オラリオに最悪の呪詛師がいるのは間違っているだろうか?   作:五月雨@ノン

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(˙꒳˙ 三 ˙꒳˙ 三 ˙꒳˙) |'ω')ノ⌒゜最新話








格差

 

 

「さぁ、誰だろうね」

 

夏油は薄ら笑いを浮かべ、穏やかな口調で目の前の暴漢達に(屑共に)話しかける。

 

しかし、その笑みには言いようがない不気味な圧が篭っている

 

だが、一刻でも早く目の前の女を犯そうとしか考えてない男達には夏油は脅威ではなく、考えもなしに正義感で目の前の女を助けようとした愚か者にしか映ることはなかった

 

「ナメてんのか?」

 

「おや?てっきり犬のように吠えると思っていたけど、何だちゃんと喋れるのか」

 

これは失礼したね

 

夏油が男達を見下すように、嘲笑うようにそう告げた瞬間に男の堪忍袋は切れた

 

(ブッ殺す)

 

「テメェら!身の程知らずの正義面した糞に現実を見せてやれ!!」

 

男がそう告げると周りにいた下っ端の一人が愚か者(夏油)に殴りかかる。それ以外の冒険者は夏油の周りを囲む。その数は五人

 

しかもその全員がLv1ではあるが冒険者であり、ステータスを持たない一般人である夏油では太刀打ちする処か、まともに戦闘することすら出来ないだろう

 

それを周りの男達もそれを理解しているのか目の前の男をサンドバッグにしてやろう、身ぐるみを剥いでやろうなどの考えしか頭にはなかった。何故なら自分達は“冒険者(強者)”なのだからと

 

「死――

 

いち早く夏油へと殴り掛かったその男の言葉は最後まで続くことはなく、その代わりにバギャという鈍い音が路地裏に響いた

 

 

 

「は」

 

夏油の周りを囲んでいた内の一人が吐息と共にそんな意味のない言葉を漏らした。ヘスティアさえも目の前で起きたことが信じられないと言わんばかりに目を大きく見開いていた

 

可笑しい、何故冒険者でもない男がステータスを持つ相手の攻撃を難なく躱し、しかも一撃で沈めた

 

それは本来ならあり得ないことだ。それ程までにもステイタスを持つ者と持たない者では人間としての強さのステージが違うのだ

 

しかし、目の前の男はそんな常識をいとも簡単にひっくり返した。ゾクリと男達に嫌な悪寒が走った。自分達は、恐ろしいナニかの逆鱗に触れてしまったのではないのかと

 

「おや、随分と鈍間な攻撃だね?欠伸が出るほどだよ、その程度で威張り散らすなんて君たちは随分と頭が緩いように見える」

 

「ッ!殺せ!全員で一斉に袋叩きにして殺せ!!!」

 

夏油の言葉に気を取り直した男が部下達に命令を下す。その声に正気に戻った男達は夏油へと一斉に襲いかかる

 

まぐれだ、まぐれに決まってる!リーダー格の男はまるで願うようにそう自分に言い聞かせるが、現実とはそう上手くいくほど、甘くは無かった

 

男達の攻撃が届くよりも更に速く、夏油は拳を振り抜いた。その拳は夜の帳に包まれ、冷えた空気を切り裂き、目の前で夏油へと襲い掛かっていた男の鳩尾に突き刺さる

 

それと同時に夏油は自分の後頭部に拳を放った男の顔へと裏拳を放ち、男が痛みに悶えて数歩後ろに下がった瞬間に回し蹴りをし、また一人地面へと沈めた

 

「なんだよ、なんなんだよこれ!」

 

リーダー格の男は声を荒げる

 

 

いつものように手頃な良さそうな女を捕らえ、そして犯す。たまにそれを見つけて立ち向かって馬鹿共はいたが、全員拳で黙らせてきた。俺達は強者、だから何をしても許される。何をしても黙らせることが出来る。そんな全能感に浸っていた

 

だが、目の前の光景はなんだ!何故俺の部下が地面に沈んでいる!何故目の前の男は冒険者でもないのにあれほど強いんだ!どうして、どうして、どうして、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして、どうして、どうして、どうして、どうしてッ!!

 

「さて、終わりのようだね」

 

夏油は地面に沈んでいる男達にチラリと目線を少し向けた後にリーダー格の男のもとへと何事もなかったかのように歩いていく。夏油が一歩進む度に、男は一歩後退

 一歩、また一歩―――

 

コツンと男の踵が壁へと当たり、男はヒュッと息を呑

んだ。もう男に逃げ道はなかった

 

「もう、鬼ごっこは御仕舞いかい?」

 

なら、終わらせようか

 

夏油が冷ややかな笑みを浮かべ、男へと近付く。その度に男の理性が消え失せ、男の頭は真っ白になっていく

 

「なんなんだよ、なんなんだよお前はぁぁぁぁぁ!!」

 

 男は目の前にいる夏油(バケモノ)へと拳を振るう

 

だが、その拳は夏油に届く前に男の鳩尾へと夏油の拳が深く刺さり、肺の中にある空気が一斉に吐き出した。ガクリと膝を着き、地面へと倒れる

 

「なんなんだ、か」

 

 夏油は少しの間、瞳を閉じて思い出す

 

呪術高専で馬鹿をやって笑いあった日々。呪術師の命だけがゴミのように消費されるこの世の不条理に抗うために呪詛師になった日。そして―――

 

 

()()は二人で最強だ!』

 

『あぁ、()()は二人で最強さ』

二人で最強を夢想した日を

 

「私は夏油傑。呪霊操術の使い手で最悪の呪詛師。そして―――」

 

自らの手で壊したしまったあの日々を、裏切ってしまった親友(とも)、そして手放してしまった(最強)

 

その罪が赦されるなんて思ってもいない、けど今だけは名乗られずにはいられない。嘗て手放してしまったそのその名を

 

 

 

五条悟(最強)の元片割れさ」

 

輝く月光の下で夏油はニコリと穏やかに、そしてどこか寂しそうに笑い、そう名乗った

 

 

 








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