辺境の世界からSOS   作:銃病鉄

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さて、今日もプレイの方を進めよう
→もうすぐVer1.3にアップデート!?
→このままじゃ、このセーブデータが終わってしまう。

というわけで、大急ぎで実プレイを区切りがつくまで進めました。
できるだけ自分も結末が分からない状態で書くつもりだったのですが、ご了承ください。

あと、別件で後書きに謝罪文を書いております。


5500年・冬 「語り手とはなんぞや」

・宇宙歴5500年 冬

 

 

 釣れたですぅ!

 

『おや、二匹目の魚ですね。これで今夜の食事はまかなえそうです』

 

 でも、まだまだ釣りますよ。

 明日のことを考えたら、もっと釣っておきたいですから。

 

 ね、カサバルさん?

 

「…………」

 

 がんばるですぅ。

 

『アナタは、こんな状況でも楽しそうですね。食べるものもなく、生きるか死ぬかの瀬戸際だというのに』

 

 はい。

 変かもしれませんけど、楽しいですぅ!

 

 キャラバンにいた時はずっと旅をしてましたから、こんなにおんなじ場所で暮らしたことなんてなくて。

 なんて言うか、毎日同じベッドで眠る生活って、不思議でワクワクしますぅ。

 

 あの、カサバルさん。

 

「…………」

 

 一人ぼっちになっちゃった時は、バフィこれからどうなるのかと思ったですけど。

 ここに来たら、ベッドもお食事も用意してくれて。とても嬉しかったですぅ。

 バフィ、このサラゴサ町でがんばりますぅ!

 

「…………」

 

 カサバルさん?

 

「…………」

 

 きゃああ!

 

 カサバルさんが、カチコチになって気絶してますぅ!?

 

『まあ、氷点下の中、全裸で釣りをしていたらそうなりますね』

 

 

 

 

 

 どうも。

 

 真冬の浜辺で釣り糸を垂らしていたら、きれいなお花畑が見えました。

 

 カサバルです。

 

『外気温はマイナス10℃ですよ。新手の自殺ですか』

 

 だって、食べるものがないんだもの!

 作物は育たない、狩猟できる動物はいない、なら魚を釣るしかないじゃない!

 

『食料が尽きたのは、アナタが二倍の食料を消費しているからです』

 

 全部、寄生虫が悪いんだ。

 

 うぅ。釣りすらまともにできないなんて、自分が情けない。

 

「弱気になっちゃ、ダメですぅ」

 

 バフィ……。

 

「今は語り手さんの機嫌が悪いんですぅ。もう少ししたら、きっと良いことが起こりますよ」

 

 そうだね。

 こんなことであきらめてはいられない。俺は拠点の拡張をがんばるよ。

 

「じゃあ、また釣りに行ってきますぅ!」

 

 いってらっしゃーい。

 ホントに元気で、良い子だなぁ。オクスリさえ絡まなければ。

 

 ところで、さっき言ってた“語り手”って、何のことだろう?

 

『RimWorld独自の信仰――というよりは伝承ですね。良いことであれ悪いことであれ、世界で起こる物事は、語り手と呼ばれる超常的な存在が引き起こしているというものです』

 

 つまり、俺が熱波に苦しんだり寄生虫にかかったりしたのも、その語り手のせいってこと?

 

『そういうことです』

 

 へー、そう。

 

『全く信じていませんね』

 

 だって、そんなのいるわけないじゃない。迷信、迷信。

 

 RimWorldじゃ、そんなことが信じられているんですか?

 

『そうです。ただ、地域によっては語り手の名前や性質が異なりますが。

 

 バランス感覚に優れたカ■ンド■。

 気まぐれなラ■ディ。

 やや寛容なこともあるフェー■。

 

 この三人が主に信じられている語り手です。ただし、この地域に伝わる語り手は違います』

 

 どんな奴なんですか?

 

『不明です。名前すら分かりません。他の三人と比べて、データが乏しいのです』

 

 そうなんだ。

 

『ただ、海産物が非常に苦手で、ネコとアイスクリームが大好きで、離婚歴のある顔の長い中年男性としか』

 

 変なとこで具体的ッ。

 ただの好き嫌いが激しいオジサンでしょ、ソレ!

 

 アホらしい。そんな存在に人生を左右されてたまりますか。

 

『そんなことを言っていて良いのですか? 語り手をバカにすると、ひどいしっぺ返しを受けるらしいですよ?』

 

 かまいませんよ。

 語り手だかなんだか知りませんけど、やれるものならやってみろって話です。

 

 

 

 

 

・宇宙歴■■■■年 ■■

 

 

 ハッ!?

 

 あれ、俺は今まで何をしていたんだっけ?

 思い出せない。

 

『アナタは何を言っているのです。ならず者から、脅迫文が送られてきたところでしょう』 

 

 そうだったっけ? そうかも。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 襲われたくなければ金をよこせ、か。

 すごい、どストレートな脅迫。

 

『それで、渡すのですか?』

 

 もちろん拒否しますよ。

 なんたって、全財産かき集めても要求された金額には全く足りないからなぁ!

 

『堂々と情けないことを言わないでください』

 

 来るなら、来い。

 こっちには拳銃もあるし、一緒に戦う猛獣もいるんだ。そうそう負けるものか。

 

『猛獣(ラクダ)』

 

 うるさい。

 ゴクラクダは、いざという時には血も涙もない無慈悲な殺戮マシーンになるから。たぶん。

 

『来ましたよ、敵は一人です』

 

 よし、返り討ちにしてやる。 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 …………。

 

 ……………………。

 

『何度目をこすっても、そこにあるものは変わりませんよ』

 

 いや、この際、下半身が魚だってことはどうでもいいんです。

 それより、なんかすごくゴツくて物騒なシロモノを抱えていらっしゃるんですが。

 

『あれはガトリング銃ですね。それも実弾ではなく、より強力なパルスレーザーを撃ちだすものです』

 

 ガトリング!?

 

 今まで、ナイフやこん棒で襲ってきてたのに、いきなりガトリング!?

 

『これまでとは襲撃者の派閥が違うのです。アレは“ゼノオーカ”、獰猛なシャチの遺伝子を組み込んで作られた人工種族。屈強な肉体に高度なテクノロジーを持ち、血を見るのが大好きな生粋の戦闘種族です』

 

 そんな力があるなら、もっと物資のある場所に行ってよ!

 

『そんなことを言っているうちに、来ましたよ』

 

 や、やってやるぅ。

 

 出し惜しみはなしだ。ゴクラクダを突撃させて、後ろから援護する。バフィにも戦ってもらおう。

 

 くらえ!

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 ああ!?

 

 ウソでしょ、ゴクラクダがあっという間に殴り殺されたぁ!?

 

「こっちを撃とうとしてるですぅ!」

 

 バフィ、あぶな――

 

 

 ……………………。

 

 

 うぅ……。

 

 バフィ、どこだい? バフィだけでも逃げてくれ……。

 

「…………」

 

 そ、そんな。バフィまで……。

 

 イヤぁあああああああああ――

 

 

 

 

 

 

 

 ハッ!?

 

 バフィ、バフィー!

 

「ムニャ……、どうしたですぅ? まだ朝じゃないですぅ」

 

 無事だぁ!

 

『眠っている最中に突然に騒ぎだすとは。悪い夢でも見たのですか?』

 

 あ、あれは……夢?

 

『悪夢で騒ぎ出すとは、子供ですかアナタは』

「よしよし、怖くないですよぉ」

 

 やめて。頭なでないで。

 

 

 

 

 

 ふう。

 

『まだナーバスになっているのですか』

 

 だって、すごいリアルな夢だったんですよ。とてつもなく理不尽なバッドエンドを迎えて。

 

『語り手をバカにした罰かもしれませんね』

 

 ホントにそう思ってます?

 人工知能なのに。

 

『いいえ。ただ、アナタをいじるために言ってます』

 

 正直でよろしい。いつかタブレットを叩き割る。

 

 まあ、たしかに罰当たりなこと口にしたかも。今後はひかえよう。絶対に。

 バフィにも心配かけたし。

 

『八歳児にあやされる涙目の全裸男性という絵面は、見させられる側もキツいものがありました』

 

 なら触れないでよ!

 

 とにかく、あんな夢を見たおかげで、俺も覚悟が決まりましたよ。

 

『覚悟、ですか?』

 

 ここはRimWorld。襲撃も災害も、簡単に俺の命を奪うことができるんです。

 大事なのは、常に冷静であること。正常な判断力を失った時が、死ぬ時なんだ。

 

『そうですか』

 

 ん? バフィが大慌てで走ってくる。

 

「カサバルさーん、大変ですぅ!」

 

 さっそく事件か。

 

 バフィ。

 落ち着いて、状況を報告してほしい。

 

 何も怖がることはない。冷静に、クールに対応すれば、たいていなんとかなるものさ。

 

「頼もしいですぅ」

 

 でしょ。

 

 んで、何かあったの?

 

「北の方から、ニョロニョロした人が来ました。あれは襲撃ですぅ」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 …………ふえぇ。

 

「カ、カサバルさんが生まれたての小鹿みたいになったですぅ」

『どうして、今さら襲撃にそこまで怯えるのですか』

 

 い、いや。

 ちょっとトラウマが刺激されたというか。

 

 でも、大丈夫でしょ。あれ、ちょくちょくキャラバンで来るヘビの人じゃない。

 外見に反して、けっこうフレンドリーな人たちだったし。敵としてやって来ても、あんまり脅威じゃないでしょう。

 

『ずいぶんと楽観的ですね』

 

 だって、よく見たら武器も持ってないし。

 さすがに今さら素手でやって来る敵に負けるわけないよ。武器が必要ないほど強い、ってわけでもあるまいし。

 

『強いですよ』

 

 ……え?

 

『まず、彼女たちの牙には毒があり、何度も噛まれると死に至ります。さらに、硬いウロコで守られている尾は、強力な鈍器にもなります。それこそ、ヘタな武器を持つより、自分の身体で戦う方がよほど強い種族なのです』

 

 じゃ、じゃあ、遠距離から拳銃のヒットアンドアウェイで……。

 

『それも難しいですね。彼女たちの移動速度は、並の人間を大きく上回ります。初弾を外せば、あっという間に肉薄されるでしょう』

 

 勝てる気がしない。

 

 え、そんな危険種族が今までキャラバンで来てたの?

 

『彼女らは“ラックル”と呼ばれ、本来は温厚な種族なのです。ただ一部の過激派が他種族を襲い、物資を奪ったり、ペットという名の奴隷にしたりしています』

 

 そんなぁ……。

  

『大人しく降伏すれば、ペットにされるだけで済むかもしれませんよ。むしろ、餓死しかけている現状よりマシでは?』

 

 …………。

 

 それでも、やるしかないでしょう。

 一人だけだった時はともかく、今はバフィだっているんだ。俺が戦う前からあきらめてどうする。

 せめて、バフィが逃げる時間だけは稼がないと。

 

 かかってこい、相手になってやる!

 

『そうですか。彼女たちに飼われれば、アナタもある意味幸せに暮らせると思ったのですが。なにせ、極端に男性が少ない種族なので』

 

 

 …………。

 

 

 ……………………。

 

 

 かかってこい、相手になってやる!

 

『なんですか、今の間は』

 

 な、なにも変なこと考えてないんだからね。

 

「カサバルさーん」

 

 バフィ、違うからね!?

 

「何がですぅ?」

 

 ナンデモ、ナイデス。

 

 それよりも、いいかいバフィ。

 

 俺がゴクラクダと一緒に戦うから、バフィは後ろから援護を頼むよ。

 もし俺かゴクラクダがやられたら、その時は一人だけでも逃げるんだ。

 

「そのことなんですけど、さっきの人、全然こっちにこないですぅ」

 

 へ?

 

「こっちに来る途中で洞窟に入ったんですけど、全然出てこないんですぅ」

 

 洞窟…………。

 

 

 まさか!?

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 やっぱり虫さんに殺されてる。

 

『どうやら、この拠点までの最短ルートを通ろうとして、虫の巣に突っ込んでしまったようですね』

 

 た、助かった。

 なんか既視感のある光景だけど、最悪の事態は回避できたぞ。

 

「あぅ。あの人、死んじゃったですぅ?」

 

 ……そうだよ。

 

 また夜になったら、俺が遺体を運んでくるよ。朝になったら、お墓を掘って埋葬しよう。

 バフィも手伝ってくれるかい?

 

「はい!」

 

 それじゃ、いつもの作業に戻ろうか。

 

「あの、バフィ、一つ質問があるんですけど」

 

 どうしたの?

 

「どうして、ニョロニョロの人たちに男の人が少なかったら、ペットのカサバルさんが幸せになれるですぅ?」

 

 聞かれてたぁ!?




えー、というわけで。

すみません。普通に全滅しました。

ただ言い訳するなら、あのガトリング持った襲撃者はModで追加される終盤用の敵で、普通はゲーム内で5年ほど経過してから襲ってくるんです。
それが、襲撃イベントを追加する別Modのせいで、こんな序盤から襲ってきたわけで……。

つまり、何が言いたいかと言うと。

今回だけは夢オチで見逃してください。何でもしますから!
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