのが思い浮かんでこない。やっぱり適度な休息を取らないと仕事を辞めた後にボケそうだなこれ。
「さて、と。トレーナーさん、後片付けはこちらでしますので少し待っていて頂けますか? 耳かきの準備も一緒に行いますので」
「ん……わかった」
そんな事を思っていると、マックイーンがお菓子を食べ終えた後の食器類を片付けていく。彼女にやらせていいのか? と思わなくもないが、あの高そうな食器や道具を触るのは正直怖い。なので彼女に任せるしかないのだが……。
取り敢えず俺は場所を移動してマックイーンのベッドの上に座っている。すると、道具を片付け終えたマックイーンが耳かきの道具を持って俺の隣に座ってきた。
「お待たせしましたトレーナーさん。それでは、こちらに頭を置いてくださいませ」
膝を叩くマックイーンに従い頭を置く。うん……良い固さだ。太り気味の時の柔らかさがないのは良い証拠だ。
「さぁ、始めますわよ。くすぐったかったりしたら言ってくださいね。自分で変に動くと危ないですから」
そんな注意を言いながら、マックイーンはウェットティッシュで俺の耳を拭いてくる。冷たいティッシュに擦られ、垢が落ちる感覚にちょっと恥ずかしさを覚える。
「ふぅ、こんなに黄色い汚れがついて……粉が多く出てる証拠ですわ。さて、それでは耳かきで、残りの汚れがないかを確認しまして……」
カリカリ……カリカリ……
サリサリ……サリサリ……
おおお……まだ外の掃除中なのに耳かきで掃除される音が気持ち良い……擦られる気持ち良さも良いし、音も気持ち良い……メジロ家には何か耳かきの秘訣とかでもあるのか?
そんな俺の驚きをよそに外側の掃除を終えた耳かきが中に差し込まれていく。
「カリカリ……カリカリ……ウフフ、こうしてトレーナーさんの耳かきをしていると、なんだか普段とは立場が逆になった気分になりますわ」
「お……おう、言われてみればそんな気もしなくもないが……」
言い方はあれだが、普段は俺がマックイーンの世話をしている。だから、今みたいに俺の世話をしているというこの形は、確かに普段と立場が逆になっているのだろう。
なんてことを考えている間に耳かきの動きが止まり……マックイーンが顔を近づけてきた。
「ん……ちょっと見辛いですわね。えーと……」
奥を覗いている彼女の息遣いがよーく聞こえているというのがなんとも落ち着かない。年頃の、しかも普通なら接する事なんてない名門お嬢様にこんなことをしてもらってるんだ、落ち着けると思うな。
サリサリ……サリサリ……
ガッ……ベリベリ……
「はい、綺麗に取れましたわね。どうでした? 痛くはなかったですか?」
「ああ、大丈夫……と言うより、もうちょっとその辺、掻いてくれないか?」
耳かきが終わった……んだけど、あれなんだよな。まだ掻いて貰った気持ち良い場所がある。その辺、その辺を掻いてくれたら……。
「この辺……ですか? 見た限り、特に汚れはありませんが……」
横目で、首を傾げるマックイーンを見上げると少し罪悪感を感じるが……掻いて欲しいという欲に勝てずそのまま掻いてもらっていると……。
「……トレーナーさん? 前に言いましたよね、やりすぎれば耳の中が悪化すると」
少し怒気を含んだ声に、耳かきで耳の中をこつこつと突かれて……あ、ヤバイ、怒ってる。怒らせた。
「……バレるの早くないか?」
「以前ももっと掻いてほしいなんて仰っていたからです。さぁ、バカな事を言うのはこれでお終いにしてくださいまし……その代わり」
呆れ口調でそこまで言ったと思うと、マックイーンの顔が再び耳元に近づいてきて……。
「こうして……囁いて差し上げますわ」
ほぁぁぁぁぁっ! 囁き……マックイーンの囁きが……他の部分を耳かきで掻かれて……ほあああ、ほあああああっ。
「マ、マックイーン……そんなに囁かれたら……」
「うふふ、気持ち良いでしょ? こうして……貴方の愛バが耳元で……囁いてあげてるのですよ。カリカリカリ……カリカリカリ……」
うあ……こう、マックイーンに愛バだなんて言って貰えるとか……トレーナー冥利に尽きるだろ……。まさかこんなことを言って貰える日が来るとは……。
嬉しいやら恥ずかしいやら……色んな感情で頭の中がぐちゃぐちゃになりそうだ。囁きと言い、愛バと言い……破壊力ありすぎるだろ。
「カリカリカリ……掃除はこの辺りにしておきましょうか。それでは、梵天で細かい粉の掃除していきますわ」
耳かきが引き抜かれ、まだ掻いて貰いたいという欲望に柔らかく蓋をするかのように梵天が差し込まれ、そのまま耳の中が掃除されていく。
「んん……前のより柔らかいか?」
「はい、今回のは毛が柔らかい物をご用意しました。ですので、以前のよりも優しくて……気持ち良いでしょう?」
前のよりフワフワして、きめ細かい梵天の毛が俺の耳の中をこそばしていき、耳かきを続けて欲しいという気持ちまで絡めとられたかのように落ち着いていく。
「さぁ、梵天も終わって……ふ~……ふ~……」
至近距離で吹きかけられた息が耳の中を通り鼓膜まで到達する。耳かきで熱を帯び、梵天で敏感になった耳の中を通る息の感触に、俺は背筋をブルっと震わせた。
「ふお……おおお……」
「あらあら、そんなに悶えちゃって。やはり梵天の後の息は気持ち良いのですね。これからもして差し上げますわ」
なんだか凄い事言われた気がする。思わず聞き返そうとしたが、それより先に俺の体はくるんと引っくりかえされ、彼女の腹部が眼前に広がった。
「さぁ、こちら側の掃除をしていきますわよ。体の力を抜いて、大人しくしていてくださいませ」
「う……わ、わかったけど、体勢は変えても良いんじゃ……」
「問答無用、ですわ」
俺が体勢を直そうとするのを押さえつけられ、ウェットティッシュで耳を拭かれていく。むむ……これじゃぁ駄々を捏ねる子供に呆れた親みたいな感じじゃないか……。
「ふぅ、やはりトレーナーさんは耳のお手入れが疎かですわね。これからもメジロのウマ娘として、パートナーの身だしなみには私も参加しなければなりませんわね」
「あ……と、うん、頼むわ……」
だから、なんかさっきから凄い事言ってないか? 俺、これからも継続的にマックイーンに耳かきされるのが決定してるの?
そんな俺の困惑をよそに耳かきは続いていく。
カリカリカリ……ガリガリガリ……
ザリッ……ベリッ……ズズ……
「耳垢を一つ一つ……丁寧に掻き出して……耳の中を傷めないように……」
「うお……そこ……気持ち良い……もっと掻いてくれれば……」
俺がそう言うも、マックイーンは何も反応せず、耳かきを続けていき。
コシュコシュー……コシュコシュー……
クルクル……フワフワ……
「耳かきで終わりではなく、こうした細かい汚れも取ることが大事ですわ。粉が固まったら困りますもの」
「ん……まぁ、理屈はそうなんだろうけど……気持ち良かったらどうでも良いかな……」
トレーナーをしている身としてはなんとも酷い発言だと思うが、割と本心だから困る。
「最後は……ふ~……ふ~……」
「ふぉぉぉ……」
最後に息を吹きかけられ……ふぅー、気持ち良かった。極上の耳かきを堪能できたぞ。
「さぁトレーナーさん。耳かきはお終いですが、後はお昼寝をしましょうね」
「……いや、前にやってもらった時は確かに俺から昼寝をねだったけど、今はマックイーンは疲れが溜まってるんだし、ここまでしなくても……」
流石に今回は昼寝までねだる気はないためどこうとするが、マックイーンに耳を摘ままれ、引っ張られ、そして、広がった穴にマックイーンの声が響く。
「良いんですの。私がやりたいんですから。トレーナーさんは……文句を言わず、大人しくお昼寝してください」
「……はい」
そこまで言われては仕方がない。俺はマックイーンに全てを任せ、目を閉じる。そんな俺の耳に彼女の声が届いた。
「トレーナーさん? これからも人バ一体、宜しくお願いしますわね」