鎮守の森~元祖異世界時代劇~   作:仲村大輝

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前回とこの回は、もののけ姫みたいで書いてて楽しいです。
究極のことを言うと、異世界モノだから自由があるとはいえ、郷土史に興味がある身としては、歴史をひん曲げているようでとても書きにくいものです。



諏訪城の決戦

諏訪城は、荒川と横瀬川の合流点にあり、河岸は崖となっておる天然の要害であり、土塁や空堀で囲まれた城であった。

そんな城を馬鹿正直に、荒川と、横瀬川を渡り、崖をよじ登る作戦で、仏教軍(実は、威羅夢教祖没後、禿頭二人が布教というか嘘の広報を行い、狂信者、半グレ、注意人物を合わせた、仏教や威羅夢の教えなど守ってる人のいないただのテロリスト集団となってしまっていたのである。)が攻めたのは次の日であった。

仏教軍大半が川に入り、頭の上に竹の束をヘルメットのようにしているから、矢が貫通しない。

しかし、謎なのが矢だけじゃなく、竹竿のような物まで落ちてきている。

竹槍でも投げているのだろうか?

城側が大ピンチになったと思われた時、横瀬川側から雄叫びと轟音が響いた。

急に横瀬川の水が増水し、鉄砲水となって押し寄せたのだ。

あっと言う間に全員流されていった。

城の崖を半分以上登った者が何人か助かったが、横瀬川側が大半流された。

普通なら撤退だが、禿頭はそれを命じなかった。

それどころか、そのまま攻めろ!と言っている。

残された人々がまた登る。

すると、さっきまで矢が降っていたが今度は水が降ってきた。

黒い水だ。

ヌルヌルしている。

兵士たちはハッ!とした。急いで逃げようとしたが、なんと荒川も水が黒く濁っている。

「射よ!」

女性の声が響いた。

すると天空に火矢が上がった。

それが黒い水に次々着弾。

竹にも着弾する。

するとどうだ。火が黒い水を走り、竹が次々に爆発し、荒川側は火炎地獄と化した。

人々が救いを求める叫び声をあげる。ただ、誰も助けない。助けようがない。

黒い水は油で、竹の中には火薬が満載されているのだ。

横瀬川の濁流と、荒川の炎でまさに諏訪城は地獄絵図のようになった。

この時間。まさに30分ほどの出来事であった。

「ふふふふ。稲荷さんと、ハハソくん。冗談で言ったつもりだったのに本当にやるなんて…」

本丸にある諏訪神社で甲冑を着込み笑う女性。

オオカミ正妻 お諏訪様であった。

この10時間ほど前。人家がないとされていた場所で謎の矢雨攻撃を受けた稲荷とハハソはどうしたのかというとこうだ。

「この鉄砲堰は、みなさんが?」

「そうです。」

「では、矢は?」

「それもお諏訪様の作戦です。」

「………。」

「………。」

思わずハハソと稲荷は顔を見合わせた。

目の前に見せられたのは、川全部を堰き止めるダム。そして、備え付けられた弓。

ただの弓でない。弦に綱が引いてあり、滑車で巻き上げ、十何本の矢を何倍もの飛距離を稼げるように改良された弓が十機取り付けられていた。

「…お妙様のほうが恐ろしい方だと思っていましたが。」

「お諏訪様の方が恐ろしい方のようですね。」

「あの方は、追い詰めることに関してはとことんです。どんな相手も逃げ切れません。」

「そ、そうですね。」

「それと、人を読む力もあるようだ。」

「はぁ?」

「実はですね。お諏訪様から手紙を預かってまして…」

現場監督が懐から手紙を出す。

「それには、今日の午後、お妙のフクロウが一斉に宮地に飛ぶはずだから、飛んだら、敵が来た合図だから、矢を川下に向かって撃ちまくれ。それと、それに追われている味方がいるはずだから、頭をさげろと言いながら撃つようにと。言われていました。」

「……。」

「……。」

二人とも考えるのを辞めた。

この人はもうどうなるか全て分かってる。そして、言っても言わなくても、なにか手を打っていると嫌と言うほど感じていた。

「そして、その追われている方に渡してほしいと言われた手紙です。どうぞ。」

といって、手紙を差し出したので、稲荷が受け取った。

「…わかりやすく言うと、どちらかが、諏訪城の近くに潜んで、敵が川を渡り出したら、知らせるために走って、知らせが来たら堰を決壊させるそうだ。」

「なんで敵が川から諏訪城を攻めることが分かるんですか?」

「それは分からん。ただ、これが出来なければお諏訪様が…」

「いや、その心配もないそうです。」

「なに?」

「ひょっとすると、その2名、途中で殺される可能性が十分あるので、はなから重要度はそんなに高くないそうです。」

「じゃ…じゃあ堰なんかつくるのは重労働じゃないですか!」

「本隊やフクロウが撤退しやすいようにするためです。」

「………完敗だ。お諏訪様の言う通りにします。」

神様が人間に敬語を使った。

「では。我々はこれで。」

「うん?諏訪城に戻るのか?」

「いえ。我々は三沢の人間なので、どうなったのか確認しに…こちらの方が得意だし、お二人が早くくれば早く帰って良いと言われたので志願したのです。」

「…みなさんはなんでも知っているんですね。」

「我々は知りません。お諏訪様が全て知っているんです。知らないことまで知っています。」

羽川翼というより、臥煙伊豆子だった…

早々に、三沢の人々は引き上げ、じゃんけんで稲荷様が偵察。僕が堰を決壊させる役になった。

そして、25分ほど前。

僕は堰の上で稲荷様を待っていた。

後ろを向くと、水が満杯になっていた。

すると稲荷様が狐の姿で全速力で帰ってきた。

「せぇーの!」

僕は堰を止めてある棒を引き倒す。すると、一部が壊れて水が我先と出て行く。

しかしここで問題が起きた。

あまりにも勢いよく出るもんだから、壊れる予定じゃない部分まで軋んで、一瞬で木っ端微塵になり、僕も流された。

水水泥水水石水水水岩水水木魚水水水泥木石水水泥水石石岩石水水泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥木木木木木石木石木泥泥泥泥木石水水泥水水石水水水岩水水木魚水水水泥木石水水泥水石石岩石水水泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥木木木木木石木石木泥泥泥泥木石水水泥水水石水水水岩水水木魚水水水泥木石水水泥水石石岩石水水泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥木木木木木石木石木泥泥泥泥木石水水泥水水石水水水岩水水木魚水水水泥木石水水泥水石石岩石水水泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥木木木木木石木石木泥泥泥泥木石水水泥水水石水水水岩水水木魚水水水泥木石水水泥水石石岩石水水泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥木木木木木石木石木泥泥泥泥木石水水泥水水石水水水岩水水木魚水水水泥木石水水泥水石石岩石水水泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥泥木木木木木石木石木泥という感じで流された。

「なにやってんだよ!」

なんとか稲荷様に引っ張り上げてもらったが、また色々神力を使ってしまった。

「あのつっかえ棒はもっと綱を伸ばしてやらないと、危ないだろ!」

稲荷様におぶられて諏訪城に行ったそうだが、怒られながら僕は眠ってしまった。地味に力を使いすぎたようだ…

 

タイムリミットまであと19日

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