そこで穏健派とは別の組織
武闘派について知ることになる
「じゃあうちのメンバー紹介するね、こっちが光里昌
んでこっちが喜来比嘉子」
「光里昌だ。アキでいいよ。」
「喜来比嘉子‥、ヒカでいいよ‥。工作が得意なんだ‥」
「よろしくお願いします」
お互いの自己紹介が終わったところでトーコが本題に入る。
「とりあえず、君達がどうしてここに来ることになったのか詳しく説明してくれない?」
「あっ‥、それなら」ガサガサ
そう言って、リュックから例の職員用緊急避難マニュアルを取り出し、桐子に渡す慈。
「うひゃ‥、こりゃたまげた‥」
「あんまりにも都合が良すぎるとは思ったけど‥」
「それで‥だ。コイツも見てほしい(裏の資料を見せる)ここに連絡先の一つにランダルコーポレーションって書かれてるだろ?」
「ホントだ‥」
「つまり、今回のパンデミックはランダルが絡んでいるってことさ。どうゆう経緯かはわからないが‥。だが俺達の住処に精鋭軍を送り込んできたのかその証拠だ‥」
「あんた達よく撃退できたわね‥」
「運が良かったとしか言えないな‥、誰がいなくなることも覚悟した‥、だがこうやってみんなでいれるんだ‥。今はそれだけでも幸せだな」
理琉を話を聞いてる学園生活部は少し重い雰囲気になる。特に圭や美紀など、命の駆け引きをしたものの雰囲気の重さは計り知れない。
「だが奴らがそう簡単に諦らめるはずがない。精鋭軍を潰した俺らは重要排除目標になってるだろう。そんな奴らと関係を持ったお前達も注意したほうがいい」
「そっちのほうが大変なのに‥気を使ってくれるとは‥わかってる。こっちも気をつける。」
「んでまあ、その戦闘のせいで学校の設備が使えなくてな‥」
桐子がマニュアルをマジマジと見つめている。
「なるほどね‥、このマニュアルをもとにうちにやってきたのか‥」
実際、この大学には高校と同じようにシャワー施設や太陽光パネル、そして地下区域などの設備が揃っているのも事実。そんなこんな話しているとふと雪が思いだした。
「そういえば、武闘派ってさっき行ってたけど‥あなた達となにが違うの?」
その発言を聞いて桐子の表情が険しくなる。
「ん〜‥、なんて言えばいいんだろ‥。まあ簡単に表すとしたら、武闘派は戦闘員の集まり。んでうちらは非戦闘員の集まりって感じかな」
「戦闘員と非戦闘員‥」
「そっ、この事態が起こってたときはけっこうヤバかったからね‥。電気もない食料もあまりない‥、人は減りまくる一方‥。そんな中で規律第一に動き出したのがアイツ武闘派さ。最初の頃は生きるのに必死だからあんまり気にしてなかったけど‥」
「けど‥?」
「アイツらは戦える奴と戦えない奴を分け始めたんだ‥。戦える奴は優遇して‥戦力外だったら‥な?」
「それで武闘派か‥、下手すりゃヤクザよりも酷いんじゃないか‥?」
「んでまあ‥流石にそれは酷いんじゃないかって思ってね‥。文句言いに行ったら好き勝手しろって言われて‥。食料も水もつきかけてやばかったけど‥ヒカのお陰でなんとかなったわけさ」
「別に‥‥大したことじゃないよ‥」
「屋上の太陽光発電システムの線を辿っていったら非常電源と地下施設を見つけてね、そこで食料も見つけたんだ」
「なるほどなァ‥うちと似たような設備があった訳か‥」
「だからこうやって、のんびり過ごせてるのも地下施設のお陰なんだよねぇ〜」
「だったら武闘派の人たちもピリピリする必要ないのに‥」
話を聞きつつ不満を口に出す圭、その発言に頬杖をしつつ昌が難しい表情になる。
「そうなればいいんだけどねぇ‥‥、なかなか一度決まった路線を変えるのって難しいんだよ‥」
「まっ‥いろんな人がいるからなね‥大学って」
とりあえずそれっぽいことを言う桐子
「それっぽいこと言ったでしょ?」
「あっ‥バレた?(汗)」
そして昌にツッコミを入れられしまうのであった。
その後も学園生活部と大学組は楽しげな雑談をしている。するとあっという間に時間が過ぎてしまい気づけば夜になっていた。
「おぉ‥♪」
由紀は夢の個室に目を輝かせていた。そんな由紀を見つつ慈が桐子に視線を向ける。
「本当にいいんですか‥?」
「いいよ、いいよ。どうせ部屋がくさるほど余ってたわけだし。じゃんじゃん使ってくれたほうがこっちも嬉しいから」
「しかも部屋内もなかなかの広さだな‥、流石大学‥」
部屋の中を見つつ、日野も驚きの声を上げていた。そんな楽しそうな学園生活部に比嘉子がある質問を投げかける。
「そういえばさ‥みんなが持ってるそれは何‥?」
「あ〜、これか?」
胡桃が背中にシャベルと背負っていたM4カービンを手に取り、見やすいように見せる。
「どこで手に入れたか話せば長くなるんだが‥(汗)
まあ護身用に一応持ってるやつさ」
「ランダルの精鋭軍との戦闘でもこれがあったお陰で切り抜けられたようなものですから‥(バレットを大切に持ちつつ)」
ほかのメンバーも銃を手に取りつつ、懐かしそうに見せてくる。
「もちろん、あなた方に危害が及べばしっかり守ってあげます。覚悟はできてますから」
「そう‥なんだ‥♪凄く頼もしい‥♪」
学園生活部の決心の表情を見て比嘉子が無邪気な笑顔をみせてくれる。そんな笑顔にメンバーも自然と笑顔が溢れてくるのであった。
そして本来なら寝静まっている夜‥、それぞれの部屋で寝ているはずだが、中には誰もいない。しかしプレートにゆきと書かれた部屋の中からは微かだか話し声が聞こえてくる。
「んで‥、部屋は別れてもこうなるんだな‥(汗)」
寝袋に包まりつつ、周りを見渡して苦笑いの表情を浮かべる。まとまって寝ることの多かったため、やはり個室だと落ち着かない様子だ。そこで由紀の部屋に集まって寝ることに。窓側から理琉、由紀、胡桃、悠里、瑠璃、慈、雪、日野、美紀、圭(太郎丸)、小春の順に並ぶように寝袋が並んでいた。
「なんか‥一人だと落ち着かなくて‥(汗)」
「私もだな‥(汗)」
「こんなの初めてですよ〜」
そんなこんな雑談をしていると、自然と眠気が襲ってきて一同は眠りにつくのであった‥。
ー‥‥これから先どうなることやら‥ー
目を閉じつつそんなことを考える日野。しかし彼も眠気が襲いいつの間にか寝てしまったのである‥。
同時刻‥大学組部屋にて
「あのさ‥、思ったんだけど‥」
気長にお酒をたしなみつつ、ふと桐子が口にする。
「今の私達のままじゃ‥いけないよね?」
「奇遇だね‥私もだよ」
「うん‥」
桐子の意見に同じくお酒を飲みつつ、同意する比嘉子と昌。
「だってあの子たちのほとんどがまだ高校生ぐらいの年齢で私達と変わらないんだよ?それで命の駆け引きを経験してる‥。ゲームざんまいの私達は相当なアホだね‥」
しばらく無言が続いたが、桐子が突如立ち上がる。
「これを機に変えよう!私たちも現実と向き合わないと!」
「そうだね♪」
「うん‥!」
こうして大学組3人は決意を向けに夜のお酒を楽しんでいたのであった‥。
その頃‥大学のある部屋で一人の男が無線機で話していた。
「‥一体なんのまねだ‥?」
無線の相手である女性は、笑みを深くしつつ語りかける。
「あら、いい案じゃないの?あの子達を始末する代わりにあなた達を優遇してあげる。こんないい案はないわよ?それに‥邪魔者を始末できるチャンスじゃない?」
「‥ふっ‥、たしかにな。わかった、その案に乗らせてもらおう。要するに俺達武闘派でアイツらを始末すればいいんだな?」
「そう‥ね。私がやってもいいけど、今はそれどころじゃないから。じゃあ決まりね、無事成功したら教えて頂戴。それと、武器は明日敷地内に空輸しておくから」
そうして、どこかの誰かと無線を終えた男は夜空を見つつ悪笑みを浮かべていた‥。
「‥まさかこんなチャンスが来るとな‥、穏健派、そして邪魔者を潰せる。そして俺たちはのうのうと過ごせる‥、へへっ‥。楽しみだ‥」
こうして穏健派の仲間入りを果たした学園生活部
しかしその裏では武闘派が何か企んでいた‥