がっこうぐらしー守るべきものー   作:三坂

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いよいよタイラントとリッカーに対する反撃が始まります!!


第四十三話 だっしゅつ

 

 

「監視されてた‥ってどうゆうことですか‥!?」

 

 

追跡者からなんとか振り切ることに成功してある一室に隠れてる一同。そんな中日野の発言に驚きの表情を見せつつ問う。 

 

 

「おかしいと思わなかったのか?あの怪物は俺たちここに侵入したときはこなかった。だがこの地下にきた途端に俺らを襲い始めた。あんまりにも偶然が重なり過ぎてる‥」

 

 

「オレもなんとなくおかしいとは思ってたよ‥。もとからあいつが動いてたとしたら、侵入した時点で襲ってくるはずだ。なのにここに来るまで一つも襲ってきてない‥。いや、正確には侵入した時点では気づかれてなかったんだろう」

 

 

「でも‥仮にそうだったとしても最初から監視していたなら‥あっ!」

 

 

どうやらなにか閃いた様子で手をポンと叩く圭、それに頷いて理琉が話を続ける。

 

 

「そうゆうことだ。奴らは最初から監視はしてなかったんだろう。んで気づいたのがこれだ」

 

 

そう言ってボーモンが入ってるスマホを取り出して一同に見せる。それを見て椎子が何か気づく。

 

 

「そうか‥ボーモンを再起動させたから奴らは侵入に気づいてカメラでチェックしていたのか‥!」

 

 

「その通りだァ。それで、情報が他に渡る前に仕留めたかったのだろうなァ。だからあの怪物を利用した訳だ」

 

 

「自分達のミスを隠蔽する気だったんですね‥。ますます許せないです‥」

 

 

犯したミスを帳消しにするためにこんなことをしたと聞いたらさらに美紀の怒りが増す。

 

 

「でも‥それを知ったとしても‥どうやって化け物を倒すの?‥この中で一番威力があるみーくんのライフルでも効かなかったのに」

 

 

「‥方法ならある」

 

 

由紀の疑問に、日野はあの部屋から持ってきた地下施設のマニュアルを取り出す。

 

 

「マニュアル‥か?」

 

 

「そうだ。んでこれにこんなことが書いてあったんだ」

 

 

そういってマニュアルをめくってあるページを指差す。

ほかのメンバーもつられてそのページを見る。

 

 

ー地下施設3階〜5階の処分のための爆破についてー

ウィルスの漏洩及び追跡者の制御が困難な場合 

地下の破壊を行うように。

操作は地下一階の制御室で行える。

爆破コードは15279

 

 

「なるほど‥銃が効かないならそれ以上の火力でやってしまえばいいと言うことか‥」

 

 

「そゆこと」

 

 

「いい案じゃねぇか、そうと決まれば。作戦会議を始めるぞ」

 

 

こうして地下組はあの追跡者を倒すための会議を始めたのであった。

 

 

 

 

地上

 

 

 

ドドドドド!!!

 

 

 

同じ頃5階では雪、胡桃、睦、太郎丸がハンターとの激戦を繰り広げていた。

 

 

「こいつ‥!ちょこまかと!」

 

 

先ほどからちょこまかと天井や壁を利用されて攻撃が全く当たらない。しかも隙を見ては飛びついてくる始末、そんなことに苛立ちを見せつつ射撃をする胡桃。

 

 

「これじゃ埒があかない‥先輩!!」

 

 

このままではいずれこちらがジリ貧になるだけだと思い雪が睦に指示を仰ぐ。睦もM4を射撃しつつ頭の中で思考を巡らせる。

 

 

「どうすれば‥いや‥、待てよ‥。動き回って当たらないのなら‥単調なときに当てれば‥」

 

 

そう呟いていた睦は二人に声をかけて指示を出す。

 

 

「二人とも!よく聞いて!もしかしたらこの案でいけるかも!!」

 

 

 

 

本社ビル5階をハンターはのっそのっそと先ほどの動きとはまるで嘘かのようにゆっくりと歩いていた。 

 

 

ガタン!!

 

 

直後廊下に響き渡る音に気づいて聞こえた方向に視線を向ける。そこにはシャベルを床に突き立てた胡桃の姿が。

 

 

「お前のお求めの獲物はここだぜ!!」

 

 

そう言い放ち、全力疾走で反対側へ走り出す。ハンターも気づいて先ほどののっそりが嘘かのようにもの凄い勢いでおいかけ始める。

 

 

「やっぱり‥!怪物でも音で探してるのは同じ見たいだな!!」

 

 

追いかけてくるハンターを見つつ、予想通りと思い全力疾走を続ける胡桃。元々パンデミック前は陸上部に所属しており体力には自身がある彼女。ハンターにも負けないような走りを見せつつ角を曲がる。

 

 

「こっちだぜぇ!!」

 

 

あえて声を定期的にあげてハンターを釣るように誘導する胡桃。もちろんハンターもそれに吊られて追いかけ続ける。

 

 

そして何個かの角を曲がった直後に向きを変えて立ち止まる。ハンターも止まったことを察して胡桃の前に立ちふさがる。

 

 

「いいことを一つ教えてやるぜ。確かにお前はすばしっこくて厄介だ‥」  

 

 

そしてひと間をあけ

 

 

「だけどな!お前の弱点は見切った!」

 

 

そう言って、シャベルを構えて突っ込んでいく。ハンターもそれを察知して胡桃に襲いかかる。あと少しで両者がぶつかるという直前で‥

 

 

「襲う直前は動きが単調ってことさ!」

 

 

体を滑らせつつ飛び上がったハンターと床の間にできた間隔を通り抜ける。もちろんハンターも気づいており向きを変えようとした直後

 

 

バァァン!!

 

 

ハンターのいた場所の横についていた粘着爆弾が起爆、怒涛の爆風に包まれてる。至近距離にいたハンターが無傷なわけがなく激しい爆発で頭部が吹き飛んだ状態で転がり落ちる。

 

 

「っと!」

 

 

同じく近くにいた胡桃は粘着爆弾の起爆スイッチを押した雪達が隠れている遮蔽物へ滑り込んで無傷である。

 

 

「どうよ!」

 

 

爆発が収まり白煙が晴れると、そこには無惨にも転がり落ちているハンターの姿が  

 

 

「ここまで損傷が酷ければ大丈夫でしょうね。ふぅ‥ここに粘着爆弾あって良かったわ‥」

 

 

近くにいき、確認をしてそう確信する睦。それを聞いて胡桃と雪、太郎丸が気が抜けたようにへたり込む。

 

 

「ヒヤヒヤしたぁ‥」

 

 

「あんな大口叩いたけど‥けっこう怖かったぜ‥」

 

 

「わふぅ‥」

 

 

そんな時間が続くはずもなく切り替えさせるように睦の表情が変わる。

 

 

「まだ終わりじゃないわ‥、地上にこんな化け物がいたってことは‥」

 

 

睦の言葉をきいて二人ともハッとなる。

 

 

「つまり地下も危ないってことかよ!」

 

 

「うかうかしてられないわ!急ぎましょう!それにあのことも伝えないと!」

 

 

こうし3人と一匹の犬は体制を立て直して地下へと急いで向かうことにしたのであった。 

 

 

 

その頃地下2階‥明かりだけがついて静まり返った通路

追跡者はおちついいた足取りで地下組を探していた。

 

 

バァン!

 

 

直後後頭部に銃弾を受け、一瞬怯むがすぐにむきを変えて撃ってきた相手に視線を向ける。

 

 

「お探しの相手はココだぜぇ」

 

 

そこにはM1887片手に仁王立ちしている理琉の姿が、

標的を確認した追跡者はさっきよりも少し早い足取りで追いかけ始める。それを確認して、あえて逃げられないように見せかけつつ誘導する。

 

 

「甘っちょろい!」

 

 

時々追跡者が突進をかますが、戦場での経験豊富な彼にすればそれは目を瞑っても避けられるほど、のらりひらりと避ける。

 

 

「オラァ!!」

 

 

バァンバァン!!

 

 

そして隙を見てM1887で一撃を加えつつ、エレベーター前の通路にたどり着く。二人は正対するように、睨み合う。

  

 

「こいよ‥!」

 

 

挑発するように手招きをする理琉、それに乗る形になったのか先ほどよりも明らかに速度が上った全力ダッシュで走り始める。

 

 

「へっ!ちゃんと走れるじゃねぇか!」

 

 

そう言って理琉も全力疾走でエレベーターにむけて走り出す。しかし現役軍人でも怪物に叶うはずもなくジリジリと距離を詰められていく。あと少し、あと少しでエレベーターに入るといったところで‥

 

 

「っと!」

 

 

ギリギリのタイミングで素早く左に避ける理琉、あまりにも勢いがあり過ぎたため追跡者はそのまま鋼鉄のエレベーター内に入り込んでしまう。

 

 

ガシャァァン!!

 

 

勢い余って入り込んだ衝撃で壁に激突してもの凄い轟音が響きわたる。

 

 

ガシャン!

 

 

さらに追い打ちを掛けるようにエレベーターの制御室でスタンバっていた由紀がエレベーターの扉を閉め、最下層の5階へとボタンを押す。追跡者が振り返った頃にはすでにエレベーターは降り始めていたのであった‥。

 

 

「よし!」

 

 

「今だ!!」

 

 

「あぁ!」

 

 

理琉の無線による合図を受けて一階のコントロール室にいた椎子が爆破コードを打ち込む。直後下方から轟音とともに爆発音が響き渡り5階から3階が爆風に包まれる。ここまでの威力にエレベーターにいた追跡者も耐えられるはずもなくあっさりと炎に包まれ、崩れてくる天井に埋もれてしまう。

 

 

「よし!」

 

 

「やった!!」

 

 

「良かった‥」

 

 

「ふぅ‥」

 

 

ようやく倒すことに成功したことに同じくコントロール室にいた3人は安堵の表情を浮かべる。椎子も疲労が募ったのか少しげっそりしているようだ。 

 

 

「マーくん!やったよ!私!」

 

 

「ヘヘ♪ナイスタイミングだったゼ」ナデナデ

 

 

「えへへ〜‥♪」

 

 

嬉しそうにしている由紀を見て撫でられずにいられない理琉は思わず撫でてしまう。撫でられた由紀は嬉しそうに表情になりすり寄っていたのであった。

 

 

「カワイイな‥♪流石はおれの相棒ダぜ」

 

 

 

 

 

こうしてなんとか追跡者を撃破することに成功した6人は取り忘れた資料を回収して地上2階に戻ると雪や睦、胡桃や太郎丸が駆け寄ってきた。

 

 

「あっ!胡桃ちゃんにみんな♪」

 

 

「おぉ!無事だったか!」

 

 

「良かっ‥って、再開に喜んでる場合じゃない!大変なの!!」

 

 

一瞬脱しかけた雪だがすぐに戻って焦った表情で地上で得た情報を伝えようとする。

 

 

「ん?パンデミックの真相なら、こっちでもわかったし、怪物や監視の件もわかってるぞ?」

 

 

「それもあるけど‥、それよりももっと重要なことなの‥‥!!」

 

 

 

 

「「「「一斉消毒!!!???」」」」

 

 

仮眠室で準備をしつつ話を聞いていた地下組、理琉以外は睦からの、ありえない発言に驚きをあらわにしていた。

 

 

「はい‥、この資料に書かれていたのは

「パンデミックの収束困難とされた場合、戦術ミサイルによって巡ヶ丘市を数日後に空爆する‥」って書かれてるのを発見して‥」

 

 

「ランダル ソシテアンブレラノ イトハ ココノ コウハンイ ショウドク ジャナイカナ?」

 

 

「くっそ‥、あの怪物よりも面倒なことになったぞ‥」

 

 

「となれば‥今すぐにもここから離れないと‥!例の監視が本当なら‥怪物を仕留めたこともバレてるはず‥!そうなれば‥、今度は直接軍を送り込んで来るはずです‥!」

 

 

「なんかいろいろごっちゃでわからなくなってきた‥」

 

 

「マサルさん!なんとかミサイル攻撃は阻止できないんですか‥!?」

 

 

「無いには越したことはないんだがァ‥、あるだとすれば治療薬を見つけてそれをもとに奴らと交渉すればミサイル発射は阻止できるかもしれん‥。だがそれが失敗すれば1発のミサイルでも都市まるまるを破壊しかねない戦術ミサイルを5発使われたらK県どころか下手すりゃ関東の7割ほどが吹き飛びかねない‥!」

 

 

「とんでもないことになったな‥」

 

 

理琉の言葉に普段は冷静な椎子でさえも驚きに包まれていた。

 

 

「そうなると逃げる用意をしなきゃ‥」

 

 

「‥でも‥どこに逃げるんですか‥?そんなミサイルを防げるところなんて‥」

 

 

「考えてても何も始まらん‥、今日はもう遅いし準備を整えて明日、ここを出よう。」

 

 

「行き先は‥?」

 

 

「地下トンネルだ‥、確か山手トンネルがあるはず‥。そこなら‥」

 

 

「もしかして‥死んじゃうのかな‥私達‥」

 

 

「そんなこと‥いやそのようなことがあってたまるか‥。市民を守るのが警察官である俺の役目だ」

 

 

「私だって‥!」

 

 

「公安だって、れっきとした警察よ‥!」

 

 

「軍人の俺も混ぜろよ‥?お前たちは命をかけてでも守ってやる‥!」

 

 

「マーくん‥」

 

 

「とりあえず‥今日はもう寝よう‥明日が早いからな‥ふぁぁ‥」

 

 

こうして一同は眠りにつくのであった‥。

 

 

 

 

「ん‥」

 

 

みんなが寝静まった深夜、目が覚めたのか雪が起き上がる。そしてみんなに気づかれないようにこっそり部屋をでて隣のオフィスに入る。そして紙を取り出してなにか書き始める。

 

 

「‥‥っ」

 

 

一瞬、内容に迷ったのか執筆を止めたが意を決して再びペンを動かしていたのであった‥。

 

 

 

そして翌日‥日が登る前に起きた一同は出発のために準備を進めていた。仮眠室や食堂にあった飲料水や非常用食料、更衣室にあった衣服や駐車場に止めてあった車からガソリンを抜き取って、2台に給油したり積み込んだりと準備に追われていた。

 

 

「全く‥休む暇がねぇな‥」

 

 

「ですね‥」

 

 

そして出発準備が整うとアスリートに雪と日野、それ以外キャンピングカーに乗り込んだあと2台はゆっくりと動き出して本社ビルを後にするのであった。

 

 

数時間ほど走行していた2台だが突如として止まる。するとその2台の上空を2機のヘリが音を立てて通過していくのであった‥。

 

 

「‥1機はランダルコーポレーションのヘリ‥もう1機は‥赤白の傘のマーク‥アンブレラか‥」   

 

 

双眼鏡で車内から上空のヘリを監視する理琉、2機の方角からして本社ビルに向かっているのだろう。

 

 

「この感じだと‥怪物倒したのはバレてるな‥」

 

 

「えぇ‥、なんとか見つからずに逃げないと‥」

 

 

 

ヘリが完全に行ったのを確認したあと、2台は再び発進

東京方面にむけて放置車両の合間を縫って走っていくであった。

 

 

 

 

「とりあえず‥今日はここで休憩しましょうか‥」

 

 

あれから長距離を休まず走ったため休憩でローソンに寄って駐車場に止める2台。

 

 

「んじゃ、俺と理琉で見てくる」

 

 

「了解、気をつけてね?」

 

 

「わかってるよ」

 

 

そう言って二人はコンビニ内へ入っていくのであった。

その間にも雪は残りの食料のチェックをしていた。

 

 

「食料は本社ビルのやつで問題ない‥飲料水も‥、でも‥この先の移動時間‥トンネル内での籠城を考えたら‥全然足りない‥」

 

 

持ち出した食料をチェックしつつこの先のことを考えて少し暗い表情を見せてしまう。しかしすぐに振りほどいてなんとか保たせようと計算しているのであった‥。

 

 

コンビニ内

 

 

「どうやら、ここは当たりのようだな」

 

 

店内の陳列棚を見て少し笑みを浮かべる日野。二人の目にはある程度並んでいる食料や飲料水の姿が

 

 

「だなァ‥。これが一番の救いか‥」

 

 

そういって二人はカゴに店内にあった食べれそうな食料や飲料水を片っ端から集めていくのであった‥。

 

 

 

 

「ん〜♪美味しい〜」

 

 

その日、キャンピングカーのテーブルには豪勢とまではいかないものの節制してる中では満足な食事。カップ麺が並んでいた。

 

 

「うめえ〜」

   

 

「だねぇ〜」

 

 

「こりゃ腹一杯喰えそうだぜ‥!」

 

 

朝から気が張りっぱなしだったためか、一同は美味しそうに食べたり、雑談をしていたのであった。

 

 

「あっ、日野〜。ほっぺに野菜付いてるよ〜?」とって食べる

 

 

「おっ、センキュ」

 

 

「本当二人ともラブラブねぇ〜?」

 

 

気が抜けたのか、うっかりみんなの前でイチャラブしてしまい、椎子を含むみんなから視線を受けて顔真っ赤にしてしまう二人だった。

 

そうこうしているうち就寝時間になり、交代で見張りをしつつキャンピングカーの中で夜を明かすのであった‥。

 

 

 

日野達が本社ビルを出る前の出来事‥

コメット

司令室

 

 

「なに‥!?タイラントとリッカーの反応が消失‥しただと!?」

 

 

「はっ!昨晩まで反応があった2体の反応が消失しました。それと地下3階から5階の防犯カメラが使用不能になったことを考えると‥」

 

 

「ウィルス漏洩対策の爆破装置を利用して撃破したか‥‥、これはマズイぞ‥」

 

 

まさかの新兵器のタイラントとリッカーを撃破されるとは思ってなかったティモシー少佐は頭を抱えて項垂れていたがすぐに部下に指示を出す。

 

 

「大至急、本社ビルに部隊を派遣して確認させろ。もし2体の撃破が確認されたら、ランダルコーポレーション及びアンブレラ合同艦隊に待機中の部隊を横須賀市にある地上部隊基地へ送れ!全部だ‥!」

 

 

「全部‥ですか!?あと数日後には国連軍による戦術ミサイルによる空爆が始まりますよ‥?下手すれば部隊まで被害が‥」

 

 

「構わん!奴らに生き残られたら我々が終わるのだぞ!?なんとしてでも仕留めろ!例の攻撃ヘリと無人機も使え!」

 

 

「‥はっ!」

 

 

ティモシー少佐の指示を受けた部下が一礼して、足早に部屋を後にするのであった‥。  

 

 

 

翌日‥‥

 

 

「ん〜‥」モゾモゾ

 

 

「おはよー‥」

 

 

「ふぁぁ‥」

 

 

カーテンの隙間から日差しが差し込んで、その光によって一同は目を覚ます。

 

 

「‥!みんな!ランダルコーポレーションの通信を傍受した!」

 

 

みんなより早く起きて何やらパソコンを弄っていた椎子が血相を変えてみんなに振り向く 

 

 

「なんだと‥!?内容は!」

 

 

「今ボーモンが解析してる‥!」

 

 

一同は慌てふためくようにパソコン画面に群がる。それを確認している最中に解析が終わったのか画面に無線の内容が表示される。

 

 

「やっぱりバレてたか‥」

 

 

「ということは昨日のヘリはその確認できたのね‥」

 

 

「いや‥それよりも問題なのが‥」

 

 

椎子が無線内容を下にスクロールさせるとそこには衝撃的な内容が書かれていた。

 

 

「ランダルコーポレーション及びアンブレラ社の戦力を全投入してでも排除しろ‥だと!?」

 

 

「クッソ‥!めんどくせぇことになりがって‥!」

 

 

「怪物を倒したのが効いてますね‥。意地でも私達を潰しにかかってます‥」

 

 

「戦術ミサイルで兵士がやられるのもお構いなしか‥‥」

 

 

ここにずっといるのは不味いということになり2台は素早く支度を済ませてコンビニをあとにして出発することにした。

 

 

 

ブロロロロロ

 

 

今までは静かだった空が今日はやけに賑やかだ。ヘリが来るたびに車を止めてやり過ごしては動き出すの繰り返しを先ほどから続けていた。

 

 

「なかなか思うように進めませんね‥」

 

 

「今頃、ちなまこになって俺らのことを探してるだろうな‥‥」

 

 

「今はヘリで済んでますが‥、これに地上部隊が合流したら‥逃げ場はありませんよ‥」

 

 

「その前にたどり着ければいいんだが‥」

 

 

こうして2台は見つかっても振り切れるだけの広さを確保した県道を走行していた。

 

 

「大学のみんな‥大丈夫ですかね‥」

 

 

「めぐねぇ‥」

 

 

「心配なのはわかるが‥、この距離だと無線が使えねぇ‥。なんとか無事なのを祈るしか‥それとどうにかあのことを伝えないとな‥」

 

 

そうこうしているうちに本社ビルからかなり離れてきたところまで来た2台‥しかしそれを狙う1機のヘリが‥   

 

 

「目標確認!2台います!」

 

 

「キャンピングカーに狙いをロックしろ!コイツらを始末すれば俺たちの地位は高くなるぞ!」

 

 

「ロックオン完了!!」

 

 

「ミサイルを放て!」

 

 

攻撃ヘリの機長の指示を受けてミサイルをキャンピングカーにロックオン、発射する。放たれた一発のミサイルは迷いもなくキャンピングカーにむけて飛んでいく。

 

 

「っ!」

 

 

気づかれないかと思われただが由紀が僅かなヘリのローター音に気づいて後ろを見る。

 

 

「ミサイル!ミサイルがきてるよ!」

 

 

「なっ!?」 

 

 

由紀に言われてキャンピングカーの一同は慌てて視線を後ろに向けるとそこにはこちらに突っ込んでくるミサイルの姿が‥     

 

 

「かっ回避!!」

 

 

「ダメ!!間に合いません!!」

 

 

胡桃がドライバーの睦に回避を促したが間に合うはずもなくあと少しで着弾‥しかけた。

 

 

「っ!」

 

 

しかし無線機でミサイルに気づいたのか雪がミサイルとキャンピングカーの間に割り込むように車を滑り込ませる。 

 

 

「日野!!」

 

 

「え!?あっ‥」

 

 

ミサイルに気を取られていた彼だがはっと我に帰ったときなぜか助手席のドアが開いて、外に押し出されていた。視界が暗転する最後彼の目には、自分と雪が乗っていたクラウンにミサイルが着弾していく様子であった‥。

 

 

「いてて‥!」

 

 

気を失って数分後、すぐに意識を取り戻した日野。起き上がり周囲の確認をする。キャンピングカーは爆発の影響で電柱に衝突しているもののあの損傷なら大丈夫そうだ。だが問題はクラウンのほうだ。あのミサイルを喰らって無事なはずもなく大破、横転炎上していた。

 

 

「っ!雪!!」

 

 

起き上がった直後、倒れている雪を見つけて急いで駆け寄る日野。

 

 

「おい!大丈夫か!?雪!!」

 

 

「っ‥‥ひ‥の‥」

 

 

意識朦朧としつつ、なんとか日野に視線を向ける雪。そして少し遅れて‥

 

 

「日野さん!雪さん!」

 

 

「大丈夫かァ!?」

 

 

「雪さん!」

 

 

キャンピングカー組が急ぎ足でこちらに駆け寄ってくる。パッと見た感じみんなに怪我はなさそうだ。一瞬安堵の表情がよぎったがすぐに切り替える。

 

 

「俺はこの通りなんとか‥、だが雪が‥」

 

 

「クソ‥!とりあえず手当するぞ!先ほどの攻撃であいつらは誤認撃破で帰ってたから戻ってくるまでに時間は稼げるはずだ‥!」

 

 




なんとかタイラント、リッカーをたおすことに成功、ランダルやアンブレラが来る前に本社ビルを脱出した学園生活部‥

しかし隙を突かれた攻撃で雪が負傷してしまう‥。

彼女はどうなってしまうのか‥


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