ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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ナイスネイチャで耳かき、男トレーナー視点で書きました。

正直流石にちょっとベタベタしすぎかな? って思うぐらいで書きましたが、世話好きでなんやかんやで甘いネイチャに対してなら、たまにはトレーナー側がベタベタしてもいいかな? と思った今日この頃です。


ナイスネイチャ(地の文あり、男トレーナー視点)

「うーん……ダルイ……ダルイな……」

 

 廊下を歩きながら俺はそんな事を呟いている。と言うのも、こないだまで滅茶苦茶忙しかったからだ。

 

 なにせ、俺の愛バ事ナイスネイチャが有マ記念で1着となったのだ。有マ記念と言えばかつてギネスにも登録された事のある程の大レース。それをネイチャが勝利したんだ。

 

 彼女を勝たせるために俺は恥も外聞も何もかもを捨てて、打てる手を全て打って、そして彼女は勝利した。そして……うん、疲れた。

 

 なにせ俺は別に経験豊富なトレーナーではない。と言うか有マ記念に勝ち慣れてるトレーナーなんて早々居るわけもない。と言うわけで勝利後のメディアへの対応とかも難儀して……あー、本当に疲れた……。

 

「……ネイチャ、今はミーティング室だったかな」

 

 こんな状況じゃ何も身に入らない。と言うわけでネイチャに会おう。ネイチャと戯れていたら気力も回復するはずだ。よしさっそく行こう。と意気込んで俺はミーティングルームに向かう。そして中に入ると、そこには椅子にもたれかかりボーッと天井を見上げてるネイチャの姿があった。

 

「ネイチャー、ちゃんと勉強して……どうしたんだ? 調子でも悪いのか?」

 

 体調管理はしっかりさせていたはずだが、もしかしてレースの疲れとかが出たのか? それなら勉強なんて置いといてさっさと休ませないと。

 

「んー……有マ記念も終わって、ちょっと気力が切れちゃってさぁ。ネイチャさん無気力モードなの」

 

「あー……そうだなぁ。正直俺も、ちょっと気力使い果たした気分だな」

 

 そうか、ネイチャも無気力状態か。いや、実際にレースを走ったのは彼女なんだ、そりゃ彼女の方が疲れているだろう。だが、俺はもうネイチャと戯れると決めているのだ。

 

 さて、何を理由にしようか……耳かきを頼むか。前にやってもらった時滅茶苦茶気持ち良かったし。なんやかんやでネイチャもやってくれるからな。

 

「……なぁネイチャ。暇なら耳かきしてくれよー。また耳の中に変な感じするんだよ」

 

「えー……トレーナーさん、ちょっと私に耳かきのおねだりが多くありませんかね? 私達、もっとトレーナーと担当ウマ娘としての適切な距離を……」

 

「いいじゃんか。頼むよー」

 

 そう言って後ろからネイチャに抱き着くと、ネイチャは困った顔をしながら軽く息を吐いてこちらを見てきた。よし、これは大丈夫だな。

 

「あーもう……わかったって。わかったからさ、取りあえず離れてよ、道具持ってくるからさ」

 

「ああ、頼むぞ」

 

 ネイチャから離れると、彼女は部屋から出ていき、しばらくして諸々の道具を持ってきてくれた……あ、鍵もしっかりとかけたな。

 

「それじゃぁ、ここに頭置いてくださいね」

 

「ああ、頼むぞ」

 

仮眠用ベッドに移動しておいた俺の隣に座るネイチャ。その膝の上に頭を置き、耳かきが差し込まれるのを待っていると……耳かきよりも先に、温かいタオルで耳を覆われ、そのまま擦られていく。

 

「お湯加減は如何ですかー? 熱くないですかー?」

 

「ああ、大丈夫、ちょうど良い。気持ち良くて……寝そう……」

 

「いやいや、こんなんで寝ようとするのは止めて頂けます? ほら、ゴシゴシっと」

 

 思わぬ暖かさに思わず眠気に襲われる。目を閉じようとしたけど、ネイチャに耳を引っ張られ、なんとか寝ないように頑張る。

 

「じゃぁ次は綿棒で粉を取っていくから。何回も言うけどまだ寝ないでよね」

 

 タオルが離され、熱が離され、水分が冷やされる事でひんやりとする耳に綿棒が押し当てられ、そのまま擦られ始めた。

 

「トレーナーさんや、もっとちゃんと掃除しようよ。タオルで拭いたのに粉だらけじゃんか」

 

 なんとも呆れた様子のネイチャの口調だ。うーん、ウマ娘ならともかく人間はやらなくてもそんなに問題ないからなぁ。

 

「いやぁ、一応風呂上りにタオルで擦っているんだけど、どうにもなー。でも、ネイチャが耳かきしてくれるなら別に良いかなって」

 

「ちょいちょーい、ネイチャさんがこれからも耳かきし続けるのを前提で決めないでくれません?」

 

 そんな事を言っているが、知ってるんだぞ俺は。なんやかんやと言ってもネイチャは世話好きだという事を。だからこれからも加減を誤らなければ耳かきをしてくれるはずだ。

 

 そんな事を思っている間にも綿棒は俺の耳を擦っていき……うーん、流石にちょっと俺も汚れすぎかな? と考えてしまう。それぐらいには綿棒は黄色くなっていた。

 

「ふぅ、こんなもんですかねっと。さ、次は耳の中をやっちゃっていきましょー」

 

捨てられる綿棒を横目に見つつ、耳かきが穴の中に差し込まれるのを感じる。そして、ネイチャの言葉も。

 

「カーリカリ……カーリカリ……ベリッ、ベリッと。うん、トレーナーさんの耳垢はやっぱり素直だねぇ。固くもないし、脆くて崩れる事もない。取りやすくて助かるわ~」

 

「そうだろうそうだろう。俺は手間がかからないぞ」

 

 オノマトペを楽しみながらネイチャの耳かきを堪能する。けっこう楽なタイプの耳かきだと思うぞ、自分で耳かきしてもそんなに面倒だったことはないからな。

 

「カリカリカリ……ペリペリペリ……んー、別段耳垢が溜まってるってわけでもなさそうかなー。これならささっと終わらせそうだね」

 

「マジかー……もっと耳垢を溜めてからくれば良かったな……」

 

 とは言え、そんなにあっさり終わるというのもそれはそれで困るんだけどなぁ……ネイチャの膝枕を合法的に堪能できるのはこれぐらいなんだから。

 

「あのねー。耳垢は溜めて良い事なんてないんだけどねトレーナーさん。わかってるの?」

 

 そう言われても、溜めなければネイチャの耳かきを堪能できないのなら、耳垢を溜める事もやぶさかではない。いや、自分で耳の中を荒れさせてまでではないが。

 

「ガリガリガリ……ザリザリザリ……こーしてベリッ……と。うん、これで大体取れたから。こっち側はお終いだよー。ほら、どいたどいた」

 

「いやいや、まだ梵天とか、その辺が残ってるだろ? やってくれよ」

 

 あっさりと耳垢を取り終えたらしいネイチャによって背中を押されるが、俺は更に要求する。その辺までやるのがお約束だろ。

 

「仕方ないなぁトレーナーさんは。それじゃぁ梵天で……」

 

 そう言いながらネイチャは梵天を耳の中に入れてきた。ふわふわの梵天が耳の中を擦り、その感触が気持ち良い……んだが、なんだろう、同時に痒い。

 

「うおおお……み、耳の中を掻きたくなる……」

 

「あー、トレーナーさんはこそばゆいって感じるんだっけ。でもちょっと我慢しててね。ちゃちゃーっと終わらせちゃうから」

 

 痒さに身悶えする俺を片手で押さえつけつつ、梵天でコシュコシュと掃除していくネイチャ。いや、ナチュラルに押さえつけられ……仕方ないか。

 

「はい、梵天はお終いね。じゃぁ……ふ~……ふ~……」

 

 おおお……ぐいっと広げられた耳の中をネイチャの息が通っていくのは気持ち良い。もし不意を突かれてこれをやられたら絶対に声を上げてしまうぞ。

 

「ほら、トレーナーさん。こっち終わったから、反対向いてちょうだいな……って、ナチュラルにお腹に顔埋めるのはどうかと思うよ?」

 

 ネイチャの側に顔を向け、彼女の腹に顔を埋める。G1ウマ娘である彼女の腹は非常に固い……わけはなく、少女特有の柔らかさを備えている彼女の腹は、実に顔の埋め甲斐がある。

 

「いや、ネイチャのお腹って暖かいし柔らかいしで落ち着くから……ほら、前みたいにチアガールの恰好をしてくれたら余計嬉しいんだけど」

 

「いやいやいやいや! ぜーったいにやらないからね!」

 

 ダメかぁ。あのチアガール衣装で生のお腹を堪能しつつ頑張れって言われたら俺は相当に頑張れるはずだから是非やってほしいんだがな。

 

「……はい、アホな事言ってないで、耳かき再開しますよー。気を取り直して外側から……」

 

 そんなやり取りに疲れたのか、話を切り上げたネイチャによって耳かきが始まる。最初の時と同じようにタオルでゴシゴシと擦られ、それから綿棒で改めて擦られていく。

 

「それじゃぁ、さっきと同じように綿棒でゴシゴシと擦っていきましょうかね。ゴシゴシ……ゴシゴシ……ちょ、トレーナーさん、くすぐったいからあんまり動かないでよ」

 

「ああ、悪い。耳がくすぐったくてついな」

 

 いかんいかん、くすぐったくてつい体が動いてしまった。昔から耳の中を擦られると時折妙にくすぐったり痒かったりってなるのはなんなんだろうな?

 

 そんな事を思いながら耳かきを続けてもらい、やがて綿棒が一本捨てられた時点でネイチャが軽く息を吐いた。

 

「んー、トレーナーさん。やっぱお風呂上りはちゃんとタオルで耳を擦ったほうが良いよー。私だって毎回耳かきしてあげれるわけじゃないんだからさ」

 

「だから擦ってはいるんだって……」

 

 まぁ、そりゃぁそこまで丁寧ではないけど、拭いてはいるんだぞ。え、そんなに粉が多いのか?

 

「まぁ、それなら信じてあげますかね。じゃ、耳の中の掃除、やっていきますよ」

 

 何回も言われると流石に不味いかも。と俺がちょっと心に来てる間に耳かきが差し込まれ、掃除が開始されていた。

 

「ゴーリゴリ、ガーリガリ。うんうん、やりやすくてらくちんらくちん。今までお客さんに耳かきしてあげた時と比べても楽で嬉しいよ」

 

 ……嫌な事を聞いてしまった。ネイチャの膝枕や耳かきを堪能していた連中……それは多分あの商店街の人達なんだろうけど……イラッとするし、モヤッとする。

 

「……」

 

「……あれ? トレーナーさん? どしたの?」

 

「……他の奴に耳かきした話は聞きたくない」

 

 自分でも不機嫌になっているのがわかる声でそう返すと、ネイチャが深くため息をついてきた。

 

「バカな事言わないで貰えます? ほら、もう耳垢は取れたから。梵天で掃除していきますよー」

 

 あっさりと終わってしまった耳かき。それもまた不機嫌さを加速させる要因になり、俺は眉間に皺が寄っているのを自覚する。

 

「さぁさぁ、梵天の掃除に移りますかね。コシュコシュ……グールグル」

 

「ふぅ~……あー……」

 

 そんな不機嫌になっていたのに梵天一つで眉間の皺が取れていくのを自覚すると、俺ってけっこうチョロくないか? と自分でも思ってしまった。いや、ネイチャにならチョロくていいんだけどな。

 

「はいはい、後は息の吹きかけだから、失礼しますよっと」

 

 ネイチャの顔が近づく気配。そして耳の中を通る彼女の吐息。ああ、気持ち良い。これだけでさっきまでの不機嫌が一気に吹き飛んでしまった。

 

「じゃぁ、耳かきも終わったから。どいてちょうだいね……って、おーい? トレーナーさん?」

 

 そんな気持ち良さを堪能していると、ネイチャに体を押され始めた。ダメだ、まだどかされるわけにはいかんぞ! ネイチャの腰に腕を回し、しがみつく。

 

「あのー……トレーナーさん?」

 

「ネイチャの膝枕で昼寝するまで絶対にどかないからな!」

 

「いや、まだ何も言ってないんですけど……」

 

 そう言っているが、このままじゃどかされるのは確定的に明らか。だから、なんとしてもしがみつこうと力を籠める。

 

「……トレーナーさんや。この腕はなんですかねー? 未成年に抱き着くとか、世間的にまずいとネイチャさんは思うわけですが」

 

「耳かきからの昼寝は鉄板だろ。このまま昼寝するからな」

 

 ネイチャの腹に顔を埋めたまま答える。ちょっとくぐもった感じになったけど、ウマ娘の聴覚なら聞こえているだろう。

 

「トレーナーさん? 人間がウマ娘に勝てるわけないと思うんですけど?」

 

 ネイチャに腕を掴まれ……痛い痛い痛い痛い! や、やっぱりウマ娘には勝てないのか……いや、負けるな。負けるな!

 

「……はいはい、わかりましたよ。もうこのまま寝ちゃっていいけど、寝相が悪かったらどかすからね」

 

「大丈夫だ。ネイチャの膝枕からズレるなんてことないからな」

 

 ネイチャが呆れたのか諦めたのか。いずれにしても勝った。腕が割と本気でいたいけどネイチャの膝枕を勝ち取ったぞ。

 

 そうして俺は彼女の膝枕を堪能しながら徐々に眠りに落ちていく……はぁ……起きたら、また頑張ろう……。

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