鎮守の森~元祖異世界時代劇~   作:仲村大輝

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食事シーンと家族の説明です。
ハウルの動く城なみに変わった家族です。



『手打ち』『半殺し』『取って投げ』

グラグラグラグラと、鍋が沸いている。

「だいぶ煮立った。そろそろいいんじゃないか?カジカ姉さん。」

「そうだね。銅三、じゃあ、みんなに取り分けるよー。」

「ハハソ。恨むなよ。」

「…話が新しくなってから、さも僕を食べてるかのような演出なんですけど…カジカさん…」

「ごめんね〜。『ハンゴロシ』ってのは、ぼた餅やおはぎのことで、『手打ち』はうどんのことだったんだよー。ちなみに、すいとんとかひっつみは、『とってなげ』っていうらしいんだー。大滝からやってきた人に聞いたんだ〜。」

「人の生き死にに関わることを平気で言うもんだから、それは焦りますよね。」

「…銅三さんは、毎日お姉さんをあのように移動させているのですか?」

「早いうちにみんな集まってもらえると早く食べられるから、腹が減ってるとやります。」

「…そういえば、神棚の下が銀次さんとして、空いた膳がありますが…」

昔の家なので、銅三は庭に座っているが、台所に近いところにカジカ、ヤマメ姉妹、銅三と向かい合うように神棚があり、そこには家長である銀次さんが座っている。銀次さんから見ると、向かいに銅三さん。左手にカジカ、ヤマメ姉妹。右にお母様。僕は銀次さんの左側に座っている。

ただ、今日は銀次さんがまだ帰ってこないので、一膳空いているのは分かるが、右手の席も一膳空いている。

「…カジカさん。お母様の隣の席は誰でしょう?」

「あそこはぁ〜お義姉さまの席ですよぉ〜。」

「おねえさまはどこに?」

「もう食べてますよぉ〜。」

「ん?」

「…あぁ!分かりづらいですよねぇ〜じゃあ、お義姉さん。銅三の鮎が焼けましたからどうぞぉ〜。」

と、カジカさんが串に刺した焼き鮎を膳の前に出した。

すると、カジカさんの手を離れた串が空中に浮いた。

「えっ!?」

すると、頭の上の部分からみるみるとなくなっていき、骨だけになった。

「はぁ…」

「ほらねぇ〜いらっしゃるでしょう〜お義姉さんは、透明なの〜。」

膳で死角になっているところから、小さな鈴が、すっと、腰あたりまで浮かんできた。

「あれで意思疎通を取るんです。お義姉さま。お食事場これだけで大丈夫ですか?」

『チリン』と一回鳴った。

「良いそうです。」ヤマメさんが説明してくれた。

鈴は、スッと庭に出て行った。

「…おねえさんはどこへ?」

「お義姉さんはハナレに住んでいるんです。」

「ハナレに?…なぜですか?」

「お義姉さんは可愛そうな方で、金一兄さんが亡くなって、実家にお戻りになったのですが、実家で無視されるというイジメに会い、だんだん見えなくなって、銀次兄さんがお連れになったんです。」

ここで銀次さんたちのお母さんが初めてしゃべった。

ちなみにお母さんの身長は160センチぐらいだが、銅三のお母さんでもある。

「…今、銅三のお母さん?と思ったでしょ?」

「えっ!…まぁ、思いました。」

「ふふふ。本当に私がお母さんですし、銀次やカジカ、ヤマメの父と同じ人ですよ。ちなみに、銅三は見た目で変わっていますが、みんな違うんですよ。」

「そ…」

「それは、後からわかって来ますよ。ただ、みんな…お義姉さんも含めてみんな優しくて、芯のある良い人たちですから、ハハソさんも安心してくださいね。」

「あ…ありがとうございます。」

「そういえば、ハハソさんは、どんなところからおいでになったのですか?」

「えっと…」

 

数刻前の、銀次さんと妙見塚を見に行く道中。

 

「君をしばらく家に置いて、君は自分の世界に戻ることを模索するのに協力を私はするが、君がどこから来たのか分からないというのは、家族に説明が出来ない…」

「…銀次さん、正直に言うというのはどうでしょう?銀次さんは私のことを信じてくれるじゃないですか?」

「…こう言ってはなんだが、母さんや妹たちは交流関係が広くてな。あっという間に広がって、気を使ったり、逆に君の足を引っ張ったり、帰る調査どころではなくなるだろう。」

「では…」

 

夕食時

 

「…少しまだ、記憶が曖昧な部分があるのですが、限りなく、限りなく秩父に似ているのです。ただ、…(武甲山ではなく、『妙見山』と呼ばれているのは教わった。)妙見山がもっと低く、家がたくさんあるんです。」

「ほぅ!それは面白い!是非もっと教えてください!そこの人たちはどんな遊びをするのですか?」

「は、はい。えっと…絵や言いたいことを世の中に広く伝えることが出来る装置があり、名言や素晴らしい絵、面白い出来事を共有しています。」

「ほう!それはどのように?」

「えっと…なんて言えば…あっ!…日記ってつけてますか?」

「日記は…銀次兄さんはつけているが、オラに合う紙がなくて…」

「その日記は、自分が書くだけでなく、他の人が書いた日記や絵などが見ることが出来るのです。」

「それは凄い!」

「その人たちはどんなものを食べてるのですか?」

ヤマメさんが聞く。

「はい。…えっと、それこそ、うどんや牡丹餅、すいとんはあります。ただ、『とってなげ』『はんごろし』『てうち』とは呼ばれてません。」

「へぇ。呼び方が違うの!珍しい食べ物は?」

「うんと…コンニャクではありませんが、それに似たのを甘くしたようなものと、牛の乳をいっぺんに飲むというのがそれこそ、ヤマメさんぐらいの女性に流行っていました。牛の乳も白ではなく、ヤマメさんやカジカさんの服のような鮮やかな色に着色されていましたため、目でも楽しめるし、さっき言った日記でも評判でした。」

「それは一度飲んでみたいわ。」

「どんなお仕事があるのぉ?」

「カジカさん。…えっと、なにか…そうだ!」

スッと立った。

「まず、こういう立った人の絵を描きます。」

次にしゃがむ。

「次にしゃがんだ人を描きます。それと、しゃがむまでの動作の絵を描きます。そして、その紙を重ねて、本をパラパラとめくるように見ると、紙に書いてある人が動いて見えるのですが、もっと複雑に動く描写を人々に見せるという仕事があります。」

「へぇ〜。私もやってみようかなぁ〜。」

と言った具合に、食事から、食後の談話まで和やかに進んだ。




まあ、どんなことが流行っているのを説明しているかわかりますね。
タピオカとアニメとSNSです。
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