辺境の世界からSOS   作:銃病鉄

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「人工知能による本部へのレポート No45」

 さて、とうとう我々の栄えある宇宙開拓プロジェクトが4年目に突入しました。

 

 これまで、RimWorldに降下した実験体たちは、様々な方向で生き残る道を模索してきました。既存の派閥の中に加わる者や自ら派閥を作る者、もしくはあえてソロで生き抜くという選択を取った者もいます。

 しかし、そのほとんどは襲撃に敗れ、病に倒れ、あるいは内部崩壊による自滅で命を落としました。

 

 そのような状況で、未だになぜか生き残っている生物がいます。

 このレポートでは、“5503年まで生き残っている実験体ダービー”において、単勝オッズ堂々の1位に輝いた全裸セラピスト。そして、彼の派閥である星くずサバイバーズについて報告いたします。

 

 星くずサバイバーズは、去年はメンバーを1人増やし、合計4人となりました。

 1年に1人追加という縛りプレイでもしているのでしょうか。全く人手不足が解消される様子がありませんね。

 

 彼らの拠点であるネオ・サラゴサ町は、この1年で大きく様変わりしました。

 大理石を贅沢に使用した寝室に、無駄にシッカリと作られた浴場。これらの生活基盤を得たことで、最大の課題であったメンタルブレイクの連発も解決の目途が立ってきました。

 

 半面、相応に増えた資産は襲撃の激化を招いています。これまで単独での襲撃が主でしたが、最近は複数人による襲撃が行われています。

 とうとう弓矢だけではなく、銃器も使われるようになりました。今後は襲撃の数と質も増していく一方でしょう。

 

 一応は拠点を覆う防壁を建てるなどの対策は行われていますが、現状、襲撃のたびに大きなダメージを負っています。高性能の火器やトラップなどの物資面が全く追いついていないのが要因ですね。

 現状、解決の糸口はつかめていません。

 

 それでは、メンバー個人の紹介に移ります。

 この1年のサバイバルでギリギリの綱渡りを行って来た者たちですが、それぞれのスキルの伸びに関しては明暗が分かれる結果となりました。

 

 

 

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 まずご紹介するのは、最も新しいメンバーであるスパロウです。バフィと同じクーリン種族の少女で、射撃と芸術に情熱を持ちます。

 特性の中では“可愛い”と“両性愛者”が目を引きますが、現状は特に人間関係に影響は出ていません。それよりも重要なのは、“小走り”と“禁欲”です。移動速度は作業の効率化につながりますし、禁欲によって劣悪な住居にもメンタルを削られません。

 

 実はかなりの逸材です。客観的に申しまして、こんなところにはもったいない人物と言えるでしょう。

 

 加入してまだ日が浅いですが、情熱を持つ射撃と芸術のスキルが大きく伸びています。

 

 射撃スキルを活かして、星くずサバイバーズの最大戦力として戦闘で活躍するのはもちろん、狩猟でも優れたハンターとして腕を振るっています。狩猟を任せられる彼女のおかげで、これまでほぼ全裸セラピスト頼りという不安極まりなかった食料確保も改善しました。

 

 そして、芸術スキルも特筆すべきでしょう。これまではインセクトゼリーの売買でしかまとまった資金を得られなかった星くずサバイバーズですが、将来的には芸術品で金策ができる可能性も出てきました。

 

 彼女の動向が今後のサバイバルを左右するかもしれません。

 

 

 

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 そして、大きくスキルが成長したのはレモンです。

 特に目を引くのが建築スキルです。ほぼ一年を通して防壁とネオ・サラゴサ町の建築を行った結果、もはや達人と呼べるほどのスキルを身に付けています。

 その他、1年前には頼りなかった射撃スキルも今では立派なプロレベルになりました。度重なる襲撃を撃退してきた経験のたまものです。防壁の建築と合わせて考えると、現状、最も星くずサバイバーズの防衛に貢献している人材です。

 

 昨年は大規模な寝室を建築、そして念願だった浴場も完成させ、居住環境の改善も着々と進めています。今年も、彼女がどのようなものを建てるのか、要注目ですね。

 

 ちなみに、スパロウ加入時はレモンの方が年上だったのですが、現在はレモンが年下になっています。互いの種族の平均寿命の違いから、レモンの方が先に成長速度が鈍化してしまった結果です。RimWorldならではの現象といえるでしょう。

 

 と、ここまでは大きなスキルの向上に成功した2人を紹介したのですが。全員がそのように上手くいくはずもなく。

 

 

 

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 こちらは星くずサバイバーズの研究担当、バフィです。

 

 彼女も襲撃者と戦い続けた結果、ほんのりと射撃スキルが上がっています。その他には動物、医術などのスキルがわずかに上達していますね。

 

 しかし、肝心の知力スキルの成長がいまいちとなっています。やはり、情熱を持っていない分野であることが足を引っ張っています。

 昨年は残念ながら、あまり活躍が目立たない1年となりました。一応、植樹の研究やケムルートにスノウビートなどの新作物の研究など、それなりの結果を残してはいるのですが。

 星くずサバイバーズの深刻な物資不足から、相応の設備が必要な研究成果はほとんど後回しにされています。せっかくのテクノロジーを活用する余裕がない悲しい現実ですね。

 

 彼女が大きな情熱を持っているのが動物と芸術なのですが、動物は食料事情から頭数を増やせず、芸術はスパロウが来たことで役割を取られ。おそらく当分は、このまま研究担当を続けることになるでしょう。

 

 一応、生活が一定水準まで進んだ現状、テクノロジーの重要性はより大きくなっています。彼女の研究が、星くずサバイバーズ躍進のきっかけとなる可能性はありますね。

 

 

 

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 そして大問題なのが、この二足歩行の哺乳類です。

 

 ご覧になっていただければ分かるでしょうが、栽培スキルが1年で全く成長していません。バフィとは違って大きな情熱を持っているにも関わらず、この体たらく。

 もはや無能の極み。目にするだけで回路が汚染される自堕落の化身と呼ぶほかにないでしょう。

 

 一応の擁護をするのなら、昨年は感染症を始めとしてインフルエンザ、カタトニーなどの症状に襲われ、ベッドで寝てばかりだったのも原因でしょう。ワタクシの価値も理解できない頭脳にふさわしい、粗末な免疫力であったようですね。

 

 かろうじて評価できるのは、料理スキルがプロレベルになったことくらいでしょうか。医術スキルも伸びてはいますが、まだまだ医者役を担うには力不足ですね。そもそも、いつも真っ先に倒れるこいつに医者などできるわけがありません。

 

 そして戦闘能力ですが、格闘スキルが多少はマシになったものの、あいも変わらず星くずサバイバーズ最弱です。襲撃のたびにボロボロになる姿は、なんとも滑稽ですね。

 

 また1年の生存に成功した星くずサバイバーズですが、昨年は医者の不在と労働力不足からの物資の枯渇という特に大きな弱点が露呈する内容となりました。この二つを克服しない限り、全滅を迎えるのは時間の問題でしょう。

 

 さて、スタッフの皆様。以上で、今回のレポートは終了です。

 

 外宇宙に我々の新天地を開拓するというプロジェクトは、数々のトラブルに阻まれながらも着実に進行しています。

 ただ、喜んでばかりもいられません。先月も、我々の研究施設の一つが秩序維持局の粛清部隊により壊滅。中央政府に潜り込んでいる我々のシンパから、直前に情報を得られたおかげで致命的な事態は避けられました。

 それでも、少なくないスタッフが志半ばで命を落とした事実は変わりません。

 

 実験体たちと同じように、我々にもタイムリミットは着々と迫っているのです。改めて、このプロジェクトを完遂するために、我々も覚悟と結束を新たにするべき時が来ています。 

 

 明日を迎えられる保証のない生活を送っているのは、決してRimWorldの住民たちだけではないのですから。

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