オラリオに最悪の呪詛師がいるのは間違っているだろうか?   作:五月雨@ノン

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シリアスみたいなもんばっか書いてると結構疲れるので、息抜きにコメディに書きました。ちなみにキャラ崩壊注意です








閑話 美の女神の優雅な一日

 

フレイヤの朝は早い。ムクリと質のいいシルクのカバーに包まれた毛布から出たフレイヤは欠伸を一つ落とす

 

普段の妖艶な雰囲気より、可愛げのあるその行動は、見る者全てを魅了してしまいそうなそんな魅力を含んでいた

 

 鏡の前へと立ったフレイヤは机の上にある魔道具を使用すると、間もなくして使用人がフレイヤの部屋の中へと入る。使用人はペコリとフレイヤに対して一礼をし、おはようございますと美しい音のような声で挨拶をする。それにフレイヤは軽く微笑み、頼むわと慣れた様子で椅子へと座る。

 使用人は、フレイヤの絹の糸のような髪に何十万はくだらない櫛で一つ一つ丁寧に整えていく。使用人は手を止めることなく、細心の注意を払いながら、内心ではフレイヤの髪に対して、恍惚の声を洩らしていた

 

「終了致しました」

 

「ありがとう。何時も助かってるわ」

 

フレイヤがそう言って微笑む。すると使用人は僅かに頬を紅潮させながら、フレイヤ様の役に立つことこそが私の使命ですのでと声を少し震わせながら、そう告げた。

 

ドアが閉められるとフレイヤは再度、鏡へと向き合う

 

映るのは、見る者全てを魅了する程の自分の顔である

 

 

(私は美しい)

 

 これがフレイヤ以外であれば、眉唾ものであるが、正真正銘の美の女神であるフレイヤが言うならば、全ての人々はそれに肯定の意を示すだろう。

 だが、そんな彼女の脳裏に過ぎるのは“色気付くな、年増。気色悪い”と言う夏油の声であった

 

それにフレイヤは体を震わせ、夏油という男について考える

 

 

(最初は気に食わなかった。まるで汚泥、いや、それよりも酷い色をしていた彼の魂が。だから、オッタルに殺すように指示を出した)

 

けれどその結果は、オッタルの完全敗北。レベル差、力の差もあった。けれど負けた。戦闘の中での有り得ない程の成長と閃き、そしてそれを成せる才能に

 

フレイヤは震えた。見る価値もないガラクタの底から現れたのは、まるで太陽のように光り輝く魂。仲間の為ならば、自身すら捧げてしまうような愚かで、何処までも純粋な心

 

まるで恋する乙女のようにフレイヤの心臓を鼓動した

 

(夏油...貴方は一体何者なのかしら?フフフ、本当に貴方は私を魅了して止まないわね)

 

はぁとフレイヤから恍惚の溜め息が零れ、頬を紅潮させた

 

(それに、彼には感謝しなければいけないわ)

 

思い出すのは、ダンジョンへと潜りに行った愛しの眷属

 

(オッタルの魂が更に輝きを増した。フフッ、彼との戦いが響いたようね)

 

ダンジョンへの道のりを歩いているオッタルへとフレイヤは視線を向けると、オッタルはフレイヤの視線に気が付く。それにフレイヤは小さく手を振ると、ペコリと礼をした後にまた歩き始めた

 

オッタルの溢れ出る闘気からまるでモーセの波割りのように道が開かれ、それを堂々とオッタルは闊歩する

 

 

「本当に飽きないわね。此処(下界)は」

 

フレイヤは珍しく、純粋な笑みを浮かべた。それは、フレイヤを知っている者からすれば有り得ない程に珍しいことだが、これを見ている人物は誰一人としていなかった

 

コンコンとドアを叩く音と共に、朝食の用意が出来ましたという声が扉の向こうから掛けられる。それにフレイヤは椅子から立ち上がり、扉を開けると一人の女性が立っており、ペコリと礼をする

 

「おはよう、ヘルン」

 

「おはようございますフレイヤ様」

 

 ヘルンと呼ばれた女性は、侍女頭を務める女性団員であり、フレイヤの唐突な行動に頭を悩ませるフレイヤ・ファミリア内では珍しい苦労人であった。

 そんな彼女もフレイヤ程ではないが、顔は整っており、ミステリアスさが彼女の魅力を更に引き立てていた

 

「行きましょうか」

 

「はい。フレイヤ様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「綺麗ね」

 

フレイヤは朝食を食べ終わり、バベルの塔の最上階へと居た。フレイヤの視線の先は商店など、人の営みをその瞳に映していた。フレイヤが一番に美しいと思うのは、最上級の人の魂であるが、フレイヤは人の営みその物にも興味があった

 

(人が汗を流し何かを作り、それを買う人々。それによって暮らしが巡り、それは次代へと形を変えながらも、繋いでいく。ある意味、神秘的ね)

 

うっすらと微笑みを浮かべるフレイヤの視界の隅に、ある男が映った。その瞬間、フレイヤはテーブルの上にある望遠鏡のような魔道具を即座に手に取り、その男を見た

 

フレイヤの視界の先にいるのは、現在、フレイヤがおアツである男、夏油傑がいた

 

フレイヤは顔を蕩けさせ、息を荒らげた

 

(あぁ!なんて綺麗なのかしら!!)

 

 フレイヤが熱の篭った視線を送り続けていると、夏油はその事に気が付いたのか、バベルの塔の最上階、フレイヤのいる部屋へと視線を向けた。

 それに年甲斐もなく、心をときめかせるフレイヤであったが、次の瞬間、ピキリと氷のように動きを止めた

 

 

なんと、夏油はフレイヤに向かって中指を立てていた

 

『く・た・ば・れ・と・し・ま』

 

そんな口パクを添えて、固まったフレイヤの姿が目に映ったのかは不明だが、夏油は満足そうな笑みを浮かべて、人混みの中へと紛れていった

 

フレイヤは夏油が姿を消すと同時に、意識を取り戻したように動き出す。フレイヤはプルプルと震え、何かを堪えていた。それは、美の女神としての矜恃を傷付けられたことへの怒りかそれとも――――

 

 

「こ」

 

 

 

 

 

「興奮しちゃうじゃないの♦️」

 

まるで何処かの戦闘狂のような台詞を吐き、フレイヤの局部に電撃が走った

 

「万人を魅了する私に魅了されないだけでなく、私にそんな態度を取れるなんて貴方ぐらいよ!」

 

 

「あぁ、本当に、心の底から―――

 

 

フレイヤはバッと手を広げる

 

 

 

          貴方が欲しいわ、夏油!」

 

 

恋する乙女(年齢不詳)は無敵であった

 

 









本編で書くこと無くなってきました...(絶望)

ベル君登場させるには早すぎるような気もしますし、マジで展開どうしましょうかね..

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