辺境の世界からSOS   作:銃病鉄

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前回投稿の後

さて、ゲームを進めよう
→? なんか、画面が真っ暗なんだけど
→コロニーが海に沈んでる……

と、あまりにエラーが頻発するので、正常なうちにずっと実プレイを進めていました。

区切りがついたので、これからは投稿頻度をあげていきたいです(願望)


5501年・春 「この子の名前は」

・宇宙歴5501年 春

 

 

「カサバルさーん。もうすぐ雪ダルマが完成ですぅ!」

 

 おお、がんばってるねぇ、バフィ。

 今日はせっかくの休日だから、二人で思いっきり遊ぼうね。

 

 ……………。

 

 あ、どうも。

 

 灼熱の砂漠から、雪の降り積もる大雪原まで。

 一糸まとわぬノーガードで生き抜く男。

 

 カサバルです。

 

『蛮族ですら防寒着を着ていたというのに、アナタときたら』

 

 俺から服を奪っておいて、ヌケヌケと。

 俺のこと“全裸セラピスト”って呼んでますけど、好きで全裸でいるわけじゃないんですからね。

 

『買うなり、作るなり、衣服ぐらい手に入るでしょう。全裸を卒業すれば、“着衣セラピスト”にランクアップしてさしあげますよ』 

 

 普通、セラピストは着衣してるんだよなぁ。

 

 とりあえず、服については焦らずにいこうかな、と。

 

『なぜですか?』

 

 それどころじゃないからですよ。

 

 食料は不足してるし、木材はカツカツだし、おまけに襲撃者がやって来るし。命の危険が山積みで、俺の尊厳なんて気にしてる余裕はないんです。

 

 特に、自衛手段の不足が深刻だ。

 いつまでも丸太で殴るだけじゃ、とうてい生き延びられないぞ。

 

『またトラップで撃退すればいいのでは?』

 

 それはダメです。

 

 トラップを作るのにも、けっこう木材が必要なんですよ。他の素材は建築に使いたいし。

 そして、焚火を起こすのに木材は必須です。

 

 襲撃のたびに木材を消費していたら、寒さをしのげなくなって、凍死します。

 

 どうせ、分かってて言ってるんでしょうけど。

 

『当然です』

 

 隙あらばデッドエンドへ誘導しようとしてくる。

 

 とにかく、トラップ以外の防衛手段もなんとか確保しないといけない。

 でも、そんなに都合よくいかないよなぁ。

 

 バフィは、何か考えはない?

 

 …………あれ?

 

 バフィ、どこに行ったんだろう。さっきまでそこで雪玉を転がしていたのに。

 

「カサバルさーん、大変ですぅ!」

 

 あ、いた。

 

 なんかすごく慌ててるけど……まさか、襲撃!?

 

「違いますぅ。実は、雪ダルマを作ってるうちに見つけたですけど」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「太古の遺跡があったですぅ!」

 

 太古の遺跡?

 

「すっごく昔の遺跡ですぅ」

 

 それぐらい、言われんでも分かる。

 

『宇宙開拓時代の遺物ですね。数千年の時を内包したタイムカプセル。現代では失われたテクノロジーの産物や、貴重な物資が眠っている可能性があります』

 

 よし、さっそく発掘しよう。

 

 今を生きる人間が活用してこそ、遺跡も報われるはずだ。

 

『ただ、防衛機構で守られているものがほとんどですね。代表的なものは、殺人メカノイドです』

 

 よし、見なかったことにしよう。

 やっぱり、歴史への敬意って大事。軽い気持ちで暴いていいものじゃないよね。

 

「まあ、それはどうでもいいですけど」

 

 いいんかい!

 

 じゃあ、なんでそんなに慌ててたの?

 

「えへへー。実は、そこで――」

 

  

 

【挿絵表示】

 

 

 

「こんなにかわいい動物を拾ったですぅ!」

 

 なにコイツ!?

 

 筋肉ムッキムキのウサギ………いや、イヌ?

 

『データ照合。間違いありません。フレンチブルドッグです』

 

 ダウト!

 

「カワイイですぅ。バフィ、飼ってもいいですよね」

 

 返してきなさい!

 

 そんな謎生物、拾ってきちゃダメでしょッ。

 

「えぇ! お願いですぅ。この子、とっても人なつっこいですぅ。ね?」

「グルルルルル……!」

 

 俺のこと、親の仇のごとく威嚇してるんですけど。

 

 とにかくダメと言ったら、ダメ。

 

 今の俺たちに、ペットを飼う余裕なんてありません。生き物の世話をするのは、大変なんだよ。

 

『ラクダを餓死させた男が言うと、説得力が違いますね』

 

 黙ってて。

 

「飼わせてもらえるなら、バフィのしっぽをモフモフさせてあげますよぉ?」

 

 ………。

 

 ……………。

 

 ダメ!

 

『かなり心が揺れてましたね』

 

 正直、前からめっちゃモフッてみたかった。

 

 だけど、ダメ。

 食べ物は少ないし、襲撃者への対策も考えないといけないし。

 ペットはあきらめなさい。

 

 だいたい、こんなにマッチョで、鋭い牙も生えてるし。

 いくらなついたといっても、飼えるわけが……。

 

 

 アレ?

 

 

 ひょっとしてコイツ、戦わせたらけっこう強いのでは?

 

「バフィ、旅をしてる時に見たことあるですぅ。しつけたらキャラバンの荷物を運んでくれますし、番犬代わりにもなってくれるですよ」

 

 さ、バフィ。

 この子は、今日からウチの子だよ。

 しっかり面倒見て、二人で大事にお世話しようね。

 

「やったですぅ!」

『戦力になると分かったとたん、この手のひら返し』

 

 あー、あー。聞こえなーい。

 

 

 

 

 

「お手ですぅ!」

「ワフ」

 

 おお、もうお手を覚えたのか。

 だいぶ賢いんだなぁ。

 

『それに加えて、ケモロリジャンキーの調教スキルが優秀なのです』

 

 そう言えば、キャラバンでは家畜の世話をしてたんだっけ。

 

 どれ、俺もやってみよう。

 

 お手。

 

「…………」

 

 シカト。

 

『完全に舐められてますね』

 

 なぜだ。俺だって、けっこう動物の扱いは得意なのに。

 

「カサバルさん。バフィ、野イチゴを取ってくるですぅ」

 

 あ、いってらっしゃい。

 

 しかし、これから飼う以上は、こんな調子じゃ困るな。

 どうしたものか。

 

『ひとまず、寝転がって腹をさらしてみるというのはどうでしょう』

 

 服従のポーズじゃん、ソレ。

 

 一応は、俺がネオ・サラゴサ町のトップなんですからね。

 仮に俺より上の存在がいるとしたら、それは虫さんたちだけです。

 

『虫の下にいるのを認められるなら、哺乳類ぐらいよいのでは?』

 

 思いついた。

 

 ひとまず、名前を考えよう。

 親しみを持って接したら、いつかはなついてくれるだろう。

 

 とすると、ポチ?

 

 いや、あまりにひねりがないな。そもそも、イヌのカテゴリーにいるかどうかも怪しい。

 

『フレンチブルドッグです』 

 

 それはもういいから。

 そのデータベース、明らかにバグが発生してますよ。

 

『バグなどありません』

 

 さて、イヌっぽくて、ウサギのようでもある。

 

 ふむ。

 

 

 

 

 

 ただいまですぅ。

 

『おかえりなさい。ずいぶんと早かったですね』

 

 あの子に会いたくて、がんばって仕事を終わらせたですぅ。

 バフィ、ずっとあの子の名前を考えてたんですよ。

 

 スノウか、グラス。でも、タイマもいいですぅ。

 どれにしようか、迷っちゃうですぅ。

 

『……それは、お気の毒に』

 

 ふぇ?

 

「あ、おかえりバフィ」

 

 あ、カサバルさん。

 

 聞いてください! あの子のことなんですけど。

 

「実は、俺からも話があるんだ。実は、バフィが戻るまでにあの子の名前を決めてね」

 

 え?

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「というわけで、この子は今日からウサイヌだよ」

 

 カ、カッ…………。

 

「カワイイでしょ?」

 

 カサバルさんのバカァ!!

 

「なんで!?」

 

 

 

 

 

 あれからバフィの機嫌がずっと悪い。

 

『自業自得かと。他の名前で呼んでも、もう反応しなくってしまいましたからね』

 

 えぇ。ウサイヌ、いいじゃないですか。

 

 外見の特徴をとらえた、ナイスな名前だと思うんだけど。

 

『アナタは、どうして自分の壊滅的なネーミングセンスに自信満々なのですか』

 

 とりあえず、ウサイヌの調教はバフィに任せていいな。

 俺は引き続き伐採と食料の調達をがんばろう。

 

『……待ってください』 

 

 どうしたんです?

 

『こちらに近づいてくる生命反応があります。十人以上です』

 

 しゅ、襲撃!?

 

『いえ、キャラバンでしょう。徒党を組んで襲う価値は、このウサギ小屋にはありません』

 

 ウサギ小屋、言うな。反論できないけど。

 

『来ました』

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 で、デカイ!

 

 すごい。俺の倍は身長がある。

 シカみたいな角も生えてる。あんな人工種族は、初めて見た。

 

『ヘラジカの遺伝子を組み合わされた種族、“ムース”です。そのため、寒冷地に適正があります』

 

 なるほど。砂漠では会わなかったわけだ。

 

 どーも、こんにちわー!

 

「あら、こんにちわ。どなたさんかしら?」

 

 初めまして。

 

 俺たちは、星くずサバイバーズ。

 数日前から、ここに拠点を構えています。

 

「そうなの? 普通の人間がこんな僻地にいるなんて、珍しいわね」

 

 やっぱり、人の住む環境じゃなかったんだ。

 

「ところで、一つ聞きたいんだけど」

 

 なんでしょう。

 

「アンタ、その恰好で寒くないの?」

 

 やっぱ、そこ気になりますよね。

 

 

 

 あの人たち、しばらく拠点の周りで休憩するみたいだ。

 寒さに強いって、いいなぁ。

 

 それにしても、改めて見ると、ホントに大きいな。

 

 ……あ、身長! 身長の話ね!

 

『衛星より撮影した画像を転送――本部コンピューターにより、全裸セラピストの目線を解析――胸部をガン見しています』

 

 どうして俺をおとしめるのに、そんな全力出すの? 暇なの?

 

『ところで、“ムッツリ全裸”』

 

 すみません。

 デリカシーの欠如は反省しますので、通称を変えないでください。

 

『北より、近づいてくる生命反応を確認。今度こそ、襲撃です』

 

 フ、フフフ。

 

 残念だったな、蛮族よ。

 俺たちは、以前の星くずサバイバーズではない。

 

 さあ、バフィ。

 

 今こそ、星くずサバイバーズの最高戦力、ウサイヌを放て!

 

「無理ですぅ!」

 

 え?

 

「まだ簡単な芸をしこんだだけで、戦闘はさせられないんですぅ」

 

 ウソだと言ってよ。

 

 マズイ! 今からトラップが間に合うか!?

 

 いや、拠点の周りにキャラバンの人たちがいるんだった。

 トラップに誘導する前に、襲われてしまう!

 

『ちょうどいいデコイがあって助かりましたね。さ、今の内に逃げましょう』

 

 この鬼畜ポンコツAI!

 

『ポンコツは取り消しなさい』

 

 やかましい。いや、そんなことより。

 

 皆さん、危険です!

 

 早く、俺たちの拠点に避難してくださいッ。襲撃者が、すぐそこまで――

 

「あら、どうしたの? そんなに慌てて」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「ごめんね。ちょっと今、襲ってきたチンピラをしめてたところなの。何かあったかしら?」

 

 ……。

 

 …………。

 

 イエ、ナンデモナイデス。

 

 

 

 びっくりするほど、つよい。

 

『強化された腕力がありますからね。普通の人間ぐらい、素手で八つ裂きにできますよ』

 

 ヒエ。

 

『それよりも、さっきのポンコツ呼ばわりを取り消しなさい。私は完璧無比の人工知能です』

 

 いやぁ。

 

 あの謎生物をフレンチブルドッグと言い張られた後で、それはキツイでしょ。

 

 正直、ネジの一本や二本外れてるんじゃないかと疑ってるぐらいです。

 

『キャラバンの皆さん。この全裸のモヤシが、さっきアナタたちのことを不埒な目で――』

 

 やめてください!




今回なついてきたのはMODの動物なのですが、バグって名前がフレンチブルドッグになってました。
そのあおりで人工知能のポンコツぶりが加速してます。
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