オラリオに最悪の呪詛師がいるのは間違っているだろうか?   作:五月雨@ノン

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現オラリオ最強VS最凶の呪詛師





衝突

 

 

「何者と言ったかしら。なら答えてあげるわ、私の名前はフレイヤ、フレイヤファミリアの主神よ」

 

「.....オッタル」

 

夏油の目の前に現れたのはオラリオ最大派閥であるフレイヤファミリアの主神であるフレイヤと猛者と呼ばれ、Lv7という現オラリオの中で一番の実力者であるオッタル。

 

夏油にとっては目の上のたんこぶとも言える二人が目の前に揃い、夏油は游雲に呪力を纏わせてしっかりと二人を睨むように見続けながら臨戦態勢へと入る

 

「あらあら、私たちはまだ何も言ってないのに」

 

「ダンジョンで態々人避けをして、猛者を連れている時点で大体察しはつくだろう」

 

夏油がそう言うとフレイヤは話が早くて助かるわと笑みをこぼす。そう言うと、フレイヤの後ろに控えていたオッタルが剣を抜き、まるで重力を操っているのではないかという程のプレッシャーを放つ

 

だが、夏油も様々な修羅場を掻い潜ってきた紛れもない強者であり、それに一切動揺することなどなく、変わらず臨戦体勢で構え続ける

 

「なら、敢えて言わせてもらうわね」

 

 

 

 

 

 

 

「目障りなのよ貴方」

 

その瞬間、オッタルが背中に背負っていた最早鉄の塊と言っても良い程の大剣を抜刀し、夏油へと物凄いスピードで斬りかかる

 

しかし、それをただ見ている訳もなく、夏油は腕にも呪力を纏わせて、手首のスナップを効かせて游雲で抗戦する

 

ガギン!という金属同士がぶつかり合う音と共に夏油達の周りの地面がひび割れ、陥落する

 

(なんて、馬鹿力だ...!今の私じゃ、押し負けるッ)

 

夏油は游雲をぶつかり合う形から、少し横に傾けること衝撃を受け流す。ドゴン!という音と共にオッタルの大剣が地面へと突き刺さり、先程よりも地面の亀裂を大きく広げる

 

夏油は呪力を足へと纏わせて、オッタルのスカしたその横ヅラに蹴りを放つ。それをオッタルは片手で難なく受け止める

 

(ッ!なんて硬さだ、まるで分厚い鉄の壁を蹴ってるようだ )

 

「効かん」

 

鬱陶しいと言わんばかりに夏油の攻撃を受け止めていた腕を振り払う。夏油はクルリと回転することでその衝撃を限りなくゼロにし、地面へと着地する。夏油は目の前の(オッタル)から目を離さずにいる

 

だが、夏油は自らが圧倒的に不利だということをこの短い間で悟り、冷や汗を流す

 

「あら?意外とやるみたいね」

 

「ハハハ、そう言う君たちは些か拍子抜けだな」

 

「へぇ」

 

フレイヤは此方を値踏みするかのように目を細め、冷たい笑みを浮かべる。それと同時にオッタルから感じるプレッシャーが更に増し、夏油は目を見開く

 

 

「なら、精々足掻くといいわ」

 

オッタルが先程よりも速いスピードで夏油へと斬りかかる。夏油は内心煽ったことを少し後悔しつつ、先程よりも呪力多く纏わせて游雲を振るう

 

游雲と大剣がぶつかり合い、その衝撃により激しい風が吹き、ダンジョンの壁の一部が崩壊する。一瞬の間、游雲と大剣は拮抗するが游雲が力で押し負け、夏油の脳髄をぶちまけようと凄まじい速さで振るわれる

 

しかし、そこは流石の元特級術師で夏油は体から余分な力を抜き、手で攻撃のベクトルを変えることでそれを回避する

 

オッタルはそれに目を見開き、それと同時に面白いと言わんばかりにニィと口角を吊り上げると同時に身に纏う覇気が更に洗練されたものになっていく

 

それを夏油はその様子を極めて冷静に観察しながらも夏油はオッタルと自身の身体能力の差に更に冷や汗をかきながら、この現状をどう打破すれば良いか頭を回す

 

(私の純粋な力では猛者(オッタル)に傷をつけることは不可能だろう。だが、先程殴った場所を見ると少しはダメージを負っていることが分かる。なら、先程よりも更に呪力を纏わせて殴る。それが手っ取り早い手段だ。だが、攻撃の隙を態々作るような相手でもない、呪霊を使って翻弄したいところだがその呪霊も数を減らされては呪霊が補充もしくは、再度使役出来るかも分からない今の現状ではそれは得策では無い。さて、どうしようか...仕方ないか、ここで負ければ私は死ぬ。なら、出し惜しみしてる場合では無いな)

 

「行くぞ」

 

夏油がオッタルへと肉迫する。それをオッタルは大剣での一振で応戦しようとする。大気が唸る音と共に夏油の脳天へとその一撃が迫るが夏油がそれを避ける気配どころか、前傾姿勢のままオッタルへと突っ込む。

 

これにはオッタルも驚愕で目を大きく見開き、血迷ったのかと夏油へと落胆するがそれが間違いだったことは直ぐに理解した

 

オッタルの足元に少なくない衝撃と共に、オッタルの体勢はグラりと傾いた

 

オッタルは咄嗟に自身の足元を見るとそこには、地面から顔を覗かせている異形がそこに存在していた。異形の存在を確認し、自身が敵の罠に引っかかったことを悟り、ギリリと歯を噛み締めた

 

それを見た夏油は自らの罠に相手が掛かったことに少し安堵しながらもオッタルへと更に接近する。

 

 

そう、夏油はオッタルにバレないように出来るだけ呪霊の呪力を覆い隠すように自らの体へと呪力を纏わせ、呪霊に地面に潜るように指示を出し、余分な呪力を使いながら接近することによって自らの策を相手にバレないようにしたのであった

 

呪霊は三級程度でしかないのだが、それでも地面を崩す程度ならば造作もなかった

 

「ッ!」

 

オッタルが自らの足に絡み付く異形を素早く踏み抜き、夏油の攻撃へと対応しようとするが夏油は既にオッタルの懐の内、安全圏に入ることでオッタルの大剣での迎撃を未然に防いでいた

 

オッタルもそのことに一瞬で気が付き、片手で大剣を持ち、空いたもう片方の手で夏油の顔面へと拳を振るうが、夏油はオッタルの腕の横方向から肘を叩き付け、力のベクトルを無理矢理別の方向へと変える

 

オッタルは既に自分の迎撃では間に合わないことを察し、全身の筋肉へと力を入れ、防御に徹する

 

それはさながら小さく凝縮された鉄の塊のようで、それは例えレベル6の夏油の呪力で纏った拳ですら意に介さない程だった

 

 

だが、夏油が今から繰り出す攻撃には防護力の高さなどそんなことは関係なかった

 

「フッ!」

 

「ッ!」

 

夏油の掌底がオッタルの顎下を正確に撃ち抜き、防御力が出来ない脳へと衝撃を与え、オッタルに脳震盪起こさせる

 

クラリと意識が遠のき、全身から力が抜け、倒れようとするが、流石は現オラリオ最強。倒れようとする体を足でギリギリ持ちこたえ、また全身へと力を篭める。

 

だが、悲しいかな。夏油の今から繰り出すこの攻撃もそれは意味を成さなかった

 

 

「発勁」

 

その瞬間、オッタルの体内へと凄まじい衝撃が走り、その衝撃が破裂した

 

「ォ」

 

衝撃によって血管は破裂し、それは内蔵にも及んだ

 

ゴポリと口から紅い液体が溢れ、オッタルはそれが自らの血液であることを一瞬遅れて理解する

 

(何が、奴の攻撃は、俺には通らない、筈だ)

 

オッタルは頭を回すが、体内で未だに残っている衝撃と激しい痛みによって頭はロクに働かず、何も理解出来ぬままオッタルの視界は段々と暗転していく

 

その中、自身の最愛の女神の声が頭に響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、お前はどうする?」

 

夏油は自身の眷属が目の前で倒れながらも微笑む女神(フレイヤ)を内心罵倒しながらそう言い放つ。するとフレイヤはフフフと心底面白いと言わんばかりに嗤う

 

「何がおかしい」

 

夏油は額に青筋を浮かべ、目の前の女神に対してのプレッシャーを更に増す。それでもフレイヤは嗤い続ける。まるで出来の悪い人形劇でも見るかのように

 

「だって、貴方があまりにも滑稽だったから」

 

「何だと?」

 

ビキビキと額に浮かぶ青筋はクッキリと形を剥き出しにし、脳がグツグツと沸騰したかのように熱くなる

 

夏油は神が嫌いだ。例外としてヘスティアは嫌いではないが、それ以外の神には嫌悪感を感じずにはいられなかった。その中でもフレイヤという神は正に夏油が嫌悪感を抱いていた神そのものに近く、夏油はそんな相手に罵倒されたことに激しい怒りを抱いた

 

「お前の下僕はもういない、私は此処でお前を殺すことも可能なんだぞ」

 

「今の貴方程度の実力じゃ無理よ。それに前提が間違っているもの」

 

「何を言っているかよく分からないな、それとも頭すら老化したのか年増?」

 

夏油のそんな言葉もフレイヤは受け流し、嗤う

 

「だって、オッタルを倒したと貴方は勘違いしてるんだもの。それがとても滑稽で仕方ないわ」

 

フレイヤのその言葉に夏油はハッと鼻で笑う

「見ていなかったのか?猛者は私の一撃で膝付き、倒れたじゃないか?」

 

「フフフ、それが間違いなのよ。オッタルは貴方程度の一撃で倒れる訳がない」

 

 

 

 

「だってオッタルはオラリオ最強だもの」

背後から荒れ狂う気配を感じた

 

(まさか、有り得ない)

 

夏油は後ろを振り返るとそこには

 

 

先程よりも大きい覇気を纏い、何事もなかったかのように堂々と立つオラリオ最強(オッタル)の姿があった

 

「言ったでしょう?()()()()()って」

 

「オオオォォォォ!!!」

 

それに呼応するかのようにオッタルが雄叫びを上げる。それはダンジョンを大きく揺らし、周りに湧いていたモンスターを一掃した

 

「もう一度言うわね、精々足掻きなさい

 

フレイヤは冷ややかにそう呟いた

 

 







次回、決着(予定)

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