「いいかユエリア。骨ってのはな、なんかこう、ロマンなんだぜ」
「ルーベルトさんって感受性豊かですよね。お箸が転がって大笑いしそうです」
「テメェ俺のこと今ガキンチョだと思ってやがるな? いいか? 骨はな、ボーンなんだよ」
「ルーベルトさんルーベルトさん」
「ん?」
「うしろ」
俺は後ろに首を回す。
「あーう」
スケルトンが俺に向かって殴りかかってきていた。骨で。
「イッテェ!? コレ本当に骨かよ!?」
「あーう♪」
「スケルトンさんご機嫌ですね。ルーベルトさんをボーンと叩いたのが楽しかったみたいですね。……なるほど、確かに骨はボーンですね!」
「俺は哲学的なことを言ってカッコつけたかっただけであって、決して親父ギャグを言ったわけじゃねぇ……イッテェ! まだセリフの途中だろが! オラ! チャージトロウ!」
「あーう……」
スケルトンを背負い投げして倒した俺は、ユエリアに目的のものは見つかったか尋ねる。
「どうだユエリア。化石は見つかりそうか?」
「……いえ。やっぱり採掘士がいないと無理ですね。たぶん落ちてるやつはスケルトンさんが拾って武器にしちゃいますから」
「そうか。じゃあ一旦ダルスモルスに戻るしかねぇな」
こうして俺たちはホネの洞窟からダルスモルスへと帰還した。
──ホネの洞窟。
それはサンサン砂漠の北部に位置する洞窟で、中にはコガネゴロガシとスケルトンが跋扈するまあまあ厄介な洞窟だ。フクロウのモンスターもいて、なかなか見た目が面白いぜ。
名前の通りホネが取れる洞窟だ。
まあつまり化石だ。化石がじゃんじゃん取れる。
だけど化石は採掘士に掘ってもらわないといけないくらい埋まっている。
だからダルスモルスに戻って採掘士に協力してもらう必要があるんだな。
……ん? なんで化石が必要かって? そりゃあれだよ。色々だよ。……模型つくったり、本作ったり、隠し味に使ったり、武器や道具に使ったり、錬金術の材料に使ったり色々だ。
いや、隠し味には流石に使わないわ。
「というわけで、ロック。アンジェさん」
「わかったよルーベルト」
「ルーベルト、宝石はあるかしら?」
「先払いのダイヤモンドです」
「愛してるわルーベルト。結婚しましょ」
「アンジェさん? 大人しいタイプのチョウチョの私でも怒りますよ?」
「あらごめんなさいチョウチョちゃん。ほら、黒砂糖水あ・げ・る!」
「愛してますアンジェさん。結婚しましょう」
「いこうぜロック」
「そうだねルーベルト」
ということでダルスモルスの中でも知り合いの採掘士ふたりを連れて、骨の洞窟に戻ってきた。
スケルトンが普通に採掘して労働してるのを横目に見ながら、俺たちは化石を求めて洞窟の最奥まで進んだ。
「「「「デカ」」」」
いちばん奥にはそれはもう超巨大な化石があった。
イネムリドラゴンの10倍は大きいであろう超巨大化石だ。
流石にこれを採掘するのはやめとこうという話になったので、近くにあった化石っぽい鉱石を掘って、無事化石を手に入れることができた。
「ありがとうなアンジェさん。ロック。お礼がしたいから、もう少しオレについてきてくれるか?」
「いいけど? なにかしら?」
「おれはいいよ! 移動する時にまたにいちゃんの話聞かせてくれよ!」
「私が話しましょうか! 特にメアリーさんとの会話を!」
「そりゃ気になるね! チョウチョちゃん。おれにその話詳しく聞かせてくれよ!」
「はいアンジェさん。エメラルド」
「好き。愛してる」
この二人、ノリがいいぞ!?
と思っていたら、オレの背中からボーンと音が鳴った。しかも痛いし。
「あーう」
「またお前か! オラ! ウォータージェム!」
やっぱり骨の洞窟はボーンなのかもしれない。
そしてオレはもうすぐおっさんなのかもしれない。
「ルーベルトさんはもう十分おじさんですよ」
「ヒュドラ」
「ぎゃー!? 助けてチョーだい! えへへ、なんちゃっ──イッタ! ルーベルトさん! 痛いです!」
「ちょっ、お前オレのタンクトップににげ──あばばばばばばばば!?!?!?」
「ルーベルト! 大丈夫なの?」
「金髪のおねいさんの膝の上で力尽きるのも、悪く無いです……」
「ルーベルトってにいちゃんに近いレベルでアホだよな」
「うるさいロック。ブヒーモス今から食わしてやるから楽しみにしやがれ」
「「「ブヒーモス!!!」」」
次回! 決戦! ブヒーモス!