オラリオに最悪の呪詛師がいるのは間違っているだろうか? 作:五月雨@ノン
「さて、ここからが
夏油は昨日と今日とでダンジョンに潜っていた。正式な冒険者登録をLvがバレないようにヘスティアと同伴し、登録することとなった
その際に、少し職員の獣人が首を傾げていたが、夏油が初めてのオラリオの訪問かつ少し常識に欠けているというヘスティアの言葉で職員は納得したようだ
ヘスティアに常識に欠けていると嘘でもそう言われた夏油は少し顔を顰めていた
ともかく、夏油は正式に冒険者登録をした後にダンジョンでの常識や生き残るコツなどを教わる講習を受け、テストを見事一発で合格した夏油は直ぐ様に十三階層へと足を進めた
「ここからは魔法に似た攻撃をして来るモンスターが出てくるらしいが、まぁレベル2程度なら余裕だろう」
夏油は足を踏み入れると同時に三級の呪霊を複数取り出し、周りを監視させる
此方の方が強いと言えど、態々無体を晒し、敵から攻撃を受けるというのはあまりにも夏油にとってはナンセンスだった。夏油が求めているのは完全なる勝利のみ、それこそ自分が求めている最強なのだから
「おや、早速お出ましか」
「グルルルル!!」
夏油の隙を突くような悪意のある形でヘルハウンドは姿を現した。その大きさは子牛位あり、ハウンドと名付けられながらその図体は犬から大きく掛け離れ、口からは大きく鋭い牙を見せ、炎が口の中を照らしていた
「さて、レベル2が何級に相当するのか見させてもらおうかな」
夏油の周りにいた呪霊達の各々が自らの武器を剥き出しにする。一体は大きく、鋭い爪を露わにし、もう一体は羽から刃を生やした
「ウォォォォン!!」
それに呼応するようにヘルハウンドの口から炎が吹き出された。ボォ!と炎の飛来する音がしたと同時に二体の呪霊はその炎を避け、夏油から出された命令を遂行する為に動き出した
鋭い爪を大きく振り上げ、ヘルハウンドへと近付くがヘルハウンドはそれをいち早く察知し、牽制の為に炎を吐こうとするがもう一体の呪霊がそれを許さなかった
炎を吐き出そうと動きが一瞬止まった瞬間に羽から生えていた刃をヘルハウンドへと飛ばす。それを少しだけ反応に遅れたヘルハウンドだが、炎を自らへと殺到する刃へと吐き出すことで攻撃を防ごうとする
ゴゥ!と音と共に炎が吹き出された。鉄製の武器であろうと半端なものならば容易く燃やし尽くす炎が全ての刃を包んだ
「さて、どうなるかな?」
夏油は興味深そうに炎を見つめた
ヘルハウンドはニヤリと口角を上げた。それは相手の攻撃が自らの炎に勝てるわけがないという自信の表れだった。
さて、目の前の獲物をどう始末しようか――
そんな考えを消すようにグチャリと生々しい音がすると共にヘルハウンドは自らの腹部から鋭い痛みを感じた。まさか、有り得ないもそんなヘルハウンドの考えとは裏腹に先程呪霊が放った刃がヘルハウンドの腹部を穿っていた
「ギャォ!!」
ドバッと血が吹き出し、地面を紅く濡らした。ヘルハウンドは痛みと自らの炎が破られたという事実に未だ混乱していた。コツンと自らに近づいてくる死という終わりの予感が頭によぎった
「ふむ、六割か....三級の下位といったところか」
夏油のそんな呟きも聞こえない程にヘルハウンドは自らに近づいくる終わりにどうすれば良いかと足りない頭を回すが
「もう用済みだよ」
その言葉と共に再度ヘルハウンドに刃が殺到する
ヘルハウンドはそれを足をもたつかせながらも躱そうとするが次々へと刃は突き刺さるがそれでも致命傷に至るほどではなかった。炎で敵の目を眩ませ、逃げようとするヘルハウンドが振り返った瞬間に目に入ったのは、自らの首へと伸ばされた鋭い爪だった
ザシュと肉が切れる音と共にヘルハウンドの意識は闇に呑み込まれた。サラサラとヘルハウンドの死体が魔石を残して灰となった。夏油は魔石を拾い上げ、少し眺めた後に満足気に頷きながら仕舞った
(やはり、魔石に含まれる魔力の量が多くなっている。これなら三級程度の呪霊の強化に使えるだろう)
「そうと知ったなら、もっと沢山魔石が欲しいところだけど.....っと」
夏油は少し驚いたような表情をした後にニンマリと笑みを浮かべた。目の前には
「これは、これは、鴨が葱を背負って来るとはこのことじゃないか」
夏油は二級の呪霊を二体と三級の呪霊を四体を追加で取り出す。それをヘルハウンド達は唸り声を上げながら警戒をしている
「さぁて、格付けも終わったことだ、一瞬で片付けてしまおうか」
その言葉と共に呪霊らは自らの武器を構え、ヘルハウンド達へと攻撃を始める。それヘルハウンド達も各々の武器で対応するが、六割の力でも対抗出来なかった力に夏油の呪力の強化により、次々へと蹂躙されていき、三十秒もしない内に全て魔石へと姿を変えた
「うん、これ位あれば一先ずは充分かな」
夏油は呪霊に魔石を集まさせた後に収納型の呪霊へと吸い込ませた後にクルリと右回りをする
「さて、ギルドではまだ私はレベル1ということになっているからね、取り敢えず上に―――
ゾクリと悪寒が走ると同時に、自分の前の奥にある岩辺りから視線を感じた。夏油の本能が警鐘を鳴らすが、それを無視して游雲を呪霊から取り出し、呪力を纏わせ戦闘態勢に入る
「そこにいるのは分かっている。出てこい」
「フフフ、残念。隠れんぼはもう終わりみたいね」
「!?」
まるで鈴の音のように美しい声が響いた。それと同時に夏油が予想していた通りに岩陰から二人が姿を現した。その二人はどちらともマントを被っており、顔は確認出来なかった
(おかしい、魔力が少しも感じられない...あのマントの効果か、それともスキルか?)
「お前達は一体何者だ」
「何者...フフッ、何者、ねぇ?」
パサりと二人はマントを脱いだと同時に夏油は大きく目を見開いた。一人はまるで美という概念そのものが詰められたかのように美しい銀髪の女性、もう一人は見る者全てを威圧するような鋼の肉体を持つ図体の大きな獣人だった
「何者と言ったかしら。なら答えてあげるわ、私の名前はフレイヤ、フレイヤファミリアの主人よ」
「.....オッタルだ」
そこには美の女神であるフレイヤとその従者である現オラリオ最強の冒険者オッタルが夏油と対峙するような形で立っていた
ラ ス ボ ス が 現 れ た !
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作者のお任せ