ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

74 / 285
ナイスネイチャで耳かきを書きました。なんやかんや言って世話好きで、そして今まで自分と無縁だと思っていたキラキラを手に入れさせてくれたトレーナー相手ならこんな事考えててもおかしくないかなー。と思う今日この頃。トレーナー側も距離感近いですし。

なお、私は愉悦部ではないですのでトレーナーが実は……と言う事はありませんのでご了承ください。


ナイスネイチャ(地の文あり)

 はぁ~……なんだか最近、ちょっと疲れたかなぁ……。

 

 いや、理由はわかってるんだけどね。こんな私が、まさか有馬記念で1着になるなんて思わないじゃん? でもなっちゃったのよ。

 

 1着になった瞬間は信じられなくて……何回も掲示板を見直したっけ。あの日は私にとって最高のキラキラを手に入れられた瞬間だと思ってる。思ってるんだけど……。

 

「ふぅ……あー、やる気でないなぁ」

 

 ミーティングルームで勉強してるけど……頭がちゃんと働いてないのが自分でもわかる。燃え尽き症候群……なーんてわけじゃないと思うけど、あれで全力使い果たした気はするんだよねぇ。あー……ダルおも~……。

 

「ネイチャー、ちゃんと勉強して……どうしたんだ? 調子でも悪いのか?」

 

 そんな風にゴロゴロしてるとトレーナーさんが部屋に入ってきた。ありゃー、見られちゃったかぁ。

 

「んー……有馬記念も終わって、ちょっと気力が切れちゃってさぁ。ネイチャさん無気力モードなの」

 

「あー……そうだなぁ。正直俺も、ちょっと気力使い果たした気分だな」

 

 ありゃりゃトレーナーさんもか。いやいや、仕方ないよね、だって有馬記念で一着になったんだから。その後のメディアでのあれやこれやもあって本当に疲れたなぁ。他のG1ウマ娘さんなんか元気に練習したりしてるけど。

 

「……なぁネイチャ。暇なら耳かきしてくれよー。また耳の中に変な感じするんだよ」

 

「えー……トレーナーさん、ちょっと私に耳かきのおねだりが多くありませんかね? 私達、もっとトレーナーと担当ウマ娘としての適切な距離を……」

 

「いいじゃんか。頼むよー」

 

 ちょいちょいちょい。抱き着いてくるのやめてくれませんかねぇ。誰かに見られたらどうするのさ、部屋に鍵もかけてないんだから。誰かに見られたらヤバいじゃんかもー。

 

「あーもう……わかったって。わかったからさ、取りあえず離れてよ、道具持ってくるからさ」

 

「ああ、頼むぞ」

 

 んー、結局流されちゃったなぁ。これって良いんですかねぇ? ……まぁいいや。トレーナーさんの事嫌いじゃないし。

 

 さ・て・と。まずは耳かき、後はお湯にタオルに綿棒にと……で、鍵はちゃんとかけてと。さ、やっていきましょうか。

 

「それじゃぁ、ここに頭置いてくださいね」

 

「ああ、頼むぞ」

 

 トレーナーさんがいつの間にか移動してた仮眠用ベッドで、彼の隣に座って、トレーナーさんが頭を置いたから耳の外側を……と。まずはお湯で温めたタオルでゴシゴシ、ギュッギュッと。

 

「お湯加減は如何ですかー? 熱くないですかー?」

 

「ああ、大丈夫、ちょうど良い。気持ち良くて……寝そう……」

 

「いやいや、こんなんで寝ようとするのは止めて頂けます? ほら、ゴシゴシっと」

 

 寝ようとするトレーナーさんの耳を引っ張りつつ、タオルでゴシゴシ擦っていって……はい、こんなもんかな。

 

「じゃぁ次は綿棒で粉を取っていくから。何回も言うけどまだ寝ないでよね」

 

 一応釘を刺しておいて。トレーナーさんの耳の外側を綿棒でゴーシゴシっと……うわぁ……。

 

「トレーナーさんや、もっとちゃんと掃除しようよ。タオルで拭いたのに粉だらけじゃんか」

 

「いやぁ、一応風呂上りにタオルで擦っているんだけど、どうにもなー。でも、ネイチャが耳かきしてくれるなら別に良いかなって」

 

「ちょいちょーい、ネイチャさんがこれからも耳かきし続けるのを前提で決めないでくれません?」

 

 もう、なんでこうこのトレーナーさんは私に甘えてくるのかねぇ。いや、嫌な気分じゃないから良いんだけどさ。

 

 綿棒でゴシゴシと擦ってると出てくる出てくる。パッと見じゃ見えないけど、擦れば綿棒を黄色く染めるほどに粉が絡めとられていく。そりゃ、タオルで細かい所までは取ってないけどさ。

 

「ふぅ、こんなもんですかねっと。さ、次は耳の中をやっちゃっていきましょー」

 

 綿棒を捨てて耳かきを持ってと。んー……これはまた、取りやすそうな感じ。お店に来てたお客さん達より楽なのは良い事だね。

 

「カーリカリ……カーリカリ……ベリッ、ベリッと。うん、トレーナーさんの耳垢はやっぱり素直だねぇ。固くもないし、脆くて崩れる事もない。取りやすくて助かるわ~」

 

「そうだろうそうだろう。俺は手間がかからないぞ」

 

 だーかーらー。手間がかからないなら、そもそも耳かきお願いなんてしないと思うだけどなぁ。まぁ、良いんだけど。

 

「カリカリカリ……ペリペリペリ……んー、別段耳垢が溜まってるってわけでもなさそうかなー。これならささっと終わらせそうだね」

 

「マジかー……もっと耳垢を溜めてからくれば良かったな……」

 

「あのねー。耳垢は溜めて良い事なんてないんだけどねトレーナーさん。わかってるの?」

 

 もう、どんだけ私に耳かきしてもらいたいのさこのトレーナーさんは。

 

「ガリガリガリ……ザリザリザリ……こーしてベリッ……と。うん、これで大体取れたから。こっち側はお終いだよー。ほら、どいたどいた」

 

「いやいや、まだ梵天とか、その辺が残ってるだろ? やってくれよ」

 

 あ、バレてーら。もう、仕方ないなぁ。

 

「仕方ないなぁトレーナーさんは。それじゃぁ梵天で……」

 

 トレーナーさんの耳の中を梵天でコシュコシュと、耳かきで取れなかったり、垢を取った後に残った小さい欠片を絡めとっていく。

 

「うおおお……み、耳の中を掻きたくなる……」

 

「あー、トレーナーさんはこそばゆいって感じるんだっけ。でもちょっと我慢しててね。ちゃちゃーっと終わらせちゃうから」

 

 悶えるトレーナーさんを抑えてコシュコシュ、クルクルーっと梵天で細かい粉を掃除していって……うん、こんなもんだね。

 

「はい、梵天はお終いね。じゃぁ……ふ~……ふ~……」

 

 トレーナーさんの耳の穴を広げて、息を吹きかける。はぁ~、終わった終わった。さて、それじゃぁ反対側もやっていきましょうかね。

 

「ほら、トレーナーさん。こっち終わったから、反対向いてちょうだいな……って、ナチュラルにお腹に顔埋めるのはどうかと思うよ?」

 

 いくら愛バって言ってももうちょっと距離感は大事にしたほうが良いと思うんだけどなぁ。テイオーのトレーナーさんとかは弁えてるんだけどねー……テイオーのほうが弁えてない節はあるけど。

 

「いや、ネイチャのお腹って暖かいし柔らかいしで落ち着くから……ほら、前みたいにチアガールの恰好をしてくれたら余計嬉しいんだけど」

 

「いやいやいやいや! ぜーったいにやらないからね!」

 

 ダメだこのトレーナーさん、早く何とかしないと……。あんな恰好するだけでも恥ずかしかったのにトレーナーさんの顔を直接埋めるとか、絶対に無理だからね!

 

「……はい、アホな事言ってないで、耳かき再開しますよー。気を取り直して外側から……」

 

 んー。と言ってもやる事は別に変らないんだけどね。温めたタオルでゴシゴシと擦って、ふやけた耳の外側から綿棒でゴシゴーシ、ゴシゴーシ……うわぁ、やっぱこっちも粉が凄いわー。

 

「ゴシゴシ……ゴシゴシ……トレーナーさんの耳をゴシゴシ……ってちょ、トレーナーさん、くすぐったいからあんまり動かないでよ」

 

「ああ、悪い。耳がくすぐったくてついな」

 

 本当にそれだけならいいんだけど……まぁいいや。ともかく、耳の外側を綿棒でゴシゴシ、ゴシゴシ……うわぁ、白い綿棒が黄色いわぁ。わかってたことだけど。

 

「んー、トレーナーさん。やっぱお風呂上りはちゃんとタオルで耳を擦ったほうが良いよー。私だって毎回耳かきしてあげれるわけじゃないんだからさ」

 

「だから擦ってはいるんだって……」

 

 本当かなぁ? もしかして私に耳かきして欲しいからわざとやってないとか、そんなことないよね? ……まぁ、私のトレーナーさんなんだし、信じてあげますか。

 

「まぁ、それなら信じてあげますかね。じゃ、耳の中の掃除、やっていきますよ」

 

 んー、粉は多いけど、耳垢は本当、手間がかからなくていいねぇ。

 

「ゴーリゴリ、ガーリガリ。うんうん、やりやすくてらくちんらくちん。今までお客さんに耳かきしてあげた時と比べても楽で嬉しいよ」

 

 バーでたまにお客さんにおねだりされて耳かきしてたのが懐かしいなぁ。やったらお小遣いくれたりしてたっけ。

 

「……」

 

「……あれ? トレーナーさん? どしたの?」

 

「……他の奴に耳かきした話は聞きたくない」

 

 ……あー、そういや前にもおんなじことあったなぁ。ちょっと心が狭くないですかね? 子供の頃の話なんですけどー?

 

「バカな事言わないで貰えます? ほら、もう耳垢は取れたから。梵天で掃除していきますよー」

 

 そんなに汚れもなかった耳の中の掃除をちゃちゃっと終わらせて梵天で残る汚れを掃除していく。

 

「さぁさぁ、梵天の掃除に移りますかね。コシュコシュ……グールグル」

 

「ふぅ~……あー……」

 

 ん、機嫌も治ったかな? 気持ちよさそうに息吐いちゃってさ。そんな顔されたら嬉しいじゃんか。

 

「はいはい、後は息の吹きかけだから、失礼しますよっと」

 

 気持ち良さそうにしてるトレーナーさんの耳の中にふ~……ふ~……はい、こんどこそお終いッと。

 

「じゃぁ、耳かきも終わったから。どいてちょうだいね……って、おーい? トレーナーさん?」

 

 どくように体をグイグイ押してみたら、体を起こしたと思った瞬間に腰にしがみつかれてるんですけど。デジャブかな?

 

「あのー……トレーナーさん?」

 

「ネイチャの膝枕で昼寝するまで絶対にどかないからな!」

 

「いや、まだ何も言ってないんですけど……」

 

 私が何か言う前に腰に回した腕にしっかりと力が籠められる。こんなことに必死にならなくて良いと思うだけど。

 

「……トレーナーさんや。この腕はなんですかねー? 未成年に抱き着くとか、世間的にまずいとネイチャさんは思うわけですが」

 

 トレーナーさんをどかそうとしたら、更に腕に力が込められて、お腹にしっかりとトレーナーさんの顔が密着してる。いやー……恥ずかしいんだけど。前もやられたから予想はしてたけど、これめっちゃ恥ずかしいんですけど?

 

「耳かきからの昼寝は鉄板だろ。このまま昼寝するからな」

 

 なんかキリッて感じの声で言ってるけど、客観的に見たらすっごい情けない姿だと思う。うーん、どうしようかなー。トレーナーさん、実は変態とかじゃないよね? やだなぁ、父親が変態だなんてなったら、子供の教育に良いとは思えないんだけど。

 

「トレーナーさん? 人間がウマ娘に勝てるわけないと思うんですけど?」

 

 腰に巻き付いたトレーナーさんの腕を掴んで力を入れて……ああ、もういいや。前も許しちゃったし。恥ずかしいけど。

 

「……はいはい、わかりましたよ。もうこのまま寝ちゃっていいけど、寝相が悪かったらどかすからね」

 

「大丈夫だ。ネイチャの膝枕からズレるなんてことないからな」

 

 そう言うとトレーナーさんは寝る体勢になって。しばらくしたら寝息が聞こえてきた。はー、我儘なんだから。

 

「……子供の教育は、しっかりやってあげないといけないですかねー」

 

 寝入ったトレーナーさんの頭を撫でながら、私は将来の家族計画についてちょっと考えることにした……ん-、子供に胸を張るためにも、燃え尽きてる場合じゃないかな、やっぱり。明日から改めて頑張ろっと。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。