辺境の世界からSOS   作:銃病鉄

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5501年・冬 「2度目の冬と、来訪者」

・宇宙歴5501年 冬

 

 

「ドウモ。

 

 オソト、トテモ、ツメタイ。

 ソレニ、オナカ、ヘッタ。

 

 オレ、ゴハン、クウ。カサバル、デス」

 

 

 

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『久々の開幕メンタルブレイク』

 

 チュー……。

 ドンドン貴重な食料が減っていくのを、見ていることしかできないであります。無念であります。

 

「まあまあ、レモンちゃん。元気を出すですぅ」

 

 バフィ殿は、どうしてそんなに落ち着いているのでありますか。

 自分たちは、今ある食料で冬を越さなくてはいけないのでありますよ。こんな浪費が続いたら、し、死んでしまうのであります!

 

「これでも、余裕がある方ですぅ。去年は、もっとひどかったですから」

『あの時は、崖っぷちでしたからね。実際に餓死が発生しましたし』

 

 餓死!?

 

「やっぱり、心情のケアは大事ですぅ。なんとかしたいですけど」 

 

 自分、そっちの知識はないのであります。

 バフィ殿は?

 

「バフィも全然ですぅ」

『一応、そこで発狂している男が専門家のはずなのですが』 

 

 あっ。

 

「ウメー。ウメー」

 

 ダメでありますな、コレ。

 

 チュ? 今、遠くの方で音がしたような。

 

 

 

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「ポッド事故ですぅ」

 

 ポッド事故でありますな。

 隊長、どうするでありますか?

 

「オコメ、パクパク」

 

 そうでありました。今は、どうにもならないであります。

 

 ですが、好都合かもしれないであります。

 情に流される隊長のことでありますから、正気であれば助けようとするでしょう。そして、ますます食料を浪費していたのであります。

 

 多少は食料を蓄えているといっても、アクシデントなどいくらでも起こるのであります。哀れとは思いますが、自分たちも生きるか死ぬかの瀬戸際。

 戦友ならばともかく、あかの他人にそこまでする責任などないのであります。

 

 でしょう、バフィ殿?

 

「バフィ、助けに行ってくるですぅ。レモンちゃんは、薬草を用意しておいてほしいですぅ」

 

 ヂュ!?

 

『飛び出していってしまいましたね』

 

 隊長もバフィ殿も、甘すぎるであります!

 

『同意します。もっとロジカルな判断をするべきでしょうに』

 

 チュー……。

 

 もう、しかたないであります! 薬草を取ってくるであります!

 

『よろしいので?』

 

 よろしくないのでありますッ。

 

 ですが、派閥の方針である以上は、しかたないであります。

 思えば、自分が奴隷から解放されたのも、隊長たちが底抜けのお人よしだったから。こうなったら、軍人として、与えられた命令は絶対死守であります。

 

「戻ったですぅ」

 

 はい、薬草であります。バフィ殿、これで治療するのであります。

 

「え? バフィ、医術は知らないですぅ。レモンちゃん、できないですか?」

 

 自分は衛生兵ではなかったので。てっきり、バフィ殿がするものかと。

 

『この中で医術スキルが最も高いのは、そこの男ですね』

 

 あっ。

 

「コメ、ウマ」

 

 

 

 

 

 ふー。

 

 

 

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 いやー、俺が発狂している間にポッド事故が起きてたなんて。

 

 でも、2人で対応してくれたんだね。えらい。

 

「えへへー」

「恐縮であります」

 

 しかしこの人、よっぽどひどい事故にあったんだな。

 すごいうなされてる。

 

「……シテ。イッソ、コロ……シテ」

 

 ゴクリ。一体、どんな目にあったんだ。

 

『慌てた2人に薬草を口にギュウギュウ押し込まれ、窒息するところでした。他には、包帯で首を絞められたり、冷水をぶっかけられたり……』

 

 なんて?

 

「か、カサバルさん! バフィたち、新しくトイレを作ったですぅ!」

「不備がないか、確認してほしいであります!」

 

 ん、分かったよ。

 

 でも2人に医術の知識があったなんて、知らなかったよ。

 俺もお世話になるかもしれないなぁ。

 

『やめておきなさい。本当に』

 

 なんでさ。

 

「隊長。やはり、プロレベルの医術スキルを持った人が欲しいであります。自分たちでも簡単な応急処置はできますが、手当の質が低い場合、後遺症や感染症のリスクがあるのであります」

「ケガの他にも、病気の危険があるですぅ。インフルエンザやペストは、一度に何人も病気になっちゃうですぅ。できれば、お医者さんは何人かほしいですぅ」

 

 ムムム。

 

 たしかに。俺の医術スキルも、基本的な知識がある程度だからなぁ。

 でも本職の医者なんて、俺たちの仲間になってくれるだろうか。

 

「医者が無理なら、医薬品のクオリティで補うのであります。最先端医薬品ならば、素人でも最低限の質は保証されるのであります。」

 

 よし、その手でいこう。

 

『ちなみに、どれほどの資金があるので?』

 

 全財産、65シルバーです。足りる?

 

『寝言は寝て言いなさい』

 

 ウワーン! 

 

『おや?』

 

 グスッ。どうしたの、アイちゃん?

 

『生命反応あり。北から、何者かが接近しています』

 

 

 

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 なんだろ。襲撃でも、キャラバンでもなさそうだけど。

 

「あれは配達人さんですぅ」

 

 配達人? へー、RimWorldにもいるんだ。

 

「まいどー。ここがネオ……ぷふッ、ネオ・サラゴサ町で間違いないッスか?」

 

 はい、そうですよ。なんで半笑いなのか分からないけど。

 

『ヒント。ネーミングセンス』

 

 かっこいいだろ!

 

 ね、2人とも。

 

「……」

「……」

 

 どうして2人とも顔をそらすのさ。

 

「なんでもいいッスけど、お届け物ッス」

 

 届け物?

 

 

 

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 お、お金がたくさん!?

 

「近くの派閥の人たちから、合同で依頼されまして。なんか、貴重な食品をまとめて売ってもらったとか、倒れた仲間を助けてもらったとか」

 

 ああ、そんなこともあったな。

 インセクトゼリーを売ったり、虫さんたちに襲われたキャラバンを救助したり。

 

『そう言えば、武器をネコババしてましたね』

 

 ネコババ言うな。

 

『しかし、それだけで寄付を? にわかには信じがたいですね』

 

 はー、アイちゃん。

 人工知能には分からないかもしれないけど、人間には、助け合いの精神ってものがあるんだよ。困った人がいたら、リターンなんて求めないの。

 

「あ、それからメッセージも預かってるんスけど」

 

 はい、なんでしょう。

 

「えー、と。“ここ、交易路の真ん中にあって休憩するのに便利なんで、この金で拠点整備しといてね”とのことでした」

 

 めっちゃ打算が働いてた。

 

 

 

 

 

 ふーむ。

 

「隊長、悩みごとでありますか?」

 

 いや、悩んでるというほどのことじゃないんだけど。

 ネオ・サラゴサ町ってさ、ちょうど交易路の途中に位置してるって話じゃない。つまり、交通の便はいいってことでしょ。

 

「たしか、自分を連れていた奴隷商も、そんなことを口にしていたのであります」

 

 そのことを、なんとか活かせないものかと思ってて。

 

『なんにしろ、今は何もできる状況ではないでしょうに』

 

 分かってる、って。でも、このことは覚えておきたいな。

 

「それよりも、隊長。まだ建材が残っているであります。次は何を建てるか、指示をいただきたいであります」

 

 えー、どうしようかな。

 

「お風呂でありますか? 浴槽でありますか? それとも、オ・フ・ロ、でありますか?」

 

 一択やめなさい。

 

「ですが、入浴しないと清潔が保てないであります。死んでしまうであります!」

 

 死なない、死なない。

 

 とにかく、先に作らないといけないものがたくさんあるんだから。余裕ができてからね。

 

「ヂュー……。もし自分が病気で死ぬことになったら、いくら隊長が命の恩人といえど許さないであります。自慢の前歯で、心臓をえぐり取るのであります」

 

 風呂のためにそこまで!?

 

「そして、できた血の池で人生最後の入浴をするのであります」

 

 なんのサバトだよ!

 

「カサバルさーん!」

 

 あ、バフィ。

 

 ウサイヌと散歩してたんじゃないの?

 

「そうなんですけど、大変ですぅ。テナントを希望する人が来たんですぅ」

 

 マジで!?

 

 よし、今度こそは失敗しないように気をつけないと。

 

「ただ、その人の種族が……」

 

 今さら、種族なんて気にしないよ。えり好みしてる場合でもないし。

 それで、どんな人なの?

 

「ええ、と。あ、あの人ですぅ」

 

 

 

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「おじゃましまーす」

 

 いやぁああああ!?

 

 なんかドロドロしてるんですけど!?




「評価バーに色がついた +30」

今回出てきた配達人なのですが、プレイが進むごとに届く金額が多くなってサバイバルが楽になります。

ので、今後はフレバー程度に留めます(届いてもメイルボックスから回収しない)
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