ウマ娘耳かき小説   作:雨宮季弥99

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タマモクロスで耳かきを書きました。

いつもクリークに赤ちゃんにされたりするネタが目立ちますが、タマはもっとお姉ちゃんしても良い。そう思う今日この頃です。ちっちゃいお姉ちゃん良いじゃないですか。


タマモクロス(地の文あり)

 あー……疲れたわぁ……やる気でぇへん。

 

 理由? んなもんわかっとるわ。秋天、エリザベス女王杯、ジャパンカップ。連続でGIレースに出とって疲れへんわけがないやろ。

 

 ……いや、そりゃぁ、ウチも出る事了承したで? したけど、じゃぁ疲れてへんとか、んなわけやないんや。しかも、有マ記念への出場も視野に入れとるらしいからなトレーナーが。

 

 ……流石にこう疲れてたら有マどころやないわ。休養、休養がないとやっとれっか! つーわけで、今ウチはトレーナーの所へ歩いとる。途中でクリークに貰った飴ちゃんかみ砕きながらやけどかまへんかまへん。

 

「トレーナー、邪魔するでー」

 

「邪魔するなら帰ってー」

 

「ほんなら帰るわ、邪魔したな。…ってコラ~!」

 

 お約束のやり取りの後に部屋に入ると、なんや面倒そうな顔しとるなトレーナー。

 

「……なぁ、タマ。これ毎回やるの面倒なんだけど」

 

「何言うてんねん。お笑いにお約束はつきもんや。お約束をせな大阪のお笑いには通じる事ができへんで」

 

「……別にそう言うの興味ないんだけど……」

 

 カー、これやから東京人ちゅうのは、お笑いに甘いで……ってちゃうちゃう、こんなん話に来たんとちゃうわ。

 

「ちゃうちゃう、そう言う話をしにきたんとちゃうわ。トレーナー、ちょっとしばらく休養期間貰えへんのか? 流石にウチも疲れたで」

 

「あー……うん、大丈夫。ちゃんと休養期間を入れる事前提で考えてるから。今日から一週間は最低限のトレーニング以外は完全な休養期間にするつもりだよ」

 

「ホンマか。いやー、そりゃ良かったわぁ。ほんじゃぁ、今日はどう過ごさせてもらおうかな」

 

 んー、G1三連勝でけっこうな賞金貰えたからなぁ。チビ達への仕送りもしとるし……たまには自分へのご褒美もええやろ。どーしようかなぁ、高いタコ焼き機買おうかな。ほんで、ええ材料使って贅沢なたこ焼きパーティーでも……。

 

 なんて事を考えながらウキウキしとると……なんや、トレーナーがなんか言いたそうにしとるなぁ。

 

「トレーナー、どうしたんや? なんか言いたそうにしとるやん」

 

「あー……いや、良いよ。大丈夫、タマ」

 

 なんや水臭い態度しとるなぁ。余計気になるやん。

 

「水臭い事言わんでええやんかトレーナー。ウチらは人バ一体、二人三脚や。なんか言いたいことあるなら遠慮なく言ってくれるほうが嬉しいで」

 

 そう言ってトレーナーの手を取ってジーっと見上げてみると……お、観念したようやな。

 

「いや……また耳の中が変な感じがしてな。耳かきを頼もうかと思ったけど……」

 

「なんや、また耳かきかいな……ははーん、前にウチにチビ達よりも子供っぽいって言われた事を気にしとるんか?」

 

 ウチがそう言うと、トレーナーが恥ずかしそうに視線を逸らした。妙な所で小心者やなぁ。

 

「かまへんかまへん。前はウチもちょっと言い過ぎたわ。ほら、お詫びにタダで耳かきしたるから、おとなしくしときーな」

 

 トレーナーの背中をポンポンと叩いてから耳かきの準備をしていく。さーて、早速始めたるで。

 

「ほら、こっちきーやトレーナー」

 

 準備が終わったらベッドで膝をポンポン叩きながら呼ぶと、トレーナーもおとなしく頭を置いてくれたわ。さぁ、始めるで。

 

「んー、外側の汚れはっと……相変わらずやなぁ、綿棒で擦るとよー汚れが出てくるで」

 

 白い綿棒が擦れば擦るほど黄色くなってくで。前に比べたらようけ汚れとるわ。とは言え粉取るだけやったらすぐに終わるんやけどな。

 

「ゴーシゴシ、ゴーシゴシ……ほい、粉掃除はこんなもんや」

 

「ん、外側はこんなもんか」

 

 んー? なんやトレーナーの顔。物足りないって書いとるやんけ。しゃあないな、もうちょっとやったろか。

 

「トレーナー、んな物欲しそうにこっち見んでもマッサージが欲しいならそう言うてくれたらええんやで」

 

「あ、いや、そんなつもりじゃなかったんだけど……」

 

 なんや言い淀んどるけど気にせんとマッサージしたるか。さーてと。

 

「トレーナー業は書類との戦いやからなぁ……腰痛に効くんは、上のここ、後は疲れ目に効くとこと、ストレスに効くところやな」

 

 ギュッギュッギュッと。耳の上側や耳たぶを気持ちええように適度な力加減でモミモミ……グニグニ……。

 

「どうやトレーナー。気持ちええか?」

 

「あー……タマの手が気持ちいい……」

 

 おー、蕩けとる蕩けとる。ウチも疲れとるが、トレーナーも疲れとるんやなぁ。

 

「うりうり、嬉しそうやないかトレーナー。耳かきはともかく、耳のマッサージなら毎日やってもええんやで」

 

「はぁ~……いや、これは毎日頼んでも良いかも……」

 

 惚けとるトレーナーの顔を見ながらしばらくマッサージしとったけど、そろそろ耳かきせんとな。

 

「じゃぁそろそろ耳かきしていくで。んー……トレーナーの耳ってほんまそんな汚れとらんなぁ。なんや、ちょうど痒い部分にピンポイントで耳垢が固まっとるんか?」

 

「どう……だろう。自分じゃよくわからない」

 

 まぁ、耳の中は自分じゃ見えへんからなぁ。んーと……ああ、あったあった。奥のほうにあるわ、茶色い塊が。

 

「じゃぁこれを取ってみるで。ガリガリガリ……ガリッ……んー、固いけど、このまま取れそうやな」

 

「うおおお……痒い……めちゃくちゃ痒い!」

 

 あ、やっぱ痒い所にピンポイントに耳垢が張り付いとるんやな。こりゃぁ、早い所取らんとトレーナーにとって辛いだけやな。

 

「よーし、さっさと取ったるからな。ちょい痛いかもしれんけど我慢するんやで。後、動くんやないで、事故っても知らんからな」

 

 トレーナーの頭をしっかり押さえて、ちょい強めに力を入れて耳かきを掻いていく。固いからちょい時間がかかりそうやけど……あ、なんや、簡単に剥がれてきおったわ。

 

「よっしゃ、このまま落とさんように慎重に剥がして……よし、取れたでトレーナー。ほれ、後はもうちょいカリカリと掻いて……痒みは取れたんか?」

 

「はぁ……はぁ~……スッキリした……」

 

 おー、気持ち良さそうやなぁトレーナー。後は……小さい汚れぐらいやな、これぐらいなら梵天でちゃちゃっと掃除したろうやないか。

 

「サリサリサリ……ボソボソボソ……どうや? 細かい汚れも取れたし、これでスッキリしたやろ」

 

「はぁ~……ああ、スッキリできた……痒かったからなぁ……」

 

 よしよし、満足そうな顔をしとるでトレーナーは。じゃぁ、ここで。

 

「ふ~……ふ~……」

 

「おひょうい!?」

 

 アッハッハッ、おひょういて……くくく……普段のトレーナーからは全然想像できん声が出とったで。

 

「ちょ……タマ……」

 

「アッハッハッ……悪い悪い……でも、耳かきに息の吹きかけはお約束やで。ほら、機嫌治してえな」

 

 横目で睨んでるトレーナーに謝りつつ、体の下に手を入れて、ゴロンとひっくり返す。さて、こっち側もやっていかんとな。

 

「うお!? タ、タマ?」

 

「ほれ、前も両方とも頼んできたんや、頼まれる前にちゃんとやったるからな」

 

 トレーナーの頭をポンポンと叩きながら耳を覗いていく。突然体をひっくり返されて怒るどころやなくなったからか、おとなしくなっとるわ。

 

「こっちもツボ押しからしたらんとな。ほれ、ギュッギュッギューッ」

 

 さっきと同じようにトレーナー業で必要になりそうなツボをギューッと押して行ったる。力加減を間違えんよう、気を付けんとな。

 

「あー……タマの指って、触れてると気持ち良いんだよ。小さくてプニプニして、優しくて……」

 

「なんや、そんな褒めてもなんもでーへんで」

 

 まったく、時たま臆面もなくこんなん言うてくるからなぁこのトレーナーは。ちょっとドキッとしてしまうやないか。

 

「耳の外側の汚れもサリサーリ……ゾリゾーリ……まぁ、粉だけやから早いもんなんやけどな」

 

「んー……まぁ、言われたらそれもそうか」

 

 綿棒でゴシゴシと擦っていくと、出るわ出るわ。粉がよーさん出とる。タオルで擦ってても出るもんは出るんやなぁ。

 

「耳ん中は……あー、こっちも別段汚れとらんな。トレーナー、やっぱ特に耳垢が溜まるタイプじゃなさそうやな」

 

「それなのにピンポイントで痒い所に溜まるって事か……はぁ……」

 

 まぁ、そう言う事もあるんやろう。自由に調整できるわけないんやからな。

 

「んー、耳垢は大して取れへんし……後は梵天でゴーシュゴーシュ……クールクル」

 

「んん……梵天だけと言うのもこそばゆいな」

 

 まぁ、そりゃそうやろなぁ。ほんじゃぁ、梵天引き抜いたら口を近づけて……。

 

「ふ~……ふ~~!」

 

「おひょおおおい!?」

 

 あちゃー、ちょっと息の勢い強くしてもうたか。いや、反応が面白いからついな。悪気はないんやで。

 

「さて、と。じゃぁ耳かきはお終いやな。後はお昼寝やってしまいや」

 

 トレーナーにそう言うと……お、体もぞもぞさせて体勢整えとるな。やっぱトレーナーも疲れとるんやなぁ。

 

「……タマ、ごめんな。疲れてるのに」

 

「構へんてそんなん。有マに向けてお互い頑張らなあかんのやから……トレーナーに倒れられるんはウチも困るんやから。こうして甘えてくれるほうがええんやからな」

 

 そう言って頭を撫でながら子守歌を歌っとると……ああ、寝たわ。

 

「はぁ……ウチもしっかりせんとアカンなぁ……」

 

 寝とるトレーナーはなんか普段より幼く見えて……ウチもちゃんと見とかなアカンな……と思ってもうたわ。

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