オラリオに最悪の呪詛師がいるのは間違っているだろうか?   作:五月雨@ノン

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リクエストの夏油の闇堕ち√です

自分でも驚く位に短いです




闇堕ち√
絶対悪


 

 

「呪術師が存在しない世界だと....?」

 

 私は陽の光が差し込まない路地裏で憤怒に震えていた

 

 過去に一度だけミミとナナに聞かれたことがあった

 

“もし、呪術師がいない世界に行ったら、夏油様はどうするの?”と。そんな有り得ざることを

 

 その問い掛けに、私は声を大にして“そんな世界を私は認めない。あるのならば滅ぼす”と答えた。正しい人の形、上位者として存在するのは我等である呪術師のみである

 

 それ以外の存在は皆等しく猿であり、赦されざる者達だ。そんな存在のみが蔓延る世界など滅びた方が健全であるとそう考えた

 

 夏油は、呪術師が存在しない世界に価値を見出さない

 

 

 だが、そんな夏油の目には悪夢が映っていた

 

「そんなものあってたまるか....!」

 

 夏油が激情の赴くままに石壁を殴りつけると、夏油の拳が突き刺さり、それを中心にミシリとヒビが入り、ガラガラと崩れ落ちる。それに夏油は目を向けず、左手の爪を噛み、目が充血する程に開いた

 

「神という醜悪な存在如きが絶対者として降臨しているだと....!そんなこと、呪術師である私が許す訳が無いだろう!」

 

 夏油は意図的に封じ込めていた呪力が激情のあまりに僅かに漏れ出し、夏油の体を薄く覆ったがそれを気が付かない程に夏油は怒り狂っていた

 

「赦す訳が無いだろう!!お前達という存在を!!価値を!!お前達にあらゆる物を奪われてきたこの私自身がッ!!」

 

 夏油がこの世の不条理に憎悪し、世界に抗うように大きく吼えた。そんな夏油に忍び寄る影が五つ、レベル1である下級冒険者の薄汚れた装いをしている者達、ソーマ・ファミリアの冒険者達が夏油へと近付く

 

「おい!」

 

「あ゙?」

 

 夏油が振り返った瞬間に、一人の男が自らが握っている剣を夏油へと振りかざしていた。空気を切り裂く音と共に、夏油の脳天へと剣が振り下ろされる

 

 

「死ねッ!!」

 

 神酒に溺れた哀れな男は、脳内に脳髄を撒き散らしながら、地面を紅く染める夏油の姿を夢想した。だが、それはあくまで夏油が恩恵を持たない一般人であった場合であり、夏油は恩恵こそ持たないが、それでも尚、レベル1程度など歯牙にもかけない程の実力者であった

 

 

 

 

 

「は」

 

 剣は夏油の素手によって難なく受け止められており、男は大きく目を見開いた。だが、次の瞬間には、男の顔は体から切り離されていた。

 切り離された、男の首からはまるで噴水のように血液を吹き出し、路地裏を赤く、紅く染めていく

 

「へ」

 

 男の後ろにいた者達が間抜けな声を口から漏らすと共に、ゾクリと悪寒が背筋を駆け巡った。その瞬間、その者達は理解した、自分達が踏んではいけない尾を踏んだのだと

 

 男達が逃げようとするよりも速く、夏油は行動を移した

 

「死ねよ、猿共」

 

 そんな無慈悲な声と共に冒険者達の周りに、異形が姿を現した。それは人の形をしているものや魚だったり、またキメラのように様々な生き物を合体させたようなものまでいた。

 ただ、それは冒険者達が今までに見てきたどんな生き物にも合致せず、見るだけで発狂をしてしまいそうな程のおぞましい異形だった

 

「ば、化けもッ」

 

 一人の冒険者が異形により頭から噛み砕かれ、地面へと脳髄を垂れ流しながら地面へと倒れ込んだ。その瞬間、徒党の中の一人であった女が悲鳴を上げる。だが、次の瞬間には、女は地面から現れた呪霊によって下半身を切断され、即死する

 

「ヒ、ヒィ!!」

 

「し、死にたくねぇよぉ!」

 

「誰か、たすけ」

 

 夏油は呪霊達に指示を出し、一人残らずと冒険者達の命を、何の感慨も無く、ただ冷淡に奪い取っていく

 

 残ったのは、至る所に血と臓物がへばりつく惨状のみであった。だが、夏油は自身の装いを気にすることなく、ただ何事も無く歩みを進める

 

 もし、これがソーマ・ファミリア以外の冒険者以外ならば夏油を襲うことも無く、また夏油も手を出すことは無かっただろう。ただ、タイミングが悪かった

 

 彼の心は、もう既に定まってしまった

 

「あぁ、やはりお前達()は愚かでなんと野蛮なのだろうか。私は赦せない、その飾りでしかない頭で、自分達こそが正常者だと根拠もなく確信し、我等を異常だと奇妙だと排除しようとするその傲慢さが!!弱者という面目を振り立て、平和を享受しようとするその貪が!!!」

 

 夏油はバッと両手を広げ、月の光を存分に浴びる。その姿は、血に塗れながらもまるで物語の序章を描く出されているが如く、神聖な雰囲気を醸し出していた。

 

 だが、それと同時にドス黒い絶望を纏っていた

 

 

「あぁ、やはり間違っている、狂っている、粛清されるべきであるッ!!神が我が物顔で闊歩するこの世界を、それを受け入れる愚かな猿も、全て壊そう。唯一の呪術師であるこの私が!!」

 

 夏油は嗤った

 

 

 

「さぁ、推し進めよう。この狂った世界の粛清を」

 

 その日、誰にも知られることなく絶対悪が誕生した

 

 

 









閲覧ありがとうございました。少しでも面白いと思って頂けたのなら幸いです
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