がっこうぐらしー守るべきものー   作:三坂

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ドローン越しに再開を果たした両者
仲間との再開で少しだが希望が見えてきたようだ。


第四十五話 きぼう

「とういうか、どうしてめぐねぇ達がいるんだ?」

 

 

『そりゃ、君達が心配だからさ。アイツらが動いているのは薄々感じてた。だからいろいろと策を練ってたわけ』

 

 

なぜトーコ達がここにいるのかという胡桃の疑問に対して迷いもなく答えるトーコ。

 

 

 

 

 

 

 

時は遡り‥

大学地下施設

 

 

 

「ここが大学の地下施設‥けっこう広いですね」

 

 

「そうなんだよねぇ‥。と言っても食料は武闘派の連中がほとんどかっさらっていったけどな‥」

 

 

大学に残った大学組トーコ、アキ、ヒカ、シノウ、リセ

そして学園生活部の慈、悠里、瑠璃、小春の9人は地下施設に足を運んでいた。といっても食料などの殆どは武闘派と分け合ったため残っていない。しかしそれは関係ないと言わんばかりに今は空っぽな巨大冷蔵庫の扉を開ける。するとヒカが足早に冷蔵庫の壁に手を当てる。

 

 

ガチャン

 

 

すると、機械のロックが外れたような音がすると同時に壁の一箇所が開いて暗証番号のパネルが出てくる。

 

 

「でも、これだけは武闘派の連中には言わないでおいたんだよねぇ。もしかしたらこの先使えるかもって思って」

 

 

トーコがそんなことを言っている間にヒカがポケットから番号の書かれたメモ用紙を取り出してそれを見つつ慣れた手つきで打ち込んでいく。

 

 

「こんなところが‥」

 

 

「‥‥」

 

 

元々武闘派だったシノウと、図書館に殆どいたリセはここの存在を知らなかったようで、驚きの表情を浮かべていた。

 

 

ピピッ

 

 

「‥開いたよ」

 

 

そう言いつつヒカが呟くと冷蔵庫の奥の壁の一部が機械音を響かせながら開いていき、奥に広い空間が広がっているのがチラッと見えてくる。

 

 

「と言っても、ここまで見たのは始めてだよ」

 

 

冷蔵庫奥の壁が完全に開くとそこには大小多数の重火器や機関銃、ロケットランチャーなどおおよそどこから集めてきたのかというレベルでズラリと並んでいた。

 

具体的に言えばブローニングM2HMGなどの重機関銃、M249MINIMI・RPKの軽機関銃、

AR50などの対物ライフル、

サページM110BA・レミントンM40A3・ナイツアーマメントSPRMk12mod1を含む狙撃銃

SIG551A1・HK417・M4カービン・AK47・AK74・M4A1SOPMODをなどの自動小銃

フランキSPAS12・ケルテックKSG12などの散弾銃

MP5・MP7の短機関銃

FNPS90などのPDW

M9やグロッグ19などの拳銃

RPGなどのロケットランチャー

M32ダネルMGLなどのグレネードランチャーが揃っていた。

 

 

「高校のときよりも揃ってますね‥‥」

 

 

「というか‥これだけの武器どうやって持ち込んだのよ‥」

 

 

高校に似たような施設があったため、わかってはいたもののそれでもここまで装備が揃っていることに改めて驚きを隠せずにいる学園生活部のメンツであった。

 

 

中を見たわしていると、ヒカがある引き出しを引くとドローンと操縦機が入っていた。他にもリセが気になった引き出しを引くと一つのノートパソコンと何らかの書類が入っているのが確認できた。

 

 

「これは‥‥」

 

 

その書類をめくりつつあるページに目が止まる。それを読んで彼女は察した。

 

 

「なるほど‥な」

 

 

 

 

 

 

 

そして時は戻り‥

 

 

「なるほどねぇ‥、そんなことが‥」 

 

 

これまでの経緯をトーコから聞いた日野は納得の表情を浮かべている。そして日野はこちらの今までのいきさつを説明する。

 

 

『‥雪さんと‥アオちゃんが‥』

 

 

「すまねぇ‥みんなを守りきれなかった‥」

 

 

『日野‥さん‥』

 

 

カメラ越しに不安そうな慈の雰囲気が伝わってくる。それも無理はない、幼馴染みである彼女にとって日野が大切にしていた雪を失った衝撃は計り知れないというのは容易に想像できる。しかしそんな中でヒカが疑問を浮かべる。

 

 

『でもさ‥。話を聞く限り‥そのヘリはバレずにあらかじめ居場所がわかってたかのような動きをしてる‥。変だと思わない‥?』

 

 

ヒカの推測に胡桃が反応する。

 

 

「言われてみれば‥、あそこの通りは飛行しているヘリからは死角になってた‥。なんで気づいたんだ‥?」

 

 

「‥空から丸見えだったとか‥それか‥本社ビルのようにカメラで監視してたとか‥!」

 

 

由紀の発言にじっくり考えてた理琉が否定する。

 

 

「それなら最初からバレてるはずだ。普通のヘリの連中には見つからなかったのに、あのステルスヘリには見つかった‥。確かに‥おかしいな‥」

 

 

『そのことについてなんだけど‥』

 

 

ふとヒカの声が聞こえてくる。それを聞いて一同の意識はヒカへと向く。

 

 

『その地下施設である書類を見つけたんだ‥』

 

 

「ある書類‥?」 

 

 

『はい‥そこには‥アンブレラ新システム「ゴッドアイ」についてのマニュアルと書かれていました。』

 

 

「ゴッドアイ‥確か日本語訳は神の眼‥まさか!」  

 

 

何か引っかかるような言い方をしていた理琉だがどうやら気づいたようだ。それに頷いてヒカは話を続ける。 

 

 

『そうです、そのシステムは人や普通の探索システムが見逃すような少しな情報でも確実に見つけるという優秀なAIのようです。ただし複製ができないのとコンピュータシステムが優秀な端末でしか使えないみたいです』

 

 

「なるほど‥だからあのヘリだけが俺達を見つけて待ち伏せをすることができたのか‥」

 

 

あの待ち伏せに対する謎が解けたことでパズルのピースが一つ埋まる。しかしここで新たな疑問が     

 

 

「ですが‥それがわかったとしても‥。それがある以上下手に動けないんじゃ‥」

 

 

そんな美紀の疑問にヒカが書類と一緒に持ってきたノートパソコンをカバンから出す。

 

 

『方法はあります。そのゴッドアイを奪えばいいんです。このマニュアルには続きがあって、そこには万が一奪われた場合の取り返し手順が載ってます。それにこの辺にはランダルコーポレーションが立てた電波塔があり、それを利用すれば不可能ではありません』

 

 

「簡単にいうねぇ‥‥」

 

 

『でも、それしか方法がありません』

 

 

「‥‥」

 

 

ヒカの強い言葉に少し考え込んだ日野だが、決心した表情で顔をあげる。

 

 

「わかった‥やろう‥!!」

 

 

「「「!?」」」

 

 

まさかの発言に一同は驚いた表情で日野に視線を向ける。しかしそれに怖じけずに続ける。

 

 

「いまやらないでどうする‥?やらなくて後悔するならやったほうがいいに決まってる。それに‥‥このままじゃ、雪にあわす顔がない‥!」

 

 

「‥たしかにな‥わかった‥‥!やろう‥!」

 

 

少し無言の時間が過ぎたのだが決心した様子で胡桃が声をあげる。いや彼女だけではない、その場にいた一同それぞれが声をあげる。 

 

 

「だね!」

 

 

「このまま閉じこもるなんて‥絶対嫌!!」

 

 

『やりましょう!!』

 

 

「私だって‥!!もう逃げないよ‥!これからだってみんなといたい‥!学園生活部‥ファイト!!」

 

 

「「「『おぉ!!』」」」

  

 

 

 

 

「そんじゃ、そうと決まれば次はどうする?」

 

 

あれから場所は変わりスタンドの一室、トーコのドローンの誘導をうけて、特殊部隊を避けつつ、避けれない場合はドローンのスピーカーの音声で誘導しつつ少し離れたガソリンスタンドまで移動して改めて作戦会議を初めていた。

 

 

「例のゴッドアイを奪還したとしても‥核ミサイルの発射を阻止しないと‥‥」

 

 

「そうするためには治療薬が必須‥‥」

 

 

「‥そのことなんだけど‥」スッ

 

 

悩んでいると圭がそっと右手を上げて意見を具申する。

 

 

「アオさんが託してくれたスマホの内容を先ほど見てたらこんなものが‥」

 

 

そういってポケットから彼女のスマホを取り出してドローンのカメラ越しのトーコ達にも見やすいように画面を見せる。そこにはとある科学者の記録が乗っていた。

 

 

1968年に起きた最初のパンデミック、なぜあのときは広がらなかったのか‥。私はありとあらゆる方法で検証を重ねた。まずは偶然にも現存する薬がその細菌に効いたという仮説、だがこれはありえない。仮にそうだとしても全員が同じ薬を口にするとは限らない。

次に立てたのが広範囲焼却でウィルスが死滅したこと。

これもありえないことだ。そもそもこの細菌は空気感染をすることがわかってる。感染源を焼却したとしても他の地域で広がるのはわかりきってることだ。

何故、何故感染が広がらなかったのか‥どうやれば巡ヶ丘の殆どの人間が感染を免れたのか‥誰でも口にするもの‥誰でもあたり前のように使っているもの‥

ーーーーー

 

 

しかし肝心なところで途切れてしまっていて何を書いているのかわからなくなっていた。

 

 

「誰でも口にするもの‥‥‥うぅん‥」

 

 

『無意識に口にするもの‥』

 

 

何か引っかかるようだが思い出せずにいる一同。そんな中由紀がなにげにリュックを漁る。

 

 

「‥?先輩、どうしましたか?」

 

 

「喉乾いたから〜‥ちょっと」

 

 

そう言ってカバンに入っていた水の入った大きめのペットボトルを取り出してふたを開ける。まあ無理もないあれから節制していたため、満足に飲めずにいたのだ。

その様子を見て理琉が急に声を出す。

 

 

「由紀!まて!」 

 

 

「ふぇ!?」

 

 

いきなり大声を出されてたため、驚いて一瞬フリーズする由紀。

 

 

「どうしたんだ理琉‥!?いきなり声出して」

 

 

胡桃が驚きつつ理琉に問うが彼は答えない。そして由紀の元へ駆け寄る。

 

 

「由紀、その水どこの奴だ!?」

 

 

「ふぇ‥?えっと‥」

 

 

『確か高校の災害用貯水タンクから持ってきた水のはずです!』

 

 

由紀が答える前にカメラ越しで慈が素早く答える。それを効いて理琉はやはりと思う。

 

 

「胡桃!!確か高校のパンフレット持ってたよな!?」

 

 

「えっ‥おっおう!」

 

 

いきなり呼ばれたことに戸惑いを見せつつもポケットから高校のパンフレットを取り出して理琉に見せる。

 

 

「‥‥!!」

 

 

「理琉‥?」

 

 

真剣にパンフレットを開いて読んでいる理琉を心配したのか圭が心配そうに声をかける。しかし、それが聞こえないかのように集中して読んでいた彼だが、笑みを浮かべ、確信する。

 

 

「わかったぞ‥‥、治療方法がな‥!」

 

 

『本当!?理琉!!』

 

 

小春がカメラ越しに前かがみになり興奮した様子で聞いている。それに頷きつつ彼はみんなに視線を向ける。   

 

 

「あぁ‥!俺ごときがこんな単純なやつに気づかなかったとはな‥」  

 

 

「もったいぶらないで教えて下さい!どうゆうことですか!?」

 

 

美紀も多少興奮した様子で理琉に問いただす。

 

 

「‥まず、コイツは空気感染をするっていったよな?」

 

 

『うん、それで確かアオちゃんや武闘派の一部のメンバーが感染したんだよね』 

 

 

「それだけじゃありません‥。この町、いや‥空気感染で世界中に広がったんですよね‥?」

 

 

「ならどうして俺達は感染しなかったんだ‥?」

 

 

「あっ‥」

 

 

理琉の言葉に日野がハッとした表情になる。確かに何故自分たちは空気感染を免れたのか‥

 

 

「抗体という言葉では説明がつかない‥。となると‥キーはこいつさ!」

 

 

そう言って先ほど由紀の持っていたペットボトルの水を見せるように出す。

 

 

「これって確か高校の災害用貯水タンクの水だよな‥?これが‥か?」

 

 

「でも‥あの貯水タンクはどこにでもある簡易型のタイプみたい‥あっ!」

 

 

パンフレットを貰い見ていた圭もハッとした表情を見せてみんなに見せる。

 

 

「もしかして‥!これじゃないですか!」

 

 

そう言って指さした場所は高校の災害用貯水タンクではなく学校より更に少し奥にいったところにあり、なおかつ災害用のため池として指定され、朽那川の水源にもなっている沼‥

 

 

 

「「「「『『那酒沼!!!???』』」」」」

 

 

ドローン越しだというのに息ぴったりにタイミングが揃う。そして謎に包まれていた過去のパンデミック、そして現在のパンデミックのパズルが埋まってきた。

 

 

「そうか!昔のパンデミックが広がらなかったのに、今回のパンデミックが広がったのはこの数十年で各家庭の水道設備が整ってたから!!」

 

 

『パンデミック後私達が感染しなかったのは‥、高校の災害用貯水タンクの水に含まれていた細菌を撲滅する成分を偶然にも一緒に飲んでたから‥!』

 

 

「そしてその災害用貯水タンクは簡易型だから、浄化が甘い!だから偶然にも残ることができた!」

 

 

「これでようやくわかってきた‥!それにその水は由紀が持ってる‥!後はこいつをアイツらに知らせれば‥!」

 

 

「でもどうやってするんだ‥?今持ってる無線で交信できるとは考えられないけど‥」

 

 

『それも例の電波塔で可能です。このパソコンで調べてたら今も動いているそうです』

 

 

「決まりだな‥!あとは‥」

 

 

「隠密にいきたいけど‥おそらくそれは無理だろうね‥。ここまで特殊部隊がうようよしてると‥」

 

 

全部のパズルが揃ったが、やはり最大の壁はランダルとアンブレラが送り込んだ特殊部隊、そしてゴッドアイというAIシステムだ。

 

 

「どうにかいい方法があれば‥いいんだけど‥」

 

 

「‥あるわよ‥♪」

 

 

まさかのあるという発言に日野達の視線はその主である睦に集まる。

 

 

「要するにそれをするだけの移動力と武器があればいいんでしょ?それなら私に任せなさい‥!」

 

 

 

 

 

 

 

そんな睦の発言に一同は首を傾げつつ、睦の誘導をうけたトーコのドローンに続く形で進むこと数時間ある建物へつく。

 

 

「ここは‥」

 

 

「あなた達に会う前に仮の拠点にしていたところよ」

ガチャ

 

 

不思議そうに建物を見ている日野に対してそう答えつつ

入口の扉の鍵を開け、中に入る。

入ってすぐのところには階段があり、そこを降りていくと厳重そうな鋼鉄の扉が佇んでいた。 

 

 

「厳重‥ですね‥」

 

 

「そりゃ、中身が中身だからねぇ‥。私が見つけたときもこんな感じだったわ」ピッピッピッ

 

 

当たり前のように慣れた手つきでパスワードを打ち込んでいく姿を見てカメラ越しに見ていた小春がある疑問を口にする。 

 

 

『ちなみにパスワードはどうやって知ったんですか?』

 

 

「この建物を見つて、中に入ったとき扉の前に暗証番号が書かれたカードを見つけてね。それでこうして入れる訳」

 

 

『一体ここの管理者は何を考えていたのか‥(汗)』

 

 

ガバガバな管理体制に呆れている小春。そんな彼女をよそに扉のロックが解除されて暗闇が広がっている。

 

 

「うへぇ‥暗い」

 

 

「待っててねぇ明かりつけるから‥えっと‥」ゴソゴソ

 

 

そういって懐中電灯で周囲を照らしつつ明かりの電源を探す。

 

 

「おっ、あったあった」カチッ

 

 

意外とすぐに見つかり、スイッチを押すと暗闇が一瞬で明るくなり中の様子がわかってくる。

 

 

「‥え?」

 

 

「えっと‥これは‥」

 

 

「えぇぇぇ!?」

 

 

『あっえっ‥』思考停止中

 

 

「なんじゃこりャ‥!?」

 

 

中にあるものを見た瞬間、学園生活部や穏健派、さらには理琉でさえも驚く始末。そんな一同を満足げに振り返って見渡す。

 

 

「行ったでしょ?それをするだけの足と武器はあるって♪」

 

 

そんな彼女の後ろにには明らかに日本の車両ではない白色の車体と青のカラーが入りドアにはNYPDと書かれた文字。そしてカラフルなパトライトをつけた車両が2台。そして見慣れた日本警察カラーだが、明らかにスポーツカータイプの車両が2台の計4台。

さらには壁に立て掛けてる銃火器の姿も確認できた。

 

 

「どれもきれいに整備されてやがる‥、あんた一体なにもんだ‥?」

 

 

驚きつつ理琉が問うと、彼女は笑顔で振り向いて答える。

 

 

「言ったでしょ‥♪私は警視庁公安部所属、彩月睦‥ってね♪」

 

 

 

 




ようやく謎に包まれたパズルのピース
過去のパンデミックと現在のパンデミックの糸が繋がり希望への道が見えてきました。
そして睦の秘策も加わりいよいよ学園生活部は動き出します‥!
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