がっこうぐらしー守るべきものー   作:三坂

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突如として飛んできたクロスボウ
新天地に来てそうそう手荒い歓迎をうけることに‥


第三十四話 だいがく

「るーちゃん!(バッ!!)」

 

 

「センスねぇマネしやがって!!」

 

 

クロスボウが迷いもなく瑠璃に向かって飛んでくる。咄嗟に庇うように悠里が覆いかぶさり、理琉がショットガンで立ちふさがろうとする。

 

 

「っ!!」ガギィィン!! カラカラ‥

 

 

「圭!?」

 

 

しかし理琉よりも先に体が動いたのか圭が咄嗟にアサルトライフルをぶん投げクロスボウを当てた衝撃で弾き飛ばす。もちろん安全装置はロックした状態で

 

 

「ちっ‥!!何するんだよ!!」

 

 

クロスボウの飛んできた茂みからピストルボウガンを構えつつニット帽と眼鏡をつけている少年が出てくる。

 

 

「あぁ!?子供に向かって撃ったヤツが何いってんだ!!!」

 

 

理琉はショットガンを上に上げて発砲、少年を威嚇する。

 

 

「っ!?」

 

 

雪がニット帽と眼鏡をかけた少年にホルスターに手をかけつつ近づく。

 

 

「これでわかったでしょ?私達はあいつらじゃない、

ならそんな物騒なものをさっさとおろしなさい」ジリ

 

 

「くっ来るな!!!」

 

 

「どうして!!」(拳銃を取り出す)

 

 

「アイツらじゃなくても‥なりかけかもしれ

ないだろ!?」

 

 

「‥どうゆうこと‥?」

 

 

「あぁ!?」

 

 

理琉の堪忍袋が切れた。

 

 

「子供に向かって撃ってきてぇ!?それで空気感染かもしれねぇだと!?フザけたこと抜かしてるんじゃねぇぞ!!」バァン!!

 

 

怒りのあまり、再び上に向けて発砲する。それに怖気づいた少年はボウガンの狙いを理琉に変えて撃つ。

 

 

「んなぬるい攻撃当たるかよ!!」

 

 

しかし、理琉からすればそれは甘すぎる攻撃でなんなく避けられてしまう。さらに

 

 

「私を無視するな!!」ガギィン!!

 

 

次の攻撃をしようとした少年のボウガンを雪が

弾き飛ばす。飛ばされたボウガンは宙を舞って

少し離れた場所に落下する。

 

 

「くっ来る‥!?ガバ‥!!」

 

 

まだ抵抗しようとしていた少年だが、雪に思いっきり背負投され地面に叩きつけられる。

 

 

「ったく‥(起き上がる)」 

 

 

「なっなあ‥?空気感染ってどうゆうことなんだ‥?」

 

 

「ここに来る前に聞いた話なんだがァ、どうやら今回の発生したパンデミックの発生源のウィルスは空気感染をするようだなァ‥。おそらくこいつもそれ系列で感染している。顔色を見ればな‥、早ければ数日でくたばる」

 

 

「‥‥」

 

 

「まあ、精々腐った悪党として何もできず怯えて過ごすんだな。オマエら行くぞ、ここは危険だ」

 

 

「‥だな」

 

 

「りょ‥いっ‥!?」

 

 

「!?どうしたの圭!!」

 

 

「足が‥」

 

 

圭の左足からは血が流れていた。先ほどの

クロスボウを弾いた際に流れ弾がかすったの

だろう。

 

 

「早く手当しないと‥、雪さん手伝ってください」

 

 

「わかったわ、胡桃さん、圭さんの

アサルトライフル持っててくれない?」

 

 

「ん、わかった」

 

 

「佐倉さん、行きましょう」

 

 

「任せて」

 

 

出鼻をくじかれたため一同はキャンパス外に出る

ことにしたのであった。

 

 

 

 

「ンで?どうすんだこれから」

 

 

車の中で話し合う学園生活部たち。何人かは高校の災害用貯水塔から持ってきた水の入ったペットボトルを飲んでいる。

 

 

「まさか侵入そうそうクロスボウをぶちかましてくるとは‥」ため息

 

 

「先が思いやられますね‥」

 

 

「瑠璃ちゃんのときもそうだけど‥、クロスボウをいきなり撃ってくる相手に話が通じるなんてことは‥」

 

 

「クゥン‥」

 

 

「なんとか話を聞くだけでも‥」

 

 

「「「私は反対よ」」」

 

慈と悠里、雪は反対した。

 

 

「どんな理由が向こうにあったとしても、子供相手にクロスボウを撃ってくるようなクソ野郎だ。無理はする必要なない」

 

 

「ですね‥るーちゃんを危険な目に合わせるわけにはいかないし」

 

 

「そうなると私は留守番かな‥」

 

 

圭は太郎丸を撫でながらそう言った。

 

 

「そもそも全員で行く必要もないよな」

 

 

「あまり無茶はしないでくださいね?」

 

 

「わかってるよめぐねぇ」

 

 

理琉、胡桃、雪の3人がもう一度キャンパスに侵入して情報を聞き出す方針に出た。

 

 

「日野、美紀、佐倉先生。いつでも出せるように車のエンジンかけといてくれ」

 

 

「了解」

 

 

「わかりました先輩」

 

 

「気をつけて」

 

 

「よし、じゃあ再び行きますか〜」

 

 

3人は車を出て先ほど入った所に向かった。クラウン

の車内では日野が圭のアサルトライフルの調整を

行っており、助手席では圭が真剣に見ていた。

キャンピングカーでは慈が運転席でのんびりして

おり、悠里は由紀や瑠璃とボックスシートで

遊んでいる。小春は太郎丸とじゃれ合っており

カローラでは美紀が本を読んでいた。

数分後、慈がふと外に視線を移すとそこには3人が

慌てながらこちらに走ってくる様子が確認できる。

その後ろにはバイクのヘルメットを被った二人組

の人間が追ってきている。

 

 

「めぐねぇ‥?」

 

 

「!!(無線機に飛びつき)日野さん!直樹さん!」

 

 

【おっおう!】

 

 

【わかりました!!】

 

 

偵察班の3人が3台中で1番近かったカローラに

跳び乗る。

 

 

「美紀さん!早く出して!」

 

 

「はっはい!」

 

 

キャンピングカーを先頭に、クラウンとカローラが

急発進する。

 

 

「おい!!待て!!」

 

 

ヘルメットを被った二人組は足を止める。

 

 

「ったく‥なんなんだアイツら‥」

 

 

「雪さん、運転代わって貰えませんか?」

 

 

「ほいほい、じゃあどこかに止めプー!!!」

 

 

車のクラクションが鳴り響く。

 

 

「もう後ろにいます!」

 

 

「これじゃ交代が‥」

 

 

「めんどくせぇ!こいつで追い払ってやる!!」

 

 

後部座席の窓を開けて身を乗り出しM1887を追いかけ

てきてるセダンに向けて発砲する。しかし威嚇の

ためでありタイヤやフロントガラスは狙ってない。

県道を爆走するキャンピングカー、その後に続く

ようにクラウンとカローラ、セダンが続く。

 

 

「しつこいわね‥」

 

 

なんとか美紀とドライバーを交代した雪はバックミラーを見つつ追いかけてくるセダンを軽く睨む。

 

 

「どうにかしないと‥」

 

 

そんなさなか、キャンピングカーでは由紀が何かに

気づく。

 

 

「そういえばなんか聞こえない?」

 

 

「え?うぅん‥なんか聞こえるような聞こえない

ような‥」

 

 

由紀と悠里がどこからかかすかに聞こえてくる声に首を傾げていると小春がはっとなる。

 

「ゆきちゃん!ラジオ!ラジオの音量上げて!」

 

 

「圭!ラジオの音量上げてくれ!」

 

 

「美紀さん!音量!」

 

 

「ねぇ!キャンピングカーと警察車両の人、

聞こえてる?危なくなったら裏門きて!

待ってるよ!」

 

 

「佐倉さん!もう少しスピード上げてください!追いつかれます!」

 

 

「はっはいぃ!」

 

 

慈がさらにアクセルを踏み込み、それに続いて日野と雪も踏み込んでセダンから振り切ろうとする。

 

 

「めぐねぇ!この先!みぎに曲がって!その後左!」

 

 

「わかったわ!」

 

 

裏門に続く道を左折するキャンピングカー、その後に日野のクラウンもやってくる。

 

 

「圭、しっかり掴まってろ!!あとあんまり喋るなよ

舌噛むからな!!」

 

 

「え、それど(ギャァァァ!!!)あわわわ!?」

 

 

圭が聞こうとする前に日野がサイドブレーキを思っきり引く。直後クラウンの後輪がロック。白煙を上げつつ横滑りになる。そのままドリフトみたいになり速度が乗りつつ左折する。

 

 

「日野もなかなかやるねぇ‥、みんな!しっかり捕まってなさい!!」

 

 

「オウ!!」

 

 

「はい!」

 

 

「いいぜ!」

 

 

カローラは一瞬直進するように見せるために加速する。それに釣られて後ろのセダンも加速して追いすがろうとする。

 

 

「かかった!」

 

 

釣れたとことを確認次第すぐにサイドブレーキを引き怒涛のスピンターンを決めるカローラ、当然セダンのドライバーが対応できるはずもなくそのままカローラの横を通過してしまう。そして向きを変えたカローラはそのまま2台が曲がった道を左折して追いかけていく。

 

 

 

そしてしばらく走行していると、門が見えてくる。そこには大学生らしき女性たちが待機していた。扉の門を開けて待っている。すでに中にキャンピングカーとクラウンが入っているようだ。

 

 

カローラも入ったこと確認すると女性たちは門を

閉め始める。遅れてやってきたセダンは中に3台

が入ったのを確認するとそのまま来た道を引き返し

ていくのであった。

 

 

「とりあえず一難去ったか‥」

 

 

 

 

「お疲れ様、大変だったでしょ?」

 

 

車から降りると、先ほどの大学生3人が出迎えてくれた。一人は眼鏡をかけており、もうひとりは茶髪

ポニーテールでまとめており、もうひとりは

黒髪セミロングのようだ。

 

 

「えっと‥あなた達は‥?」

 

 

「えっと‥生き残り?」

 

 

眼鏡の子が適当に答える。

 

 

「違うっしょ‥、アタシたち、さっきの車の連中とは

別グループだよ」

 

 

「そうそう、武闘派の人とはどうも合わないん

だよねー」

 

 

「‥‥」

 

 

大学生組の話すペースに追いついていけてない

学園生活部のメンバー

 

 

 

 

 

 

「そんなわけで‥、まあ」

 

 

 

 

 

 

「聖イシドロス大学へようこそ!!!」

 

 

 

 

眼鏡の女性が握手を求めた。悠里が恐る恐る

手をのばす。

 

 

 

「お世話になります」

 

 

 

 

 

その後校舎内へと案内される。高校での経緯や簡単な自己紹介をおこなった。

 

 

 

「へぇ〜‥今まで高校にいたんだ。生徒に教師‥というか軍人さんもいるのか〜、車でなんとなくわかってたけどもう二人は警察官‥、片方は警官服来てないと警官なんて想像できないよ」ユキノタイケイミツツ

 

 

「グハ‥!?(5のダメージ)」

 

 

「軍人といえど今は完全な放浪者みたいなもんです

がね‥(汗)」

 

 

「んで私達は学園生活部っていうんだ〜」

 

 

「ゆきちゃん?一応年上なんだから敬語は

使わないと」

 

 

「別に敬語とか気にしなくてもいいよ〜?面倒だし、 そうゆうの。んで君達は学園生活部に入ってる

のか〜、うちと似たようなもんだね」

 

 

「と、なるとサークルみたいな感じですかね?」

 

眼鏡をかけた女性が、ドアの前に立ち止まると、

突然振り返る。

 

 

「ようこそ!僕たちのサークルへ!」

 

 

「案の定サークルでした‥(汗)」

 

 

「名前はどうようかなっていろいろ協議したんだ

【自堕落同好会】とか‥‥」

 

 

「まっまあ‥部屋を見ればなんとなく‥(汗)」

 

 

苦笑いしつつ雪が視線を部屋内に向けるとそこにはPS4やパソコン、PS3、Switchなどや、漫画、映画のDVDなどなどさまざまなものが少し汚く置かれていた。

 

 

「とりあえず座りなよ〜」

 

 

そう言ってくれるのはありがたいのだが、ちゃんと

した椅子が置いておらずクッションのようなものに

よだれかかったり、寝転がったり‥

完全にニートですねありがとうございます()

 

 

「同好会ってこんなもんだっけ‥?えっと‥眼鏡かけてるそこの子‥」

 

 

「あっ!自己紹介忘れてた‥!ほら!代表!」

 

 

眼鏡の女性は日野の手を取り

 

 

「僕はサークル代表、出口桐子だよ!」

 

 

自己紹介をし、満面の笑みを見せたのであった。

 

 

 




手荒い歓迎を受けたものの穏健派の彼女達に迎えられた学園生活部。
ここから徐々にこの大学について知ることに‥

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