鎮守の森~元祖異世界時代劇~   作:仲村大輝

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この話はスピード感が大事なのですが、どうすりゃスピード感が出ますかね?



銀次とカジカ、ヤマメの本当の姿

僕は走る。

泥だらけになりながら畦道を走る。

 

カジカさんの声が頭を反響する。

「私は〜大丈夫だから〜」

 

僕は走る!畑、田んぼ、荒地、畑、荒地、畑、荒地

 

カジカさんの声が頭を反響する。

「男の人は〜殺されるかもしれないけど〜私は女だし〜…」

 

僕は走る。

下宮地、上野町、熊木、野坂

 

カジカさんの声が頭を反響する、。

「ネブッチョウと〜、オーサキの〜力なら〜、普通の人と対抗出来そうだし〜」

 

僕は走る。

羊山、現代では羊山と呼ばれた低い山の急な峠のところまで来た。ここを上がれば、現代なら芝桜の花畑があるはずだ。

 

ついさっきの会話が頭を反響する。

「私は〜大丈夫だから〜」

「大丈夫じゃない!カジカ。お前はなにか悟ってる。俺たちが考えれないなにか無謀なことに気がついてる。それはなんだ!話してくれ。」

「うーん…私は〜別にぃ〜、なにか分かっているのかも分かってないよ〜。ただぁ〜もうこの世界で生きるのが〜分かっちゃだだけ〜」

「この世界の…」

「生き方が…」

「分かった…」

「つまり…カジカは、母さんから生まれたけど、ハハソと同じで…未来から…」

僕は走る。

誰かに見られていることもわからず走る。

 

さっきの光景が頭を反響する。

まさに脳裡に張り付いている。

「ニャハハハハ!秘密を破棄したニャー!」

猫が喋った。すると、カジカさんに飛びかかった。

銀次さんはカジカさんを守る。僕はとっさにオーサキの進路を妨害する。

オーサキの爪が僕をえぐる。

なんてことはない。すぐに修復してしまう。

「なるほど。そういうことか…」

急に違う人の声がした。とっさに、声がした敷地の入り口の方を見る。

人間と、牛のような角をした上裸の人型ゴリゴリマッチョが立っていた。

「つまり、この家の方…そちらの猫にひっかかれた方が、虹色の霧をお吸いになられた方ですか。」

「鋼太郎さん…待ってくださいこれは…」

「あっ!お待ちを。銀次さん。オラは、宮地を守る立場です。いま惣宮地は宗教戦争に巻き込まれる瀬戸際です。仏教、神道、どちらかが覇権を取る。これが勃発して、仏教は実力で、神道はまだ動いてない。薗田は宝探し。斎藤の法藩は妙見宮に行っている。新井の徳栄はビビってたし、そうなったら対処出来るのはオラしかいない。これは、どちらかに加担しなければ人間が死に絶えます。ただ、こちらの方に逆らって我々が生き残れる自信がありますか?普通の人間ならこのようなものを目の前にしたら命を乞います。ですから、私は仏教に味方することにしたんだ。」

「…そなた、宮地の責任者だと言ったな。」

オオカミが指を指す。

「それは、仏教の使いでも仏でもない。なにか違う化物だ。」

「!?なにを言う。言葉を慎め!お前は何者だ?」

鋼太郎が狼狽する。

「この世にあるのが神と仏のみだと思うな!それは神でも仏でもないぞ!」

オオカミは脇差をその連れに投げた。

眉間に当たる。身体が反り返る。

その時、その連れの口が開いた。そして、大声を出した。

字で書くと、

「キェー!」

という高い声だった。

困った鋼太郎は数歩後ろに下がり、連れから離れた。

「このままだと、誰かに気づかれる。」

オオカミがミノを着込み、消えようとする。

その時、バタン!と銀次さんが倒れた。

「どうした?」

僕は叫ぶ。

「うわー!聞いたらまずい!」

耳を押さえ、大声を出す。

「銀次さん!」

「兄さん!」

カジカさんも思わず早口で喋る。

僕とカジカさんは駆け寄るが、のたうちまわって話にならない、

相変わらず、連れは「キェー!」と叫んでいる。

「か…カジカ…ハハソ、俺が…正体に戻って、正気を失う前に早く…逃げろ…」

すると、身体から鳥の羽のような毛が背中きら腕にかけて生えてきた。

僕はまた動けずにいた。

「ぎ、銀次さ…」

「ハハソくん!」

銀次さんは寝た状態で膝を抱えていたが、その足を蹴り出してきた。

銀次さんは猛禽類のかぎ爪のような足になっていた。蹴られるスピードで、後ろに引っ張られた。

理性と闘っているのか、銀次さんは起き上がろうとしたり、また倒れたりしている。

首根っこを掴まれているので、後ろを振り向くと、カジカさんだった。しかし様子がおかしい。

白い肌に歌舞伎役者のような隈取りに似た黒い模様が入り、赤い髪から猫の耳が生えている。

「大丈夫かニャ〜。」

カジカさんみたいな猫みたいな蛇みたいな人は言った。

「えっ?…カジカさん?オーサキ?」

「あっ!カジカ姉さん。変身したの。」

押入れの中にヤマメさんが入ってる。

「ニャハハハハ!小娘」自分で頭をひっ叩いた。

「ニャかった。我が妹よ〜。変身じゃニャく、変体にゃ〜。」

「この作者、そうやって約束守ったつもりかよー。じゃあ、私も暴れされてもらおうかな〜。」

そう言ってヤマメさんは、なにか咥えると、「ピー!」と吹いた。

すると、家財道具や家具が一斉に動き出した。

「ニャハハハハ!ニャく年使われた付喪神ニャー!これで…グハっ!?…」

首根っこを掴まれているので、僕も押入れの方にカジカさんと吹っ飛ばされた。

さっきの連れが叫ぶのを辞めてこちらに来て、カジカさんをぶん殴ったのだ。

ヤマメさんは、押入れを一瞬開けて二人が飛び込むと、また締めた。

外では銀次と銀次の正体、連れと付喪神が闘っている。

「オオカミ様はどこに?」

「隠れ蓑を着たのはいいけど、見えないからね。だけど、さっき、脇差はあの牛の首元に刺さったり、足に刺さったりしてたよ。」

「じゃあ、見えないなりに闘ってくれているんだ。じゃあ、助けないと…」

「ニャハハハハ!ハハソ。おミャーはそんなことをーしてる場合じゃニャいにゃ〜。二人は早く隠れないと、また殺されてしまうにゃ〜。」

「だけど、みなさんを置いては…」

「ハハソくん。この家の中で秘密がない人はいないんだよ。銀次兄さんもそうだし。だから、」

押入れが開き、光が差し込む。

銀次さんが立っている。

しかし、人間の要素はほとんどない。ほぼ羽毛でおおわれてしまっている。

「君は自由に、行きたいように生きて。この世界で死んじゃだめだよ。」

カジカさんはそういうと、銀次さんに体当たりしていった。

ネブッチョウの力を受けているためか、銀次さんは後ろに吹っ飛ばされた。

その時、銅三さんが、右腕を伸ばして、僕を掴むと、家の外に出した。

「ハハソさん。ここはもうダメです。鋼太郎さんが助けを呼びに行ってしまったし、虚空蔵様のほうから、お坊さんもたくさん来ています。当初の計画通り、ハハソさんは三沢へ。」

銅三さんの左腕に銀次さんが飛びつく。

「兄さん!?今はやめてくれ!」

そう言いながら、左腕を地面に擦らせ、剥がそうとした。

「…僕のせいじゃないか?」

「えっ?」

「冷静に考えてみたら、僕があの箱を拾ったからこうなっているんじゃないか?」

「…そうですね。」

左腕を裏拳よろしく降り、銀次さんを引き剥がし、左脚で踏みつけた。

「だけど、そうに考えてもどうにもなりません。今は一人でも、一秒でも長く生き残るのが先決です。」

「銅三!」

屋根から声がする。

屋根に、ミノを脱いだオオカミと、近くに鈴が浮いている。

「あの連れは、脇差が効いた。もう動けまい。君の兄は?」

「ここは、俺たちきょうだいでなんとかします。オオカミ様は妙見山へ。」

「俺も……分かった。」

なにか言いかけたが、銅三さんにオオカミは従った。

そして、ミノを着込むと、鈴とものすごい勢いで走り出していった。

「ハハソさんもはやく!」

「…いや、ぼくの力で、銀次さんを…」

「ハハソさん!」

銅三さんが僕を目の前に持ってくる。

「何度も言いますが、この事態を招いたのはあなたというのは紛れもない事実です。しかし、いまのあなたに何ができますか!?鋼太郎さんは仏教に味方する。虚空蔵様からもお坊さんが来る。兄さんは手がつけられない。

この状況であなたが出来るのは、生き残って、事態を丸く収めることでしょう?神道か、仏教かどっちが正しいのかさえ今は分かりません。ただ…」

ここで、銀次さんが銅三さんの足から抜け出し、銅三さんの足を駆け上り顔面に襲い掛かった。

「ギャ!」

と言いつつも、銅三さんは銀次さんを引き剥がす。

「兄貴!少し待ってくれ!」

引っ掻かれたのか、顔から血が出ている。

「ハハソさん。今ここで誰も死ぬ必要はないと思いますよ。」

そういうと、銅三さんは、石切りの要領で僕を南の方向に投げた。

超低空で、まさに風を斬り、飛んでいった。

「銅三さぁぁぁぁぁ…」

「あの状況で俺の名前が呼べるのか…さすが神の力だな。」

「ニャハハハハ!銅三!」

右肩にオーサキ化したカジカ姉さんが乗る。

「どうした?姉さん。」

「虚空蔵様からのお坊さんがそろそろ到着するニャ。銀次兄さんを元に戻してもらえるニャ。」

「そうか。なら…えっ?」

左腕を見る。すると、左手がなくなっていた。

「あれ?俺の手が?…銀次兄さんは?あっあっ?あれ?」

左足の感覚がなくなり、転倒した。

なにが起こってる?

「ギャー!」

カジカ姉さんが叫ぶ。右肩を見る。しかし、いなくなっている。

しかも、右肩から血が吹き出している。

「なにが起こってる?お、お坊さん方!?今なにが起こってるのでしょうか?」

「我昔所造諸悪業」

「お、お経…お、お坊様…どうか…」

ドサン!

「なんの音だ?」

目の前に血だらけになったカジカ姉さんが倒れている。

「姉さん!…はっ!」

空を見る。

太陽を背にして、銀次が銅三に急降下する。

「お経じゃなく…助けて…あぁ…そうか、あのお経は『自分の罪を償え!』的なお経だったよな…」

カジカの血をまとった銀次が緋色の弾丸よろしく、銅三の首元に飛び込み、血の大輪の花、桜というよりラフレシアのようなどす黒い赤い花が銅三の首元に咲いた。

 

僕は走る。

「うわー!…僕の…僕のせいだ!…僕が、あの箱を拾って開けたもんだから…!」

ぶん投げられて、しばらく空中を飛んでいたがいつの間にか地面を走っていた。

「僕がそんなことしなければ、カジカさんはあんなことを言わなくて済んだのに!」

現代なら、羊山の芝桜の丘に抜ける急な峠を走る。

本来なら、普通に歩いていても2回ぐらい休憩を挟むであろうこの勾配である。

いくら、体が強化されているとは言え、今、考えれば考えるほど、自分のした行いか今の現状を引き起こしていると考えてしまっている自分にはどうしょうもないという考えが浮かぶ。

そんな彼はついに、峠の真ん中で倒れた。

「いて…」

右腕を見る。

擦りむけて、土と血が混ざっている。

しかし、じっと見ているとみるみるうちに血がかさぶたになった。

パッと左手で払うと、土とかさぶたが取れて、綺麗な腕に戻った。

「…ということは、死のうと思っても死ねないんじゃないか?」

思いっきり、地面を叩く。

地面が凹む。

拳を見る。拳の指が本来曲がってはいけない方向に曲がる。しかし、ほっておけば治る。

拳を見ながら僕は言う。

「誰か…僕を殺してくれ!」

「お望みとあらば。」

はっ!と前を見る。

山肌にびっしりと木が生えているところに、一筋の道があり、昼もうっそうとしているこの場所に、いつの間にか人がいた。

いや、あれは人ではなかった。

多聞天のような格好をしていたからだ。

今度は、目を細めてこちらを見ていた。

「俺は持国天。多聞天から聞いたよ。やはり、願うことは必要なことだ。今の状態なら、神の力を持っていても…」

ここで僕は土を掴んで投げた。

砂埃のようになってしまいどうになったか分からなかったが、

「君をあの世に送ってあげるよ。」

どうにもならないことは察知した。

持国天は僕の前髪の上に着地していた。

「うわ!」

虫を払うように手を頭の上でバタバタと動かす。

「遅い。」

後ろから声!

パッ!と後ろを振り向くが誰もいない。

次に足を掴まれた感覚があった。

下を見る。

すると持国天は、頭と腕を地表に出して砂浜よろしく、全ての体が地面に入っていた。

「さぁ。君のような反逆者は地獄に行きましょう。」

視界の下の方から明かりがなくなり、真っ暗闇になった。




銀次と銅三の戦いはスピードが命なのですがスピード出てましたか?
それと、二人の戦いで不自然な場所があったと思いますが大丈夫です。回収します。
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