「私、聞き込みに大切なのはあんぱんと牛乳だと思うんですよ…!」
「それ張り込みな」
クルブルクに戻った俺たちは、とりあえず聞き込みを始めた。まず手始めに王立クルブルク図書館の館長。ゲオルグさんに質問だ。
ゲオルグさんはいつもクルブルク大通りの女神像の近くで本の山を作って本を読んでいる。
「アレってどういう狙いでやってるんですか?」
「む?おお!チョウチョ君ではないか。あれか?アレはあれだよ。ほら、アレ。………図書館の宣伝さ。『本を読めばなんとなく賢くなるよー』………的なアレだ」
「頭いいのか悪いのかわかんねぇなソレ………まあいいや。ゲオルグさん、この本知ってるか?」
「む?コレは……ッ!」
「「おおっ!」」
俺とチョウチョの期待が高まる。
「コレはッ………!!!」
「「おおおっ!!」」
期待は最高潮に達した。
「………初めて見る本だな」
「「………」」
こんだけ勿体ぶってこれかよ。
「………だが、この本の雰囲気。コレは魔導書に近いね。魔法使いのマスターであるクローネさんのところに尋ねてみたらどうだい?」
「リカバリー上手いな」
「上げて下げて上げる。高等テクニックです!」
俺たちはゲオルグに礼を告げ、魔法使いのマスター。クローネのもとに向かった。
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「にぁぁ(よく来たねルーベルト、チョウチョ)」
「コイツッ!直接脳内にッ!」
「ファミ○キとおんなじですねルーベルトさん」
「おう、まさか本当に脳内に話しかけてくるとは………アンタ本当に猫か?」
「………………にぁあ」
今の間はなんだ。怪しいぞ。
「ルーベルト君、お茶が入りました!」
「ありがとう81」
「だ か ら ! 私の名前はククです!」
「おう81」
「ルーベルトさん、人の名前で遊んではいけませんよ!」
「確かにな。よう湯エリア」
「確かに私は人じゃないですけど!!ズルイです!!」
「にぁあ(ところで魔導書はどこだい?)」
「「!?」」
まだ何も話してないのに何故わかるんだ!?
俺たちが豆鉄砲を喰らったような顔をしているのに対して、クローネは喉を鳴らして余裕そうな顔をしている。
………流石『マスター』だな。底が見えない。
「あ、ああ。コレなんだけどよ!」
俺が本を取り出すところをククがじっと見つめてきた。興味津々のようだ。
「ルーベルト君、コレってどこから手に入れたの?」
「ダルスモルス大図書館」
「なるほど!………あ!今日は魔法の授業を子供達にするんでした!ルーベルト君、チョウチョちゃん!失礼します!」
ククは外に出て行った。
「………」
その間、クローネはずっと黙っていた。
「クローネさん、どうかしましたか?」
「………にぁああ?(2人とも。本当にその本の正体が知りたいかい?)」
「おう!もちろん!是が非でも教えてくれ!」
「私もルーベルトさんのことを知りたいのでお願いします!」
クローネは、その黒い尻尾をうねらせて。
「………にぁあ(アタシはダルスモルスの魔法学園に居る。夜、魔法学園に来な)」
「「………!」」
この言い方は、まるで。
「………にぁあ(この子は使い魔なんだ。アタシの本体はそこにいる)」
「………わかった。ありがとうなクローネさん」
「ありがとうございました!」
「なぁあお♪」
「「いまさら猫の真似をするのか(するんですか)」」
本当に『マスター』ってのは色物ばっかだ。
………俺含め。
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〜王城〜
「エリック王これ知ってる?」
「知らん、とりあえずヒューズに預けとけ。そんなことよりお前たち、ダルスモルスからドクロ石についての救援が欲しいと依頼が来たZo…」
「「いってきまーす!」」
「………おお。ワシ今ちょっと感動してるぞ。こいつらがこんなに素直なことがあっただろうか、いいやない!」
………この前の旅では食費や宿代は全て経費で落ちた。
………どうせダルスモルスに行くならばと、俺とチョウチョはあえてエリック王にふっかけたんだ。
「タダに越したことはないな」
「高級砂糖水飲み放題です!」
「………あんまり無駄遣いしないようにな?」
ということでまた俺たちはダルスモルスに行くことにした。
………ちなみに本はヒューズさんには預けず、持っていくことにした。あの人寝なさすぎだからな。寝かしといてやろう。