鎮守の森~元祖異世界時代劇~   作:仲村大輝

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ここより、もっと過去に戻ります。
「異世界は自分で時代設定出来るから気にしなくて良いよ。」とか言われましたがとても苦しかったときです。


カジカ落ちる・銅三山にかえる[過去編]

どこか速い勢いで飛んでいるようだった。

カジカさんと一緒に。

ただ、どこかで滑り落ちたようだった。

僕はしっかり持っていたはずだったが、フッと持っていた風船の空気が抜けたかのように圧がなくなったのだ。

「カジカさん!…どうしてそんなに何回も生きることをやめようと…どうして僕からいなくなろうとするんですか!なんでですか!」

そう言いながら、上半身を起こす。

そこは沢が流れる小さな渓谷だった。

銅三さんの身体が渓谷にすっぽりハマっている。

銅三さんはまだ寝ている。

銅三さんの頭に沢が流れて、身体中を改めて流れる沢になっている。

「カジカさんは?」

左手を見る。

カジカさんの腕を握っていた。

クチバシを頭の上に引き上げて周りを見た。

しかし。どこにもいない。

「どこ行っちゃったんだろう?」

僕はとりあえず銅三さんから降りた。降りて振り返った瞬間、銅三さんから木が生えてきた。

「なに!?」

みるみるうちに木は成長した。となりのトトロのメイとさつきの夢の中でトトロが一晩で森を造ったときのように。しかし、僕の目にはもののけ姫のオコトヌシが祟り神になるシーンにしか思えなかった。

「銅三さん!起きて!身体から木が!」

「カジカさん!銅三さんから木が!返事してください!カジカさん!銅三さんから木が生えているんです!カジカさん!返事してください!」

脳内に響くように、イヤホンから声が流れてくるようにと言った方が近いかな?こんな声が聞こえた。

「この世界での活動時間は、30日。」

『30日』だけ、オオカミの声がした。

身体が森になった銅三さん。

行方が不明なカジカさん。

そしてここはどこか分からない。

だけど、カジカさんや銅三さんに改めて会えたこと。

銀次さんの爪を食らったとき、死ぬほど怖かったこと。

また、腕がもげたこと。

感情がグチャグチャになったので、

なので、少し泣くことにした。

「おい!そんなところで、なんで泣いてるんだい?」

だれかに後ろから話しかけられた。

振り向くと、見たことある顔があった。

「…新井!?…新井か?」

「なんだい?君は?」

そこに、見たことある同級生がいた。

いや、僕の知っている同級生ではないが、非常に似ていた。

多分ご先祖だろう…

しかし、異様な格好をしている。

獣の毛皮を着込み、ミノを着ているが、すげ笠を手に持ち、マスクのような布を顎の下まで引っ張っている。

そして雨傘のような持ち手がグルンとした剣をさしているらしい。ミノから見え隠れしている。

「アライ?そんな名前じゃないが、オレはジュゲムと言う。君は?」

「…そうか、苗字はないのか。僕は、ハハソと言います。」

「なんで泣いていたんだ?」

「こ…ジュゲムさん。実は、この森は巨人でして…」

「ああ、分かるよ。ここに温かいお湯の出る沢があったんだ。だけど、急に水量が減ったんで見にきたんだ。」

「申し訳ないです…」

「いいやいいよ。温かい水だと作物も育たないんだ。」

「…人の傷は?」

「傷?やった試しないな…やってみるよ。」

「あの…巨人は大丈夫なんでしょうか?」

「巨人が森になるってのは、結構ある話で、ある程度傷が回復したらまた巨人に戻るらしいぞ。ただ、森の木が切られたりすると遅くなるらしい。」

「…わかりました。」

なんと、森になるのは巨人の治療らしい。

ただ、言葉が気になる。

巨人が森になるのは結構ある話?

ということは…

「…今って、オオカミ様はなにをしておいでですか?」

「オオカミ?秩父神社のか?」

「はっ、はい。」

「オオカミは、外から来た謎の集団から宝登山を助けるため、美の山に布陣してるじゃないか。」

「外の敵と戦うために?」

「たしか…仏教とか言ったが…」




進撃の巨人の壁の秘密で思いついたのですが、
「実は、秩父は巨人が手を繋いで壁でなく盆地をつくっていて、始祖の巨人を待っているのでは?」と思い書きました。(そうだったら面白いなあと思いまして…)
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