(書いてて通じるのか、はたまた帰るまでの時間が間に合うのか、カジカの言いつけをどう守るのかすごく悩んでいます。)
お妙様が捕まった。
また、広見寺も取られたことは、フクロウ達にとってショックだった。
しかし、箱と、稲荷、日御碕、天神が前線に復帰した。
そして彼らは、寺の目と鼻の先にある大山祇神社と、広見寺の参道を塞ぐ形で、お妙様が柵を造り準備してあった関のようなところに布陣した。
近くに井戸がある良い立地だ。
しかし、仏教も仏教で新たな建物を広見寺の前に造った。
その建物を大山祇神社から、日御碕、関から天神が出撃し、叩いているが、武装した四天王の見事な連携プレーでなかなか攻略が出来ず、1日が経過してしまった。
大山祇神社
「このままでは、お妙様の命が危険です。坑道を掘っていますが、掘り進めるのをやめて、そこから地上に出て、広見寺まで一気に走りましょう!」
フクロウ達はそう進言している。
「このまま防戦一方なら、柵の外に出して、特攻させてくれ!」
と言う者もいる。
「たしかにあなたたちの焦りは分かる。ただ、みなさんが死んでお妙様が生き残った方が彼女は悲しみます。」
天神が収める。
「では、どうすれば…坑道の完成を待てと?あの四天王…武装した男たちは空から攻撃できます。坑道を掘ってどうにかなるもんでもないかもしれません。」
「うん…それはもっともだが…」
「箱もあるのですから!」
「…あの箱は、神の力を入れて、それを放出することで力を出すが、………まぁ、はっきり言うしかないな。『普通の人間』が神の力を使おうとすると、初日のあの男のように自分が自分でなくなってしまうんだ。」
「えっ!…」
「そして、君たちは普通の人間だ。その動物の力は神の力でなくて、君たちの才能だ。」
「………。」
「そうなったら我々が力を使って君たちと奇襲しかあるまい…」
「………。」
「しかし、その奇襲には君たちの協力が必要だ。分かって欲しい。」
「………。」
「………。」
「………。」
「…しょうがない。みんな!派手にやってやろうじゃないか!」
「「「おー!」」」
「手伝える者は坑道に向かえ!」
「武器の支度もしないと!」
「兵糧や水も集めないと…」
こうなるとフクロウは早い。
あっと言う間に散って、準備を始めた。
「…やれやれ。頭も良いが聞き分けもいい。これらをまとめ上げるお妙様はすごい技術の持ち主だ。」
「天神がいなかったら危ないところだった。」
「ところで、お妙様がどこにいるのか、検討はついているのですか?」
「いや…はっきりとは…」
「稲荷様!」
一人のフクロウが戻ってきた。
「どうした!?」
「坑道で戦闘です。」
「なに?」
坑道
「なんでお前らがここにいるんだ!」
「それはこっちのセリフだ!」
狭い坑道で刀を振れる広場もないので殴り合いになっている。
稲荷が坑道の後ろを大急ぎで進むが、たくさんのフクロウ達に邪魔されうまく進めない。
「なんで戦いに?」
「いきなり現れたらしいのです。」
「いきなり…(その男も神の力が使えてその力を使ったのか。)」
「今戦ってるのは…グワっ!」
坑道がぐらぐら揺れる。
「なんだ!」
「落ち着け!地震だ!」
「…落ちたぞ!落盤だ!」
「落盤!?…どこだ?」
「前の方です。数名取り残されました!」
「急いで掘れ!それと、補強だ!」
「はい!」
「えらいことになったぞ!」
「フクロウは早く掘れ!」
しだいにガリガリガリガリという音が聞こえてきた。
すると、ボコッと穴が空いた。
「あっ!取り残されたのがいた。」
「俺たちは大丈夫だ!」
「やった!みんな無事です。」
「「よっしゃー!」」
「しかし、あの仏教を逃してしまいました…」
「まぁ、仕方ない。殺されなかっただけよかった。すぐ撤退しよう。」
「進めないのですか?」
「…仏教にバレてしまった。少し作戦を変えなければならない。」
「…承知しました。撤退しましょう。」
「しかし、仏教も焦ったはずだ。早急にお妙様を救出しよう!」
「「「「「おー!」」」」
ちょうどその真上
「なにか遠くで誰か「おー!」って叫んだような…」
「気にするな。そのうち、持国天が戻ってくるだろう。」
広見寺の参道にある急拵えのお堂に二人の武装した男が立っている。
なんと、多聞天と広目天であった。
もっと言う。
銀次さんの処刑の時殺された二人は完璧に木製であったが、口の周りは人間。手や足は人間。すなわち、木製の甲冑を着ているような風貌である。
すると、もう一人土から出てきた。
先程の持国天である。
「どうでした?」
「チッ…あの畜生ども、地下に坑道を掘ってやがった。」
「なに?ということは、奇襲をかけようとしてたのか?」
「坑道を壊すには壊したが、完全には破壊してない。下手に暴れるとここを壊す可能性があったからな。」
「そ、そうだな。」
「で、どうだい?お姫様の様子は?」
「…まだ確認はしてないが、大騒ぎだせ。」
後ろを多聞天と広目天が指さす。
「見るかい?」
「…見て大丈夫かい?」
「大丈夫だと思うよ。」
恐る恐る、格子から覗いた。
「…おぉ……。」
「なんと……。」
「……ゴクン………。」
中には刀の禿、弓の禿が向こうに背中を向けている。
こちらを見ているのは、観音様ではない。
十字いや、T字架に縛り付けられているお妙様だった。
座らされ、二人を睨みつけている。
それが、それがとても神々しく、三人は思わずため息を吐いてしまった。
「美しい…」
「あぁ…」
「二人はなにも出来てないのか?」
「いや、いや、拷問をやろうとしたがものすごい緊張感を出して近づけさせないらしい。」
「あっ!」
弓の禿が外に出てきた。
「三人とも見てたのか。」
「申し。」
「訳。」
「ございません。」
「無茶しなくていい。」
「で、」
「なにか、」
「分かりましたか?」
「あぁ。あれは人間ではない。しかし、神でもない。」
「それは?」
「どういう?」
「ことですか?」
「…彼女は、おそらく半神。神の力を持ちつつ、人間臭さがある。あまり大きな声で言えないが、色々直診採血を行ったからほぼ確定だと思う。」
「では、」
「彼女を、」
「どうするのですか?」
「おーい!」
空から、武装した増長天が箱を持って降りてきた。
「おー。助かったぞ。」
弓の禿げはその箱を受け取った。
「その、」
「箱、」
「は?」
「ついてこい。」
そう言いながら、弓の禿げは扉を開けて四人に見えるようにした。
「箱を使い…」
刀の禿げが受け取った箱を開ける。
すると、紫の霧がお妙を包み込む。
「ウッ…」
「無駄だ。女。貴様がいくら神の力を使っても、強化されたこの霧はどこかに吸収され弱くはならないし、」
刀の禿げがもう一つ箱を開ける。
「これが君から、人間の良心を奪う。」
虹色がお妙を取り巻く。
「グゥ…」
なにか吐き出しそうだ。
「ズズゥ…」
鼻からなにか出そうなのか鼻もすすっている。
「早く人の心を吐き出し、神の力を体に取り込め!」
「ふぅ……(ハハソくん…)」
「なかなかしぶといぞ。」
「大丈夫だ。これはこの力が三日三晩は持つんだ。」
「四天王!」
「「「「はい。」」」」
「君たち二人交代で見張れ。我々も見張る。」
「はい。」
「承知。」
「いたし。」
「ました。」
「グゥ…」
痛さも、辛さも、酸っぱさも、苦さもない。ただただ辛、つらいお妙の戦いが始まった。
始まってしまった。
日が暮れる。
あと、5日。