がっこうぐらしー守るべきものー   作:三坂

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とうとう始まってしまった穏健派狩り

学園生活部はこの危機にどう乗り越えるのか‥!?


第三十九話 うらぎり

遠征組出発当日、かといって早朝から出るわけでもなく。お昼からの出発のため各自それぞれ気長に過ごしていた。あるものは勉強をしたり、あるものは車の最終チェック。はたまたあるものはまだ寝ているものもいた。

 

そんな中美紀と圭はリセのいる図書館に足を運んでいるようだ。

 

 

「リセさん〜?いますか〜」ガチャン

 

 

「はいはい〜、おや。圭に美紀じゃないか〜?いらっしゃい〜」

 

 

扉をあけて中に入るとリセが出迎えに来て、二人を見るなり中へ通す。

 

 

「今日は遠征に行くんだったよね〜?」

 

 

「はい、といってもまだ出るまで時間があるのでせっかくならと思いここに‥」

 

 

「君は相変わらず本が好きだな〜、圭もそうなのかい〜?」

 

 

「まあそうですかね〜。といってもあんまり難しい本は読めませんが‥(汗)」

 

 

「それでも充分大歓迎だよ〜」

 

 

こうして、3人は出発までの時間の間いろんな本を読んだりどの本がいいかなどの討論などに没頭して楽しむはずだった‥。彼女らが来るまでは‥

 

 

リセが本を選びにいってる間、二人は本棚の前で立ち読みをしていた二人だが微かに開く扉の音に反応する。

 

 

「あら?リセ以外にお客さんいるのね。」

 

 

声が聞こえる方向に視線を向けるとそこにはアヤカの姿が‥。そしてアヤカの手にはAK-47が握ってあった。

 

 

「「‥(しまった‥、敷地内だからって拳銃しか持ってきてない‥)」」

 

 

反射的にいつも背中に背負っている愛銃を取り出そうとしたが、ないことに気づいて軽く顔をしかめる。それを悟られないようにしつつ美紀が話しかける。

 

 

「見慣れない顔‥ということは‥、武闘派ですね‥?」

 

 

「えぇ、お初目にかかるでしょうね」

 

 

「‥そんな武闘派の人がどうしてここに‥?」

 

 

視線を外さず警戒しつつ、圭が気づかれないように拳銃のホルスターに手をかける。

 

 

「ちょっと穏健派に聞きたいことがあったのだけど‥、まあいいわ。丁度あなた達についてのことだったし‥」ニヤリ

 

 

「‥話すことはありませんよ‥?」

 

 

「どうかしらね‥?今のうちに自白した方が身の為よ‥?」

 

 

「なんのこと‥ですか?」

 

 

「しらばっくれるのね‥?せっかくチャンスを与えて上げたのに‥、まあいいわ」

 

 

 

 

 

「あなたちを苦しませてあげる‥」ニヤ

 

 

 

そう言い放ったあと素早くAKを構え、なりふり構わず乱射し始める。しかし幾度の戦闘を乗り越えた二人は咄嗟に左右に避けて遮蔽物へ滑り込んでいく。

 

 

「やはり‥!そうきましたか‥!」

 

 

「こんなことしたところで‥!何になるんですか!?」

 

 

「関係ないわ‥!私はあなた達を苦しませたいだけなのよ!」コロン

 

 

圭の説得に聞く耳を持たず、しまいには二人の隠れている遮蔽物へ手榴弾を投げ込むし始末。 

 

 

「なっ!?」

 

 

もちろん二人も気づいて慌てて避ける。直後爆破して周囲のものが吹き飛んでしまう。

 

 

「もっと楽しませなさい‥!もっと絶望しなさい!

もっと苦しみなさい!それこそが私の生きがいだわ!」

 

 

おおよそ狂喜に満ちた発言をしつつ、攻撃の手を緩めないアヤカ。乱射していたAKの弾が切れると今度は背後からミニガンを取り出し射撃を再開する。

 

 

「くっそ!ミニガンまで‥!一体どこから‥!」 

 

 

「明らかに普通の人じゃ手に入れられない武器まで‥!っ!(ミニガンの攻撃になんとか耐える)こっちは拳銃しかないのに‥!」

 

 

「正面からじゃほぼ無理か‥!なんとか回り込まないと‥!」

 

 

 

「これは‥不味いな‥」

 

 

リセも異変を感じて、こっそり気づかれないように移動していた、一応助けようと影から2人を見ていたのだがそれに気づいた美紀に、ここはいいから助けをよんでくれとの手合図に従って裏口から脱出しようとしていた。

 

 

「‥いち早くトーコ達に知らせ‥っ!?」

 

 

そう思いつつ裏口のある通路に差し掛かったときにリセの表情が固まる。彼女の視線の先にはあろうことかシノウの姿が‥

 

 

「どこへ行くんですか‥?」アイスピック片手に

 

 

「‥‥、甘くはなかったか‥。悪いが通してく‥」ドス

 

 

そう言いかけたリセだが、シノウの首の急所攻撃をくらいそのまま倒れて気絶してしまう。そして彼女をそっと寝かしつけたあと、シノウはアヤカの元へ戻っていくのであった。

 

 

 

「今日からめぐねぇと少しの間離れ離れか〜‥寂しいなぁ‥」

 

 

同時刻、キャンパスでは由紀と慈の二人が廊下を歩いていた。

 

 

「えぇ‥わたしもです‥。でも、大丈夫だと信じてますから‥♪帰ってきたら、たくさんお土産話聞かせてくださいね‥?」

 

 

「もっちろん!」

 

 

いつも通りドヤ顔を見せる由紀に、一安心したような表情を見せる慈。そして廊下を歩いていると通路の先の角からタカシゲが出てくる。

 

 

「‥あなたは‥?」

 

 

先ほどのほんわかな表情が嘘のように真剣な表情を見せる慈。そして由紀を自身の後ろに隠すように下がらせる。

 

 

「やぁやぁ、巡ヶ丘学院の先生さんですな?初にかかります。タカシゲと言います」

 

 

 

「トーコさんの言ってた‥武闘派の方ですね‥?」

 

 

 

「流石‥教師、察しがよろしくて」

 

 

「一体なんの用ですか‥?」

 

 

見せないように持ってるものの、明らかに銃を隠しているのがわかるようにシルエットが見えたのを見つつ愛銃のMP7を取り出す。

 

 

「ちょっと‥ご同行願おうかと思いましてな‥」

 

 

「いや‥と言ったら?」

 

 

「‥言わなくてもわかるでしょう」銃を構える

 

 

「‥っ!」スモークグレネードを地面に投げる

 

 

「ちっ!こしゃくな!」

 

 

銃で脅して指示をしようとしたタカシゲだが、まさかスモークグレネードを隠し持っていたことは想定外だったようで悪態をつく。

 

 

「丈槍さん!走って!」

 

 

「うっうん!」

 

 

相手の視界を眩ませたのを確認し、由紀に来た道を走るように伝えつつ自身も駆け足になる。

 

 

「逃がすかよ!」

 

 

そう言い放ち、AKを乱射するタカシゲ。だが視界を完全に奪われたためあらぬ方向へと撃つ始末。それを確認しつつ二人は廊下を全力疾走している。

 

 

「丈槍さん!そこの角を右に曲がってください!」

 

 

「わかった!」

 

 

そして廊下の突き当りを右に曲がろうとした直後、何かが床に転がっている丸いものに気づく。

 

 

「危ない!丈槍さん!」ドス

 

 

「きゃっ!?」

 

 

咄嗟の判断で由紀を突き飛ばす慈。直後丸いもの、手榴弾が爆発し、周囲は爆風に包まれる。

 

 

「ぁぁ!?」ドス

 

 

飛ばされたことで爆風の被害はなんとか回避できた由紀だが、突き飛ばした慈は喰らってしまい壁に叩きつけられる。

 

 

「めぐねぇ!!」

 

 

倒れている慈に気づいて駆け寄ろうとする由紀だが、タカヒトに拘束される。

 

 

「離して!!」

 

 

「騒ぐんじゃねぇ!」ドス!

 

 

「ぁ‥」ガクッ

 

 

力いっぱいに抵抗した由紀だが大学生で男性の力に勝てるはずもなくあっさり気絶させられる。

 

 

「丈‥槍‥さ‥」

 

 

朦朧としている意識をなんとか保ちつつ、近くに転がっている銃に手を伸ばそうとする。

 

 

 

「おっと、そうはさせないぜ」ドス

 

 

「‥」ガクッ

 

 

しかしそれも見抜かれており追いついてきたタカシゲにあっさりダウンさせられてしまう。

 

 

「ったく、手間かけさせやがって」

 

 

「行くぞ、ここにはもう用はない」

 

 

気を失っている由紀を拘束しつつ、その場から立ち去ろうとしたとき‥

 

 

「大丈夫か!」

 

 

先ほどの爆発音か悲鳴が聞こえたのだろう。残りの学園生活部メンバーが駆けつけ来る。倒れている慈と拘束されている由紀の2人を見るなり空気が完全に変わる。 

 

 

「っ!大丈夫ですか!?佐倉さん!(駆け寄る)」

 

 

「てめぇ!!由紀と慈に何したぁ!!」M1887を構える。

 

 

「ふっ、撃つのは構わないが、大切な仲間が気づいてもいいのか?」

 

 

「くっそ!」ダン!!

 

 

各自一斉に銃を構えるが、由紀を盾にしているため狙うことも撃つこともできない。その悔しさか理琉が壁を思いっきり殴る。

 

 

「なんだ。軍や警察も所詮こんなもんか‥、」由紀を連れて立ち去る。

 

 

 

「あっくそ!ま‥!」

 

 

追いかけようとした一同だが、煙幕をたかれてしまい視界を奪われて進めなくなってしまった。

 

 

「この先は何が!」

 

 

「えっと‥!確か駐車場に繋がってたはず!」

 

 

「まさか車で‥くそ!雪、胡桃、理琉は俺についてこい!なんとしてでもあいつらを止めるぞ!」

 

 

「了解!」

 

 

「ぜってぇ、地の果てまで追い詰めてやる!」

 

 

「めぐねぇまでにあんなことをしやがって‥!!」

 

 

「小春さんは、大学組と悠里さんと瑠璃さんとともに奴らを外に逃さないように校門や裏門でスタンバってください!!」

 

 

「わかった!!」

 

 

 

 

「うふふ!!あはは!!」ドドドドド

 

 

「‥相変わらず不気味‥!!」

 

 

「圭!!こっちが誘導するからお願い!!」

 

 

「わかった!!」

 

 

そう言うと美紀はアヤカを挑発するようにM9で射撃をして牽制する。それに乗ったような動きでミニガンの銃口をそちらに向ける。

 

 

「かかった!!」

 

 

それを確認しつつ、遮蔽物から勢いよく飛び出して背後を狙おうとする圭。不意打ちという形になり勝負ありかと思われた‥が

 

 

「そんなのも確認ずみなのよ!!」ドドドドド

 

 

まさかのこの動きも読まれており、アヤカはミニガンを軽々と向きを変えつつ射撃をする。狙いは圭ではなく背後の本棚。

 

 

「っ!!圭!避けて!」

 

 

「えっ‥?きゃぁぁぁ!?」ドスドス

 

 

咄嗟に美紀が声を上げたものの、一足遅く、ミニガンにより足場のバランスが崩れ本棚が倒れてきて圭が飲まれてしまう。直後、本棚が倒れた際に埃で視界を奪われてしまう。

 

 

「圭!」

 

 

視界を奪われつつも圭の安否を確認しようと声をあげる。しかしその行動が仇となり‥

 

 

「見つけた!!」

 

 

「なっ‥!(ドス)がっ‥」

 

 

声を元に、アヤカからの激しいタックルをくらい壁に叩きつけられる。さらにはその衝撃でM9が遠くに転がってしまう。

 

 

「うふふ♪もっと楽しませなさい♪苦しみなさい♪」ナイフを取り出し

 

 

「ひっ‥!」

 

 

サイコパスオーラ全開で狂喜満ちたアヤカを見て思わず顔を引きつる美紀。そんな彼女みてさらに笑みを増すアヤカ。

 

 

「いいわ♪その顔もいいわよ♪もっと、苦しませなさい‥♪」

 

 

「いやぁ‥ぁぁ‥」

 

 

今まで見たこともないような狂喜を見せられ、美紀でさえも恐怖で声が掠れてしまっている。

 

 

「もっと見たいわねぇ‥?じゃあこうしようかしら!」

 

 

「っ!」反射的に目を閉じる

 

 

そんな彼女を見てナイフを振りかざして刺そうとするアヤカ。それを見て反射的的に目を閉じる美紀。

 

 

グシャ!

 

 

やられた‥、と刺す音を聞いて一瞬思った美紀。しかし激痛は特に感じられない、恐る恐る目を開け自身の体を確認するがどこにも刺さったり傷などは確認できない。

そしてゆっくり視線を上に向けるとそこには振りかざしてかけたアヤカの姿が‥、だが様子がおかしい。

 

 

「なん‥の‥つもり‥?」

 

 

アヤカが朦朧としつつ視線を後ろには向けるとそこにはアイスピックを持ったシノウの姿が。そのアイスピックには血痕がついており、アヤカの首からは血が流れている。どうやら首元と一切りされたようだ。

 

 

「ごめん‥、私には‥できない」 

 

 

「う‥ら‥ぎ‥」バタリ

 

 

「え‥?」

 

 

何か言いかけたがそのまま横に倒れていってしまう。何が起こったのか把握できてない美紀、息を引き取ったのを確認したあと、シノウは美紀の前でしゃがむ。

 

 

「怪我‥とかない?」

 

 

「えっあっ‥はい」

 

 

 

「ごめんね‥?怖い思いさせちゃって‥」

 

 

「‥‥どうして‥?」

 

 

美紀の質問に少し考えてから答える。

 

 

「‥‥私には‥あなた達が殺したなんて考えられないから‥‥」

 

 

 

「え‥?」

 

 

 

「‥確かにそんなことを最初は考えてた‥。けど‥明らかに都合が良すぎるって思って‥‥。それに‥あなた達がそんなことをするように思えない‥。だから‥」

 

 

「‥‥‥」

 

 

シノウの話を聞いたあと、美紀は驚きを隠せずにいて少しの間静寂な空気が流れていた‥。しかしある人物がそれを打ち破る。

 

 

 

「いてて‥、びっくりしたぁ‥」ガサガサ

 

 

「!?圭!!」

 

 

倒れていた本棚の隙間から圭が抜け出してきて、それを見た美紀、遅れてシノウが駆け寄る。

 

 

「怪我とか‥ない?」

 

 

「なんとか‥、うまいこと隙間があったからサンドイッチされずに済んだ‥、って‥あなたは‥?」

 

 

「‥シノウって呼んで‥、武闘派‥だったものよ‥」

 

 

 

「だった‥?」

 

 

シノウの言葉に疑問の表情を浮かべる圭、

 

 

「今は武闘派は降りた‥。先ほどね‥、今まではなんとか耐えれた‥。けど‥やっぱり私には無理‥」

 

 

「そう‥なんですか‥」

 

 

話しているシノウの表情はどこか寂しそうにしつつ辛そうな雰囲気が醸し出していた。そんな彼女を見て美紀がある提案をする。

 

 

「だったら‥私達のところへ来ませんか‥?」

 

 

「‥?いいの?」

 

 

「もっちろんです‥!きっと穏健派のみなさんも歓迎しますよ!優しいですし‥!」

 

 

「でも‥元武闘派の私なんかが‥」 

 

 

「そんな肩書き‥捨てちゃってください!1からスタートすればいいんです‥!」

 

 

今だに迷っているシノウを押すかのように圭も説得する。そんな二人の後押しを受けて彼女は決心した表情を見せる。

 

 

 

「‥‥ありがと‥。やっぱり‥ふたりとも優しいんだね‥♪」

 

 

「えへへ‥♪あっそういえば‥リセさんは?」キョロキョロ

 

 

「彼女なら‥寝てもらってる‥。安全と誤解を防ぐために‥」

 

 

「じゃあ起こしに‥、って‥そうだ!みんなは!?」

 

 

起こしに行こうとした圭だが、異変を察知してシノウにメンバーの安否を確認する。それをみて思い出したのかシノウが悪態をつく。

 

 

「マズイ‥、キャンパスにも‥武闘派の奴らが‥」

 

 

「だったら‥!早く止めないと‥!」

 

 

「だね!まずはリセさんを起こして‥確認しましょう!」

 

 

3人は急ぎ足でリセを起こしに向かいつつ、他の場所の状況を確認するために図書館をあとにするのであった。




図書館の戦闘で危機的状況になった美紀、圭、リセ
しかしシノウの裏切りによって事なきを得るのであった‥。
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