(ぶっちゃけ、全然被害が出てないです。)
朝靄がかかり、太陽が上がる直前。諏訪城に太鼓が響き渡った。
それを待っていましたとばかりに、禿頭が率いる、仏教徒とも呼べない、独自宗教を信仰することになった仏教徒たちが二の丸、三の丸を超えて、本丸に押し寄せた。
昨日の回想
「実は、ハハソくんの名義で敵に手紙を出していたんだ。『実はお諏訪はめちゃくちゃ厳しく、このままだと大宮郷の人々も困っているから仏教に参加したい。ただ、お諏訪はとても強いので、寝込みを襲います。そして太鼓を打ちますから、攻め込んでください。』って手紙を書いた。ごめん!だから、君は太鼓を叩く必要があるの…もっと言うと、さっきの退却も『もし信じてくれないようなら、二の丸、三の丸を捨てる撤退をだして見せましょう。』とも言ってあったから、信じてるはずだよ。」
「………。一応やる気ですけど、僕がやらないって言ったらどうしたんですか?」
「君の性格ならやらないって言わない。だから、この作戦を立てた。」
この女性…どうして後世に名前が残らなかったのだろうか…
「ハハソ!どこだ!我々の良き理解者よ!どこだ!」
諏訪神社を壊しながら僕を探す司令官らしい人々がいる。
「ここです!」
「おぉ!はっきり我々もあまり信用してはいなかったがここまでやってくれるとは…感謝する。」
禿…である…しかし、武装して、まるであの四天王のような格好をしている。顔に傷があるのか、木の面をしている。
「で、どこに諏訪姫はいる?」
「諏訪城の納屋に隠してあります。なにせ太鼓まで引っ張ってくると暴れられて大変ですから…」
「よし!行くぞ!」
家来たちを連れて裏に走っていった。
僕は、諏訪神社に入り、床を剥がし、伸びている導火線に火をつけた。
昨日の回想
「それで、敵を引き込んだら、床下の導火線に火をつける。」
「だけど、納屋に行ってれば、爆発は届かないんじゃ?」
「大丈夫。諏訪神社の下には巨大な空間があって、火薬が満タンの竹だけじゃなく、酸素、水素、天然ガス、油を詰めた竹があって、地下道にもありったけの爆発物を詰めてあるから。導火線に点火したら15秒で爆発する。」
「僕は、どうなるのでしょう?」
「君のその服、フクロウのだよね?それ使える?」
ジャラ…たしかに、銀次さんから逃げるのにあんだけのスピードは出た。
だけどもう一度出せるかは…
御神体の代わりに銀次さんの服が入っている。
点火させてすぐその服を羽織り、天井裏に上がる。
ここで10秒
昨日の回想
「大丈夫。そんなこともあろうかと天井裏に人が飛ばせるほど大きい弓矢を置いといたから。それに乗って脱出しなよ。」
弓矢というより、ゴムパッチンだが、僕はそれに乗ると、ストッパーになっている綱を切った。
「おい!ハハソ!どこだ?」
下から声が聞こえた刹那、僕は天井を突き破り、天空に打ち上がった。
そして後ろから巨大な爆発音と地鳴り音。仏教徒たちの叫び声も聞こえる。
昨日の回想
「そもそもら、なんで僕なんですか?」
「私と、日御碕だとその場で殺される。カジカさんはもう裏切ってるからダメ、天神はネズミのままなら15秒じゃ足りない。稲荷は脱出方法がない。」
「…たしかに。」
ビューっと飛んで行くが、自分の力というより、銀次さんの服の力で飛んでいる感じだ。
後ろを向く。
向かなきゃ良かった。
さっきまでいた諏訪城がキノコ雲をあげて炎上し、兵士たちが逃げ惑っている。
しかし、そこを逃げたところでそこも爆発した。
地下道は、諏訪城の外まで続いてて、そこまで目一杯竹が詰めてあるから。
禿頭たちも燃えているのが分かった。
「ハハソ!…貴様……許さんぞ!」
言ってるだろうけど、聞く気になれなかった。
合流地と言われているのはあの処刑を止めた場所、広見寺であった。