金の燭台に紫色の炎が沸る中、俺たちは魔王に今までの旅路を語った。
それを聞く魔王の顔はとても輝いていて、世界に希望を持っている。そんな風に俺は見えた。
「なるほど……君たちがクルブルクの使者に選ばれたのは運命。それも必然のものだったんだろうね。僕は君たちの話を聞いて、1秒たりとも退屈しなかった。……本当さ?」
やっぱり全然、コイツは魔王っぽくなくて。
むしろまるで勇者に憧れた少年のようで。
「………だから。だからさ、また、3年後だ」
「ど、どうしてもいかなきゃいけないんですかルーザさん!」
「ごめんねチョウチョ。僕は正式に魔王になる為に、どうしても古代遺跡で修行を積まなければいけないんだ」
「でも……」
なんとかルーザを説得しようと試みるチョウチョを俺は射止めるように諭す。
「チョウチョ。俺らが悲しんでどうする。今1番辛いのは、ルーザなんだぜ?」
「ルーベルトさん。だって………あれ?ルーベルトさん?なんで泣いてるんですか?」
「………え?」
俺は右手で顔を触ろうとして、その前に冷たい水が頬を伝った。
………あぁ。泣いてんのか、俺。
「…………ごめんね。2人とも」
「ルーザさんは悪くないですよ!」
「あぁ、チョウチョの言う通りだ。オマエに謝る理由はねぇぜ」
「………君たちは優しいね。うん。………………ねぇ、君たちが、君たちがもしよければの話なんだけどさ。僕と、友達になってはくれないかい?」
「「………」」
俺とチョウチョは顔を見合わせる。
「い、いや!もしも!もしもの話だ!嫌だったら別にいいんだ!聞かなかったことに──」
「ルーザ」
「ルーザさん」
俺たちは、頭の上に
「「俺(私)たち、もう友達だろ(ですよね)?」」
そんな、ごく当たり前のことをルーザに伝えた。
「…………フフフ。ハハハハハ!!!そっか! ”もう” 友達か!」
「……あぁ、俺たちは友達だ。なぁ?チョウチョ?」
「はい!ルーザさんは友達を募集してそうだったのでルーベルトさんと応募しました!」
「ククク……魔王さん友達募集中ってところかい?ハハハ!そう!そうだよ!僕等はもう「ひとりぼっち」なんかじゃない!そうだろ!」
「「あぁ!(はいっ!)」」
俺とチョウチョはルーザをできるだけ元気にさせられるよう意識していた。
だが、それももう終わりのようだ。
「……ルーザ。もうそろそろいいでしょう。その『オトモダチ』さんたちとは」
「お母様……」
「ロッテンマイヨーさん!もう少しだけルーザ君と話させてはくれませんか!」
「無理です。これでもだいぶ譲歩したのです」
「私たちはクルブルクからの使者なんです!なんとしてでも『女神の宝』を集めなければいけません!」
「無理だと言っています!!ただでさえルーザはもうすぐ魔王となる身!!それをライバル国であるクルブルクが邪魔をしに来たとしか考えられませんわ!!」
ロッテンマイヨーさんの後頭部のベールが噴火するように立ち上がっている。ありゃ相当怒ってるな。
「……ごめんね。ルーベルト、チョウチョ。……女神の宝は、魔王にしか伝わらない。今はいない父上だけが知っていたんだ。………だけど、僕は仮にも魔王になる者。ただでは済まさないつもりさ。……チョウチョ。たしかあと3ヶ月だったっけ?」
「あっはい!そうです!」
「じゃあ僕は3ヶ月以内に魔王になるよ」
「「「!?!?!?!?!?」」」
俺と、ルーザのペットのケルベロス以外のみんなが驚いた。チョウチョとオデオンさんとロッテンマイヨーさんと言った方がわかりやすいか?
まあ驚くのも無理はない。なにせ通常は3年かかる修行を3ヶ月で乗り越えようと言っているのだ。ということは通常の12倍のペースということになる。とても、正気の沙汰ではない………というのがみんなの見解だろう。
ま、俺は予想できてたけどな。
ルーザは俺と同い年。たった15の若造だが、仮にも王の道を志す者。覚悟が違うんだ。どんなに険しい茨の道でも止まることなく進み続けるという前進の覚悟が。
「あれ?ルーベルトは驚かないのかい?」
「俺も仮にも世界を救おうとしてる身だしな。お前みたいなカッケェやつくらい、すぐわかるさ」
「ルーベルトさん…!いつになく輝いてます!(おだまり?)」
「…………」
俺たちがコントを繰り広げる中、オデオンさんはじっとルーザの方を見つめ続けていた。
「…………ルーザ」
「はい、お母様」
「貴方にはその覚悟はあるのですか?」
「えぇ、『この国の為に』。そして、『友の為にも』です」
ルーザの覚悟を聞いたロッテンマイヨーさんの表情は、さっきまでの薄氷のような顔から一転して、暖かい太陽のように微笑んでいた。
「…………わかりました。私は、貴方を信じます。…………オデオン」
「……………はっ」
「「キャアアアアシャベッタアアアアア!?!?!?!?」」
「貴方はルーザを古代遺跡にまで送り届けてちょうだい」
「御意」
「そして貴方たち」
「「えっ?」」
「…………ルーザが修行を終えるまで、この街にいてちょうだい」
ああなるほど。心の支えというやつを母親なりに気をつけていたんだな。
「………あぁ」
「わかりました!」
「さあ!善は急げというものです!ルーザは『大切なお友達の為にも』頑張ってきてちょうだい!オデオン!ジルにルーザのお昼ご飯作ってもらってあるから受け取ってから向かってちょうだいね?そしてルーベルトさん、チョウチョさんは宿屋を取っておくから、このダルスモルスをじっくりと堪能してちょうだい!あと、ケルベロスはあとでお散歩に行くわよ?………さあみんな準備してちょうだい!」
「「「「はいっ!」」」」
「ワンッ!」
こうして、俺たちのダルスモルスでの旅が本格的に動き出した!!!!!
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「…………あ、アニキッー!待ってくださいっスー!」
「サマ………メガミサマノ……タメ………オレ……ガンバル…」
「えぇ、そうよグルッチェ。私のために馬車馬のように働きなさい!」
「ノーラさん!アニキに何したっスか!?チコも怖がってるっス!?」
「キュアー………」
「別に?ただの催眠よ。頭の中がハートマークで一杯になる催眠。私を好きで好きで堪らなくなっちゃう魔法❤️」
「メガミサマ……ステキ!」
「だーかーら!!!!!私は女神様じゃなくて!その娘だって言ってるでしょ!!!!!…………ったく、はーあぁ。………あの娘。大丈夫かしら?」
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「へっくしゅん!」
「どうした?風邪か?」
「いえ、ただのくしゃみれす。だれかがわちゃしのこちょ、うわしゃしてるのきゃもしれましぇん…!」
「滑舌赤ちゃんみたいになってるぞ」
「ばぶばぶー!」
「ロリババア赤ちゃん……新ジャンルすぎてわからんぞ。………つうか、宿屋のベットちょーきもちいな」
「れすね」
「…………寝る?」
「れすね」
「はなかんでこい」
「れす!」
「いやそうはならんやろ……?」
誰だサボったやつ!
どうも東風です。言い訳が許させるならばリアルで忙しかったです。はい。
というかだいぶ本編よりいい感じに進んでますね。人間関係が。
本編だとオデオンが解雇されたり、ルーザと離れ離れになるんですけど、主人公が無口じゃなくておしゃべりモンキー(河童)なので、大きく流れが変わりましたね。みんなクリア後みたいな性格してます笑
まだプレイしたことない人でも楽しめるストーリーだと思うので応援よろしくお願いします!(流れが違うので実際のプレーでギャップを感じるかも…!)
できるだけ投稿頻度を戻します!
ファンタジーライフを盛り上げるぞー!おー!